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「富山の置き薬」を世界に広めよう! NPOがアフリカ農村部で実施へ 日本財団もモンゴル、ミャンマーで

2015-08-30 09:26:41 | 日記

 発熱や下痢など、ささいな病気で子供が死んでしまうアフリカの農村部の状況を改善するため、各家庭に薬を届ける「富山の置き薬」のビジネスモデルを“輸出”する動きがある。取り組むのは、東京都港区のNPO法人「AfriMedico(アフリメディコ)」代表で薬剤師の町井恵理さん。青年海外協力隊に参加した際に起きた不幸な出来事をきっかけに、困難なミッションへの挑戦を続ける。日本財団もモンゴルやミャンマーなどで同様の活動をしており、日本発祥の制度が世界に広がろうとしている。(稲場咲姫)

 アフリカ・タンザニアに「富山の置き薬」を輸出しようと、現地で調査活動をするNPO法人「AfriMedico」代表で薬剤師の町井恵理さん(左)=本人提供


風邪や下痢で死亡

 「5年後には、タンザニアの総人口の1%に当たる約50万人に置き薬が届くようにしたい」と町井さんは展望を語る。平成26年5月から比較的治安がいいタンザニアで、各家庭に日本の薬を置いてもらい、どんな薬が必要とされているのかを調べる“マーケティング”に取り組んでいる。「日本の薬は良く効くね」という住民の声に、置き薬のニーズは「確実にある」との感触を得た。現在は本格的な実施に向け、同国の厚生労働省にあたる保健省と協議を重ねている。

 「富山の置き薬」にヒントを得た活動は平成20年、青年海外協力隊に参加し、アフリカ・ニジェールで行った感染症予防活動をきっかけに始めた。

 ある村での活動中、高熱の男児を抱えた母親から訴えを受けた。「(病院に行く)お金をちょうだい」。同国は医療が行き届かず、年間345万人の子供が5歳未満で命を落とす。母親の訴えに「根本的な解決にはつながらない」と、お金は渡さなかった。その1カ月後に男児は死亡した。

 悔しさを胸に帰国後、医療支援を行うNPO法人を立ち上げた。現在は薬剤師や製薬会社勤務のスタッフら約25人が参加するまでに成長した。昨年11月には東京都が主催した若手起業家支援のコンテストで、最優秀賞に選ばれた。日本国内での支援態勢も徐々に整ってきている。


「日本で普及した時代背景と重なる」

 「富山の置き薬」は江戸時代初期に始まったとされる。各家庭に風邪薬や鎮痛剤、下痢止めなどが入った薬箱を配置。必要なときに必要な量だけ服用し、後日、集金の際に服用した分の代金を支払い、薬を補充してもらう仕組み。

 町井さんによると、アフリカの農村部は一番近い病院まで、徒歩で1時間半かかるなどインフラが整っていない。偽薬も出回り、日本のような皆保険制度もなく、たとえ病院に行くことができても、治療費が払えない。

 こうした状況は「過去に日本で置き薬が普及した時代背景と重なる」と町井さん。現地の薬は使えるのか、薬の管理をだれに任せたらいいのか-など課題は山積だが、江戸時代から300年の歴史がある置き薬を「現代版」「アフリカ版」にカスタマイズして提供したいと考えている。


日本財団はモンゴルやミャンマーに

 「置き薬」の海外展開を模索するのは、町井さんだけではない。日本財団(東京都港区)は平成16~25年、モンゴルで置き薬の助成事業を行った。遊牧民を中心に10万人(2千世帯)に置き薬を提供。夜中に腹痛を起こしても、一番近い町の病院まで馬で約2時間、往診依頼をして、実際に医者に診てもらうために、さらに2時間かかっていた状況の改善に努めた。

 代金回収率は93%と高く、往診依頼が45%減った。同財団の担当者「利用者との信頼関係が築けたことと、システムが理解されたことが大きい」と分析する。

 21年からはミャンマーでも置き薬を提供。同国保健省の直轄事業に採用され、モンゴルでは年間6千~7千万円の運営費がかかっていたが、ミャンマーでは、約2千~3千万円で運営できているという。

 ただ、事業が根付くかどうかは不透明で、モンゴルでは、政府に引き継ぐことができず事業が縮小したほか、ミャンマーでも実態調査がうまく進んでいないという。

2015.8.29 18:00 産経 【話題の肝】 

 

<雑感>

 雨が降っている。気分が落ちつく。心身ともに安らぐ。

 明日から9月だ。食欲、体育、芸術、灯火親しむ、レジャー、錦秋・・・等々、何をするにしても良い季節に入っていく。、台風や長雨のないことを願う。11月中旬までの過ごしかたをシュミレーションしてみたら気が忙しくなってきた。