PRIMAVERA ITALIANA イタリアの春・2007&パルマ展リーフレットhttp://primavera-italiana.net/
2001年の「日本におけるイタリア年」、2005年の「東京ドームイタリアンフェスティバル」、「愛知万博イタリアパビリオン」に続き、2007年春、「PRIMAVERA ITALIANA イタリアの春・2007」が開催されている。期間中、全国各地にて、グルメ、テクノロジー、カルチャー、トラベルなど、今のイタリアを実感できる魅力的なイベントが多数予定されている。文化としては、レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」が初来日。オペラ、イタリア映画祭など、見逃せない美の競演ばかりです。とのこと。
さて、そのなかで、「4大展覧会:その紹介と研究」という講演会(4/21、5/19、6/17、6/23、7/21[場所]イタリア文化会館 東京)
があるらしいが、4大展覧会とは何でしょうか?
特別展 「レオナルド・ダ・ヴィンチ ― 天才の実像」[日時]3/20~6/17[場所]東京国立博物館
甘美なる聖母の画家 ペルジーノ展 [日時]4/21~7/1 [場所]損保ジャパン東郷青児美術館
パルマ ― イタリア美術、もう一つの都 [日時]5/29~8/26[場所]国立西洋美術館
モディリアーニと妻ジャンヌの物語展 ― 運命のアーティスト・カップル ―[日時]4/7~6/3[場所]Bunkamuraザ・ミュージアム
ヴェネツィア絵画のきらめき ― 栄光のルネサンスから華麗なる18 世紀へ ―[日時]9/2~10/21 [場所]Bunkamuraザ・ミュージアム
あたりが、候補かと思いますが、4月の講演会という開催時期からするとはじめの4つ?
「パルマ-イタリア美術、もう一つ都」展
2007年5月29日から8月26日
国立西洋美術館
3月10日に国立西洋美術館で購入してきた前売り宣伝パンフレット。300円。
Prama
Grazia e affetti, natura e artificio. Protagonisti dell'arte da Correggio a Lanfranco
300円。
この展覧会は、パルメザンチーズの街、そして音楽ファンの人にはヴェルディの街、パルマの黄金時代の絵画を振り返るものです。パンフレットによれば、まず大きな字でイントロ。
「パルマ派」-イタリア美術史上の流派として、「フィレンツェ派」「ヴェネツィア派」「ローマ派」の存在と同列に「パルマ派」の存在を語ることは現在ではありません。しかしながら18世紀まではこの「パルマ派」の存在は事実として認められており、かつてイタリア美術史上きわめて重要な役割を果たしていたのです。。。。。。。
でも、なぜ「パルマ派」は何故、わすれられてしまったか。この辺の事情をパルマ・ピアチェンツァ歴史美術民族文化財監督局長官ルチア・フォルナーリ・スキアンキ氏が「優美と情緒、自然と技 パルマ美術の主役たち コレッジョからランフランコまで -1500年から1600年 パルマ派絵画の黄金時代 -」と題して解説しています。かいつまむと
パルマは16世紀はじめ、スフォルツァ家の支配するミラノとボローニャの間に位置する田舎町だった。ルネサンスの文化はパルマにも及び少しずつパルマの地元の芸術文化を育んでいた。1520年ごろになると突如地元の画壇にコレッジョとパルミジャニーノが登場。二人の制作したフレスコ画、祭壇画、私邸の装飾が聖堂、宮殿、私邸にあふれるようになる。イタリア全土からも注文が。コレッジョは、イタリア美術史上、絵画に初めて人間の情熱を甘美な官能性と融合、パルミジャニーノは上品な美しさを、洗練された知的な優美さを追及。ミケランジェロ・アルセルミ、ジョルジョ・ガンディーニ・デル・グラーノ、ジローモ・ペドリらが若い芸術家に取り囲まれる。ニッコロ・デッラ・バーデ、ジローモ・ミロラ、ヤコポ・ペルトーヤがさらに次の世代の画家として育つ。
