江戸時代後期の読本作家、滝沢馬琴(曲亭馬琴)が、28年の歳月をかけて完成させた壮大な伝奇物語『南総里見八犬伝』
この滝沢馬琴の実人生と、馬琴が書いた『南総里見八犬伝』の物語世界とを交互に織り交ぜながら展開していくのが、山田風太郎の小説『八犬伝』です。
私は若いころにこの小説の上巻を途中まで読んで挫折した経験があります。何故挫折したのかは覚えていない。とにかく下巻までは至れなかった記憶があります。
そんなに難しい内容ではなかったと思うのですが、なんで挫折したんだろう?不思議だ。
まあとにかく、その山田風太郎原作『八犬伝』がこの度映画化されました。
今年10月公開ということで、すでに撮影は終わっているのかな?たぶんそうだろうね。
出演は滝沢馬琴に役所広司。馬琴の親友葛飾北斎に内野聖陽。
馬琴の息子・宗伯に磯村勇斗。宗伯の妻に黒木華
馬琴の妻に寺島しのぶ。『南総里見八犬伝』の中の登場人物、つまり架空、「虚」の人物、伏姫に土屋太鳳。
馬琴はこの南総里見八犬伝を執筆している途中で失明してしまうんです。残りの部分は息子・宗伯の妻に口述筆記してもらって完成させたのだそうな。
馬琴の実人生自体が結構ドラマチック。そうした部分を描きながらも、この映画の胆は間違いなく、南総里見八犬伝の中身をどう描くか、ということでしょうね。
壮大な伝奇小説の中身をいかに映像化するか。これは案外難しいんじゃないかな。
映画の成否はこれ次第。
ちなみに昔、薬師丸ひろ子や真田広之らが出演していた映画『里見八犬伝』ですが、あれはタイトルと主要登場人物と基本設定以外は原作とはまったく違う、完全オリジナル・ストーリーです。
なにせ何百年も前の小説ですから、著作権はとっくの昔に消滅してます。だから改変し放題。好き勝手に内容を変えてしまっていますので、あの映画をそのまま馬琴の書いた「南総里見八犬伝」だと思ってはいけません。全然違うので。
そんなこんなも含めて、どんな映画となっていますことやら。
「我こそは玉梓が怨んんんん霊おおおぉぉぉぉおおお」を演じるのはだれだろう?ある意味これが一番気になる(笑)。