狩江のお祭りと文化論

~愛媛県西予市明浜町狩江地区のお祭りや、四季折々の風景、暮らしを独自の観点からお伝えいたします~

「狩浜秋祭り」文化遺産記録撮影事業

2011-07-26 20:48:11 | お祭り

蒸し暑い7月も終盤となってきました。

これからふるさとでは、かっぱ祭り(高山・シーサイドサンパーク8/7)や

歌舞伎くずし盆踊り(渡江8/14)などの夏の地区行事が続きます。

まだまだ狩浜の秋祭りはと思っておられるかもしれませんが、水面下では

着々と10月に向けて進んでいます。

今年は文化庁直の補助事業が認可され、それにむけて準備が進んでいます。

内容は五ツ鹿の面の修繕と、狩浜の自然風土歴史のなかの祭りとして、祭り全般の

映像記録作成事業で百万単位の大事業です。

鹿面は専門業者で修繕されることになり、またふるさとの風土や歴史からはじまって

各練りをあらゆる角度から詳細にプロがライヴビュー撮影し、後世に伝えようというもの。

かなり大掛かりな事業が予想されますので、今から綿密な打ち合わせが始まって

おります。数々の伝承を今のうちに映像化し記録保存しておくことは、大変重要であり

地区の思いでもありました。わたしたちの誇れる文化を今一度体験し、この事業を成功

させるために、みなさん、今年の10月22日(土)は狩浜に集結!気合い入ってます。

 


ふるさと方言集⑦

2011-07-24 11:21:39 | 狩江の暮らし

台風通過後の西の空。午後8時前。

 

さて、「お」の項。こちらはかなり数がありまして、特に人称に関わる言葉が多いように

感じます。

********* 「お」 ********

おらや、おのれや、おららは、私。(たまに怒るときにも使用)

おどれや、おまえらは、あなた(方)。

おらとこは、自分の家。おばさまは、親戚。

おとやんおとったんは、お父さん。おっかおっかやんは、お母さん。

おじやんおんさんは、叔父さん叔母さん。

おばやんは、年上の人。おとどいは、兄弟姉妹。おせは、大人のひと。

おとこしは、男の人・男の使用人。おなごしは、女の人・女の使用人。

おせらしいは、大人らしい、おしゃまな感じ。

 

・・・・・・では、例文で使い方を覚えましょう・・・・・

 

おしまいなはったかな~?(今晩は~)」

 

おとろしやの~(恐いな~)、東北の地震は!」

おっちゃら(おおっ!)、さっきもおんびき(蛙)が目の前に飛んできたけん、ひゃ~っ

言うておらんだ(叫んだ)んでぇ~。おおかた(もう少しで)こけそうになったけん、

おもさま(おもいっきり)おおけな(大きい)石にぶつかりよったんで~。」

 

おとつい(一昨日)なぁ、おさい(おかず)作って、おちょうわかしよったら(お茶を沸かす)

おしごみ(押入れ)のおんごく(奥の奥)に、おくらもち(小麦粉餅)やおかしん(お菓子)が

いっぱいあってな、おいかけ(子守ばんてん)のおっぱ(おんぶ)したこどもにやったんよ~。」

 

「あのおたんこなす(馬鹿者)は、おとのつげもない(音信不通)けんど、心配に

おもちょる(思っている)けん、すまんけど様子をおせちゃんない(教えてください)や~。」

 

いかかですか?まだまだ初級編です。

 

 

 

 

 

 

       

 

 

 

 

 

 

 


ふるさと方言集⑥

2011-07-17 13:20:53 | 狩江の暮らし

   一斉清掃 川のよせ除去作業(7/3)

 

********** 「え」 ******* の項

 

えらい子、ええ子ええもが大好き。

えせくれえせこき

えんこに、つべぬかれるけん、はよ海から出~よ!

えんこのつべ手回すは、すばしっこい。

 

えんことは河童のことです。むかしはかわうそがここらにもいて、目撃されていました。

えんこ=かわうそ でした。


ふるさと方言集⑤

2011-07-16 13:21:23 | 狩江の暮らし

               一斉清掃 お伊勢山入り口付近

 

******* 「い」のことわざ*******

 

「いつも東風(こち)は常降り」 東風が吹けば必ず雨になる

「鰯(いわし)と殿様はひとりではおらん」 鰯は必ず群れをなして動いている。

鰯が一匹はねたら網を入れよ。

「いい所には人がいるが、しかし別府にも墓がある」 よい所には人が集まる。でも

別府のような楽しい所でも人は死ぬ。他所はよく見えるものである。

「井戸端のお多福」 目立とうとして場違いなことをする。

「亥の子(いのこ)の日に鍬打ちしない」 亥の子の日は農作業しない。

 

最後の亥の子のことわざですが、昔は餅をつき大黒様を祝いました。

また、初亥、中亥、乙の3回行われていたそうです。現在は1回。

この日から囲炉裏を開いたそうです。


ふるさと方言集④

2011-07-16 09:27:40 | 狩江の暮らし

    お伊勢山下刈り作業〈7月3日)

さて、明浜独特の方言、ことわざがありますが、今回は「あ」のことわざを

ご紹介します。天候や海に因んだものが多く、今日に生き続けた暮らしの知恵を

学んではいかがでしょう。

 

