のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

モンゴルのお菓子

2007-01-27 | KA
 ズラが嬉しそうに
「これ食べてみる?モンゴルのお菓子なの。」
 と透明のビニール袋に入っているお菓子を見せました。不思議な形。少し大きめの白の絵の具のチューブから、中身をグニョグニョッと出した感じです。
「これモンゴル人はみんな好きなの。」
 口にしてみるとものすごく硬い。噛めません。
「どう?」
 私の反応を気にするように顔を覗き込みます。何か言いたくても味がありません。そして、少し噛めるようになりました。
「牛乳とチーズで出来ているの。」
 確かにそういう味はあります。
「どう?」
 私は大抵なんでも「こういうものなんだ…。」と、すぐに受け入れて“おいしい”と簡単に思うのですが、これはかなり特別でした。決してまずいとは思いませんが、表現のしようがないのです。
「モンゴル人はみんなこれを喜んで食べるんだけど…。」
 そう言われると余計に考えてしまいます。煮干をおやつにする日本人より、こんなに硬いものをおやつにするモンゴル人は顎の発達が良いだろうな…と、思いながら噛み続け、味を探しました。
 モンゴルのことは彼女に会うまで未知の世界でした。このお菓子との出会いはまだまだ奥深くて知らないことがいっぱいの国であることを思い知らされました。


 クリエーター、振付家のジャック・ハイムさんがいらしてくださいました。ソロの部分は彼と創造したので、彼が偶にいらしてご覧になるときが一番緊張していました。それもだんだんと普通に出来るようになって来ました。 
 一回目のショーのあと、たまたま更衣室にいたときに電話が鳴り、「チケット売り場にいるよ。これから僕のカンパニーのメンバーと観るから。一回目のショーはどうだった?あ、もう行かないと…。」といつものようにあわただしい電話を、運よく受けることが出来ました。
 二回目のショーをご覧になることがわかり、楽しみになり、なんとなく今日は、いつもご覧になる一番後ろの照明や音響などの席ではなく、なるべく近くでご覧いただきたいと思っていました。
 昨日の一回目がうそのように、いつもの調子に戻っていました。普通に出来ること、毎日こんな感じにできるようになりました、と伝えられる演技が出来ました。
 「とってもきれいだったよ。」という言葉がいつもよりしみじみしていたので、試しに伺ってみました。「どちらの席でしたか。」「前の真ん中のセクション。」私の願い通り、近くでご覧いただけたことを嬉しく思いました。
 「ミスもしなかったね。」「あ、20ドル払わなくていいですね!」初めの頃にした約束、“落としたら20ドル払う”ということを思い出し、二人で笑いました。
 
 帰りがけ、気付いたら彼の香水がまだほのかに香っていました。