※ネタバレあり
1作目と2作目へのオマージュが随所に散りばめられ、しかもそれはただのオマージュではなく、よりグレードアップされているのが凄いですね。
ラストの展開とか、ある程度は予測できたとはいえ、こちらの予想のさらに上を行く展開で、これには痺れた。素晴しいわ。
怖さという点では、やはり1作目には敵わない。1作目のときは、エイリアンの生態とか、ほぼわかっていない状態で観たので、なにが起こるかわからない、ゾワゾワする感じとか、凄く怖かったのを憶えてる。
でもイマドキはエイリアンの生態はすべてわかっているわけです。フェイス・ハガーからチェストバスター、そして脱皮を繰り返して成体へと変化を遂げて行く。
歯がついた舌だとか、血液が酸性で、へたに浴びると溶けてしまうとか、全部わかっているわけです。だからこれをいかに工夫しつつ見せていくのか。
この点が要なわけですが。
まあ見事でした。
重力がある状態とない状態。そこに絡んでくる酸性の血液。この辺の描き方とか実に素晴らしく、感心しながら観てしまいましたね。
登場人物一人一人の描き分けも上手い。とくにアンドロイド、アンディを演じた黒人の俳優さん、上手かったですね。このアンドロイド、最初はあまり有能でないアンドロイドなのですが、途中でメモリー(?)を入れ替えた途端、メチャメチャ有能なアンドロイドにキャラ変するんですが、この辺りの演じ分けが見事でした。面白かった。
ドラマ部分も良く出来ていますね。各登場人物それぞれの性格や関係性、そこから生じる様々なドラマがまた面白く、これが映画の展開していく中で見事に利いてくる。ストーリーを絶妙に盛り上げて行く。
ホントに全体の構成が実に見事です。
しかしなんといってもイアン・ホルムですよ!1作目のアンドロイド、アッシュと同型のアンドロイドが登場して、その顔が1作目でアッシュを演じたイアン・ホルムそのままの顔!
おそらくはVFXを使って顔の部分を差し替えたのでしょうが、これがあまりに上手くハマっていて、一瞬本当にイアン・ホルムが演じているのかと思ってしまった。
最近の技術はとんでもないね。
でもエイリアンに関してはそのほとんどが”実物”を使って撮影されています。
ほとんどのシーンは、人が入って演じるモンスター・スーツや、機械仕掛けで操作するアニマトロニクスなどの”実物”を撮影現場に入れて撮影しており、VFXは極々わずか、やはりね、実物には実物でしかだせない「質感」があって、あれはVFXでは表現するのが難しい。
あのヌラヌラ感、VFXではなかなか表現できまい。
なんでもかんでもVFXを使えばいいってもんじゃないんですよ。
ストーリーはよく練られているし、幾重にも重ねられた伏線が丁寧に回収されていく気持ちよさ。
1作目のホラーテイストと2作目の活劇テイストが絶妙にブレンドされており、その分ホラー的な感覚は若干薄まっている印象。もっともホラーにある程度慣れている私の感想ですので(笑)人によっては怖すぎるかもしれません。
ホラーと活劇が程よくブレンドされ、人間ドラマもしっかりと描かれている、極々上のエンタテインメント映画。
これは良いです。絶対的おススメ!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます