のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

そちらの席で・・・

2006-11-15 | KA
 新しいアーティスティックコーディネーターに少し話したいことがあるといわれ1回目のショーのあとに時間をとることになっていました。彼女は女優をしてきた方でシアターの経験の豊富な方です。どんなことを言われるのか緊張していました。 
 彼女のオフィスに入り、ドアも開けたままで話が始まりました。まずは私が今している仕事に対して喜んでいることを伝えられ、ほっとします。そしてひとつだけ気になるところがあると言いました。それを聞き私はとても嬉しくなりました。そこは私の気持ちが動くところなので時間を掛けてしていたところだったのに、ショーの時間を短くしたいがために1秒でも0.5秒でもと、短く短くされていたところだったのです。そのシーンに彼女は時間を掛けていいといってくださいました。あなたの心をもっと出していいといわれました。私が訳を話すと彼女は「そこのシーンは大切だからそんなこと気にしないでいい。アーティスティックディレクターのピエールに確認もするけれど、時間を短くするのはほかのシーンでするから。」とおっしゃってくださいました。そして「大きく何かを変えなくていい、自分の気持ちの中でそのときの思いを確認すればいい、時間を掛けて変えていけばいいから。」と。
 今までとは全く違った言われ方であり、また信頼されていることを感じる言われ方であり、嬉しく明るい気持ちになりました。

 そんな気持ちで迎えた2回目のショー、かぶりつきにバトンの先生親子がお座りのことはわかっていました。
 最後にお辞儀をして手を振るとき、いつも後ろのほうのお客様から手を振ります。舞台が下がっていっても前のお客様は見えるからです。今回もそのようにして最後に一列目を見ました。真ん中にお座りだと思って真ん中を見ました。ところがいらっしゃらないのです。空いた席があったのでバレーオブファイアーのツアーから戻れなかったのかと思いました。そしてそのまま目を左に移すと一番端に座っていらっしゃいました。
 すぐに舞台は下がり、私は素に戻って「え、あそこに座っていらしたの???」と一人で笑っていました。そこは影絵で客席に下りたところのすぐ横の席だったのです。全く気付きませんでした。静かなお客さんだなと思って私もちょっと反応を控えめにしてしまったぐらいです。
 あとからお会いして伺うと、同じ席に座った多田先生のことを私から聞いていたので「多田先生のようにオーラを出してはいけないかと無理にじっとしていた。」と。3人で大笑いしました。
コメント
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