昨夜の平昌オリンピックの開会式は大規模で、光とコンピュータ技術を駆使した音と映像の世界であった。旗手と数人の選手だけの国もあれば100人規模の選手団を動員した国もあった。入場する国名がアナウンスされるたびに、妻と共に世界地図と地球儀を手にしながら、国を探した。東ヨーロッパ、アフリカの国々はその場所が分からない場合が多い。我々が地理を学習した時とはだいぶ変わっている。世界大戦後70年も経つと、変わるものだ。悲しいかな世界大戦には至っていないが、数多くの地域紛争が起こっている証拠だ。
朝鮮半島も南北の戦争は休戦状態のままだ。しかし、今回のオリンピックによって南北合同チームが結成された。南北が合同で「コリア」として統一旗を掲げて入場した。
オリンピックの開会式を見て、不思議な気持ちが湧いてきた。ここ数日、そして、昨日の昼でも国内の報道では、スポーツとしてのオリンピックより、北朝鮮の言いなりになっているのではないかという危惧する政治的な報道の方が目立っていたように思う。そして、視聴者の一人として、私も不安や危機感を抱いていた。しかし、開会式の中継映像で、当該選手団が入場すると、ペンス副大統領、安倍首相、文韓国大統領や北朝鮮の金与正氏、金永南氏らのアップ画面が映し出された。昼間までコメンテーターが憂いをもって政治的な議論をしていたとは思われない。「融和」という言葉が最もふさわしい雰囲気を感じた。私自身の気持ちの中から対峙という概念が消えた。ひたすらこのように共に手を結び生きればいいんだという肯定的な気持ちが湧いてきた。
一方、テレビアナウンサーが、「コリア」を紹介するくだりで、「・・・外国からの侵略を受けた・・・」とい内容の発言をしていた。この瞬間、「ハッ」と感動から離れて我に返った。罪悪感を感じた。「外国」とは日本ではないかと。アナウンスはその後侵略について触れることはなかった。私の心中でしばらく「外国」、「侵略」ということばが消えなかった。秀吉による朝鮮出兵、1910年(明治43年)に大日本帝国が大韓帝国を併合し、1945年(昭和20年)まで統治が続いた。日本の統治地域であったがゆえに、大戦後南北に分かれてしまった。ベトナムやドイツは分断されていたが統一された。しかし、朝鮮半島はいまだに分断されたままだ。かつては一緒に生活していた親族も、南北に離散されてしまった。南北の人が、日本に対して抱く複雑な心情が分かるような気がする。
今日のテレビニュースでは、文韓国大統領、金与正氏、金永南氏ら南北の要人が一堂に会した映像が流れ、お互いに柔和な顔でお互いを気遣い合う会話が交わされていた。一人ひとりは同胞なのだから当たり前なのだが、通訳なしの韓国語で。私は、このまま時間が止まってほしいと思った。私以上に同席していた人々は、そう思ったに違いない・・・と信じたい。
北朝鮮の要人の参加は、「微笑み外交」と揶揄される。そのような捉え方は捨てて、オリンピックは平和の祭典ということを貫いてほしい。オリンピック期間は2月25日までの17日間だが、少なくとも17日間は、平穏であって欲しい。そして、願わくは、その後も「平和」、「融和」、「友好」を保ってほしいと願う。
朝鮮半島も南北の戦争は休戦状態のままだ。しかし、今回のオリンピックによって南北合同チームが結成された。南北が合同で「コリア」として統一旗を掲げて入場した。
オリンピックの開会式を見て、不思議な気持ちが湧いてきた。ここ数日、そして、昨日の昼でも国内の報道では、スポーツとしてのオリンピックより、北朝鮮の言いなりになっているのではないかという危惧する政治的な報道の方が目立っていたように思う。そして、視聴者の一人として、私も不安や危機感を抱いていた。しかし、開会式の中継映像で、当該選手団が入場すると、ペンス副大統領、安倍首相、文韓国大統領や北朝鮮の金与正氏、金永南氏らのアップ画面が映し出された。昼間までコメンテーターが憂いをもって政治的な議論をしていたとは思われない。「融和」という言葉が最もふさわしい雰囲気を感じた。私自身の気持ちの中から対峙という概念が消えた。ひたすらこのように共に手を結び生きればいいんだという肯定的な気持ちが湧いてきた。
一方、テレビアナウンサーが、「コリア」を紹介するくだりで、「・・・外国からの侵略を受けた・・・」とい内容の発言をしていた。この瞬間、「ハッ」と感動から離れて我に返った。罪悪感を感じた。「外国」とは日本ではないかと。アナウンスはその後侵略について触れることはなかった。私の心中でしばらく「外国」、「侵略」ということばが消えなかった。秀吉による朝鮮出兵、1910年(明治43年)に大日本帝国が大韓帝国を併合し、1945年(昭和20年)まで統治が続いた。日本の統治地域であったがゆえに、大戦後南北に分かれてしまった。ベトナムやドイツは分断されていたが統一された。しかし、朝鮮半島はいまだに分断されたままだ。かつては一緒に生活していた親族も、南北に離散されてしまった。南北の人が、日本に対して抱く複雑な心情が分かるような気がする。
今日のテレビニュースでは、文韓国大統領、金与正氏、金永南氏ら南北の要人が一堂に会した映像が流れ、お互いに柔和な顔でお互いを気遣い合う会話が交わされていた。一人ひとりは同胞なのだから当たり前なのだが、通訳なしの韓国語で。私は、このまま時間が止まってほしいと思った。私以上に同席していた人々は、そう思ったに違いない・・・と信じたい。
北朝鮮の要人の参加は、「微笑み外交」と揶揄される。そのような捉え方は捨てて、オリンピックは平和の祭典ということを貫いてほしい。オリンピック期間は2月25日までの17日間だが、少なくとも17日間は、平穏であって欲しい。そして、願わくは、その後も「平和」、「融和」、「友好」を保ってほしいと願う。