人の気持ちは…

ほんとうは何をお望みかしらん？

ケアマネの仕事は『ほんとう』を知るところから始まる。
同僚と言って席を並べても、
個々が担当している利用者のために稼働する個人経営的なところがあるから
同僚のすることは他人の事で『隣の人は何する人』ぞって雰囲気。

前任者からのぐちゃぐちゃ書類にぐちゃぐちゃプランに悩殺された２ヶ月。
『ほんとう』を知るところまで至らず。
ただただ業務に穴あきやら間違い書類を出さない事に汲々して過ぎた。

最後の３ヶ月目は引き継ぎ書類をそう言う視点で作った。
私の精一杯。
新人の負担を軽減すべく、
この３月末でやっと経験１年になるケアマネにも数件渡した。
彼女から渡したケースのプランに突っ込みがあった。

『何にもこの人を知らずに良く仕事が出来ましたね！』

その人を知る時間も何にもなかった。
それは言い訳だと言い放たれた。

ヘルパーサ責が語らない仕事を知らなかった時

『何を時間かけて訪問して見て来られたんですか！』

確かにね。仕事ぶりはほめられるものではなかった。
申しわけありませんと頭を下げるのみ。

知らない慣れない職場の
慣れないしきたりや
気心の計り知れない人の中で
はじめてのケアマネソフトに向かって
できそこないの不備書類の山に向かって
私は壊れかかってもいた。

多少でも前任のむちゃくちゃを
きれいにして仕事整備の路線を敷いた。
もう他業者からクレーム電話がこなくなったでしょ？
それについて
誰にも評価されないって寂しいものだね。

息子の心の荒びはこういうのも
含んでいるんだろう。きっと。

実働、後４日。

新入りの気持ちに気がつかないお残りのケアマネたちは
利用者さんの『ほんとう』に気付くことができるのかな？
人は自分の立場以外で物を考えにくいものなのだろう。
私もまた然り。