民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

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老いは悲しい

2020年03月23日 22時28分15秒 | 健康・老いについて
森永キャラメルが好きで、常時持ち歩いている。
4,5日前、右の奥歯がキャラメルにくっつくようになった。
あきらかに様子がおかしい。
けれど、確かめるのが怖くてそのままにしていた。
昨日、覚悟して、どの歯だろうと指でつまんでいたら、
右上の奥から二本目の歯がポロッと取れた。
根っこは完全に縁が切れていて両側の歯にはさまっていただけだ。
ショックでガクッと肩を落とした。
新車を自分のミスで擦り傷をつけたことがあるが、
そのときのショックに近い。

もうキャラメルを食べるのは止めよう。
なるべく噛むのは避けていたが、
それでもいつかこうなるのではと心配はしていた。
前にガムを噛んでいて、グキッと差し歯が取れてから、
ガムを噛むのは止めていたのに、似たようなことを繰り返してしまった。

取れた歯の跡を舌でさぐると差し歯になりそうもない。
ブリッジになるんだろうな。
三本目のブリッジになる。
そのうち、ブリッジにすることもできなくなって、入れ歯になっていくんだろうな。
暗澹たる気持ちに気が滅入る。
 
数日前に「老いを楽しむ」と公言した。
その手前、落ち込んでばかりもいられない。
しかし、少しずつ、なだらかに坂を下るようになら、
気持ちの整理もつくだろうが、突然はつらい。
だが、「一寸先は闇」
明日、目が見えなくなるかもしれない。
明日、脳溢血かなんかで倒れ、半身不随になるかもしれない。
それでも、「老いを楽しむ」なんてのんきなことを言っていられるか。

前にそんなことを言ってたことを思い出せれば、いくらか救いがあるかもしれない。
それと正岡子規の「病牀六尺」など死の末期まで書いた随筆を読んだのも大きい。
あのありさまに比べたら、歯の一本が取れたくらいで騒いでどうするという気持ちになる。

時間がたって、ショックもだいぶ和らいできた。
しかし、老いは悲しい。
「老いを楽しむ」なんて言うんじゃなかった。