本能寺の変 「明智憲三郎的世界 天下布文!」

『本能寺の変 431年目の真実』著者の公式ブログです。
通説・俗説・虚説に惑わされない「真実」の世界を探究します。

『「本能寺の変」は変だ!』「その四国説って変だ!」

2017年01月21日 | 通説・俗説・虚説を斬る!
 『「本能寺の変」は変だ! 明智光秀の子孫による歴史捜査授業』(明智憲三郎著・文芸社・2016年5月)の抜粋をこのブログで順次ご紹介しています。第1回から順に辿れるようにリンクを貼ってありますので、順にお読みください。
 >>> 第1回「はじめに」と「おわりに」

 第8回の今回は第6話「その四国説って変だ!」です。

第6話 その四国説って変だ!
 光秀謀反の動機として四国説なるものが本能寺の変研究界の主流になりつつあるようです。どのような説かというと、信長と同盟関係にあった土佐(高知県)の長曽我部元親との同盟が決裂し、信長は長曽我部征伐軍の派遣を決意。その結果、両者の取次役だった光秀の立場がないがしろにされた。それが謀反の動機であるとするものです。
 この説は新しいものではなく、怨恨説・野望説の材料のひとつとして以前から言われていたものです。高柳光寿氏は長曽我部征伐軍に役割を与えられなかった光秀が「前途を輝かしいものと思えなくなった」、つまり出世の見込みがなくなったことが天下取りの野望につながったとしました。桑田忠親氏は元親と信長の間を取り持とうとした光秀が「面目を失墜する結果となった」「屈辱をそそぎ、鬱憤を晴らした」として怨恨説の補強をしました。
 最近の四国説の論調は本郷和人氏の次の言葉に代表されていると思います。
 【せっかく苦心して長宗我部家を説得してきたのに、いまさら武力討伐に方針を変更するだと?私の面目は丸つぶれじゃないか。上様のやりようはひどすぎる・・・・・・。そんな信長への不満が、いつもは心の奥底に秘めていた野望を一挙に燃え上がらせた】
 「面目丸つぶれ」は桑田氏を継承し、「野望」は高柳氏を継承しています。見事に怨恨説と野望説の中和をとったのですね。本郷氏自身は次のように認識しています。
(中略)

  でも、面目や出世といったことで、失敗したら一族滅亡という謀反に踏み切るでしょうか。読者の皆さんにも是非ここは真剣に考えてみていただきたいところです。自分だったら、そういう理由で上司を殺そうと決断するのかどうか。新聞の三面記事(社会面)には確かにこういった事件があふれています。軍記物も庶民に身近なわかりやすい話を書きまくったのです。私はこのような視点での歴史の見方を三面記事史観と名付けています。しかし、信長や光秀を扱うなら新聞の一面(政治面)、つまり政治的事件としてです。歴史学者の方々が三面記事史観で唱える四国説はかなり変です。
 眠っていた四国説が再浮上してきたきっかけは二〇一四年六月、岡山県の林原美術館の石谷(いしがい)家文書発見の大ニュースでした。長年所蔵されていた文書を調査したところ、本能寺の変に関係する書状が発見されたのです。
 その書状のひとつに光秀の重臣斎藤利三が石谷光政という人物に宛てた天正十年(一五八二)正月十一日付の書状があります。本能寺の変の五ヶ月ほど前に書かれたものです。当時、光政は長曽我部元親のもとに身を寄せていました。この書状には信長の命令に従うように元親を説得する使者として石谷頼辰(よりとき)を派遣するので、光政からも元親を説得するようにと書かれています。頼辰は光秀の家臣で利三の実兄、そして光政の養子となっていた人物です。さらに妹(光政の娘)が元親の正室という関係でした。かなり複雑、かつ密接な関係ですね。
 加えて、頼辰は単に光秀の家臣というだけではありません。
(中略)

  こうした光秀と長曽我部氏との密接な関係をみると、四国問題とは長曽我部氏が滅亡するかどうかという重大問題だったとわかります。「私の面目は丸つぶれじゃないか。上様のやりようはひどすぎる・・・・・・」といった軽いノリの問題ではないのです。

 >>> 第9回「証言無視って変だ!」へ続く

【関連リンク】
 >>> 石谷家文書発見の意義
 >>> もはや本能寺の変に謎は存在しない!利休・秀次切腹事件にも!

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 明智憲三郎著の第4作『「本能寺の変」は変だ! 明智光秀の子孫による歴史捜査授業』文芸社
 「秀吉がねつ造し、軍記物に汚染された戦国史を、今一度洗濯いたし申し候」。40万部突破の『本能寺の変 431年目の真実』の著者、明智憲三郎がさらなる歴史捜査を通じて、より解り易く「本能寺の変」の真実を解説した歴史ドキュメント! 「ハゲだから謀反って変だ! 」「歴史の流れ無視って変だ! 」「信長の油断って変だ! 」等々、まだある驚愕の真実に迫る!

 本能寺の変研究の欠陥を暴き、「本当の歴史」を知る面白さを説く!
 「若い方々や歴史に興味のない方々に歴史を好きになってもらいたいと思って書きました」
 明智憲三郎

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