里の部屋

日々思ったことを綴っていこうと思います。

Sweetie

2010年12月11日 | 日々のつぶやき
スイティーと言う果物を知ったのは、10年ほど前の事です。

私はこのスイティーには、今はこの世の人ではなくなった2人の思い出が残っています。

京都へ来てからの友達に教えて貰い、知った果物です。

この友達Yさんと一緒に買い物に行った時、Yさんが、「このスイティー美味しいねぇ」と言われたので、この時初めて名前や形と大きさが夏ミカンのようで、皮の色が緑である事などを知りました。

初めて買ってみて、食べると、なるほど美味しいと思いました。

夏ミカンのように酸っぱくはなく、水分が多く、みずみずしく、嫌みのない軽い甘さでした。

この時以来、この果物を店頭で見つけると買うようになりました。



私がこの果物を始めて知って、美味しいと思いましたので、実家の母のところへ行く時に、この果物を母へお土産として持って行きました。

果物好きの母も、「珍しいなぁ、美味しいなぁ」と言って喜んでくれました。

名前を教えると、最初は覚えているのですが、少し時間がたつと、「これ何やったかなぁ、スイッチ?」などと、何度も聴きました。

初めて母のところへ持って行った数日後に、電話で

「あんたがこの前くれた果物を、隣のおばさんが、貰いものやけど、こんなの初めてでよう食べんし、○○さん、これ食べて見て貰えへんかと言って、3個持って来てくれちゃったわ。おばさんには、これ美味しいから食べなもったいないでと言っといたよ」と言う事でした。

それ以来、この果物が手に入る時期には毎年母に買って行きました。

このスイティーを2日前に買い、今日まで仏壇に供えていたのを、今日下げて食べました。

食べる時、初めて私に教えてくれたYさんの事を思い出して、涙と共に食べました。

Yさんは、島根から京都に来て働きながらずっと独身で一人暮らしをされていました。

私と生まれた年と月が同じ人でした。

なんでも出来る人で、仕事は、事務的なことから接客、又外回りの事まで、企業戦士のように働いていました。

そんな働きで気遣いも多かったのでしょう、又身体的にもかなりきつかったのではと思いました。

50歳で体調が悪くなり、開業医のところで受診された。

その時は胃炎だと診断されたそうでした。

そのうちに癌の初期だと言われ、今はまだ初期の段階だから治りますと言われたそうです。

そして、何と驚く事に、この先生は、奥様が病死されて、その時は独身だったので、このYさんに、「私が面倒みますから」という言葉でプロポーズされ、すぐに挙式に向けて事は進みました。

このYさんは、殆んどの人が結婚はしないのではないかと思っていましたので、ビックリしました。

4月だったか、5月に結婚式をして、新しい人生のスタートをされましたが・・・

又また驚く事態になりました。

たぶん、 8月だったと思うのですが、暑い日にこのYさんのお葬式をする羽目になりました。

結婚して4カ月くらいしか月日は経っていませんでした。

結婚式の日に、Yさんのお姉さんか、妹さんの小学5,6年生と思われる娘さんが、Yさんの相手の先生に「おばちゃんを、よろしくお願いします」と言われた言葉が、鮮明に耳に聞こえて、涙がスイティーを食べながら溢れて止まりませんでした。