勝手にお喋りーSanctuaryー

マニアックな趣味のお喋りを勝手につらつらと語っていますー聖域と言うより、隠れ家ー

月には帰れない―2―

2008-01-09 | 移住のお喋り
決意はしてみた。
家を探す努力も一応してみた。

ただ季節は夏に向かうところだ。
たった一人の家族である母は暑さに弱い。
引越しを敢行するにしても、暑さが一段落した10月以降がいい。

さすがに春先、秋に咲く花を庭に植える気はしなかった。
春に咲き誇っていた花が散り、庭には夏草が生い茂っている。
コニファーの緑以外、庭は惨状を極めた。

引っ越すことで一番辛いのは、この庭を捨てて行かなければならないことだ。
夏の盛りに毎日水をやり、冬の寒風の中土を掘り返した。
スコップで、たとえば50センチ四方の穴を掘る作業がどれほど大変かわかるだろうか。
真冬でもびっしょりと汗をかく。
3日は筋肉痛が引かない。

そんな労力と時間をかけ、やっと思い通りになりつつあった庭なのだ。
新しい家で庭を造り直す?
考えただけでうんざりだ。

だが私はこの庭を捨てなければならなかった。
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