パルマは、1545年、新たな領主ファルネーゼ家出身の教皇パウルスIII世が自分の息子ピエル・ルイージにパルマ・ピアチェンツァ公爵として称号を授与して以来、高貴な宮廷の居城になる。ファルネーゼ家の時代は、激動の中、18世紀はじめまで支配は続き、パルマに芸術的栄光をもたらした。ラヌッチョⅠ世(16世紀末から17世紀はじめ)は、「ファルネーゼ劇場」を建設、その装飾のためボローニャから三人のカラッチ、すなわちルドヴィーゴ、アゴスィーノ、アンニーバレが招聘される。宮廷では、バルトロメオ・スケドーニが頭角をあらわし、ジョヴァンニ・ランフランコはピアチェンツァの聖堂に傑作を残す。
1545年以来1731年まで10代続いたファルネーゼ家は、特に二代オッターヴィオ、三代アレッサンドロ、四代ラヌッチョI世の時代にかけて、イタリアでも有数の美術品コレクションを形成した。グエルチーノ《ゴリアテの首を持つダヴィデ》(国立パルマ美術館)もそのひとつ。
18世紀に継承問題からパルマがスペイン・ブルボン家の手に渡る。スペイン王フェリペ5世は、息子カルロス(後のスペイン王カルロス3世)をパルマ公として送り込むが、1734年にカルロスがナポリ公になると、カルロスはナポリに居城を移す際に、ピアチェンツァのパラッツォ・ファルネーゼ(現在のピアチェンツァ市立博物館)、ピロッタ宮殿などの美術品、図書コレクションを根こそぎナポリに持ち出し、カーポディモンテ美術館を造らせた。パルマの人々はどれほど悲嘆したことか。パルマの偉大な歴史家イレネオ・アッフォは、パルマの美術ガイド「広場の奉仕者」(1794年)のなかで、会話形式で「今でもファルネーゼ図書館はありますか」「いいえ、パルマにはありません。すべてナポリにうつされてしまいました」、率直だが悔しさを滲みだして、書いている。
さらにドン・フィリッポの治世1767年には、フランス人建築家プティトにより、ジローモ・ミロラ、ヤコポ・ペルトーヤの庭園宮殿の装飾壁画も塗りこめらる。さらに1796-1799年のナポレオンのイタリア侵攻では、ナポリとパルマも例外ではなく、さらにファルネーゼ家のコレクションを散逸してしまう。パルマ市内の聖堂にあったコレッジョの名作は持ち出され、1816年に嘆願により一部返却されたものの、現在ルーブル美術館にある。さらに第二次世界大戦で連合軍の爆撃によりにより「ファルネーゼ劇場」は破壊された。
つまり、教皇パウルスIII世とその息子パルマ・ピアチェンツァ公爵ピエル・ルイージに始まるファルネーゼ家の黄金時代は、16世紀から18世紀。パルマ・ピアチェンツァの街は、コレッジョとパルミジャニーノ、カラッチの作品や美術コレクションで街を装飾される。しかし歴史に翻弄され、多くの美術品は持ち出される。スペインのカルロス三世により、ナポリのカーポディモンテ美術館へ、ナポレオンに侵攻でコレッジョの作品は現在ルーブル美術館にある。そして、第二次世界大戦の連合軍により「ファルネーゼ劇場」は灰に帰してしまう。
展示構成と主な絵画は、
Ⅰ「1500年代初期のパルマ:パルマに招聘された地方の芸術家たちと地元の反応」
2.クリストファーロ・カセッリ(1460ca.-1520)《トゥールーズの聖ルイ》パルマ信用金庫財団
3.チーマ・ダ・コネリアーノ(1459ca.-1517ca.)《眠れるエンディミオン》パルマ国立美術館
Ⅱ「コレッジョとパルミジャニーノの季節」
4.パルミジャニーノ(本名フラチェスコ・マッツォーラ)(1503-1540)《ルクレティア》ナポリ、カーポディモンテ国立美術館
5.コレッジョ(本名アントニオ・アッレーグリ)(1489-1534)《キリスト哀悼》パルマ国立美術館
