のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

逃げていいかな?

2008-08-13 | KA
 彼は少し恥ずかしそうに近づいていきました。手にしているたくさんのカードの中から一つを選びだすと「ノリコ!」と言って、私に差し出しました。「私に何かくれるものがあるの?ありがとう。」と言うと、彼も「ありがとう。」と。そして、すぐにそれが何のカードであるかが分かりました。
 彼は、一ヶ月ほど前に母親を亡くし、帰国するに際してみなで支援をしました。カードを開けると予想通りそのお礼でした。時が経ち、ほんの少しは悲しみも和らいできたところではないかと思います。でも、英語が決して得意ではない彼が、一枚ずつこのカードを書き、一生懸命にそれを書いているときには、またいろいろなことが思い出され、あれだけの枚数を書いているうちには、きっと涙も出たのだろうと思うと、私も目頭を押さえることになりました。
 
 カウンセラー役のヨークがアウトでした。昨日バランスがあまり良くなかったのを思い出しました。ステージマネージメントにそのことを言われ、スレイヴケイジではスカートを奪われないということを告げられました。以前も彼がアウトの時がありました。その時のことを思い出し、舞台に立っている他の人は何をするのか分かっているのか確認すると、これからみなに連絡します、とのことでした。それなら安心です。彼らの反応に私が反応しようと思い舞台に立ちました。
 ところが、そのシーンになると、彼らはスカートを奪わないだけで、私を捕らえようともしないのです。私は逃げ出せそうな感じ。そして、逃げ出そうとする私の行動にも反応しない感じ。上手くいきませんでした。
 ステージマネージメントがみなに伝えたことが、“スカートを奪わない”ということだけと分かったので、二回目のショーでは私が何かをしてみました。今度は少しすっきりしました。
 私の父役がいなくなり、カウンセラー役がアウトになると舞台が淋しいので、彼の代役を作っていたのですが、最近その練習もありません。彼のインパクトは、父役がなくなってからさらに必要なものとなっているのですが、代役のことはどうなっているのでしょうか。ヨークの具合が早く良くなることを祈ります。