神様がくれた弱さとほほえみ―20編の小さな物語西村 隆いのちのことば社フォレストブックスこのアイテムの詳細を見る |
たびたびこの本の事を書いてごめんなさい。
お貸ししていた利用者さんから私の手に帰ってきたので
最初に載せられている詩を書き写します。
貸していた方はこの詩が気に入ったので、
朗読ボランティアさんに全部読んでもらったそう。
貸した張本人の私は本編の序くらいにさらっと流していたけれど
返してもらう時、会話をスムースにするつもり
読んであげているつもりで、声に出して読んでいるうちに
信仰を持たない俗物のくせに胸が熱くなった。
本やノートではめくれないから1枚の紙に書いてもらって
この詩だけはその方の元へ残る。
「毎日自分でも読むの」と紙を時間をかけて広げて見せられた。
人生のほんの束の間の出会い。
日々、力を失う人の支援者であるはずの私の方が何かもらってしまった。
なんだかありがとう。”なんだか”は余計か^^;
『病者の祈り』
大事をなそうとして
力を与えてほしいと神を求めたのに
慎み深く従順であるようにと
弱さを授かった
より偉大なことができるようにと
健康を求めたのに
より良きことができるようにと
病弱を与えられた
幸せになろうとして
富を求めたのに
賢明であるようにと
貧困を授かった
世の人々の賞賛を得ようとして
権力を求めたのに
神の前にひざまづくようにと
弱さを授かった
人生を享楽しようと
あらゆるものを求めたのに
あらゆることを喜べるようにと
命を授かった
求めたものは一つとして
与えられなかったが
願いはすべて聞きとげられた
神の意にそわぬ者であるにもかかわらず
こころ中の言いあらわせない祈りは
すべてかなえられた
私はあらゆる人生の中で
もっとも祝福されたのだ
(ニューヨーク・リハビリセンター研究所に書かれた一患者の詩)