徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

Edouard Manet @MET

2006-03-19 | 美術
渋谷で出会うポーラ美術館の印象派コレクション展にマネEdouard Manet(1832-1883)の《サマランカの学生たち》1860年が出展されていました。初期のスペイン風のマネを認識し、もうちょっと印象派について理解を深めるために、高階秀璽「フランス絵画史」,西岡文彦「二時間の印象派」を読みました。そして、マネの、特に初期の作品はメトロポリタン美術館に多く所蔵されていることを知りました。はじめてのサロン入選作《ギター弾き》、落選展の《闘牛士姿のV嬢》、《マホの衣装を着けた若い男》の2点などです。今回のメトロポリタン美術館では、そのマネをじっくりと鑑賞するために訪れたようなもので、ずいぶん楽しめました。

以下は、この2ヶ月で鑑賞したオルセー美術館とメトロポリタン美術館のマネの画像へのSRCリンクです。モデルの女性が判明しているのが興味深いところです。



The Spanish Singer, 1860, The Metropolitan Museum
the Salon of 1861






Mademoiselle V … in the Costume of an Espada, 1862, The Metropolitan Museum
the Salon des Refuses 1863






Young Man in the Costume of a Majo, 1863, The Metropolitan Museum
the Salon des Refuses 1863

The model is Victorine Meurent (1844-1928).





Luncheon on the Grass, 1863, Musee d'Orsay, Etienne Moreau Nelaton donation, 1906

the Salon des Refuses, 1863

The model is Victorine Meurent





The Dead Christ and the Angels, 1864, The Metropolitan Museum
Exhibited it in the Salon of 1864






Olympia, 1863, Musee d'Orsay
the Salon of 1865

The model is Victorine Meurent (1844-1928).





Young Lady in 1866, 1866, The Metropolitan Museum
the Salon of 1868






Le balcon (The Balcony), 1868-1869, Musee d'Orsay
the 1869 Salon,






Berthe Morisot au bouquet de violettes (Berthe Morisot With a Bouquet of Violets), 1872, Musee d'Orsay







The Monet Family in Their Garden at Argenteuil, 1874, The Metropolitan Museum

Monet, Madame Monet(Camille) , Jean Monet, and the rooster





Boating, 1874, The Metropolitan Museum
Shown in the Salon of 1879

Boating was painted in the summer of 1874, when Manet was working with Renoir and Monet at Argenteuil.





Madame Manet (Suzanne Leenhoff, 1830-1906) at Bellevue, 1880,The Metropolitan Museum

This is Manet's last portrait of his wife; it was painted at Bellevue, a suburb of Paris, where they spent the summer of 1880.





Head of Jean-Baptiste Faure (1830?1914), 1882?83, The Metropolitan Museum

This study of the baritone Jean-Baptiste Faure was one of three executed in preparation for a portrait left unfinished when Manet died a few months later.


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フェルメール @MET

2006-03-15 | 美術
Johannes Vermeer (Dutch, 1632-1675)

メトロポリタン美術館The METにはフェルメール作品は5点。前回の9月のときは4点まで見て1点見そびれていた。今回(11日)はきちんと5点鑑賞できました。前回見そびれたのは、Allegory of the Faithという作品。(画像はすべてMETへのSRCリンク。クリックするとMETの解説のページにリンク。画像の大きさは実際の大きさに比例させて見ました)


Allegory of the Faith, ca. 1670
他の4点が小作品なので、ついサイズの大きい本作品は見逃していたのかもしれません。地球を足蹴にしていて女性がAllegory of the Faithというのは、謎解きです。The world at her feetがFaithという意味となるそうで。天井からぶら下がったグラスにフェルメールらしさを見ました。




A Maid Asleep, 1656-57



Young Woman with a Water Pitcher, ca. 1662




Study of a Young Woman, probably ca. 1665-67




Woman with a Lute, early 1660s


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アーノルド・ベックリン「死の島」@The MET

2006-03-13 | 美術
アーノルド・ベックリン「死の島」@The MET

メトロポリタン美術館に、Arnold Bo:cklin (Swiss, 1827-1901)の《死の島》Island of the Dead, 1880を発見。(画像はMETへのSRCリンク。クリックするとMETのHPに)

光文社新書 宮下誠著「20世紀絵画 -モダニズム美術史を問い直す-」 (拙blogはこちら)で紹介され印象に残っていたが、20世紀の絵画かと思っていたが、19世紀の作品でした。

もう一度、同書を読み返すと、この作品は1880-86年にわたって製作された。もともとは「ある未亡人(Marie Berna)の依頼によって企画され、行方不明の1点を加えれば全部で5バージョンがある。炯眼の画商(Fritz Gurlitt)によって「死の島」と命名されることで注目を集め、最初の二つのバージョンより後の作品は画商らによって改めて注文制作されたものである。」1880年の作品(バーゼル美術館)が有名。さらに1886年の作品(ライプチヒ美術館)のほうが、画面全体が幾分明るくなって。とくに背景の空はより説明的になっている。糸杉は低くなり、横長の画面構成が横長になり左右対称性が強調されているなどと、「20世紀絵画」では比較している。なお、このMETの作品は、1880年の作品であるから、画面が暗いのもわかるが、もしかすると、バーゼルのものよりも暗い画面ではないかと想像する。

