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DAZN観戦 2024年J3リーグ第37節 福島ユナイテッドFCvsアスルクラロ沼津

2024-11-21 16:01:45 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 福島ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 福島は勝利かつ、北九州が敗戦・八戸と相模原が引き分け以下という条件でプレーオフ圏が確定。

この記事でチラリと触れた通り、6位の座を争う直接対決。

その内訳は、ともに4-1-2-3の布陣をベースとするチーム同士。
そして今季のボール保持率も1位(沼津)・2位(福島)の争いと、同じコンセプトのチームのぶつかり合いという、どこから見ても熱い戦いは必至な一戦となりました。
そんなチーム設計での違いは、沼津が守備時は4-4-2になるのに対し、福島は4-3-3のまま前線の守備を行うという点。
これまでの福島の試合からも、それが積極性と前向きに捉えられる面もあれば、前掛かりも甚だしいそのシステムが脆さを生み出す事もあり。

試合が始まり、早くも前半1分に福島は鈴にコンタクトがズレるというアクシデントが発生。
直ぐにピッチ外で調整し、暫くして復帰したものの、波乱を予感させる入りとなりました。

沼津はその慌ただしい鈴の場所を突くように、マッチアップする鈴木が高い位置を取った所にロングボールを当てる攻撃で立ち回り。
従来の「偽サイドバック」戦術を押し出すスタイルとは打って変わって、右SBの安在は普通のSBのようにワイド中心に振舞います。
大事な試合かつ、目下下降線で今節を前にとうとうPO圏から転落してしまったというチーム状態もあり、オーソドックスかつセーフティな意識が強かったでしょうか。

その要因のもう一つとして、最終ラインに入っているマルティニリッシの存在。
30節(YS横浜戦、2-0)からセンターバックの一角を務める、初見の自分にとってはまさに「謎の助っ人」的な雰囲気であり。
助っ人らしく対人に特化したタイプなのか、ビルドアップに殆ど絡まずに、彼をパスが経由する場面は殆ど無く。
守備強化のための駒で、保持は彼抜きで行うというチーム方針が伺えるものであり、それ故に特徴の「偽SB」を封印せざるを得ない……などと邪推してしまい。

それでも、ホームに大観衆を迎えての大一番だけに、立ち上がり硬さが拭えなかったのは福島の方。
7分に針谷と城定の連係ミス(針谷が前に出たその後ろにパスを出してしまう城定)から沼津の速攻を浴びるも、ここは菅井→森夢の縦パスを遮断して防ぎ。
14分には沼津の最終ラインに対しハイプレスで向かうも、濱に対し鈴が食い付いた所を繋がれるという弱点を突かれ。
鈴木が左サイドを駆け上がってクロスに辿り着く(大森がブロック)という具合。
何とかその合間を縫って持ち前のショートパス攻勢を貫きますが、18分には森晃が左奥を伺う状況に持ち込むも、戻しを経て城定の縦パスで中央を突き。
これを大関のスルーと変化を付けるも、塩浜の手前で遮断されて沼津のカウンターに繋がり、持井スルーパス→和田ドリブルで一気にエリア内へ。
そして放たれたシュートは山田がブロックと、危ないシーンの方が目立つ、観衆の悲鳴が交錯する試合展開を強いられます。

一方沼津のプレッシングも、2トップを基本線としつつ、状況によっては相手SBを切りながらサイドハーフ(ウイング)が最前線に加わる3枚でのハイプレスの体勢を取り。
21分に大森が右へ流れながらの鈴へのパスで、前に出てきた鈴木の裏を取って前進に成功する福島。
そして中央から城定縦パス→大関スルーパスと、持ち前の間を通す素早い前進でエリア内を突いたものの、FWとの呼吸が合わずに繋がらず終わり。

沼津の方も弱点が露呈しかねない前線の体勢ですが、24分にはそれが奏功して中に絞った鈴木のパスカットから、拾った和田が左サイドでキープするところ(大森に)反則を受けて直接フリーキックの好機に。
キッカー森夢のクロスは、丁度中央のGKとDFの間にピンポイントに落ちるベストボールになり、そこへ飛び込んだ附木のボレーシュートがゴールに突き刺さります。
大事な一戦に相応しい、セットプレーでの綺麗なフィニッシュで先制に成功。