14. コレッジョ《幼児キリストを礼拝する聖母》フィレンツェ・ウフィツィ美術館
1.ジョルジョ・ガンディーニ・デル・グラーノ《聖家族と聖エリザベート》パルマ国立美術館(多分このセクション)
Ⅲ「ファルネーゼ家の公爵たち」
6.ジローモ・マッツォーラ・ベドリ《アレッサンドロ・ファルネーゼを抱擁するパルマ》パルマ国立美術館
7.ジュリオ・カンピ《オッターヴィオ・ファルネーゼの肖像》ピアンチェンツァ、パラッツォ・ファルネーゼ市立博物館
8.アンドロ・サンチェス・コエーリョ《アレッサンドロ・ファルネーゼの肖像》パルマ国立博物館
Ⅳ「聖と俗の絵画:マニエリスムの勝利」
9.アレッサンドロ・マッツォーラ・ベドリ《聖家族》パルマ国立美術館
10.ジローモ・ミロラ《ウェネス》パルマ国立美術館
Ⅴ「バロックへ:カラッチ、スケドーニ、ラフランコ」
11.アンニーバレ・カラッチ《音楽家の肖像》ナポリ、ガーポディモンテ国立美術館
11.アンニーバレ・カラッチ(?)《コレッジョのフレスコ画に基づく聖母戴冠》パルマ国立美術館
12.バルトロメオ・スケドーニ《キリストの墓の前のマリアたち》パルマ国立美術館
13.シスト・バダロッキオ《守護天使》
Ⅵ「パルマ派を支えた画家たちの素描」
それらの絵がかなり大きめに掲載されているのですから、何と豪華な300円でしょうか。5月が楽しみです。
2007年度の展覧情報の追加です。
東京国立博物館 国宝室
国宝 鳥獣人物戯画巻 甲巻 平安時代 京都・高山寺蔵 2007/3/27~2007/4/22
国宝 白氏詩巻 藤原行成筆 平安時代 2007/4/24~2007/6/3
国宝 山水屏風 鎌倉時代・13世紀 京都・神護寺蔵 2007/6/5~2007/7/1
国宝 普賢菩薩像 平安時代・12世紀 2007/7/3~2007/7/29
国宝 和歌体十種 平安時代・11世紀 2007/7/31~2007/9/9
国宝 虚空蔵菩薩像 平安時代・12世紀 2007/9/11~2007/10/8
国宝 秋萩帖 伝小野道風筆 平安時代・11~12世紀 2007/10/10~2007/11/4
国宝 観楓図屏風 狩野秀頼筆 室町~安土桃山時代・16世紀 2007/11/6~2007/12/2
国宝 伝藤原光能像 鎌倉時代・13世紀 京都・神護寺蔵 2007/12/4~2007/12/27
国宝 松林図屏風 長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀 2008/1/2~2008/1/14
国宝 秋冬山水図 雪舟筆 室町時代・15世紀末~16世紀初 2008/1/16~2008/1/27
国宝 賢愚経断簡(大聖武) 伝聖武天皇筆 奈良時代・8世紀 2008/1/29~2008/2/24
国宝 善無畏像 平安時代・11世紀 兵庫・一乗寺蔵 2008/2/26~2008/3/23
国宝 花下遊楽図屏風 狩野長信筆 安土桃山時代・17世紀 2008/3/25~2008/4/20
山種美術館
桜さくらサクラ・2007 ―花ひらく春― 2007/3/10から4/15
開館40周年記念展 山種コレクション名品選 前期2007/4/21から6/3, 後期 2007/6/6から7/16
夏休み特別展 子供のいる情景 7/21から/2
没後50年 川合玉堂とゆかりの画家たち 9/8から11/4
秋の彩り -小林古径・福田平八郎・山口蓬春・東山魁夷・安井曽太郎など- 11/10から12/24
東京都庭園美術館
モダン日本の里帰り 大正シック ホノルル美術館所蔵品より 4/14から7/1
舞台芸術の世界 ―ディアギレフのロシアバレエと舞台デザイン 7/26から9/17
戸栗美術館
開館20周年記念 戸栗美術館名品展I -古伊万里・江戸時代の技と美- 2007/4/1~6/24
