私がこれまで提言を続けてきた、杉並区中央図書館改修に関しての取り組みの経緯について、SNSで誤った認識を示されている投稿がありしたので、正確にお伝えする必要があると考え本ブログに掲載を致します。
平成27年7月、私が毎月定例開催をしている「木曜茶話会・区民意見交換会」で図書館の重要性を訴えるお声を届けてくださった区民の方のご厚意で、図書館に関して専門性が高い方のお話を聞く機会に恵まれました。
当時国会では集団的自衛権を含む安保法案が審議され、違憲か合憲かの議論がニュースの大きな焦点となっていました。そして、その後9月17日に強行採決という言葉では足りないくらい、本当に狂乱の中の採決が行われました。
私は大きなジレンマを抱えていました。
こういった国政でのやり取りを見聞きしても、本当の憲法論やあるべき論が分からない。テレビのニュースやワイドショーを見ていても、本質的な議論をする為には、国民皆が偏りの無い多くの知識を修得できる場が必要であると考えていたところ、公共図書館の役割がまさしく国民全員に無償で知識の修得が出来る場所として用意されている事に気づきました。
また、外部の議員研修を受けた際に、公共施設が本当に活用をされているか議会でも注視が必要、特に図書館は来館者数と貸し出し冊数のみが評価の対象となっているが、その他の質に関しても評価軸があるはず、といった講義を受け、杉並区に置き換えて考えてみるとどうかと調べたところ、当時築33年を迎え、中央図書館の設備の更新のみを対象とする改修工事が予定されている事を知りました。
私は20年間設計の仕事をしてきました。建築物の持つ利便性、居住性などを出来る限り追及してきましたが、杉並区中央図書館のスペースの使い方を見ても、もっと良い空間を区民に提供できるだろうと考えていました。正面玄関左の展示スペースや地下、読書の森の活用が十分されていない。区民の為に、空間を最大限活用していこうという視点に立った改修として欲しいと考える様になりました。
そして、複数回の建築士仲間との現地視察、勉強会、区民との意見交換会などを通して見えてきた内容を基に、議会の一般質問を行ってきました。議会だけでも、一般質問3回と決算特別委員会の会派の意見開陳、その他、区の担当職員とは自由闊達に意見交換をし、繰り返し提言をして参りました。
主に訴えて来たのは以下の3点です。
1、幅広い区民の意見聴取
2、建物の可能性を引き出し、利便性の高いレイアウト変更のみに止まらず省エネ性能も可能な限り追及
3、「杉並区立図書館サービス基本方針」の具現化https://www.library.city.suginami.tokyo.jp/outline/pdf/2305_tosyokansabisu_kihonnhousin.pdf
そして、設計者選定はより良い改修を目指すには最重要ポイントとなるため、設計料の多寡で決める入札では無く、設計力を審査するプロポーザル方式を選定して貰えるよう、粘り強く求めました。
区ではこの提言を真摯に受け止め、単なる設備の更新の改修のみに止まらず、より良い中央図書館を目指す取り組みを始めてくれました。
下記に区の取り組みと、私の議会での一般質問を記しておきます。
私は区議会議員という公人の役割を正確に理解し、区民の為に公平・公正・公益性を最重要に据え、課題解決の為のステップを試行錯誤をしながら見出し、行動をする事で実りを得てきました。SNS投稿にあるような、特定の団体や人に対する利益供与や癒着などはありませんし、自己実現を目指してもいません。私の活動を知り、支援をして下さっている方がこの投稿をご覧になり、心を痛めることを心配しています。
今回中央図書館改修を、何よりも区民の為により良いものを目指して欲しいという訴えを区は理解し実行してくれたことには大いに感謝をし、取り組みの着実さを評価しています。
公共建築物は質実剛健、コスト意識を高く持ち、より良い施設を区民に提供していく体制を築くよう、杉並区への提言を続けて参ります。
<杉並区の取り組み>
◆中央図書館改修を考える区民ワークショップ
http://www.city.suginami.tokyo.jp/kusei/kyoiku/toshokan/1028494.html
◆地域中・高校生委員及び「ゆう杉並」中・高校生運営委員への図書館についてのアンケート調査