リードを得た沼津、以降前線の守備は2トップがアンカー(針谷)を切るというオーソドックスなものに。
そして、繋ぐ能力に難のある山田が持つ所を狙っていた節がありましたが、これは福島サイドも松長根や大関を下げ気味にする事で対処。
結局脇に降りるインサイドハーフにより、針谷のパス出しを防ぐ事はままならずとなりました。
34分、その針谷が大森とのパス交換の最中に、沼津が前に出てきた所を突いて(大森から)2トップの間で受けたのちスルーパス。
走り込んだ塩浜の前で遮断されるも、こぼれ球を樋口がダイレクトでシュート(GK武者キャッチ)と、その攻撃サッカーが真価を発揮し始め。

受けに回ると沼津も予断を許さないという状態で、試合を動かしたのはミス、それも攻めた側の福島の最終ラインからでした。
36分一旦最終ラインに戻した福島ですが、前を見ていた松長根が山田からパスを出されたのに気付かないという噴飯ものの絵図で、回収した森夢から沼津の攻撃に。
ここから安在のクロスが2本入り、2本目を防いだ福島がカウンターと、そのミスが沼津の前掛かりを誘ったかのような形で好機。
森晃のドリブルで左奥を伺う状況を迎えると、さらに切り込んで入れられたマイナスのクロスを、大関がニアに走り込んで合わせ。
シュートは見事に対角線を突いて右サイドネットに突き刺さり、怪我の功名感が強いながらも、貴重な同点弾を叩き出しました。

勢いを得た福島、尚も苛烈に攻め上がり。
守備を固める沼津ディフェンスの間を縦パスで悉く通し、ポケットをドリブルやスルーパスで突くという本来のスタイルを如何なく発揮。
しかしここで支えたのがマルティニリッシで、決定機を迎えんとする福島の攻撃をエリア内で好カバーの連続で防ぎ。
ディフェンス能力を買われてのスタメン定着に相応しい働きで、窮地を救います。

その中で40分にカウンターチャンスを迎えた沼津ですが、センターライン付近で森夢が山田のチャージを受けて反則で途切れ。
カウンター阻止に見えたもののカードは出ずに終わりと、(既に34分に森夢が警告を受けていたのと相成って)相手の猛攻を絶え凌いだ末に不満を溜めるような判定が絡んだ事で、後半の伏線となってしまったでしょうか。

1-1のまま前半終了となり、(ともにハーフタイムでの交代も無く)勝負の後半戦へ。
その入り、福島のキックオフからの攻めが途切れて沼津が最終ラインから攻撃、珍しくマルティニリッシを経由したのち右から徳永が裏へミドルパス。
このセカンドボールを拾った持井が(大森に)反則を受け、中央から直接FKのチャンスを迎えます。
そして入念に時間を掛けられ、満を持して放たれた森夢のシュート。
これが壁に当たって左にこぼれるも、頭部でのブロックという形になった松長根にチェックが入る形でブレイク。

前半の鈴に続き、後半も予期せぬトラブルに見舞われた福島の立ち上がり。
しかしその直後にさらなる事態が起き、ハイボールの競り合いで鈴と鈴木が頭部同士激突して両者倒れ込み。
これが、クリアした鈴の後ろからパッティングという形に映ったため鈴木の反則並びに警告という判定に。
そして警告付きとなったため、鈴はそのまま復帰するも、鈴木はピッチ外→復帰という手順となったのも沼津サイドに不満を溜める事に繋がったでしょうか。
直後の6分、またも鈴が鈴木に反則を受ける一幕が生まれると、塩浜がヒートアップするとともに一斉に警告(ならびに退場)をアピールする福島サイド。
そんな相手をさらに揺さぶりに掛かるという、醜悪ぶりも顔を出すのは重要な一戦である以上避けられません。

以降、9分にも裏に抜け出そうとした森晃を倒してしまったマルティニリッシが反則・警告。
福島サイドも11分、菅井をアフターチャージで削ってしまった鈴が反則・警告と、カードトラブルの色が濃くなる展開。

鈴木が警告付きとなったため、前半多用していた彼をターゲットとするロングボールに頼れなくなった沼津。(それもそのロングボールが生んだ反則・警告だったののもあり)
福島のハイプレスを受けながらも、地上での繋ぎでどうにかするしかない状況に。
13分、プレッシャーを受けた附木がGKへ戻し→武者ロングフィードでプレス回避すると、これを持井が収めて攻めに繋げ。
スルーパス→森夢・和田の連続レイオフから、徳永のミドルパスでエリア内を突き完遂させにいくも、走り込んだ森夢の前でGK吉丸に抑えられ。
17分には敵陣でポゼッションを続け、実らず途切れるもゲーゲンプレスを掛け、和田の反則気味の奪取で継続。
右ポケットで受けた安在が横パス、中央への持井にはズレるも、左で鈴木が拾ってシュート。(ブロック)
余計なシーンが目立っていただけに、ここまで後半フィニッシュを打ったのは沼津のみという展開に。(ただし2本)

カードの枚数は沼津の方が多いとはいえ、それによるブレイクも絡んでロクに攻撃できずという、悪い流れを強いられる福島。
ここから森晃が流動的なポジションにより、ビルドアップの出口を務めるという対処法の色を強め、それを変えに掛かり。
23分に最後方での繋ぎから、針谷縦パス→森晃スルーパスで左奥へ走り込んだのは松長根と、その体制から迎えた好機。
彼から上がった低いクロスがゴール前を突くも、中央の城定の前でクリアされ、こぼれ球を鈴がミドルシュート(鈴木がブロック)と鋭い攻めで後半の初フィニッシュを生み出します。
尚もこぼれ球を繋げてコーナーキックに持ち込んだという所で、ベンチが動き山田→野末へと交代。

このCKが実らなかった所で、沼津ベンチも動きを見せて一挙3枚替え。(25分)
濱・鈴木・和田→宮脇・齋藤学・中野へと交代します。
軸となっていた濱をこの局面で退かせるという具合に、これまでのチーム設計から何らかのモデルチェンジが図られた感があるのは、やはり重大な一戦だからなのか。

しかしその執念も実らず、以降福島へとペースの針が振れていき。
26分・28分と立て続けに塩浜にシュートを打たれ、特に後者は例によって城定縦パス→大関スルーパスと素早く縦に運ばれた末に右ポケットから撃たれたもので、サイドネット外と命拾い。
縦横無尽に崩される流れとなってきた所で、濱と交代で入った宮脇も警告を受ける(31分、鈴への反則)など傷だらけとなってきた沼津ディフェンス。

そして破綻の時が訪れ、32分に福島が裏へのロングボールを選択すると、附木がクリア出来ずに後方へ流れた所を城定が受けるビッグチャンスに。
そのまま右ポケット奥まで切り込む城定、入れられたマイナスのクロスを合わせたのは樋口でしたが、ジャストミート出来ず左へ逸れ。
痛い決定機逸というシーンでしたが、沼津は流れを変えられず、直後のゴールキックで再開後のビルドアップを詰まらされ。
安在の苦し紛れのバックパスがゴールラインを割り、福島にCKを献上してしまう形になると、キッカー針谷はニアへ低目のクロス。
クリアが入るも上空へ浮かんだ事で乱戦を呼び、野末の落としで右へこぼれた所を松長根がダイレクトでシュート。
ブロッカー3人を掻い潜った末にゴールに突き刺さり、超重要といえる勝ち越しゴールがついに齎されました。

押されっぱなしの沼津でしたが、これで反撃に出なければならなくなり。(キックオフ前に森夢→津久井へと交代)
しかし攻撃は形にならず、逆に35分に宮脇が塩浜のドリブルを反則で止め、再度福島サイドが警告ならびに2枚目による退場を猛アピールする絵図が生まれてしまい。
その後も福島の猛攻を反則で止めざるを得ないシーンを量産するなど、その機運は高まりません。(39分には大関を倒した津久井がアドバンテージで流されたのちに警告)