開館20周年記念 戸栗美術館名品展Ⅱ -中国・朝鮮陶磁- 2007/7/1~9/24
開館20周年記念特別展 からくさ -中島誠之助コレクション- 2007/10/2~12/24
開館20周年記念特別展 鍋島 -至宝の磁器・創出された美- 2008/1/5~3/23
太田記念美術館
館蔵名品展 2007/4/1から4/20
特別展 ヴィクトリア アンド アルバート美術館 所蔵初公開浮世絵名品展 前期 2007/5/1から5/27, 後期6/1から6/26
親子で見る浮世絵通史第一回 浮世絵はどのようにして生まれたか 2007/7/1~26
AYAKASHI 江戸の怪し -浮世絵の妖怪・幽霊・妖術師たち- 2007/8/1から26
浮世絵師たちのシニア・パワー 北斎・広重・三代豊国 還暦からの挑戦 2007/9/1から9/26
浮絵(仮題)2007/10/1~10/26
特別展 肉筆広重展 初代から四代まで 前期2007/11/1から11/25 後期2007/12/1から12/16
浮世絵新春風景 2008/1/3から1/26
浮世絵の夜景 2008/2/1から2/26
長瀬コレクション 北斎展 2008/3/1から3/26; 長瀬武郎氏より寄贈されたコレクションの中から
大倉集古館
狩野派誕生 栃木県立博物館コレクション 2007/4/1~5/27
館蔵品展 江戸の粋 2007/6/2~7/27
畠山記念館
春季展 琳 派―四季の“きょうえん” 2007/4/3から6/10 会期中展示替有り
夏季展 染付・呉須・祥瑞―青と白のやきもの 2007/8/14から9/17
秋季展 茶の湯の美―利休から宗旦へ 2007/10/2から12/9
冬季展 花によせる日本の心―梅・椿・桜を中心に 2007/1/10から3/12
損保ジャパン東郷青児美術館
甘美なる聖母の画家 ペルジーノ展 ~ラファエロが師と仰いだ神のごとき人~ 2007/4/21~7/1
解き放たれたイメージ サーカス展 2007/7/14~9/2
ベルト・モリゾ展 2007/9/15~11/25(Takさん情報)
横浜美術館
水の情景-モネ、大観から現代まで」展 2007/4/21から7/1
シュルレアリスムと美術-イメージとリアリティーをめぐって 展 2007/9/29から12/9
千葉市美術館
鳥居清長 -江戸のヴィーナス誕生- 2007/4/28~6/10
シャガール展 6/16~7/29
都市のフランス 自然のイギリス ~18・19世紀絵画と挿絵本の世界~ 8/7~9/17
神奈川県立近代美術館
コレクション全館展示 葉山館開館5周年記念 百花繚乱の絵画 葉山館、鎌倉館、鎌倉別館同時開催 2008/3/29~5/28
相国寺承天閣美術館
若冲展 2007/5/13から6/3
2001年の「日本におけるイタリア年」、2005年の「東京ドームイタリアンフェスティバル」、「愛知万博イタリアパビリオン」に続き、2007年春、「PRIMAVERA ITALIANA イタリアの春・2007」が開催されている。期間中、全国各地にて、グルメ、テクノロジー、カルチャー、トラベルなど、今のイタリアを実感できる魅力的なイベントが多数予定されている。文化としては、レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」が初来日。オペラ、イタリア映画祭など、見逃せない美の競演ばかりです。とのこと。
さて、そのなかで、「4大展覧会:その紹介と研究」という講演会(4/21、5/19、6/17、6/23、7/21[場所]イタリア文化会館 東京)
があるらしいが、4大展覧会とは何でしょうか?
あたりが、候補かと思いますが、4月の講演会という開催時期からするとはじめの4つ?
