再読のための覚え書き
美しい暦
石坂洋次郎(1900-1986)
矢島貞子が通う女学校に、高等学校の男子数人が談判をしに来た。女学校のある教師が高等学校を誹謗したというのだ。
そして、その男子たちの代表は、かつて貞子が叔父夫婦と登山したときに、悪天候で立ち往生した彼らを救ってくれた田村邦夫だった。
邦夫たちは、その誹謗したという女学校の教師を特定し、校長に暴言の撤回を求めるのだが……。
「正当な理由なくして悲しい気持ちを持つな」
北国の女学校を舞台に繰り広げられる、生徒たち若い教師たちの青春群像劇。
大佛次郎しかり、この石坂洋次郎しかり、作者の成熟した正義感の表出は、読んでいて清々しい。そしてそういう人たちは、ユーモアというオブラートで包むことを忘れない。
2022.12.2読了
美しい暦
新潮文庫
昭和29年5月20日初版発行
昭和37年5月25日26刷
旧仮名遣い
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