のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

温かな乳母

2008-08-08 | KA
 アナトリが東京のショーに移り、フラメンコの乳母が入ってから、ゲイルは乳母役としてそのシーンに立つことはなくなっていました。ゲイルは元々はダンサーですが、フラメンコはできません。でも、彼女の“乳母”というイメージと、オリジナルの乳母のイメージを尊重して、そのシーンを創作していました。そして今日、いよいよデビューの日。
 ショーの直前にゲイルに会うと、「緊張しているみたい。おかしいでしょ。」と言うので、「初めての日に緊張しているのは普通でしょ。」と言うと、彼女は大きく笑いました。
 舞台の下にもぐっていると、突然彼女の大きな声がしました。そのシーンの始まりでした。そしてその声を聞くと、上手く行っていることがすぐに分かりました。
 もぐっていた舞台から降りると、フラメンコの乳母が先に降りて歩いている彼女の背中が見えました。そしてそこにゲイルの声が響いていました。私はいろいろなことを思い出し、目に涙があふれてきました。
 地下から上に駆け上がると、丁度そのシーンが終わったところで、彼女のデビューを温かく見守ってモニターに集まっていた仲間から拍手が起きているところでした。
 ゲイルの乳母はとても好評でした。気持ちのいいエネルギーを運んで、おおらかで温かな乳母を再現してくれました。