むかし、じっちゃんから聞いたハナシだ。
ある落語家がいたと。
この落語家、飲む、打つ、買うは ハンパなくやるし、
考え方が 人とちょっと ずれてるところがあってな、ずいぶん 人を泣かせたらしい。
だけど、人を笑わせることに関しては 天才的でな、その芸には みんな 一目おいていたと。
さて、この落語家が死んでな、エンマさまのお裁きを受けている時だったと。
エンマさま、帳面を見ながら、
「おめぇーは どこのだれべぇ、・・・おいおい、おめぇー、ずいぶん悪いことをしてきたな。
こりゃ、どうみても地獄行きだな。・・・
うん?なになに、・・・職業は落語家とな。・・・落語家ってのはどんなことをするんだ?」
「はっ、落語家ってのは、人を笑わせる商売でして・・・。」
それを聞いたエンマさま、何を思ったか、手下に 赤鬼を連れて来るように 言ったと。
そして 赤鬼がやって来ると、落語家に、
「この赤鬼は、もう千年も 笑ったことがないという 可哀そうな鬼だ。
おめぇー、この赤鬼を笑わせることができるか? もし できたら、ほうびに 極楽に行かせてやるぞ。」
それを聞いて、落語家は、
「人を笑わせるのは 商売だからわけねえけど、鬼は・・・笑わしたことねえからなぁー。」
って、ブツブツ言ってたんだけど、そのうち なんか ひらめいたらしい。
「はっ、エンマさま、なんとか やってみましょう。」
そう言って、赤鬼のそばに行くと、耳元で こそこそと なんかハナシをしたと。
するとな、それまで苦虫つぶしていた赤鬼が、ワッハッハッと、笑い出したんだと。
エンマさま、驚いてな、落語家に、
「おめぇー、赤鬼にどんな話をしたんだ?」
すると、落語家が、
「はっ、来年の話をしてみました。」
来年のことを言うと鬼が笑うってね。
おしまい
ある落語家がいたと。
この落語家、飲む、打つ、買うは ハンパなくやるし、
考え方が 人とちょっと ずれてるところがあってな、ずいぶん 人を泣かせたらしい。
だけど、人を笑わせることに関しては 天才的でな、その芸には みんな 一目おいていたと。
さて、この落語家が死んでな、エンマさまのお裁きを受けている時だったと。
エンマさま、帳面を見ながら、
「おめぇーは どこのだれべぇ、・・・おいおい、おめぇー、ずいぶん悪いことをしてきたな。
こりゃ、どうみても地獄行きだな。・・・
うん?なになに、・・・職業は落語家とな。・・・落語家ってのはどんなことをするんだ?」
「はっ、落語家ってのは、人を笑わせる商売でして・・・。」
それを聞いたエンマさま、何を思ったか、手下に 赤鬼を連れて来るように 言ったと。
そして 赤鬼がやって来ると、落語家に、
「この赤鬼は、もう千年も 笑ったことがないという 可哀そうな鬼だ。
おめぇー、この赤鬼を笑わせることができるか? もし できたら、ほうびに 極楽に行かせてやるぞ。」
それを聞いて、落語家は、
「人を笑わせるのは 商売だからわけねえけど、鬼は・・・笑わしたことねえからなぁー。」
って、ブツブツ言ってたんだけど、そのうち なんか ひらめいたらしい。
「はっ、エンマさま、なんとか やってみましょう。」
そう言って、赤鬼のそばに行くと、耳元で こそこそと なんかハナシをしたと。
するとな、それまで苦虫つぶしていた赤鬼が、ワッハッハッと、笑い出したんだと。
エンマさま、驚いてな、落語家に、
「おめぇー、赤鬼にどんな話をしたんだ?」
すると、落語家が、
「はっ、来年の話をしてみました。」
来年のことを言うと鬼が笑うってね。
おしまい