毎年、季節がめぐるごとに思うのは、あぁ〜この季節すきだなという素直な喜びだ。
春がくれば春の、初夏になれば夏の、
秋がめぐるとやっぱり秋だと、
寒くなればツンと透きとおった冬の空気に…、というように
その季節が一番いいな、とみっともなく浮気してしまうことである。
秋はなんといっても、空気そのものが、かぐわしいのが素晴らしい。
夏の終わりから鳴き始めていた鈴虫やコオロギの声が
急に弱々しくなってくるあたりから、
私の町では金木犀やくちなし、色々な実を付けた植物から、一斉に放たれる香りが、あたりを包む。
散歩していて自然の香りが、甘い香りで満たされるなんて、なんて誇らしいこと。
先週はだから、気をよくして、丹波篠山の味まつりというイベントに出掛けた。
メイン会場自体は普通だったが、商店街や普通の露店で売っていた黒枝豆や栗、焼栗、柿、黒豆茶や。
和菓子屋さんでは、栗大福や栗餅、栗おはぎなどを見つけて心がウキウキした。
結局、黒枝豆も焼栗や生栗や柿をふんだんに仕入れて、
それらを毎日1品、ふだんのメニューに組み込んで秋を楽しんでいる。
篠山の味まつりで、一番おっ!と心から驚いたのは焼栗のおいしさだ。
ほくほくした栗は、加工された甘味ではなく(天津甘栗のような)
野性的な匂い立つ甘味があって、そこにやられた。
栗の木っぽさが、後味に感じられた丹波栗はすごい。
高熱の中で無理やりにはじらかされた栗の実よ。
ああ、いいものを食べた、と感動していたら。
同伴してくれていた主人が、先程歩いてきた道を1人で引き返して、
あと1袋(大入り)をお土産に買ってくれた。
「これだけ美味しい、美味しいと言われたら買わないわけにはいかない」と言っていた。
先週末は、これら秋の味覚をお重につめてお弁当を娘と一緒にこしらえた。
本当は彼女がピクニックにいくというので、手伝っただけなのだが。
夜のうちからステーキ肉をマリネしたり、金平ごぼうを煎ったりして。張り切ってこしらえた。
食欲の秋というが、この季節は台所に立つのが、ふだんより楽しく明るくなれるのは、食材の持つ豊かさにふれられるからなんだろうな。
これからは、海鮮ものや冬野菜を煮るお鍋の季節がやっくる。
ここ数日、個人的に心配なこと、気重な事柄が頭をもたげていて、
眠れなかったり、朝は床を離れて起きたくない瞬間が多いのだけれど。
いざ、一日が始まれば秋はこんなにもキラキラとしている。
それを忘れないように、こうして書きてみた。
スゴイ!美味しそうなお弁当〜!
ピクニックの様子を思い浮かべたら
楽しくなってしまいますね!