標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

週刊報道で語った高橋まつりさんの母のことば「私たちは許しません」

2018-07-02 19:27:41 | 日記
昨夜のBS TBSの週刊報道で、働き方法の成立について、高橋まつりさんの母のインタビューを交えて、問題点を語っていた。

高橋まつりさんは2015年電通に就職した。そして、8か月後のクリスマスの朝、24歳で自ら命を絶った。後に過労死として労災が認められた。1か月に105時間の残業をしていたとのこと。
まつりさんが高校生の時に使っていた部屋が当時のまま残っている映像が流れていた。

6月29日参院本会議で、与党などの賛成多数で成立した。母・幸美さんは、国会での採決を見守り、成立した法に対して「裏切られた」という思いだという。

安倍総理は、2017年1月の施政方針演説で、まつりさんのことを取り上げ、「長時間労働の是正に取り組み、働く人のために」と声高らかに述べた。
2月には母が、総理から官邸に招かれ、働き方改革をやり遂げると涙ながらに語ったという。

しかし、今年5月に過労死家族の会が、総理に面会を求めたが、認められなかった。母は、「働き方法の設立のために、自分たちが利用された、裏切られた」と語る。
「これが日本の現実なんだよ」「あなたを追い詰めた日本の姿」と母はまつりさんに語りかけるように話していた。

番組では、誰のための法なのかと、総理の発言を検証していた。総理は今年5月23日までは、判を押したように「(働き方法は)労働者のニーズに応えるもの」と答弁していた。ところが、採決の直前の5月25日には、「経済団体の代表者から高プロを導入すべきだという意見を頂いた」と認めた。

今まで隠していたことを直前になって認めたが、これが今の政権のやり方なのかと思うとあきれるばかりだ。答弁では、総理はじめ閣僚等はご飯論法で逃げる、隠す。最後になってアリバイ作りをする。まつりさんの母の発言を繰り返しになるが、「これが日本の現実なんだよ」。

今回の法律の、主な問題点。
〇残業時間の上限を設けたが、それが100時間だ。これでは、まつりさんと同じ程度の残業をしても、会社の責任にならない。つまり労災にあてはまらない可能性があるということで、過労死を助長しかねない法になってしまう。

〇「高プロ制度」は専門業務を行う年収1,075万円以上の労働者に、年間104日(かつ月4日)の休日さえ取らせれば、定額で残業させ放題の制度だ。つまり、「休憩」「残業」「休日出勤」「夜勤」という概念自体が存在しなくなり、「残業代」がゼロになる。まつりさんの母も述べるが、「2、3日徹夜が続けば、体調不良をきたす。必要なのは、『インターバル』」だと。

〇また、高プロの対象を労働者の平均年収の3倍以上と定めているが、法さえ改正すればこの額を下げることが可能だ。かつて、経団連は年収要件を400万円以上で提案していたという。

高プロに関する法は、多くの労働者は経営者のために、労働を酷使される。これで民主的な国と言えるだろうか?

まつりさんの母は語る、「法は成立しても、終わらせてはいけない」「私たちは認めません」と。
法の施行は2019年または2020年からだ。今後は、すべての国民が、自らのこととして考え、法の反故を視野に入れ、対応していかねばならない。
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