http://www.city.suginami.tokyo.jp/kusei/kyoiku/toshokan/1030843.html
◆杉並区立中央図書館改修のあり方にかかる荻窪中学校文芸部生徒との意見交換会
http://www.city.suginami.tokyo.jp/kusei/kyoiku/toshokan/1030844.html
◆杉並区立中央図書館改修基本計画策定
http://www.city.suginami.tokyo.jp/kusei/kyoiku/toshokan/1037961.html
◆杉並区立中央図書館全面改修工事設計等業務委託公募型プロポーザル
http://www.city.suginami.tokyo.jp/nyusatsu/proposal/1032923.html
<議会での取り組みの様子>
(以下、中央図書館に関する部分を抜粋)
Q.特に、現在検討が進められている中央図書館の改修では、外壁部分にガラス面を多用し、西日の影響を受けやすい建物であることなどからも、省エネ建築への転換が必要ではないかと考えます。これにより室内環境は快適となり、空調などの光熱費も格段に抑えられるのではないかと推察します。改修をチャンスと捉え、一歩踏み込んで計画を進めるために、大学の研究室などとの協働により、省エネの成果を測定しながら改修を進め、今後の省エネ改修の参考事例とすることを要望いたしますが、当区の見解はいかがでしょうか。
また、今後の改築改修において、省エネ性能のみならず、よりよいものをつくろうとすればするほど設計者の力量に負うところが大きいと考えます。これまでの設計業務委託の設計者選定においては、大きく入札とプロポーザル方式を採用してきた経緯がありますが、この2つの方法の優位点の違いを当区ではどのように捉えているのでしょうか。また、これまでのプロポーザル方式での実績と評価、課題点をどのように捉えているのか、お伺いします。
私ども会派は、これまで中央図書館改修について、幅広い区民の意見聴取と、それを設計に反映させていくことを求めてまいりました。区からの答弁では、図書館協議会のほか、区民参加により幅広い意見を聞きながら検討を進めるとしていますが、省エネ建築物としての検討や区民意見聴取などを十分に進めていくための当区での今後の具体的な取り組みについてお伺いします。
A.中央図書館長(森仁司) 私からは、中央図書館の改修に関するお尋ねにお答えいたします。
中央図書館の改修につきましては、既存施設の内部改修という一定の制約はあるものの、区立図書館サービス基本方針に掲げる図書館像の具現化を目指して、図書館協議会のほか、今年度上半期に、多用な参加手法により幅広い区民等の意見をお聞きしながら検討を進めてまいります。具体的な取り組みとしましては、専門家等の支援のもとでのワークショップ形式の区民意見交換会を初め、区民意向調査や区政モニターアンケート、さらには関係部門の協力を得て実施する中高校生との意見交換などを予定しております。
こうした取り組みを通じて寄せられるさまざまな区民等の意見を生かしながら、御指摘のあった省エネの課題も含む検討を行い、平成29年度の設計に向けて、改修基本計画を今年度中に策定してまいる考えです
◆平成28年第3回定例会決算特別委員会、会派代表意見開陳
教育分野に関して提言
中央図書館を初めとして、地域館などの改築等の取り組みにおいては、区民の知識の源となるよう工夫を凝らし、区民が情報、知識を得ることによって成長し生活を維持していけること、また、人間は文化的な潤いのある生活を営む権利を有するといった公立図書館の責務に応えることができるよう、蔵書管理にも細心の注意をしながら、今後とも知恵を絞ってください。
◆平成28年第4回定例会一般質問(会議日:平成28年11月18日)
「公共施設マネジメントについて」「中央図書館について」 動画→http://suginami.gijiroku.com/voices/g07_Video_View.asp?SrchID=4380
ご意見&お問い合わせは下記までお願い申し上げます。
杉並区議会議員
久我山在住 FAX 03(6231)5839
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