ニューヨークでゴッホを鑑賞するために読んだ高階秀璽著「ゴッホの眼」にも、このベックリンの《死の島》が触れられていた。それによれば、「《糸杉》は古代以来西洋では「死」を結びついた存在であり、ギュルリットにこの題名を思いつかせたのが、柩を乗せた画面いっぱいに黒々と聳える糸杉であったことは想像に難くない。」と。なお、「ゴッホの眼」の主旨は、ゴッホは、アルルで「生」の象徴である《種まく人》《向日葵》を描いていたが、ゴーギャンと訣別後は、糸杉を主題とした《星月夜》などを描くようになった、ということ。(この本は、もう少し前に読んでおけばよかったです。お薦め)

(From MET Home page):This painting, the first of five versions done between 1880 and 1886, resulted from a request made by Marie Berna, whose husband had recently died. She asked Bocklin to paint a picture on the theme of her bereavement. In 1883, the Berlin art dealer Fritz Gurlitt provided the title by which all five versions are now known: Toteninsel, or Island of the Dead. Bocklin referred to the work as "A Still Place," "A Silent Island," and later, "Island of the Graves."

ゴッホの眼

青土社

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目次
ゴッホの眼(アルルの向日葵
不在の椅子
古靴と寝室
種まく人
刈入れする人
星月夜
烏の飛ぶ麦畑
イエスとしての自画像
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映画:トゥ・フォー・ザ・マネーTwo For The Money(2005)

2006-03-12 | Review
映画:トゥ・フォー・ザ・マネーTwo For The Money(2005)
Director: D.J.Caruso
Starring:Al Pacino, Matthew McConaughey
元フットボール選手のブラントンは試合の結果を予想できる能力を買われて、スポーツ業界で悪名高きウォルターに引き抜かれた。やがて彼は危険な世界にのめりこんでいく。。

ギャンブラーの破滅心に迫る。感想はこんなところでしょうか。もうちょっとドラマがあると楽しめるのですが。

(@JL047)
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映画:バルザックと小さな中国のお針子(2002)

2006-03-12 | Review
映画:バルザックと小さな中国のお針子(2002)
フランス(Canal)・中国
監督:ダイ・シージエ
出演:ジョウ・シュン、チュン・コン、リュウ・イエ
文化革命時代の中国。医者を親にもつルオとマーは、反革命分子の子として再教育を受けるために山奥の村に送り込まれた。ルオはそこで美しいお針子の娘と出会い恋に落ちる。

チョットねたばれです

三峡の美しい風景を舞台に、Mozart K.334のバイオリンの音(ね)と、フランスの小説の重みのある言葉が奏でられる中、若い二人の男性と美しいお針子の娘の青春を描いた作品。素朴でたくましいまだ文明開化してない不死鳥山の村と、都会から再教育を受けるためにやってきた二人青年との接触がサブテーマ。ゴーギャン的な世界ですね。

焚書が行われた文化大革命の最中の1970年代。医者を親にもつルオとマーは、反革命分子の子として再教育を受けるために山奥の村に送り込まれた。ルオとマーは、そこで美しいお針子の娘と出会う。三人は貴重な外国の本があると聞いて、お針子の屈託のない提案で、本を盗んでしまう。ルオとマーは、盗んだ本をむさぼり読んで、一行一行を噛み締めて読む。でも教師の母をなくしたお針子は字をよめない。ルオとマーが、お針子にバルザックを読んで聞かせる。お針子は、眼をきらきらと光らせ、バルザックの世界に憧れる。本を何回も大切に読み返す時代。凝縮された言葉を大切にした時代。そんな時代が確かに一寸前まであった。小説の描写がいかに人の想像力をかきたてていたか?小説の一行一行をこんなにも深く読んでいた時代。バルザックが如何に禁断の思想であったか、書物がお針子の人生を変えてしまうのか。それに比較して、われわれの上を情報は洪水のように溢れてかえっている。洪水は引くことなく大地を覆ったままだ。

一方、普通の山奥の村人は地べたに座って、北朝鮮やロシアやアルバニアの教宣無声映画を、弁士の語りで無邪気に楽しんでいる。テレビに飼い慣らされている我々とどこが違うのか。いや教宣無声映画は偶の楽しみだが、テレビに我々のほうが中毒になっている。

まあ、テレビで情報を得ようと本で情報を得ようと、結局は受容するほうの課題もあって、どちらも催眠術にかかる可能性があるということかもしれない。そのへんのところをお針子の父親は心配していたが、お針子が本に影響されて村を出て行ってしまったのは、催眠術にかかったのではなかったのかと問われれば、そうかもしれない。でも、テレビの方が催眠術にはかかりやすいのは確かで、ベルリンの壁は簡単に崩れてしまった。

