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瀬木慎一の浮世絵談義 (単行本)
瀬木 慎一 (著)
いろいろ教えられるところがありました。参考になったところ、観賞していない作品などをメモとして記述します。
美人画とその文化的源流 小野小町
伝承:
仁明天皇(833-850)の時代に宮仕えし、采女あるいは更衣。
続日本後記 に小野吉子という名の更衣が記されており、小町自身か、姉の小野町(すなわち妹の小町)という推定が有力
仁寿年間に退職して幽居。
古今集仮名序(紀貫之): 「古の衣通姫の流れなり。あはれなるようにて、強からず。いはば、よき女の、なやめる所あるに似たり。強からぬは、女の歌なればなるべし。 」と評される。
絵画史:
歌仙絵で登場
佐竹本三十六歌仙絵巻:小野小町は後ろ向きに描かれる
正面ないし斜面にて描いた早期の作例
三十六歌仙絵巻 烏丸光広奥書(東京国立博物館)
岩佐又兵衛 三十六歌仙額 仙波東照宮
土佐光起 女房三十六歌仙図貼 三井文庫
小野小町装衰絵巻 鎌倉時代 十図一巻;六道絵
七小町
鸚鵡小町:「もとの身のありしすみかにあらねども此の玉だれの内やゆかしき」に返歌「もとの身のありしすみかにあらねども此の玉だれの内ぞゆかしき」「阿佛鈔」出典
雨乞小町:「千早ふる神もみまさば立ちさわぎ天のとがはの樋口あけ給へ」三十六人集所載
通小町 :暁のしぎの羽がきももはがき君が来ぬ夜は我ぞ数かく(古今761).
草子洗小町 :まかなくに何をたねとてうき草の浪のうねうねおひしげるらん
関寺小町:わびぬれば身をうきくさの根をたへてさそふ水あらばいなんとぞおもふ 伊勢物語愚見抄に基づく
卒都婆小町:謡曲の一節「たとひ朽木なるとも花咲きし木はかくれもなし、いわんや物体に刻める木、なそかしるしのなかるべき」「我も賤しき埋木なれども心の花のまだ有れば、手向にかあんどならざらん」
清水小町:「何をして身をいたづらに帯とけんたきのけしきはかはらぬものを」大和物語が出典
(なお、http://www.yc.ycc.u-tokai.ac.jp/2k/offtime/tsukui/komachi.htmとは若干異なる)
風流七小町という表題で描かれた浮世絵作品
鳥居清倍、鈴木春信、礒田湖龍斎、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川豊国、同国貞
尾形光琳 草子洗小町
高嵩谷 雨乞小町
上村松園 草子洗小町
松本楓湖 卒都婆小町
菊池契月 花野(卒都婆小町)
喜多川歌麿 天涯孤独の人気絵師
天明から寛政前期が絶頂期
婦人人相十品、婦人相学十躰、歌撰恋之部、姿見七人化粧、当時全盛似顔絵揃、青楼十二時、娘日時計、艶本歌まくら
自負:五人美人愛敬競 兵庫屋花妻、錦織歌麿新形模様
写楽
大童山土俵入(3枚続)なる相撲絵があるとのこと。姫路酒井家当主の忠正伯爵家から発見されたとのこと。
葛飾北斎
五美人図、舟まんじゅう について言及
石燕・北斎・国芳 妖怪絵の民族学
鳥山石燕
画図百鬼夜行(安永五年1776)、今昔続百鬼(同八年)、今昔百鬼拾遺(同十年)、画図百器徒然袋
絵画史における”馬”
絵馬
浅草浅草寺 国芳《一つ家》など5点
下目黒 成就院 鳥居清長《矢の根五郎》
石神井 長命寺 鳥居清長《双葉蝶》
王子権現 鳥居清長《達弓色引方》(焼失)
雑司ヶ谷鬼子母神 鳥山石燕《大森彦七》
小石川 簸川神社 鳥山石燕《樊噲排闥》
赤坂氷川神社 月岡芳年《ま組消防隊》
円山応挙 繋馬図 京都 小幡神社