月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

神戸居留地「Dick Bruna TABLE」に行く

2020-10-20 21:52:13 | 兵庫・神戸ごはん
 
 


 

7月21日(火曜日)晴

神戸居留地。この街の夜が好きなのは灯りがつき始めると、いきなり大人の街になる。シャンソンを謳いはじめるから。洋館の建物やレリーフの深い中高層ビルの影と光の当たりぐあい、交錯の仕方がちょっとだけ巴里に似ていなくもない。

Nが東京の帰る前日には、「Dick Bruna TABLE」に行った。





 


 

 

丸い顔、しっぽのような長いお耳、不思議そうな瞳にバッテンのお口。

ディックブルーナの描くモチーフは、温かみのある手書きの線が美しい。子供が安心する黄金のバランスだ。


1階、2階、3階、4階まである積み木のような小さなビル。それぞれキャラクターグッズ、ディックブルーナのアトリエをイメージした教室風カフェ、ちょっと大人のワインバル、VIPな個室という構成(私たちは3階)。

    


 




 


 
私たちは3階に。

イタリア・マルケの人気ワイナリー「モンテカルロ社」の手掛ける白ワイン入りのビール「キッカ・ビオンタ」を飲んだ。ワインの華やかな香りと爽やかな酸、飲み口がフルーティでビールのような余韻。なかなか面白かった。2杯目は、店のお兄さんオススメのスパークリングワイン白。ほか。

前菜数種の盛り合わせに、手づくりウンナーや煮込み料理などをつまみながらワインを飲む。混んでなければ気軽なバルだ。


カウンターの端にいた眼鏡の中年女性が、一人できていて写真を撮りながら熱心にカウンターのお兄さんにメニューの作り方やワインについて質問していらした(同業者にはみえなかったけれど)。


 首を横にずらして窓外をみると三宮の街の動きや時間の進む流れがチラチラ垣間見える。

 

遊びつづきに、もう一件はしごをしたくなる。

ハーバーラインドのそばにある「メリケンパークオリエンタル」。最上階の「VIEW BAR」まで徒歩で。

Nは西瓜のカクテル。わたしは赤ワインとローズのカクテルをお願いした。

 



 

 神戸の海の夜景を久しぶりにみた。ふとNが中学に入る前の夏、「メリケンパークオリエンタル」の船型のプールに泳ぎに来て、夜からの塾をさぼらせ、そのまま一泊したことがあるのを思い出した。その日たまたま算数の授業だったらしく「おかげで鶴亀算がいまだにわからないの」といまでもNはいう。確か、彼女が大学3年生の時に付き合いはじめた頭のいい男の子に教えてもらえる機会があったとか、なかったとか。まあ、大人になれば絶対的に必要な記憶以外は、たいてい忘れてしまうことになるのだから。(と、いうことにして。でも申し訳なかった)。

それにしても、神戸の夜は色々な物語がつまっていて懐かしい。強烈すぎる白い蛍光灯の電車に揺られて夜11時半に家路につく。





 

 

 


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