その間に交代カードを消費し、勝利への進軍を始める福島。
36分に針谷・城定→吉永・上畑、43分に森晃・樋口→清水・矢島へそれぞれ2枚替え。

試合も最終盤を迎え、窮地の沼津はマルティニリッシが最前線に上がるパワープレイの体勢に。
菅井が彼の穴を埋めながら、チャンスと見るや後方からゴールを狙う役割へと移り変わり。
そしてアディショナルタイム、GK武者ロングフィード→マルティニリッシフリックから敵陣でポゼッションに入る事に成功した沼津。
右からの津久井のクロスの跳ね返りを、後方から上がってきた菅井がミドルシュートと、その狙い通りのフィニッシュが。
しかしエリア内に居た中野に当たる形でゴール右へと逸れ、乾坤一擲といったこの好機もモノに出来ません。

結局チャンスらしいチャンスはこの一度のみで、その後もマルティニリッシへロングボールを送り続けたものの、形になる事は無く。
試合終了の時を迎え、2-1で勝利を得たのは福島。
大一番を制し、歓喜の輪を作る寺田周平監督はじめメンバー一同。

これにより沼津を昇格争いから振り落とし、6位をキープした福島。
7位には北九州が着けたものの、勝ち点差は3でかつ得失点差は11ものリード。
この局面で、貫いてきた攻撃サッカーが活きた形により、ほぼPO圏を確定させる運びとなりました。
この快挙ぶりにクラブ自体も興奮のるつぼと化したか、はや寺田監督の来季続投が発表される事となりましたが、当然ながらまずはPOでの戦いを第一に考えるのが大事でしょう。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第37節 松本山雅FCvsFC琉球

2024-11-20 18:01:16 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 松本ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 松本は勝利かつ、北九州と八戸が引き分け以下の場合でプレーオフ出場が決定。

J3も佳境を迎え、続々と結末が決まっていくトップ並びにボトム。

残る1枠の自動昇格争いは、今治が制し初のJ2への切符をつかみ取り。
これで愛媛が落ちて来ずとも再度の伊予決戦への環境は整い、一時は徳島のみと化していた四国勢のJ2での熱狂は必至でしょう。

一方で最下層では、岩手が敷かれるレールから脱却できずに最下位が確定。
ほんの僅か前にJ2に居たクラブが、まさかのJFL降格という事態に蜂の巣をつついたような騒ぎはこちらも必至。
岩手はJ3設立(2014年)の際には唯一JFLに所属していないクラブであり、審査により参入が認められたという経歴。(とはいっても、前年の地域CLで優勝しているのでJ参入が無ければJFL昇格していただろう)
それにより初のJFL経験で、JFL→Jリーグ参入の際に壁となる観客動員数の条件も、今後再昇格の課題となるダブルパンチが襲い。
やはり地道なクラブの拡大に努めるのに越した事は無いという事を示す降格劇でしょうか。秋田豊氏の社長就任からも何処か道楽的な思考に憑りつかれていた感が

残るは上部ではPO圏、下部では入れ替え戦枠が決まるのみ。
既に2位争いに敗れた格好の富山が1枠を手中に収めており、残り3枠を何処が掴み取るかという、今季初めて開催されるJ2昇格PO。

それにより、不本意ながらもチャンスを得ているという立場の松本。
クラブ規模的にも、自動昇格を争う立場で無いのは可笑しいという他無く、敗者復活の感が否めないものの形振り構ってはいられず。
11位という切羽詰まった状態で迎えた34節(YS横浜戦、2-0)以降、基本布陣も3-4-2-1に変更と、確実な勝利に向けて安定化を図ると連勝街道に乗り。
そしてこの日勝てば、条件次第で6位以内が確定する所まで浮上を果たしました。
相手は、対照的に無念にも昇格の夢が潰える事となった琉球。

守備的なイメージの強い3-4-2-1という布陣の松本ですが、果敢にハイプレスを掛けるスタイルとの事(放送席の談)で、それに違わず琉球のボール保持に対しても積極的な前線の守備。
前半3分、縦パスを受けた武沢に対し果敢に宮部が前に出てボール奪取、こぼれ球をすかさず山本康がスルーパスとボールゲインからの速攻。
左奥へと持ち込み、菊井がファーへ上げたクロスを佐相が落とし、安藤がダイレクトでシュート(増谷がブロック)とフィニッシュにも繋げ。
しかし、攻守交替したその直後にも山本康がボール奪取からスルーパスと息もつかせず。
村越が右から入れたグラウンダーでのアーリークロスを、安藤が合わせシュートしますがGK東がキャッチ。

開始早々から果敢に仕掛ける松本。
しかし布陣変更して日が浅いためか、守備に回ると不安が顔を出し。
特にウイングバックの立ち位置にその傾向が見られ、前線につられるように前への意識が滲み出す局面がしばしば見られます。
15分に攻撃を切りボール確保した琉球、右ワイドの上原にゲーゲンプレスを掛ける松本をパスワークでいなし、逆の左へ展開。
すると岡澤に釣られた佐相がワイドを開けた事で、パスを受けた藤春が持ち運んでクロス(誰にも合わず)と、琉球のポゼッションに崩され屈するという負けパターンが過るような立ち回り。

しかしそれを杞憂にするべくの先制点が直後に齎され。
16分ゴールキックでのロングフィード(一応、センターバックが受ける体制を取ったまま蹴り出しと裏を掻き)を、目測を誤った増谷により安藤が収めてから持ち運んで好機を迎え。
そのまま右ポケットへ切り込んでシュートを放つと、GK東のセーブを掠めてゴール内へと転がるボール。
鈴木がクリアするも惜しくも間に合わず、ゴールという判定でリードを得た松本。

まさかのロングパス1本での得点と、パスサッカーを繰り広げる立場の琉球にとっては顎を外すようなリードの奪われ方。
しかしその後も、松本のロングボールに対しディフェンスは対応に難儀しクリア出来ずというシーンを量産するなど、こちらも守備面で欠陥を抱えているようであり。
つまりは必然という他無い失点だったでしょうか。

そのボール保持に徹する琉球のビルドアップは、ほぼミラーという布陣を避けるため、可変を軸にした組み立て。
3バックの左右の片方が前に出て、その逆サイドでWBが下がり目という、4バック気味となる最終ライン。(今季のJ2で言えば徳島のスタイルが近い)
しかしそれは失点前までで、ビハインドとなってからは松本1トップ・安藤がアンカーを消す意識を高めた事で、可変せずに繋ぐ色を強め。
パスワークの最中にハイプレスに出られても、GK東がその中に加わる事で数的優位を作って凌ぐ体制へと移ります。
これによりWBも高目となり、18分には最終ラインから左への展開を経て、エリア内へのロングパスの跳ね返りを上原がミドルシュート(高橋がブロック)とフィニッシュにも絡ませ。

しかし28分、松本はまたもゴールキックでのロングフィードから確保し、サイド奥へ運んでコーナーキックに持ち込み。
ここからCK攻勢に入り、相手を自陣へ釘付けにする事でペースを奪い。
琉球にとっては前述のロングボール対処の拙さで、攻撃の流れを失いさらにはスコアにも繋がる事となります。

31分、琉球は左サイドから前進を図るも、敵陣浅めでの重松のキープに対し野々村が前に出てボール奪取。
またも積極的な守備を嵌めてカウンターと、立ち上がりの流れそのままに攻め上がり。
中央を持ち運ぶ安藤に対し琉球は最終ラインしか残っておらずノープレッシャーという状況で、そのままその裏を突くスルーパスで村越が抜け出し。
そしてエリア内へ進入して放たれたシュートが、GK東の右を破ってゴールに突き刺さります。
PO進出を大いに手繰り寄せる追加点に、沸き上がる松本のホーム・サンプロアルウィン。

スコア的に苦しくなった琉球。
34分に最終ラインでの繋ぎから鈴木が一気にエリア内を突くロングパス、これにダイアゴナルで走り込んだ藤春がダイレクトで合わせ。
放たれたボレーシュートがネットを揺らしたものの、オフサイドとなり残念ながらノーゴール。
全体として前掛かりな松本の裏を突く姿勢を強めていたものの、その分オフサイドも量産されてしまう流れの象徴となりました。

停滞を強いられる相手に止めを刺したい松本は、44分にも決定機。
パスワークで左サイド奥を取った菊井のクロスが入ると、ニアで安藤がヘディングで合わせ。
しかしゴール左へ際どく外れ、3点目は奪えず。

結局2点差のまま前半終了。
琉球は良くない流れながら、終盤にカウンターからCKに繋げるなど、何とか巻き返しの姿勢は見せ。
しかしゴールが遠い状況故に、ハーフタイムでカードを切り武沢→富所へと交代。
白井の札幌移籍により、トップスコアラーの地位を得た(11得点)ベテランの存在で風穴を開けにいきます。

これにより後半はオリジナルの3-3-2-2(3-1-4-2)の布陣から、岡澤・富所がそれぞれ一列下がる、3-4-2-1の色が強くなり。(特に守備時)
中盤中央を固める事でボール保持の安定性を高め、間を通す縦パスもやり易くなった印象を受け。

しかし、松本は前半同様ボールゲインから好機を量産。
後半3分に佐相のカットから、拾った菊井がミドルシュートを放つもGK東がキャッチ。
6分に最終ラインでのパスミスを誘発し、拾った安永がそのままミドルシュートを放つも、ゴール左へと外れ。
数多パスを繋ぐ琉球を尻目に、効率良くフィニッシュを放ち追加点を狙う松本。
9分には主体的な攻めでも、GK大内のパスを受けた高橋がそのまま裏へロングパス、走り込んだ村越の落としから展開されるアタッキングサードでの攻撃。
そして菊井がミドルシュート(GK東キャッチ)と、遠目からシュートを連発するその姿は、町田のアンチフットボールなスタイルとは違い正当にパスサッカーに宣戦布告を果たしているようであり。

それでも繋ぐスタイルを徹底する琉球、14分にはGKへと戻してハイプレスを呼び込み、右サイド→中央でのパスワークでいなしきるなどその真価を発揮。
しかし左へ展開ののち藤春へのパスがオフサイドとなり終了と、やはりフィニッシュを生み出せなければその意味は薄く。

そんな状況で、3枚替えが敢行されたのが16分。
増谷・岡澤・重松→高安・平松・庵原へと交代、高安が左WBに入る事で藤春が最終ライン(左CB)に回り。
このポジションチェンジにより、2CB化しての繋ぎの色が強まりましたが、上がるのは藤春ではなく鈴木の方が目立ち。

それでも琉球はフィニッシュが遠い状況に変わりは無く。
逆に松本の方も、琉球の可変により綺麗なボール奪取を見せる事は極端に減り、その分シュートに結び付けられず。
お互い停滞してきた所で、松本ベンチがこの日初めて動き安藤→高井へと交代します。(26分)

盤石な相手が動いた影響か、ここから巻き返しが図られる琉球の攻撃。
27分中央でのパスワークが遮断されるも、右で拾った上原のスルーパスに抜け出した庵原、右ポケットでの切り返しを経てグラウンダーでクロス。
ニアで富所が合わせシュート(GK大内キャッチ)と、状況を打ち破るフィニッシュがようやく生み出され。
30分には松本の攻撃を凌いだのち中央から素早く運び、富所・庵原での2人のパスワークが遮断されるも後方から佐藤がカバーして繋ぎ。
そして富所のスルーパスが右ポケットに入り、同じく後方から走り込んだ平松が受け、奥からシュート(クロスがDFに当たった?)を放つもGK大内のセーブに阻まれ。
(31分に岩渕→鍵山へと交代)

それでもシステム的には、鈴木が上がる効果を出したい琉球。
32分にその鈴木が右奥でロングパスを受けた事で、奥からスローインを得ると上原がロングスローを敢行。
ここからセカンドボールを拾い続けて押し込み、左サイドでのパスワークを経て高安がカットインからエリア内中央でシュート。
ブロックに跳ね返され、最終ラインから攻め直しとなりましたが、平松ロングパス→鈴木落としで再度エリア内を突き。
これを拾いにいった庵原が樋口と足同士で交錯する形で倒れると、反則を告げる笛が鳴り響きます。
お互い様のチャージに見えたため松本にとっては寝耳に水というPKとなりましたが、VARが無い以上判定は絶対であり。
このPKは富所がキッカーを務め、派手な動きこそ無いが確実にGKを釣り出しに掛かる助走で、キッチリ逆を突いてゴール右に蹴り込みます。
これで1点差と、まだ判らないという雰囲気を高める琉球。

思わぬ失点で緊張感が高まる松本。
それを払拭せんと、37分に3枚替えと大胆に動く霜田正浩監督。
高橋・山本康・村越→橋内・住田・浅川へと交代します。(高井がシャドーに回り、浅川の1トップ?)

落ち着きを取り戻し、左スローインの連続で相手からペースを奪い、かつ好機を生み出しに掛かり。
39分にその左スローインから安永が奥からカットインでゴール前を伺う所に、鈴木のスライディングが襲い倒され。
先程のPKの後でしたが、反則の笛は鳴らずに終わり。
不公平感を露わにする松本サイド、並びにスタンドのサポーター。

しかしその直後、琉球の保持に対しプレス回避させず、GK東の縦パスを樋口がカットする形でのショートカウンター。
たまらず鍵山が樋口を倒した事で反則となり、左ハーフレーンから直接フリーキックの好機に。
これを先程の鬱憤を晴らすかのように、安永が放った直接シュートがゴール左上を襲いましたが、GK東がセーブ。
3点目は奪えませんでしたが、嫌な流れを吹き飛ばすには十分な効果がありました。

以降琉球に攻撃機会を与えず、サイド深めに持ち込んではコーナー付近でのキープを繰り広げるなど、勝利への進軍を始める松本。(一度、完全フリーで放たれた菊井のシュートが枠外という決定機逸がありましたが)
目標に向けて徹底されたその姿勢に、琉球もお手上げ状態にならざるを得ず。
何とかその流れを断ち切ると、森・鈴木が前線に上がってパワープレイの体勢に入る事となり。

ロングボール攻勢に入るも、結局フィニッシュには繋がらなかった琉球の攻撃。
目安時間(+5分)が過ぎるという所で、残された最後のカードを使った松本(佐相→國分)、そのまま逃げ切る体制は崩れず。
2-1で試合終了の時を迎え、4連勝を達成して残り1試合を迎える運びとなりました。

この試合と同時刻で開催された、北九州の試合(長野戦)は引き分けに終わり。
そして翌日、もう一つの対象クラブである八戸(富山戦)は敗戦。
これによりPO進出が決定する事となった松本(とFC大阪)、無事にミッション達成を果たしたものの、その喜びは当然PO終了後にも分かち合いたい所でしょう。

尚、あと2つ松本を上回る可能性を残すクラブ(福島・今治)がありますが、それは今節直接対決となったためどちらかの脱落は必須となり。
そのサバイバルの様相にも注目が集まり、果たしてPOカードの行く末は。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第38節 鹿児島ユナイテッドFCvsファジアーノ岡山

2024-11-19 16:00:50 | サッカー視聴記(J2)

※前回の鹿児島の記事はこちら(33節・水戸戦、3-0)
※前回の岡山の記事はこちら(37節・藤枝戦、2-0)

<鹿児島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 36節(長崎戦、1-4)消化の段階で降格が確定。
  • 木村祐が今季限りでの引退を発表。そしてホーム最終戦である今節スタメン出場。(17節以来のメンバー入り)
  • 河野は岡山からのレンタル選手なため出場不可。

<岡山スタメン>

  • 前節をもってプレーオフ出場が確定。

前節の勝利で、PO出場が決定した岡山。
しかし順位はまだ確定しておらず、ホーム開催の権利を得る4位を確保できるか否かという、大事な試合なのは不変である最終節。

その他の事象としては、2年前の出場時とは違い、選手の契約情報は一切発表せずに現在まで過ごしているのが特徴的。
例年契約満了選手の発表が早い傾向のクラブにしては珍しい動きで、大事な戦いに向けての雑念は無い方が良い、という判断に落ち着いたでしょうか。

