
日本の戦国時代を舞台にしているとはいえ、史実ではないということで、ストーリーもキャラクターも、かなりわかり易く作られていますね。
真田広之演じる吉井虎永(徳川家康がモデル)は、策謀家だがカリスマ性のある人物として描かれ、一方のライバル、平岳大演じる石堂(石田三成がモデル)はとにかく虎永を排除したがっている人物として描かれ、亡き太閤殿下への強い忠誠心だとか、そういう精神性は今のところ描かれていない。
浅野忠信演じる藪重は、この両者の間でうまく立ち回りながら生き残りを図ろうとするずる賢い人物。ただ武士の矜持は持っているようです。
アンナ・サワイ演じる鞠子は、細川ガラシャがモデル。史実の細川ガラシャは明智光秀の娘です。今後のドラマの展開で、この辺りのことが深く描かれていくのでしょうね。
このドラマの主役は、イギリス人ジョン・ブラックソーン=按針です。按針の視点から見た日本が描かれる。初めは日本人の事を野蛮人と見下していた按針が、日本人の精神性に触れて行くうち、考えを改めて行く。虎永に忠誠を誓う家臣となっていく。
この按針の変化を丁寧に描いていこうというのが、このドラマの主眼。だからこそ、その按針を変えていく日本は、
できるだけ間違いなく、描かれなければなりません。
日本人の賢さ、勇敢さ、美しい精神性。そしてある意味それ以上に大事なのは、このドラマは史実ではなく、史実を基にした
「時代劇」であるということなのです。
だからなによりも、「時代劇」としてちゃんとしたものでなければならない。
4話まで観たところでは、その点はほぼ完璧だと言っていいのではないでしょうか。これは、いままでのハリウッドが描いてきた「日本」のことを考えると
稀有なこと
だといえるでしょう。
やはりこう言いたい。
真田広之さん、ありがとう。
エンタメとしての時代劇に必要なのはやはり、殺陣。
第3話で、真田さんの殺陣が観ることができます。刀を抜いて構えた時の美しさね。これだよ!これが時代劇だ!
ただナイト・シーンだったために、真田さんの殺陣がよく見えない。これが非常に残念ですが。
さて、虎永は優れた人物ですが、その息子(徳川秀忠がモデル)は凡庸な人物として描かれています。若さゆえもありますが、どうにも思慮が足りない。敬愛する父親に認められたい、役に立ちたいとの思いが、余計な行動を起こしてしまう。
どうやらこの息子の行動が、虎永を益々窮地に陥れ、あるいは「関ケ原の合戦」の原因ともなる、らしい。
分かりやすく面白く作ってありますね。さてさて、今後の展開、どうなりますことやら
楽しみです。