リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

リベラルくずれでも安保法制が許せない理由

2017-06-28 | 政治
私がリベラルくずれを自称するのはリベラルの根本部分で持論を放棄して久しいからだ.自衛隊を軍隊とする「普通の国」になることは,それが真に(つまり大日本帝国の再興を夢見るとか,嫌中・嫌韓の感情に流されてとかではなく)国益にかなうと政治家たちが判断するなら認めるつもりだ.右派に言われるまでもなく,最近の中国の南シナ海,東シナ海での横暴を見ていると理想の平和国家を追及すべきだとは断言できなくなっている.
だがそれでもなお2015年に成立した安保法制には危惧を抱かざるを得ない.集団的自衛権は憲法のもとでは認められないということでは自民党政権下でも長年意見の一致があった.右派が現行憲法を目の敵にするのも特に9条の軍隊をもたないとの宣言があるからだ.だが憲法を改正しなくても国会の多数決で長年の解釈を簡単に変えてしまう解釈改憲が許されるとなると,憲法の意味はなくなってしまう.解釈改憲に向けて都合のいい人物を憲法解釈の中心となる内閣法制局長官に据えた(Wikipedia)やり方も怖い.
安倍1強のもとで次々に危険な法案が可決されてしまう昨今,リベラルくずれの私であっても,憲法をないがしろにしたやり方は許せない.(…と書いてはたと思った.かつて公明党は「リベラル」に分類されていたと思うが,安保法制も共謀罪法案も自民党と一緒になって推進したのだった.リベラルくずれの私以上に「リベラル」から離反しているのではないか.子育て政策を自慢しているらしいが,今のご時世,子育て政策はリベラルでなくても謳っている.)
軍備に関しては現実路線を認めても,憲法に従うという立憲主義を譲るわけにはいかない.

(追記)朝日新聞9月20日夕刊で国際政治学者の藤原帰一氏も新安保法制は「必要な措置」,共謀罪はそのような「立法が必要な状況は存在する」としつつも,法案を採択する手続きに問題があったと指摘している.同じように考えている人は多いはずだ(と思いたい).
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