のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

笑顔と人の力

2008-08-12 | KA
 衣装部屋のトップに、笑顔で手袋を持って行きました。「私の新しい手袋、とても面白いのですが、ご覧になったことありますか。」と、思い切り笑いながら差し出すと、彼も笑ってから、まだ在庫があるだろうから、と新しいものを用意して下さることになりました。そしてこの“面白い手袋”は、モントリオールに送り返すと。この方との付き合い方を発見した気がします。

 一回目のショー、花火の上がるタイミングが少しおかしいと思うと、打ち上げ花火の一番最後のものが上がらず、さらにグルグル回る花火は出ずに、グルグルとその機械だけが回って迫上がってきました。そして、「お願い!!!」と叫んだ私達の気持も通じず、最後の縦横の花火も出ませんでした。締まりがなく、お客様もどうしていいものやら…という感じ。
 KAの舞台装置は凄いと言われています。そして、その舞台装置に人間が加わるから面白いのだと思います。でも、花火は花火…。我々アーティストがどうすることもできないことでした。

 ショーが終わってから、エリカの家にオリンピックの開会式を観に行きました。彼女は「あんなに素晴らしいものを観たことがない。」と、録画したものをみんなに見せる機会を作ってくれたのです。
 観ながら、古谷野先生がバトンの団体演技について語る時に、マスゲームと集団美のことをおっしゃっていたことを何度も思い出しました。
 個々の顔が映り、「その笑顔。」と呟くと、エリカが「そうなのよ、ね、ね。」と。中国らしいと言ってしまえばそれまでですが、たくさんの時間を費やし練習をし、この素晴らしい機会にこうして参加をしたということは、今のこの笑顔にとどまらず、一人一人のこれからの人生にどれだけの誇りとなるだろうと思うと、本当に素敵なことだと思いました。一人一人の笑顔と誇りは、集まることでさらに大きくなり、人の力を十分に見せてくれました。