のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

厄介な緊張

2007-05-22 | KA
 心臓の鼓動が聞こえるような緊張、それはこの舞台に関しては落ち着かせることもだいぶできるようになりました。でも今日は全く反対、ドキドキしていないのに緊張しているのが分かります。ちょっと厄介です。休み明け、本番、初日。
 準備期間が少し長すぎたかしら、とも思いました。待ち疲れのようなこと。でも、ドキドキしていない自分を上手く使え、ノリのとても良いお客様に助けられ、一回目のショーは無事に終わりました。
 厄介な緊張にエネルギーをたくさん使ったことを感じました。それに加え、眠気も襲ってきました。二回目のショーをしながら、何か目を覚ませることが必要だと思いました。
 いつものようにトレーニングルームで動いて、舞台上手の待機場所に移動すると、様子が違います。何かが起きています。乳母役と山の人達がテントまで登れずにいました。そして割りにすぐに「鳥のシーンはしないのでキャプティビティのシーンの準備をしてください。」と放送が入りました。キャプティビティのシーン、すなわち私のソロのあるシーン。
 客席には「都合によりショーを一度止めます。」という放送が入り、その後、「しばらく席を離れて自由にしていてください。」という放送も入りました。時間が掛かるということです。そして、その時間がどれくらい掛かるのかは分からず、私はいつ出てもいいように準備をしていなければなりません。必要以上の目覚ましでした。
 このシーンは普通の舞台を使い、アクロバットではなく演劇から始まります。ショーから一度はなれた観客の方々が、またショーの世界にすぐに入るには、少しインパクトが弱いということは分かります。
 観客席がまだそわそわする中、私は出て行きました。話し声もスナック袋のがさがさする音も飲み物を扱う音も聞こえました。舞台上は静かなシーン、静かに静かに話は進んでいきました。フルートを握り、踊り始め、「どうぞこの時間で観客の方々がKAの世界に戻る切っ掛けとなりますように。」と祈りました。私の印象は薄くても、ここですっかりKAの世界に戻れたならば、残りのシーンは何事もなかったかのように楽しめるはず…。
 祈りは思った以上に叶ったようで、踊り終わると遠くのほうから声を掛けていただいているのが聞こえました。

 緊張と喜びの日々がまた始まりました。