★野村美術館 サイト
秋季特別展『懐石のうつわ -秋・冬のしつらえ-』 ※10月18日(日)まで
約半年ふりの訪問。
前回は3月7日(土)の朝10時に来た。
新型コロナウイルス対策で臨時休館している美術館も増えていた中での有り難い開館。
結局、その後は休館せざるをえなくなりって、春季展も中止したのだけど、限られた期間の中で鑑賞できたのはよかった。
そして、秋季展。今回は3か月の中で前後半に区切るのではなく、別の展覧会として設定しているようで。
(コロナ対策で臨時休館になる可能性も加味したのかも)
それと、キャッシュレス決済が充実していた。
クレカ、交通形ICカードにスマホ決済もあった。
逸翁美術館(阪急系列)もそうだったけど、バックに企業がついているところは対応が早いナ。
今回(前半?)は懐石具。
まずは蝋色の懐石セットがずらっと並ぶ。蝋の成分が入っているのかな? 黒光りしていて意匠的にも重厚感がある。
角切本膳、飯椀、汁椀、飯器(足付)と杓子(大きい)、煮物椀(平たい)、小吸物椀(「小」にしては大ぶり!)
湯斗と盆、湯のこ掬い(大きい!)
これら蝋色の漆器に合わせる陶磁器がかっこいい。
編笠の向付(京焼?)、和全の金襴手盃など寄せ盃など。道入作の赤楽銚子。
青木木米作の開扇鉢(骨と開いた部分の段差がかっこいい)、黄瀬戸の鉦鉢、備前つぶ足菊皿。
反対側のケースには鉢と向付、小皿。
呉洲赤絵の鉢や呉洲青絵の竜鉢、祥瑞二段捻鉢、道八の雲錦手の四方鉢(おなじみ!)
一入作の赤楽菊形皿、織部四方台向付、乾山の雪笹文向付。
まぁ、野村美術館の懐石用の陶磁器としては代表的なものが並んでいるわけで
既に幾度か鑑賞しているんだけど、「また会えたね!」という喜びを感じるのはこの御時世だからか?
中央ケースは佐野長寛作の煮物椀と吸物椀、朱地貝尽蒔絵懐石具。
朱地鼠嫁入絵盃がすごい。
小から大まで8枚の盃があって、その1枚1枚に鼠嫁入の場面が描かれている。
最初は道具の搬入があり、花嫁がお歯黒をつけるところ、婚礼の場所の準備と段階を経て
8枚目が婚礼儀式。
一番大きい盃の婚礼のところだけルーペが備え付けあって、細かい絵柄が見えた。
一番小さい盃はもうほとんど見えない。
8枚全部の絵柄を観たかったなぁ。
陶磁器の盃(おちょこ)も多し。
茶席飾りのところは名越浄味策の風炉釜がよかった。
唐銅朝鮮なんだけど、風炉の環付が象(エレファント)、3つ足も象足?だったかも。
地下階はギャマンの懐石具。
前回、この春に訪れた時もギヤマンだったよねぇ。
だけど、フツーの懐石具を比較しながら鑑賞できたから、新たな発見もあったかなー。
例えば、寄付で出される飲み物用の器がコップ。(冷たい檸檬水とか出されると嬉しいよね)
ガラスの向付の種類の多さにもびっくり。
珈琲カップもガラス。これは茶事では使わないけど、茶事が終わった後で応接間の歓談タイムに出されたかも。
何よりも、これらギヤマンの道具の後ろにかかっていた掛け物がすてき。
祇園祭礼図、長刀鉾図、四条納涼図。
どれも盛夏の京都を代表する風景を描いたもの。
こういう掛け物を眺めつつ、東山の緑豊かな別荘地でギヤマンの懐石具を用いて朝茶事を楽しむ~
究極の贅沢だなぁ。。。(ウラヤマシイ)
※追記
この原稿を書き上げてからバックナンバーリストを読み返して気がついた。
「今回の展覧会のテーマ、春と同じダ」←混乱して前回の展覧会の感想、忘れてた。
春に訪れた際の展示リストを確認して、「なるほど」。
今回の展示は春季展の後期展示とほぼ同じラインナップだった。
コロナ禍で臨時休館に追い込まれて、展示できなかった分のリベンジ!
だったのねぇ。
だから、次(秋後半の展示)は本来なら秋前半に並べる予定だった展覧会の内容。
これは是非とも観たい。
『野村得庵没後75年 茶の湯のわびと美』 ※10月24日(土)~12月13日(日)
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