問わず語りの...

流れに任せて

『べらぼう』第2話感想

2025-01-15 03:46:06 | 時代劇

平賀源内が衆道であったことは有名な話ですが、いままでその点を前面に扱った時代劇は無かったように思う。

 

 

江戸時代、男色も両刀使いも普通だったし、それで特別”差別”されたなんてこともなかったようです。これが明治以降、西洋のキリスト教的価値観が輸入されるに至って、同性愛等は「表向き」比定されるようになった。

 

 

LGBTだなんだいわれているけれど、日本には元々、そうした方面での差別は極々少なかったと言える。マツコデラックスさんのような方が人気タレントとして活躍できるなんて、少なくともキリスト教的価値観に支配されている国ではあり得ない。そういう意味では、日本人の価値観の根本の部分は、実は江戸時代からあまり変わっていない、とも言えるのではないかな。

 

 

日本人の「性」の歴史というのは、「タブーはないけどモラルはある」というものだったようです。そう、厳然たる【モラル】はあった。

 

 

平賀源内にしても、むやみやたらと男を物色していたわけではない、むしろ亡くなった一人の役者をずっと想い続けている”純情”さがあった。

 

 

その純情さを、「吉原細見」の序文へ繋げていく見事さね。ああいうのを

 

 

【粋】というのだね。

 

 

小芝風花演じる花の井がまた良い。なんていうか、江戸の【粋】が実に見事に描かれていて、胸が震えるというか、ホロリとさせられるというか。

 

 

吉原というのは「苦界」と言われるほどに、女性にとってはある意味”地獄”。でもその”地獄”の中でも、女性たちは必死に生き抜いていたのだ。

 

 

闇を知るために闇を描く。エンタメにはあるべき事です。戦争の悲惨さを知るために、真正面から戦争を描くように、吉原の地獄を描くために、その地獄に生きる女性たちを真正面から描く。これこそが

 

 

エンタテインメントのあるべきかたち。

 

 

逆に隠蔽したりするのはよくない。少なくとも私は、そう信じる。

 

 

『べらぼう』、攻めてます。この攻めっぷりが実に小気味良い。

 

 

好きだな、このドラマ。

 

 

 

 

 

 

平賀源内(安田顕)

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする