兵庫県加東市の青山医院の日記です!

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真夏のインスリン管理の確認

2022年07月30日 | 病気

暑い暑い と一日に何度も声に出してしまいます。

言っても変わらないのに、患者さんとの会話も暑すぎてつらいとか 暑くて食べにくいとか そんな話が多いです。

中には全く平気な人もいるようなので、暑さの感じ方も個人差が大きいですよね。

 

 

さて、暑い時期がしばらく続きますので、糖尿病でインスリン製剤・GLP1製剤を使用している方に保管の方法を再確認していただきたくて記載します。

去年も同じころに同じようなことを書いた覚えがありますが、どうしても忘れがちではありますが大切なことなので。

 

インスリンはもともと身体の中ですい臓のβ細胞から作られるペプチドホルモンで、たんぱく質になります。

たんぱく質で簡単に思い浮かべていただけるのが卵です。卵もたんぱく質でできていますが、生卵は透明・黄色ですが、加熱して茹で卵や目玉焼きにすると固まりますね。たんぱく質は加熱により性質が大きく変わります。

過度の高温や低温になると、変性して立体構造が変化し、薬理作用が弱くなってしまう恐れがあります。

そのため、インスリン製剤は高温や凍結を避けて保管する必要があります。

 

今は暑い季節なので、高温の話をします。

 

インスリンは使用前は冷蔵庫の扉の方(凍結リスクが低い場所)に保管をするようになっていますが、使用開始後は「室温」での保管が可能です。

しかし、この室温というのが何度でもいいわけではなくて、「1~30℃」のことを指します。

夏場は部屋の温度もそうですし、屋外でも30℃以上に上がることは多いですね。

 

夏の平均気温は明らかに上昇しており、連日30℃以上を記録しています。

夜になっても30℃を下回らない日もあり、インスリン管理でいう「室温」を超えることが多々あると予想されます。

 

30℃を少し超えたからといってすぐにインスリン製剤の変性が起こるわけではありませんが、やはり成分が不安定になってしまうことで血糖が変動する事態は避けたいと思います。

 

使用開始後は、直射日光は避ける、保管場所は温度変化の少ない涼しい場所を選ぶなどの配慮は必要です。

 

特に高温になるのは①自動車の中 ②直射日光の当たる窓際 ③海水浴場やキャンプ場 などです。

外出の際にはできるだけ手荷物として持ち運ぶほうがよく、特に駐車した車の中は50℃以上の高温になることがあるので、放置は絶対に避けてほしいと思います。車の中は直射日光が当たらない後部座席でも真夏はエアコンない状態で40度以上に上がることも多いですよ。

 

夏の旅行など炎天下で持ち歩く場合は保冷バックを活用してください

あらかじめ冷やした保冷剤を製剤に直接触れないようにタオルで包んで一緒に保冷バックに入れるとよいです。保冷剤がない場合は冷たい飲み物のペットボトルと一緒に保管したり、湿らせたフェイスタオルなどで気化熱を利用して保冷するなどの方法があります。

 

季節でのインスリン管理もいろいろですが、自己注射をする前はインスリン製剤の外観に変化がないかどうか、空打ちがちゃんとできるかどうか確認して投与をするようにしてくださいね。

 

暑い夏ですが、もうちょっと続きそうですので、元気に乗り切りましょう!

 

本日もよろしくお願いします。

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