ショックが大きすぎて、眠れなかったよ。
まさかの…と言うか、危惧していたことが現実になるのを見たショックで。
2014年、まだ母がいた頃、二人で見ていたWC。
もう母はいない。
いないことを嘆いても始まらない。
だけど昨夜、またいなくなってしまった人を、いなくなったことで嘆いてしまった。
私がドイツに抱いた2つの危惧。
その1.史上最強のSBラームの引退。
その穴はキミッヒで埋まったと言われた。
若いキミッヒを責めたくはないけど、まだまだラームには遠く及ばない。
確かにラームは上がって、チャンスを何度も作れるSBだった。
だけど、カウンターを食らっても、ちゃっと戻ってたんだよ。
いつ戻ったんだよ、ってほど。
相手から見て左に、まるでビルを解体した後みたいな、ぽっかり出来た空き地。
あの広大な荒野で、メヒコが自由自在に遊んでた。
あそこにネイマールが、クリロナがいたら、何点取られていたか。
ラームのかっこいいとこだけ見て、それを真似てるだけじゃ、穴は埋まらない。
私がドイツに抱いた2つの危惧。
その2.泥臭いと言われようが、勝利に執着する闘将の不在。
スポーツにメンタルを持ち出すのは、あまり好きではない。
だけどチームスポーツには、やはり核になる、フィールド内でみなを引っ張れる人間が必要だ。
2014年にはシュヴァインシュタイガーがいた。
バラックがカーンから受け継いだ精神を、バラックからしっかりと受け継いだシュタイニーが。
かっこ悪くても、泥を啜ってでも、勝つことに執着したシュタイニ―が。
今でも忘れられないけど、2014年の決勝、疲れ果てたDFが虚ろな目をしていた。
それに気づいたシュバイニーは、自分の身体を犠牲にして、彼らに一息入れさせていた。
たとえそれで 選手生命が短くなるとわかっても、彼はそれを止めなかっただろう。
そう言うプレイヤーは、もうドイツにはいない。
少なくとも、昨日のドイツにはいなかった。
負け試合に、不満を持つのは当たり前だ。
まるで右サイドしか使ってはいけない、と言うハンディキャップマッチを勝手にやってたとことか。
ドイツと言えば空中戦、だったのに、足元しか見ない俯きプレーとか。
(この辺は監督の責任)
そしてミューラー。
1人目のミューラーは爆撃機と呼ばれていた。
2人目のミューラーはステルス機だった。
あいつがどこにいるかなんて、僕にもわからない、とラームに言わしめた神出鬼没が売りのミューラー。
昨日は3人の背後霊を、最後まで振り切れなかった。
あなたが輝いていたのは、バイエルンではロッベンが、代表ではクローゼがいてくれたから?
その13番をバラックから奪った時、私はあなたが嫌いだった。
だけどいつの間にか、13番を引き継ぐのはあなたしかいなかったんだと納得していた。
新しい13番を探す時が来たのかもしれない。
頼むから、このWCの間だけは、私にそう思わせないで欲しい。