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「卑怯について」 その8 倉本 聡

2016年08月30日 00時16分16秒 | 生活信条
 「昭和からの遺言」 倉本 聡(1935年生まれ) 双葉社 2015年

 「卑怯について」 その8(最後) P-81

 戦後この国は戦いから隔離され
 卑怯だ、ずるいと批判を浴びながら
 平和憲法を必死に死守した
 たしかにある意味では
 潔ぎ良いとは云えないかもしれない
 しかしそのことが70年の平和を
 この国にもたらしてくれたのだったら
 卑怯な国という世の悪名を
 敢えて受けるのもよいかもしれない
 ただし。
 国家はそれで良い。
 しかし国民は 個人個人は
 決して卑怯ではあってはならない
 さもないと70年間戦争を避けてきた
 卑怯の哲学が成立しなくなる

 大きな卑怯の世界の中にいる
 それは仕方ない 威張って認めよう
 だが俺個人は俺個人に対し
 卑怯者になることを
 絶対 許さない
 

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