赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

自民党の危機 コラム(273)

2018-09-12 22:32:02 | 政治見解



コラム(273):自民党の危機 


最近、ネットや一部のメディアで、保守の側から相手を罵る極端な意見が目立っています。左翼を攻撃するうちに、いつのまにか彼らと同じ陥穽に嵌まってしまったようです。


メディア・リンチ

「日本人の韓国人化現象」と言うと顔をしかめると思いますが、最近はメディアやネットでも、皆で寄ってたかって誰かを攻撃して溜飲を下げるという構図が目に付きます。これは韓国や韓国人の心性によく似ています。

韓国人は自分の意見をごり押しして、間違いを指摘されても認めようとせず、都合が悪くなるとすぐに怒りをあらわにします。そして、最終的には自分が被害者の立場になって相手が悪いと非難するのが特徴です。日本では左翼政党にこの傾向があります。

特に最近のメディアでは特定の人物の政治生命や社会的地位を奪うまで追い詰める風潮があります。さらに浅薄な洞察しかできない解説者や評論家が付和雷同する構図になっています。この傾向はネットの世界にも波及し、常に誰かが誰かを攻撃するという風景が広がっています。

日本人の精神性の基本である「大和(だいわ)」の精神はどこに行ってしまったのでしょうか。


ネット・リンチを主導する自民党応援団

ネットの世界では「自民党ネットサポーターズクラブ」が組織化され、そのチームメンバーが自民党に対する意見や批判がネットに出た途端、条件反射的に反撃を開始し、罵詈雑言を浴びせます。また自民党国会議員が執行部や政府のあり方に意見を言うだけで、犯罪者であるかのように攻撃します。

たとえば、安倍総理に対抗して総裁選に立候補した石破氏を非国民のように罵ってみたり、脱原発を口にした小泉元総理を犯罪人にしたり、杉田議員を批判した人を悪者扱いしてみたり・・・、執行部への意見や外部からの批判を許さないどころか悪口雑言を浴びせています。

良き伝統だった党内の自由闊達な意見ですら封じ込められ、寛容の文字がなくなっています。


攻撃は利益を守るためのカモフラージュ


自民党への批判を封じ込めようとしているのは、安倍総理を隠れ蓑にして、裏で既得権益を守り権益の拡大を図ろうとする政治家たちです。

自民党はもともと、権益を拡大したり守ろうとする人や団体の利益代表の政党です。しかし、改憲を掲げる唯一の政党であるため多くの支持を集めるという二重構造で成り立っています。

ただし、憲法改正は大義名分であって、党の活動は前者の利益を重んずる人びとが主体のため、利益拡大に狂奔しているのが実情です。

先の都知事選や都議選で自民党の利権体質が厳しく問われて惨敗を喫してからは、都知事に対する理不尽で盲目的な批判を続けています。また、モリカケ問題に対する自民党への批判や意見にも、あたかも自民党に全く落ち度が無かったかのように正当化し容赦ない攻撃をしています。

このように保守系のネットでは、内容のある議論は影を潜め、下劣な悪口や人格攻撃を中心とする誹謗中傷が目につくようになりました。

反撃することで、利権派の既得権益を隠蔽しているわけです。


党内にある危機の構造

自民党のネット応援団は、日本文化の寛容の精神とは程遠い排斥主義に陥っています。このままでいけば、彼らが最も嫌っていた左翼テロリストと同じ言論テロリストとなります。さらには韓国のように、法の秩序や正当な議論を無視し、劣悪な国民世論感情を煽る言葉の暴力をネット上にばらまき、排他的かつ破壊的なナショナリズムへと駆り立てていく存在になろうとしています。

大臣クラスの自民党議員が、「ネット上では自民党に対する応援が増えていてありがたい」とコメントしていましたが、この程度の認識では自民党に未来はありません。

自民党は総裁選にあたり、2012年の政権奪還の原点に戻って、国民のための政治に本気で取り組んでいただきたいと思います。



ここ数年、わが国では毎年のように自然災害や地震などが頻繁に起こります。この苦難を乗り越えるためには、破壊的な言動よりも、人びとが連帯できるような互いを励ましあう、讃えあう言動が広がる国であってほしいと切に思います。




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