のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

クレベーフと走る

2007-06-07 | KA
 ジェスター役が最後、上にあがった舞台からお辞儀をしなくなり約一週間が経ちます。彼はスレイヴケイジというシーンでリフト5が一番下まで降りて行った後、下から上に上がる舞台にのるために、そのままそこで待機していました。しかし、今度はミュージシャンがお辞儀をするところに出て行くことになったので、1階まで上がってこなければいけなくなりました。
 ある日、スレイヴケイジが終わり、私はいつものように階段の扉を開けると、その日ジェスター役のクレベーフがすぐ後ろにいました。私はいつものように階段を駆け上がり始めると
「いつもこうしているの。」
 と。
「じゃあ僕もついていこう。」
 と走り始めました。ひとつ階を上がり舞台裏を走りながら、
「ここではジャンプをしたりするんだけど。」 
 と言うと
「わお。」 
 と。そしてまた次の階段の扉を開け駆け上がりました。
「毎日しているの。だからノリコの脚は細いんだ。」
 私の脚は決して細くはないのですが、彼の素晴らしい筋肉がついた足に比べたら細いでしょう。
「僕も毎日一緒に走ることにしよう。」
 ハアハア言っている彼と、彼の性格を考えて、私は続くかどうかと実際のところ思っていました。ところが彼は毎日走っています。彼が前を行く時は彼の素晴らしいジャンプを見ることもできます。

 今日私はこのシーンの前に衣装の一部を忘れて、3階まで行ったのに下に取りに戻り、それから4階に行って用事をすませ、1階に行って待機をしていました。そして短いスレイヴケイジを終えて、また地下から1階まで15メートル分上がってきました。上に下によく走る日です。今日の身体は少し硬かったのでこれで少しはほぐれることでしょう。

 ジェスター役が上でお辞儀をする演出はとても好きでした。いつの日か彼が上に戻ることを願っています。