文化大革命も終わり、15年後、ルオとマーは、音楽家、医師として活躍している。青春時代をすごした不死鳥山の村は、三峡ダムの建設のために川底に沈んでしまう。あの美しいお針子は、バルザックに憧れて不死鳥山の村から深セン、香港と飛び立っていってしまってもう見つからない。三峡の霧のかかる険しい山間の美しい風景。お針子たちが無邪気に山間の温泉でニンフのように戯れる世界、そしてルオとお針子の一寸苦い思い出も、青春の一ページとしてに永遠に沈んでしまい戻ってこない。

灯篭流しには、中国からこの風俗はきたんだと発見しつつも、また失われた風俗への懐かしさも感じる。ミシンの足こぎ動力でドリルを回して歯の治療をするなど文明開化以前のたくましさも見ていて楽しい。

(@JL047)
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帰国

2006-03-12 | Weblog
11日 JL047(747-400) JFK 0900発にて帰国。
出発の2時間15分前までチェックインしてくれませんでした。ブラジルからの機材の到着遅れで、出発が30分ほど遅れたからでしょうか。そのたま出発は遅れました。
また、成田着陸の際、強風で結構ゆれました。ランディングは上手でした。13時24分着
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Edvard Munch:The Modern Life of the Soul @MoMA

2006-03-10 | 美術
Edvard Munch:
The Modern Life of the Soul
February 19–May 8, 2006 @ MoMA, N.Y.

たまたまMoMA開催されていた、米国では実に30年ぶりというエドヴァルト・ムンク(1863-1944)の大回顧展にいってきました。

残念ながら、2つあるどちらバージョンの「叫び」も今回は展示されていません。04年8月にムンク美術館で「叫び」「マドンナ」が盗まれ、容疑者が逮捕されたもののまだ作品は行方不明。94年には、もう一つのバージョンの叫びがオスロ国立美術館から盗まれたが、こちらはスコットランド・ヤードののおとり捜査で、犯人が逮捕され、絵は戻ってきた。このような状況では、なかなか国外に貸し出すことができないのでしょう。

それでも

The Dance of Life 1899–1900
で展覧会は始まり、(若い女性、結婚した女性、老女の3人の女性が描かれている)

Tête-à-Tête. 1885
Night in St. Cloud. 1890
Melancholy. 1891 (嫉妬が画面に小さく書かれている)
Despair. 1892
The Summer Night Dream(The Voice), 1893
Madonna. 1894–95
Mermaid, 1896
The Kiss. 1897  (一体化して男女)
Metabolism. 1899
Girls on the Pier. c. 1901
Bathing Men [The Ages of Life Triptych]. 1907–08
The Sun (Study). 1912
Cleopatra. 1916–17 and The Slave. 1916–17

版画は、
Puberty, 1894-95
The Scream, 1895
Towards the Forest I. 1897
Two Human Beings (The Lonely Ones). 1899

自画像
Self-Portrait with Cigarette. 1895
On the Operating Table. 1902–03
Self-Portrait with a Bottle of Wine/Self-Portrait in Weimar. 1906
Self-Portrait by the Window. c. 1940

などなどが並びます。壮観です。実は2周したのですが、2周目は一寸気がめいってきて気分が悪くなってきました。
金曜日の夕方はTarget Free Friday Nightというイベントがあるようで、20分ほど並んで無料(通常$20)で入場して、気をよくして、高いソフトカバーでも$40+TAXもするカタログを購入してしまいました。それにしてもアメリカの展覧会のカタログは高いです。

MoMAのサイト(画像と音声による解説あり)

P.S.出光美術館で借りている三点は凄いことですね。(拙BLOG)
コメント (3)
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映画:レジェンド・オブ・ゾロ 

2006-03-09 | Review
映画:レジェンド・オブ・ゾロ The Legend of Zorro(2005)
Martin Campbell
Cast
Antonio Banderas .... Zorro/Alejandro
Catherine Zeta-Jones .... Elena
Adrian Alonso .... Joaquin

1850年アメリカはカルフォリニアが舞台。どたばた西部劇です。最後に勝つのは家族愛。(@JL048)

公式サイト

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映画:North Country/スタンドアップ(2005)

2006-03-09 | Review
North Country/スタンドアップ(2005)

Director:Niki Caro
Cast:
Charlize Theron : Josey Aimes

1989年に実際に起きたセクハラ訴訟に基づいた作品。炭鉱の粗野な現場でセクハラということで、考えさせることが多く、勧善懲悪という単純な図式でもない。エリン・ブロコビッチ(2000)ほど、単純に元気が出るというわけにはいかなった。(@JL048)

公式サイト
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映画:ALWAYS 三丁目の夕日

2006-03-08 | Review
ALWAYS 三丁目の夕日 豪華版

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山崎貴監督
吉岡秀隆、堤真一、小雪

昭和33年の東京の話。
テレビって、カラオケと同じでみんなで楽しむコミュニケーション・ツールだったのですね。
テレビを個人個人が楽しめるというのは、人は豊かになったのか、どうなのか?
東京タワーが立っていますが、いまやちいさいおうちのように郊外に引っ越すしかないのでしょうか?
(@JL048)
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