お宿を出、本浦旧街道を、牛鬼の頭を担ぎ、
息を潜めて通り過ぎてゆく。
家々の人たちは、かすかに聞こえるその足袋音で
祭りの朝を肌で感じる。
本体は徐々に姿を現してゆき、頭(かしら)が収まると
それは不思議なことにひとつの
この世に存在しているはずもなく
現世の醜や悪を焼き尽くす業火のような
一体の巨大な怪が最後に現れる。
人々はそのおどろおどろしい塊に恐れおののき
この世の邪気は追い払われ、逃げてゆく。
息を潜めて通り過ぎてゆく。
家々の人たちは、かすかに聞こえるその足袋音で
祭りの朝を肌で感じる。
本体は徐々に姿を現してゆき、頭(かしら)が収まると
それは不思議なことにひとつの
この世に存在しているはずもなく
現世の醜や悪を焼き尽くす業火のような
一体の巨大な怪が最後に現れる。
人々はそのおどろおどろしい塊に恐れおののき
この世の邪気は追い払われ、逃げてゆく。