「パルマ-イタリア美術、もう一つ都」展
2007年5月29日から8月26日
国立西洋美術館
3月10日に国立西洋美術館で購入してきた前売り宣伝パンフレット。300円。
Prama
Grazia e affetti, natura e artificio. Protagonisti dell'arte da Correggio a Lanfranco
300円。
この展覧会は、パルメザンチーズの街、そして音楽ファンの人にはヴェルディの街、パルマの黄金時代の絵画を振り返るものです。パンフレットによれば、まず大きな字でイントロ。
「パルマ派」-イタリア美術史上の流派として、「フィレンツェ派」「ヴェネツィア派」「ローマ派」の存在と同列に「パルマ派」の存在を語ることは現在ではありません。しかしながら18世紀まではこの「パルマ派」の存在は事実として認められており、かつてイタリア美術史上きわめて重要な役割を果たしていたのです。。。。。。。
でも、なぜ「パルマ派」は何故、わすれられてしまったか。この辺の事情をパルマ・ピアチェンツァ歴史美術民族文化財監督局長官ルチア・フォルナーリ・スキアンキ氏が「優美と情緒、自然と技 パルマ美術の主役たち コレッジョからランフランコまで -1500年から1600年 パルマ派絵画の黄金時代 -」と題して解説しています。かいつまむと
パルマは16世紀はじめ、スフォルツァ家の支配するミラノとボローニャの間に位置する田舎町だった。ルネサンスの文化はパルマにも及び少しずつパルマの地元の芸術文化を育んでいた。1520年ごろになると突如地元の画壇にコレッジョとパルミジャニーノが登場。二人の制作したフレスコ画、祭壇画、私邸の装飾が聖堂、宮殿、私邸にあふれるようになる。イタリア全土からも注文が。コレッジョは、イタリア美術史上、絵画に初めて人間の情熱を甘美な官能性と融合、パルミジャニーノは上品な美しさを、洗練された知的な優美さを追及。ミケランジェロ・アルセルミ、ジョルジョ・ガンディーニ・デル・グラーノ、ジローモ・ペドリらが若い芸術家に取り囲まれる。ニッコロ・デッラ・バーデ、ジローモ・ミロラ、ヤコポ・ペルトーヤがさらに次の世代の画家として育つ。
パルマは、1545年、新たな領主ファルネーゼ家出身の教皇パウルスIII世が自分の息子ピエル・ルイージにパルマ・ピアチェンツァ公爵として称号を授与して以来、高貴な宮廷の居城になる。ファルネーゼ家の時代は、激動の中、18世紀はじめまで支配は続き、パルマに芸術的栄光をもたらした。ラヌッチョⅠ世(16世紀末から17世紀はじめ)は、「ファルネーゼ劇場」を建設、その装飾のためボローニャから三人のカラッチ、すなわちルドヴィーゴ、アゴスィーノ、アンニーバレが招聘される。宮廷では、バルトロメオ・スケドーニが頭角をあらわし、ジョヴァンニ・ランフランコはピアチェンツァの聖堂に傑作を残す。
1545年以来1731年まで10代続いたファルネーゼ家は、特に二代オッターヴィオ、三代アレッサンドロ、四代ラヌッチョI世の時代にかけて、イタリアでも有数の美術品コレクションを形成した。グエルチーノ《ゴリアテの首を持つダヴィデ》(国立パルマ美術館)もそのひとつ。
18世紀に継承問題からパルマがスペイン・ブルボン家の手に渡る。スペイン王フェリペ5世は、息子カルロス(後のスペイン王カルロス3世)をパルマ公として送り込むが、1734年にカルロスがナポリ公になると、カルロスはナポリに居城を移す際に、ピアチェンツァのパラッツォ・ファルネーゼ(現在のピアチェンツァ市立博物館)、ピロッタ宮殿などの美術品、図書コレクションを根こそぎナポリに持ち出し、カーポディモンテ美術館を造らせた。パルマの人々はどれほど悲嘆したことか。パルマの偉大な歴史家イレネオ・アッフォは、パルマの美術ガイド「広場の奉仕者」(1794年)のなかで、会話形式で「今でもファルネーゼ図書館はありますか」「いいえ、パルマにはありません。すべてナポリにうつされてしまいました」、率直だが悔しさを滲みだして、書いている。
