私たちの地区には、こどもが誕生したりして満1歳を迎えるとき、お節句という
行事を、親戚や地区の人たちが集まりお祝いをします。
こどもの健やかな成長を願って、みんなで祝う行事です。
これは地区によってまちまちだと思いますが、割と当地区においては賑やかに
昔からやっております。現在は集会所で行っておりますが、まだ集会所がなかった時代
各々の家で賑やかにやっていました。
わたしがまだこどもの頃、近所でお節句があり、それはそれは大変なお客でした。
(ここらでは、そんな人々を呼び酒盛りや祝い事をすることを”お客”と言います)
朝から女性達は料理を作り、わたしたちこどもたちは、その料理の”おこげ”を
もらうのが楽しみでした。やがて夜の宴会ともなると、芸達者の人たちの出番です。
強烈に印象に残っている寸劇をご紹介しますと、あるお節句では、「サーカス」。
はしごに布を被せ、その上で象に扮した役者が玉をあやつりながら、象使いと
芸をするというもの。当然役者さんは近所の芸達者さん、あるいは日頃まじめで
通っているような人がこんな日にはがらりと変わって芸人となります。
知っているもの同志の素人芸に、会場は沸くのです。
またあるお節句の時には、ちょっと大人っぽい「ビキニ姿モデルショー」!
なんと近所のおばさん(当時はおばさんたちもまだ2~30代だった)たちが
当時としては禁!のセパレートビキニ姿で、部屋を暗くしてスポットライト浴びながら
登場してきました。こどものわたしたちは、唖然!
もうドキドキしました。もう50年近く前のことです。
あるいは、土人(今では禁句ですが)ダンスショーてなものもありました!
体じゅうを墨で塗って、槍とわらで作った腰巻をつけて踊りました。
こんなことするのも私たちの地区だけなのかもしれません。
あるいは親戚などの近い人たちの集まりだからできることなのでしょう。
でも、こんな庶民的で開放感あふれる自分のふるさとが大好きです。