10年ぶりのインド・ムンバイは、ピカピカ光っている。
街のあちこちでコンサートのようなイベントをやっていて、大勢の人が群がっている。
確かに時計の針はもう夜の9時を指しているのに、渋滞する道路脇を、またピカピカ光る七色のライトの下を、次から次へと老若男女が歩いている。
あぁ、そうか。
インドの人口は11億。
この数字の意味するものは、つまりこういうことなのか。
10年前、私は確かにこの地でショックを受けた。
道ばたに寝そべる牛、溝に埋もれて動かない人、工事現場は何もかもが木造でかつ手作業・・・。
だけど今回そういったものは見当たらなくて、夜中に到着したせいか、ただ生温かい風と一緒に流れてくる適当な感じのこの国の雰囲気を、私はとても心地よく感じていた。
訪れた国や地域を好きになれるかどうかは、こうして一番最初のインプレッションで分かってしまうものなんだな、と窓越しに風景を眺めながら思った。
つまりムンバイに、私はおおよその確立で馴染むことができる、と。
タクシーはどんどん走って駅の近くを通りかかった。
暗闇の中に、横一列にずらーっと並んで座っている人たちがいて、よく見ると、その倍以上の人がその前後に寝そべっていた。プラットフォームと道路を区切る壁に沿って、その人たちは生活していた。
やっぱり・・・、と思った。
確かにムンバイは10年前に比べて発展した。道路も見違える程きれいになって、かすかに記憶に残るその街とはまるで別の街みたいに見える。けれど、こうして地に這いつくばって生活している人も、やっぱり大勢いるんだ・・・。
タクシーは更に路地を進み、窓から誰かの家の中がちらりと見えた。
1畳か2畳ほどしかないそのスペースに、これでもかと言わんばかりの荷物が無造作に置かれていた。
またある家の中は、ただ簡素なベッドが置いてあるだけで、それも2畳か3畳ほどの小人(こびと)が住む部屋みたいだった。
そうか・・・、一般市民はこういうところに住んでるんだな。
そう思って少ししんみりしていた時、ちょうど路上生活をしているらしき人の隣で、別の住民が輪になって盆踊りをしている光景に遭遇した。
・・・・・・はい?
聞けば今日はヒンドゥー教の大きな祭りの最終日。
ピカピカした光や大勢の老若男女が街に溢れてるわけだ。こうして路上生活者の横にまで。
ここはインド。
インド、インド、インド、インド、インド、インド・・・・・・・・。
そうだ、私はインドに来たんだ。
そうか、ここが、インドなんだ。
街のあちこちでコンサートのようなイベントをやっていて、大勢の人が群がっている。
確かに時計の針はもう夜の9時を指しているのに、渋滞する道路脇を、またピカピカ光る七色のライトの下を、次から次へと老若男女が歩いている。
あぁ、そうか。
インドの人口は11億。
この数字の意味するものは、つまりこういうことなのか。
10年前、私は確かにこの地でショックを受けた。
道ばたに寝そべる牛、溝に埋もれて動かない人、工事現場は何もかもが木造でかつ手作業・・・。
だけど今回そういったものは見当たらなくて、夜中に到着したせいか、ただ生温かい風と一緒に流れてくる適当な感じのこの国の雰囲気を、私はとても心地よく感じていた。
訪れた国や地域を好きになれるかどうかは、こうして一番最初のインプレッションで分かってしまうものなんだな、と窓越しに風景を眺めながら思った。
つまりムンバイに、私はおおよその確立で馴染むことができる、と。
タクシーはどんどん走って駅の近くを通りかかった。
暗闇の中に、横一列にずらーっと並んで座っている人たちがいて、よく見ると、その倍以上の人がその前後に寝そべっていた。プラットフォームと道路を区切る壁に沿って、その人たちは生活していた。
やっぱり・・・、と思った。
確かにムンバイは10年前に比べて発展した。道路も見違える程きれいになって、かすかに記憶に残るその街とはまるで別の街みたいに見える。けれど、こうして地に這いつくばって生活している人も、やっぱり大勢いるんだ・・・。
タクシーは更に路地を進み、窓から誰かの家の中がちらりと見えた。
1畳か2畳ほどしかないそのスペースに、これでもかと言わんばかりの荷物が無造作に置かれていた。
またある家の中は、ただ簡素なベッドが置いてあるだけで、それも2畳か3畳ほどの小人(こびと)が住む部屋みたいだった。
そうか・・・、一般市民はこういうところに住んでるんだな。
そう思って少ししんみりしていた時、ちょうど路上生活をしているらしき人の隣で、別の住民が輪になって盆踊りをしている光景に遭遇した。
・・・・・・はい?
聞けば今日はヒンドゥー教の大きな祭りの最終日。
ピカピカした光や大勢の老若男女が街に溢れてるわけだ。こうして路上生活者の横にまで。
ここはインド。
インド、インド、インド、インド、インド、インド・・・・・・・・。
そうだ、私はインドに来たんだ。
そうか、ここが、インドなんだ。