標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

生活保護費削除と防衛費増大の予算案。これでは北朝鮮と同じ構造では?

2017-12-30 19:19:26 | 日記
政府予算案では生活保護費が18年10月から最大5%の減額となる。3年かけ段階的に引き下げて毎年160億円の国費の削減となるという。

今回の生活保護費の削減は、貧困対策を推進するどころか、後退させる。
内閣が雇用環境が改善され、アベノミクスの効果が出ているという。しかし、これは大企業や富裕層は裕福になるばかりだ。そのうえで、生活保護費を削減するということは、ますます格差を広げるばかりだというニュースでのコメントがあった。

国会は平成25年に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」を全会一致で成立させた。この法律に基づき、内閣総理大臣を会長とする「子どもの貧困対策会議」、当事者や有識者から成る「子どもの貧困対策に関する検討会」、パブリック・コメントを経て、平成26年8月29日に「子供の貧困対策に関する大綱」が閣議決定された。

なのに、生活保護費の削減は、子供の貧困対策に逆らう施策だ。引き下げの根拠は、下から10%の所得の人たちと比較して、その消費水準と合わせて引き下げる、というものだ。貧困を脱出するためには、水準を高めなければならないのに、水準を最も低いものに合わせるという。アベノミクスが成功しているのなら、何故水準を高められないのだろうか?



来年度予算案で、わが国の18年度防衛費は17年度の5兆1251億円を上回り、過去最高の約5兆1900億円とする方針を固めたとのこと。749億円アップだ。敵基地攻撃できるミサイルなどの憲法違反とも思われる配備をしようとする。この防衛費については、何ら議論されず、北朝鮮の脅威があるからと、なし崩し的に既成事実化しようとしている。一方、生活保護費の減額分は向こう3年間で480億円だ。防衛費の増額をしなければ、生活保護費は少なくとも据え置き、それどころか、生活保護費は引き上げることができる。

憲法25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とある。例えば、今回の生活保護費の削除をしたならば、75歳の高齢者で単身世帯の場合、4000円ほど減額になるという。あるニュース番組で、インタビューされた高齢者が語っていた。「衣食住を削って医療費をねん出して暮らしてきた。削減されたら、医療費を、どのようにねん出したらよいか分からない」という。現在でも、生活保護費の受給により生活している人は、憲法で保障している文化的な生活を営む権利が、全く保障されていない。削減により、もっとも大切である健康な生活を営む権利が侵害される。「健康で文化的な最低限の生活」が奪われる。これでは立憲国家といえないのではないか。

北朝鮮では、庶民の生活を犠牲にしてまでも、ミサイル、核開発を止めない。わが国では生活保護費を削り、自衛権の則を超えようとする軍備予算を立てている。比較するのは飛躍があるかもしれないが、強いて問いたい。もしかしたらわが国も、北朝鮮に似ているのではないか?と。
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