本能寺の変 「明智憲三郎的世界 天下布文!」

『本能寺の変 431年目の真実』著者の公式ブログです。
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光秀前半生の歴史捜査:鍵は戦国前期の研究!

2010年12月31日 | 歴史捜査レポート
 2回に分けて光秀前半生の歴史捜査について書きましたが、本格的な捜査はまだこれからです。
   光秀前半生の歴史捜査:鍵は朽木谷!
   光秀前半生の歴史捜査:鍵は連歌!

 これまでの捜査でわかったことは「信長上洛以降の戦国後期に比して戦国前期の研究が極めて少ない」ということです。これは小説やテレビ・映画の取り扱いとも共通しています。我々日本人の知識量は戦国前期と後期とでは異常なアンバランスな状態なのです。
 戦国時代は応仁の乱収束後の明応二年(1493年)の明応の政変から始まったとされています。終わりは秀吉が北条氏を滅ぼした天正十八年(1590年)とも大阪夏の陣の元和元年(1615年)ともいわれます。信長上洛は永禄十一年(1568年)ですから戦国前期が75年、後期が22年~47年ということになり、前期の方がはるかに長いことになります。
 ★ Wikipedia「明応の政変」

 そして、将軍家、管領の細川家、細川家の重臣・三好家などが複雑に錯綜して抗争が展開され、歴史劇として見てもはるかに面白いともいえます。しかし、残念なことに戦国前期を取り扱った本は極めて少なく、あっても足利義輝といった個人を扱ったものばかりで全体像の理解がなかなか出来ませんし、詳しいことがわかりません。
 そのような中で全体像をわかりやすく書いた本をようやく見つけました。『戦国の活力』(全集「日本の歴史」第8巻)山田邦明著、小学館2008年7月出版です。この本は畿内の政権抗争はもちろん、日本各地の抗争、大名の領国経営や家臣との関係なども描いており、書名の通りに戦国時代の活力を感じさせてくれる本です。

戦国の活力 (全集 日本の歴史 8)
山田 邦明
小学館


 著者が「おわりに」で次のように書いていますが、私も同感です。戦国前期についての研究が進み、世の中の関心も高まって、前期から後期へと一本の線でつながった如くに歴史をとらえられるようになりたいものです。

 「現代と一本の線でつながっているのは、じつは戦国時代の後半にすぎず、前半の時代のことはほとんど知られていないのである。中世社会が大きく揺れだす戦国時代の前半、畿内でも列島各地でも新たな勢力が台頭し、さまざまな個性的な人物が活躍したが、彼らのほとんどは子孫を伝えることなく滅び去った。戦国時代の歴史を再現するためには、いまにつながる有名な事件だけに注目するのではなく、あまり知られていない前半も含めて全体的に鳥瞰してみる必要があるだろう

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