陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

静人日記     天童新太

2011-07-11 05:38:35 | 
静人日記
クリエーター情報なし
文藝春秋




悼む人↓の主人公全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人の日記として書かれている小説。

悼む人
クリエーター情報なし
文藝春秋


悼む人はブログの過去記事を繰ると2009.4に読んでいる。
あんまり感激していない模様。
内容について細かいところは忘れた。
この日記に書かれている行程どおりにストーリーは進んでいったのか?

週末の飲み会で誰かが悼む人を読んでいると話していて、次作の静人日記を読んでいると云うと
「ストーリーを言わないで」と耳ふさがれたがその心配はまったくなかった。
覚えがない。
そんな私が人のことをいちいち覚えておくことは不可能。
その人がこの世で愛された事を記憶に刻んで、その人を悼んで回る小説を読むに足る自分だろうか?
読んでいる過程が楽しいので、活字を追っているに過ぎない。

さて、静人日記。
日を追って日記形式で書かれている。
実に淡々と書かれている。
その日に悼んだ人の事が誰にどんな風に愛されていたかの聞き取ったり、野宿生活のことだったり。
一日の一話がおそろしく重い。
読み飛ばしも常々問題ない私であるが、なんども戻って、
まさに悼むためのその人を記憶するがごとく繰り返し繰り返し行きつ戻りつしながら最後まで読んだ。
短い1日の日記に人ひとりの人生が凝縮されているようで、おろそかにできない気がした。

死者へよき思いだけを刻んで残してあげる作業は、
生きとし生けるすべての人も憎まず愛せよと言う理論になる。
人を否定せず良いところを心に刻む作業は、日常の精神安定につながる。
こうしていれば、心は平安であろう。
いとも簡単なことみたいだけど、なんと毒素の多いワタクシ。
その人の動作から声まで嫌いという人ならいっぱい居る。
読んでいると、こいうのを消したい気分になる。

思うに死が近い人を相手の仕事をしている。
亡くなる利用者さんもある。
ご高齢者の葬儀は参列者の少なく涙すら少ないが、
この人の人生は良い人生だったと誰かのかけがいのない人だったと、
その時、自然に悼んでいる。

しっかり覚えていても地球歴からすれば短い。
忘れることも大事ではないかと、小説とは違う思いも持った。
日記には自分のしている悼みへの迷いや生きて残った人傷つけているという思いが綴られていたので
悼む人より心騒がずに読み終えた。




にほんブログ村 シニア日記ブログ 女性シニアへにほんブログ村 人気ブログランキングへ
                                                           
     来られたお印にふたつクリックしていただくとうれしいです=^_^=