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秋季特別展『北野大茶湯 ―天正から現代へ―』 ※12月3日(木)まで 事前予約制
事前予約制になって面倒くささを感じてしまうが、時節柄やむを得ない。
それよりもビックリしたのが入館料。
特別展なので1,000円。それは致し方ない。割引効かせて800円に。
さらに「お呈茶料が別途500円かかりますので、合わせて1,300円」。
ちょっと待て。呈茶が有料? しかも500円と茶店並みのお値段だと?
思わず「呈茶をパスしたら、800円で済むんですよね?」と聞き返してしまう。
入館=呈茶は必須ではないのよね?と確認せずにはおられなかった。
「ハイ」との返事だったので、「じゃあ、呈茶はパスします」。
ただでさえ、飛沫リスクがあるのに、わざわざ500円払ってまで呈茶をいただく気はなかった。
しかも、チケットと一緒にコピー用紙で作られたスタンプカードを渡された。
5回入館すれば呈茶1回無料。
って、一時的な措置ではなくて、今後ずっと有料なんだぁ。
すごい値上げ!
裏千家の経営、苦しいのかしら?と思いつつ、展示室へ。
(見学者はいつも通り? 10人前後いたかしら?)
今回は秀吉晩年の大イベント「北野大茶湯」がテーマ。
北野天満宮で石碑を見たこともあるし、それなりに期待していた。
だったが。
一口で表現すると「展示品がショボすぎる」。
高札を立てて、参加者を募ったという話は聞いたことがある。
だから、実物の高札が現存しているとばかり思っていた。
しかし、どうやらそうではないらしい。
北野天満宮が所蔵しているが、「江戸時代」。
(高札の文字を書き写して遺した? 実際に当時の市中に立てられたものではなさそう?)
ほか、実際に北野大茶湯が開催されたのだという“証拠”としては
当時を生きたお公家さんや商人の日記の記載がある。
が、これも実物ではなく、オリジナルの日記を書き写した「写本」。
写本といっても、江戸時代のものだから、古文書には違いないけど。
なんか、リアリティに欠けるというか、説得力が弱い。
ぎりぎり?リアリティがあるものとしては北野大茶湯で使用された茶道具。
徳川美術館所蔵の古芦屋姥口霰釜(名物)と古備前水指がそうらしい。(茶会記から推察か?)
姥口釜は徳川美術館で観た記憶はある。
もともとは平釜だったそうで、底を交換する際に深さを出したものを付けたそうな。
だから、羽根があんなに上についているのか。(これは感心した)
印象に残ったのはそこくらい。
2階の展示室は昭和初期に開催された350年記念の北野大茶湯。
これは近代数寄者たちの協力もあって、かなりの規模で盛況だったらしい。
(茶道文化検定のテキストに書いてあったなぁ)
北野天満宮に所蔵されているお道具は大正時代のものも。
楽家の慶入が作った楽茶碗の写し(大黒とか早船とかあった)も面白かった。
とはいうものの、あれで1,000円は高い。
呈茶付きだし、割引があるから足を運んできたけど、「ちょっとなぁ」と思ってしまった。
※今後のスケジュール
新春展『 裏千家の茶室建築(仮称)』 2021年 1月7日(木) ~ 3月下旬
春季特別展『 又玄斎一燈とその時代』 2021年4月上旬 ~ 6月中旬
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