さらにドン・フィリッポの治世1767年には、フランス人建築家プティトにより、ジローモ・ミロラ、ヤコポ・ペルトーヤの庭園宮殿の装飾壁画も塗りこめらる。さらに1796-1799年のナポレオンのイタリア侵攻では、ナポリとパルマも例外ではなく、さらにファルネーゼ家のコレクションを散逸してしまう。パルマ市内の聖堂にあったコレッジョの名作は持ち出され、1816年に嘆願により一部返却されたものの、現在ルーブル美術館にある。さらに第二次世界大戦で連合軍の爆撃によりにより「ファルネーゼ劇場」は破壊された。
つまり、教皇パウルスIII世とその息子パルマ・ピアチェンツァ公爵ピエル・ルイージに始まるファルネーゼ家の黄金時代は、16世紀から18世紀。パルマ・ピアチェンツァの街は、コレッジョとパルミジャニーノ、カラッチの作品や美術コレクションで街を装飾される。しかし歴史に翻弄され、多くの美術品は持ち出される。スペインのカルロス三世により、ナポリのカーポディモンテ美術館へ、ナポレオンに侵攻でコレッジョの作品は現在ルーブル美術館にある。そして、第二次世界大戦の連合軍により「ファルネーゼ劇場」は灰に帰してしまう。
展示構成と主な絵画は、
Ⅰ「1500年代初期のパルマ:パルマに招聘された地方の芸術家たちと地元の反応」
2.クリストファーロ・カセッリ(1460ca.-1520)《トゥールーズの聖ルイ》パルマ信用金庫財団
3.チーマ・ダ・コネリアーノ(1459ca.-1517ca.)《眠れるエンディミオン》パルマ国立美術館
Ⅱ「コレッジョとパルミジャニーノの季節」
4.パルミジャニーノ(本名フラチェスコ・マッツォーラ)(1503-1540)《ルクレティア》ナポリ、カーポディモンテ国立美術館
5.コレッジョ(本名アントニオ・アッレーグリ)(1489-1534)《キリスト哀悼》パルマ国立美術館
14. コレッジョ《幼児キリストを礼拝する聖母》フィレンツェ・ウフィツィ美術館
1.ジョルジョ・ガンディーニ・デル・グラーノ《聖家族と聖エリザベート》パルマ国立美術館(多分このセクション)
Ⅲ「ファルネーゼ家の公爵たち」
6.ジローモ・マッツォーラ・ベドリ《アレッサンドロ・ファルネーゼを抱擁するパルマ》パルマ国立美術館
7.ジュリオ・カンピ《オッターヴィオ・ファルネーゼの肖像》ピアンチェンツァ、パラッツォ・ファルネーゼ市立博物館
8.アンドロ・サンチェス・コエーリョ《アレッサンドロ・ファルネーゼの肖像》パルマ国立博物館
Ⅳ「聖と俗の絵画:マニエリスムの勝利」
9.アレッサンドロ・マッツォーラ・ベドリ《聖家族》パルマ国立美術館
10.ジローモ・ミロラ《ウェネス》パルマ国立美術館
Ⅴ「バロックへ:カラッチ、スケドーニ、ラフランコ」
11.アンニーバレ・カラッチ《音楽家の肖像》ナポリ、ガーポディモンテ国立美術館
11.アンニーバレ・カラッチ(?)《コレッジョのフレスコ画に基づく聖母戴冠》パルマ国立美術館
12.バルトロメオ・スケドーニ《キリストの墓の前のマリアたち》パルマ国立美術館
13.シスト・バダロッキオ《守護天使》
Ⅵ「パルマ派を支えた画家たちの素描」
それらの絵がかなり大きめに掲載されているのですから、何と豪華な300円でしょうか。5月が楽しみです。
2007年度の展覧情報の追加です。
東京国立博物館 国宝室
国宝 鳥獣人物戯画巻 甲巻 平安時代 京都・高山寺蔵 2007/3/27~2007/4/22
国宝 白氏詩巻 藤原行成筆 平安時代 2007/4/24~2007/6/3
国宝 山水屏風 鎌倉時代・13世紀 京都・神護寺蔵 2007/6/5~2007/7/1
国宝 普賢菩薩像 平安時代・12世紀 2007/7/3~2007/7/29
国宝 和歌体十種 平安時代・11世紀 2007/7/31~2007/9/9
国宝 虚空蔵菩薩像 平安時代・12世紀 2007/9/11~2007/10/8
国宝 秋萩帖 伝小野道風筆 平安時代・11~12世紀 2007/10/10~2007/11/4
国宝 観楓図屏風 狩野秀頼筆 室町~安土桃山時代・16世紀 2007/11/6~2007/12/2
国宝 伝藤原光能像 鎌倉時代・13世紀 京都・神護寺蔵 2007/12/4~2007/12/27
