子供のお使い 団子 団子婿と昆布買い(長崎県の民話)にヒントを得て
今日は「子供の お使い」ってハナシ やっかんな。
オレが ちっちゃい頃、じいちゃんから 聞いた ハナシだ。
ほんとかうそか わかんねぇ ハナシだけど、ほんとのことだと思って 聞かなきゃなんねぇ。
むかぁーし ある時のこと、不意の来客があって(な)、おっかさんが 子供に お使いを 頼んだと。
「団子(だんご)を 買ってきておくれ。・・・お前は 忘れっぽいからねぇー、
忘れないように「だんご」って、口に出して 言いながら、行くんだよ、・・・わかったかい」
「はぁーい」子供は 元気に 返事して、歩いて 行ったと。
「だんご、・・・だんご、・・・だんご」(初めて お使いを頼まれた 子供のように はしゃいで)
しばらくして、(こっち 行くと 近道だな)って、行った先は どぶ川が 流れていて、
「どっこいしょ」って、掛け声をかけて、飛び越えたと。
そしたら、それから、ほんとは「だんご」って、言わなきゃ なんねぇのに、
「どっこいしょ」って、言うように なっちまったと。
「どっこいしょ、・・・どっこいしょ、・・・どっこいしょ」
そんで、お店に着いて、「どっこいしょ、おくれ」って、言うと、
「どっこいしょ?・・・はて、うちには どっこいしょ なんて、おいてないなぁ。
聞き間違えたんじゃ ないの。・・・もう一回 うちに行って、聞いておいで」
うちに帰って、「どっこいしょ なんて、ないって 言われたよ」って、おっかさんに 言うと、
「なんだい、この子は・・・どっこいしょ なんて 頼んでないよ。
「だんご だよ だんご・・・言ってごらん、だ・ん・ご」
「だ・ん・ご」
「そうだよ。・・・じゃ、行っておいで」
「はぁーい」子供は 元気に 返事して、歩いて 行ったと。
「だんご、・・・だんご、・・・だんご」
(さっきは どぶ川を 飛び越えた時、「どっこいしょ」って、言っちまったんだな。
今度は 別の 近道を 行こう)って、行った先は、ちょっとした 段差があって、
足をかけて「やっこらさ」って、よじ登ったと。
そしたら、それから、ほんとは「だんご」って、言わなきゃ なんねぇのに、
「やっこらさ」って、言うように なっちまったと。
「やっこらさ 、・・・やっこらさ、 ・・・やっこらさ」
そんで、お店に着いて、「やっこらさ、おくれ」って、言うと、
「やっこらさ?・・・うちには やっこらさ なんて、おいてないなぁ。
聞き間違えたんじゃ ないの。・・・もう一回 うちに帰って、聞いておいで」
うちに帰って、「やっこらさ、なんて、ないって 言われたよ」って、おっかさんに 言うと、
「なんだい、この子は・・・やっこらさ なんて、頼んでないよ。
しょうがない子だねぇー。・・・何回 言ったら わかるんだい」って、
げんこつで その子の頭を ポカッ って、なぐったと。(むかしのおっかさんは こわかった)
だんご だよ だんご、何回 言ったら わかるんかね、この子は、・・・言ってごらん、だ・ん・ご」
「だ・ん・ご」
「そうだよ、・・・じゃ、行っておいで。・・・今度は 間違えるんじゃ ないよ」
「はぁーい」子供は 元気に 返事して、歩いて 行ったと。
「だんご、・・・だんご、・・・だんご」
(近道したのが いけなかったんだ。今度は、どぶ川や 段差のない まともな道を 行こう)って、
行った先は、(大きな)杉の木があって、花粉が 舞って いたと。
子供は「はっくしょん」って、くしゃみを しちまったと。(花粉症だったんかな)
そしたら、それから、ほんとは「だんご」って、言わなきゃ なんねぇのに、
「はっくしょん」って、言うように なっちまったと。
「はっくしょん、・・・はっくしょん、・・・はっくしょん」
そんで、お店に着いて、「はっくしょん、おくれ」って、言うと、
「はっくしょん?・・・うちには はっくしょん なんて、おいてないなぁ。
また、聞き間違えたんかい。・・・しょうがないねぇ、もう一回、うちに行って、聞いておいで」
(あれっ、おかしいな)って、子供が はんべそを かきながら、帰ろうとすると、
後ろから 見てた 店のモンが、
「おい、おい、どうしたんだい、おめぇの頭(あたま)、・・・でっけぇ たんこぶつくって、・・・
まるで だんご みてぇなよぉー」
それを聞いて、子供は、「あーーー」って、大きい声を 出して、ふり返って(な)、
「そ、そ、それだ、・・・だ、だ、だんご、だ。・・・だんごを おくれ」って、言ったと(さ)。
