ピアノの先生は48歳の女の人。
日本の音楽大学を卒業した後
アメリカのジュリなんとかって
学校にも行ってピアノを勉強し
てたんだって。
「離婚して故郷の湯川町に戻って
きたらしいよ」
って、おばあちゃんはいつも余計
な事まで教えてくれる。
ピアノ教室は先生1人と生徒は
2人。 グループレッスンって
言うんだって。
いつも同じ日に練習するのは
湯川町で温泉旅館をやっている
家の子、さっちゃん。
レッスンはいつも指の体操から
始めて次は読譜。
「読むときは実際に弾いている
様子を想像しながら読むのよ!」
って先生が言ってた。
この前さっちゃんは
「ひなた、そんなちっちゃい声
じゃあピアノの音が出ないよ!」
って。
やっぱり私の声、聞こえない位
小さいのかなあ?
だけど先生は
「大丈夫よ。ちゃんと声に出した
とおりに弾けているから。
ほ~ら、ちゃんと音が鳴っている
でしょう」
さっちゃん、解ったような解ら
ないよな感じで
「そっか~」って言ってた。
続く