再読のための覚え書き
ヘチマくん
遠藤周作(1923-1996)
ヘチマのような長い顔の豊臣鮒吉は、太閤秀吉の子孫だった。
旧友で不動産屋の熊坂は、豊臣秀頼が落城に際して薩摩落ちしたことを知り、鮒吉を担ぎ出して、豊臣家に伝わる秀吉の遺品のフンドシを武器に、桜島でのリゾート開発に乗り出すが……。
「ヘチマくん」は、「おバカさん」に次ぐ遠藤周作の二作目のユーモア長編小説。
モッサリしていて、どこまでも善人のヘチマくんは、生存競争の渦の中で、ヘチマのようにぶら下がって生きている。その純粋で悲しげな姿に余韻が残る。
2021.9.3読了
ヘチマくん
角川文庫
昭和38年8月30日初版発行
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