おしまい
今日は「子供の お使い」ってハナシ やっかんな。
オレが ちっちゃい頃、じいちゃんから 聞いた ハナシだ。
ほんとかうそか わかんねぇ ハナシだけど、ほんとのことだと思って 聞かなきゃなんねぇ。
むかぁーし ある時のこと、不意の来客があって(な)、おっかさんが 子供に お使いを 頼んだと。
「団子(だんご)を 買ってきておくれ。・・・お前は 忘れっぽいからねぇー、
忘れないように「だんご」って、口に出して 言いながら、行くんだよ、・・・わかったかい」
「はぁーい」子供は 元気に 返事して、歩いて 行ったと。
「だんご、・・・だんご、・・・だんご」(初めて お使いを頼まれた 子供のように はしゃいで)
しばらくして、(こっち 行くと 近道だな)って、行った先は どぶ川が 流れていて、
「どっこいしょ」って、掛け声をかけて、飛び越えたと。
そしたら、それから、ほんとは「だんご」って、言わなきゃ なんねぇのに、
「どっこいしょ」って、言うように なっちまったと。
「どっこいしょ、・・・どっこいしょ、・・・どっこいしょ」
そんで、お店に着いて、「どっこいしょ、おくれ」って、言うと、
「どっこいしょ?・・・はて、うちには どっこいしょ なんて、おいてないなぁ。
聞き間違えたんじゃ ないの。・・・もう一回 うちに行って、聞いておいで」
うちに帰って、「どっこいしょ なんて、ないって 言われたよ」って、おっかさんに 言うと、
「なんだい、この子は・・・どっこいしょ なんて 頼んでないよ。
「だんご だよ だんご・・・言ってごらん、だ・ん・ご」
「だ・ん・ご」
「そうだよ。・・・じゃ、行っておいで」
「はぁーい」子供は 元気に 返事して、歩いて 行ったと。
「だんご、・・・だんご、・・・だんご」
(さっきは どぶ川を 飛び越えた時、「どっこいしょ」って、言っちまったんだな。
今度は 別の 近道を 行こう)って、行った先は、ちょっとした 段差があって、
足をかけて「やっこらさ」って、よじ登ったと。
そしたら、それから、ほんとは「だんご」って、言わなきゃ なんねぇのに、
「やっこらさ」って、言うように なっちまったと。
「やっこらさ 、・・・やっこらさ、 ・・・やっこらさ」
そんで、お店に着いて、「やっこらさ、おくれ」って、言うと、
「やっこらさ?・・・うちには やっこらさ なんて、おいてないなぁ。
聞き間違えたんじゃ ないの。・・・もう一回 うちに帰って、聞いておいで」
うちに帰って、「やっこらさ、なんて、ないって 言われたよ」って、おっかさんに 言うと、
「なんだい、この子は・・・やっこらさ なんて、頼んでないよ。
しょうがない子だねぇー。・・・何回 言ったら わかるんだい」って、
げんこつで その子の頭を ポカッ って、なぐったと。(むかしのおっかさんは こわかった)
だんご だよ だんご、何回 言ったら わかるんかね、この子は、・・・言ってごらん、だ・ん・ご」
「だ・ん・ご」
「そうだよ、・・・じゃ、行っておいで。・・・今度は 間違えるんじゃ ないよ」
「はぁーい」子供は 元気に 返事して、歩いて 行ったと。
「だんご、・・・だんご、・・・だんご」
(近道したのが いけなかったんだ。今度は、どぶ川や 段差のない まともな道を 行こう)って、
行った先は、(大きな)杉の木があって、花粉が 舞って いたと。
子供は「はっくしょん」って、くしゃみを しちまったと。(花粉症だったんかな)
そしたら、それから、ほんとは「だんご」って、言わなきゃ なんねぇのに、
「はっくしょん」って、言うように なっちまったと。
「はっくしょん、・・・はっくしょん、・・・はっくしょん」
そんで、お店に着いて、「はっくしょん、おくれ」って、言うと、
「はっくしょん?・・・うちには はっくしょん なんて、おいてないなぁ。
また、聞き間違えたんかい。・・・しょうがないねぇ、もう一回、うちに行って、聞いておいで」
(あれっ、おかしいな)って、子供が はんべそを かきながら、帰ろうとすると、
後ろから 見てた 店のモンが、
「おい、おい、どうしたんだい、おめぇの頭(あたま)、・・・でっけぇ たんこぶつくって、・・・
まるで だんご みてぇなよぉー」
それを聞いて、子供は、「あーーー」って、大きい声を 出して、ふり返って(な)、
「そ、そ、それだ、・・・だ、だ、だんご、だ。・・・だんごを おくれ」って、言ったと(さ)。
おしまい