「雨が降るとて西から曇る・娘去るとて婿が来ん」 嫁の里へ婿が行くことは夫婦仲が良い。

「朝のぽろぽろ大日のもと」 朝方ぽろぽろと雨が降っても、すぐ晴れる。同、朝夕立が

きたときは晴れ。

「朝曇りに傘いらず」 朝くもれば、晴れてくる。

「雨戸に陽を見るな」 早起きして仕事にかかれ。

「汗かいた乞食は来ん」 働き者は乞食にならん。

「朝のぶらぶらは日ぐらめに知れる・年中ぶらぶらは年の夜で知れる」 朝から怠けて

いると、夕方になって困る。年中怠けていると、年の瀬になって困る。

「秋の日に心なしを雇うな」 秋の日は短いので、気の利いた者を雇わないといけない。

 

今はネットの情報で、天気予報はすぐ手にいれることができますが、

五感を研ぎ澄まして、じっと自然環境を観察するのも大切です。


ふるさと方言集③

2011-07-15 12:00:18 | 狩江の暮らし

                   先日の一斉清掃、消防団と女性陣との放水作業

 

********** 「う」 ******* の項

飽きもせず、「う」に突入。

 

うちらうだらうだわんらじゃない、うもないうめえの反対、

うだくうずむとほぼいっしょ、うす言うなと叱りつける。

うだもいやじゃあ!うんかぶじじゃったわい!

うしょにうそうそする。

うちのすばっかりおらんと、外にで~や!

うんともすんとも言わんが、生きとるのかの~?

うめか?うまいちや!

よううつっとらい!ほうか?だんだん

 

町中でちょっとびっくりした時はぜひ、「う(ん)だもいやじゃ!」を!きっと受けます・・・。

 


ふるさと方言集②

2011-07-14 14:34:57 | 狩江の暮らし

********** 「い」 ************* の項

「い」は、かなりあります・・・・・。退屈せずに続きを。

 

「床がいがんじょるけん、家にいぬらい。」「いぬる?」

「もういんだか?」、まだよ、「いにたい!」

いなんかや」、「いねや!」 

ほいたら「いっちくるけん」、いっしょに「いかんか?」

いかや~」、

ぼちぼち「いくかや?」「先にいっちょるけん」、

「すまんがいっちくりや~」

「なに?いかん?」、「いけるかい!」、あああ・・・いくるかい・・・。

 

「行く」という言葉には以上のような使い方があります。さて、続きを・・・・。

 

いだらいっしょごろはちにすなよ~!いけんやといお一匹やらんぞ~。

いけんちやのぉ~、おせいじるけん、いっちょらいもこうちゃらんぞぉ~。

そがい言わんと、いらしてや~。いいわい、はいれや

しかし、いっさにこんかったのぉ~。ほうよ、いたずけやらなんやら、いろせなもんで

せわしかったけんな~。いごまごしよったがやないの?違うで~、わたしゃいそしいで~。

いっぷくりんかな?

いつからしじゅう、あんたは忙しの~?ほうよ、今日もいせものいでたり、いもぼた

作ったけん、どこらかしらもいっぺさっぺよ~!いがもがいわれることないぜ~。

 

以上、「い」の項でした。まだ把握しきれてはおりませんが、こんなところでは・・・。

文章の意味、解りますか・・・・・・・?多少不安です、わたしは解るのですが。

あえて訳はつけません(笑)

 

 

 

 

 

 


ふるさと方言集①

2011-07-14 11:52:27 | 狩江の暮らし

当地は梅雨が明けてから、本格的夏の様相を見せております。

高山のシーサイド遊泳場では、海を求めて多くの人たちが訪れておりました。

さて、先日のレクバレー大会でもらった賞品に、「明浜くらしの歳時記」という小冊子が

ありまして、これは平成5年に発行されたものです。婦人会が中心となって

昔からの暮らしのあれこれを書き留めた100ページほどの冊子。

その中に、ふるさと言葉集という項があります。いわゆる方言集です。

読みながら、くすくす笑えるので、都会に出ているみなさんもぜひ、これらの言葉を

町中で大声で使って欲しいと思って、「あ」の順から文例を交えてご紹介します。

 

  ********* 「あ」 *********

 

あのな~、あんじょあんねがな、あいい顔とあけい顔しち、あがりはなにおったら

あがんないや」いうて言われたけん、「あつかましやの!」。「ありゃん、そげなこと

言わんたちかんまんやねえか!」と、家の人。あげなこと言うけん、人にあよしじゃ、

あさまし言われるがよ。早よ、あびきが来よるけん、あさのかんぱちからあさじり

行かんといけんぞ~。いつでん、あじゃくったりあんきまごろくやけん、あずるんよ。

ありゃ~、すまんな~、あがりはなにおらしち。おおっ、なっそ?そのあぎとどげしたが

あいまちしたんか?だれぞにあつかいしちもらわんといけんぜ~。

 

     ****************************

とまあ、文脈はさておき、「あ」の行の短縮バージョンです。あえて訳はつけません。

誰か翻訳してください。

 

 


祝い事

2011-07-05 21:29:34 | 狩江の暮らし

先日7月3日は、町内一斉清掃の日でした。なんとか天気も曇りの一日で

無事日程を終えました。暑い中でしたがみなさま、ご苦労様でした。

さて、「祝い事」と言えば、結婚式。

そのカップルの為に、地区(隣近所)のみなさんが行うのが、この「石担ぎ」の儀式。

ちょっと工夫を凝らした衣裳を身に付け、棒で2つの石を運んでゆきます。

今月結婚式を控えた両名の為に、何やらお払いの儀式をやっています。

ちょっとユーモラスに、賑やかに楽しく行うのがこの儀式の基本。

永くお幸せでありますように・・・・・。