国宝 松林図屏風 長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀 2008/1/2~2008/1/14
国宝 秋冬山水図 雪舟筆 室町時代・15世紀末~16世紀初 2008/1/16~2008/1/27
国宝 賢愚経断簡(大聖武) 伝聖武天皇筆 奈良時代・8世紀 2008/1/29~2008/2/24
国宝 善無畏像 平安時代・11世紀 兵庫・一乗寺蔵 2008/2/26~2008/3/23
国宝 花下遊楽図屏風 狩野長信筆 安土桃山時代・17世紀 2008/3/25~2008/4/20
山種美術館
桜さくらサクラ・2007 ―花ひらく春― 2007/3/10から4/15
開館40周年記念展 山種コレクション名品選 前期2007/4/21から6/3, 後期 2007/6/6から7/16
夏休み特別展 子供のいる情景 7/21から/2
没後50年 川合玉堂とゆかりの画家たち 9/8から11/4
秋の彩り -小林古径・福田平八郎・山口蓬春・東山魁夷・安井曽太郎など- 11/10から12/24
東京都庭園美術館
モダン日本の里帰り 大正シック ホノルル美術館所蔵品より 4/14から7/1
舞台芸術の世界 ―ディアギレフのロシアバレエと舞台デザイン 7/26から9/17
戸栗美術館
開館20周年記念 戸栗美術館名品展I -古伊万里・江戸時代の技と美- 2007/4/1~6/24
開館20周年記念 戸栗美術館名品展Ⅱ -中国・朝鮮陶磁- 2007/7/1~9/24
開館20周年記念特別展 からくさ -中島誠之助コレクション- 2007/10/2~12/24
開館20周年記念特別展 鍋島 -至宝の磁器・創出された美- 2008/1/5~3/23
太田記念美術館
館蔵名品展 2007/4/1から4/20
特別展 ヴィクトリア アンド アルバート美術館 所蔵初公開浮世絵名品展 前期 2007/5/1から5/27, 後期6/1から6/26
親子で見る浮世絵通史第一回 浮世絵はどのようにして生まれたか 2007/7/1~26
AYAKASHI 江戸の怪し -浮世絵の妖怪・幽霊・妖術師たち- 2007/8/1から26
浮世絵師たちのシニア・パワー 北斎・広重・三代豊国 還暦からの挑戦 2007/9/1から9/26
浮絵(仮題)2007/10/1~10/26
特別展 肉筆広重展 初代から四代まで 前期2007/11/1から11/25 後期2007/12/1から12/16
浮世絵新春風景 2008/1/3から1/26
浮世絵の夜景 2008/2/1から2/26
長瀬コレクション 北斎展 2008/3/1から3/26; 長瀬武郎氏より寄贈されたコレクションの中から
大倉集古館
狩野派誕生 栃木県立博物館コレクション 2007/4/1~5/27
館蔵品展 江戸の粋 2007/6/2~7/27
畠山記念館
春季展 琳 派―四季の“きょうえん” 2007/4/3から6/10 会期中展示替有り
夏季展 染付・呉須・祥瑞―青と白のやきもの 2007/8/14から9/17
秋季展 茶の湯の美―利休から宗旦へ 2007/10/2から12/9
冬季展 花によせる日本の心―梅・椿・桜を中心に 2007/1/10から3/12
損保ジャパン東郷青児美術館
甘美なる聖母の画家 ペルジーノ展 ~ラファエロが師と仰いだ神のごとき人~ 2007/4/21~7/1
解き放たれたイメージ サーカス展 2007/7/14~9/2
ベルト・モリゾ展 2007/9/15~11/25(Takさん情報)
横浜美術館
水の情景-モネ、大観から現代まで」展 2007/4/21から7/1
シュルレアリスムと美術-イメージとリアリティーをめぐって 展 2007/9/29から12/9
千葉市美術館
鳥居清長 -江戸のヴィーナス誕生- 2007/4/28~6/10
シャガール展 6/16~7/29
都市のフランス 自然のイギリス ~18・19世紀絵画と挿絵本の世界~ 8/7~9/17
神奈川県立近代美術館
コレクション全館展示 葉山館開館5周年記念 百花繚乱の絵画 葉山館、鎌倉館、鎌倉別館同時開催 2008/3/29~5/28
相国寺承天閣美術館
若冲展 2007/5/13から6/3