一方の鹿児島は、来季構想を立てなければならない状況故に、既にその発表は数多出され。
そしてホーム最終戦であるこの試合は、その立場の選手が多くメンバー入りと、同窓的な一戦となりました。
その中で引退を表明した木村祐がスタメンと、幾つものクラブを渡り歩いて19年という大ベテランに、晴れの舞台が用意され。

圧力高い岡山の攻撃を受ける鹿児島、という入りの前半。
流れを変えたい状況の前半6分、自陣からのスローインで投げられたボールを木村祐がダイレクトで蹴り出し。
その跳ね返りを確保すると、田中渉がボールキープで逆サイドまで張り出して組み立てに掛かり、パス交換の末にスルーパスで抜け出しクロスまで辿り着く田中渉。
グラウンダーで入れられたボールをGKブローダーセンが抑えるも、こぼした所を詰めた鈴木翔がボール確保し、戻しを経て圓道がミドルシュート(枠外)とファーストシュートに辿り着き。

しかし状況変化には至らず。
岡山の圧力に対抗せんと守備陣はデュエルの色を高め、何とか凌ぐという展開を強いられ。
14分には岡山の攻撃を断ち切るも、脱出せんとしたミドルパスを末吉が出足良くカットして継続、拾った岩渕のエリア内へのスルーパスに木村太が走り込む決定機に。
放たれたシュートはGK泉森がセーブと、際どい守備を余儀なくされるという双方の順位差相応の内容となり。

そんな状況でしたが17分、岡山のロングボールによりこぼれた所を、GK泉森が前に出てフィードを送り返し。
これが一気に左ポケットを突くボールとなり、抜け出して受けにいく有田稜と絶好機が訪れかけましたが、追走した田上と縺れ倒れ込み。
完全に後ろからのチャージに見えたものの笛は鳴らずと、判定にヘイトを溜めるのみとなってしまいました。

しかしこれを機に、鹿児島がボール保持による組み立てに精を出し。
木村祐が中盤の底を支え、その一列前で田中渉が流動的にボールを持って組み立てる体制を取り。
それでも岡山の中央は硬く、もっぱらサイドで人数を掛けての前進からクロスというチャンスクリエイトを強いられましたが、押されっぱなしの序盤とは雲泥の差なのは言うに及ばず。

POでの戦いのため、リードが欲しい岡山。
鹿児島が攻めの姿勢を作った事で、それを防がんと尚も圧力を高めつつ、奪取出来ない時は素早く中央を固めに入るというメリハリを高め。
一方で攻撃も、正攻法では鹿児島の強度を打ち破れないと見るや、地上でのパスワークを経て左ワイドの末吉に託すという組み立てへ切り替え。
鹿児島ディフェンスを右(鹿児島から見て左)へと寄せてから展開と、判り易く彼の突破力を活かす体制に入りました。

それでも辿り着くのはクロスに終始と、思うような成果は出ず。
鹿児島は稲葉の存在で中央の強度を上げた事で、サイドの選手も1対1に安心感が生まれたでしょうか。
末吉の突破を渡邉が阻むというシーンを膨らませ、思うように攻勢を作らせません。

しかし38分岡山は自陣右サイドからの組み立てで、藤田息のサイドチェンジにより、再び薄くした所を末吉が持つ状況に。
柳育とのパス交換から切り込みに入る末吉、奥からクロスを上げると、ニアでの岩渕のフリックを経てファーで木村太がフリーで収め。
そのままシュートに持っていきましたが、判断良く距離を詰めたGK泉森がセーブと、最後の所でもやらせないこの日の鹿児島。

すると40分、岡山は再度末吉の左奥への進入から、ポケットを突いて岩渕がマイナスのクロスを送るもカットされ。
そしてカウンターに繋げる鹿児島、前残りしていた鈴木翔へスルーパスを送った田中渉が、鈴木翔からの再度のスルーパスに走り込んでフィニッシャーとなり。
右ポケット奥から放たれたこのシュートが、GKブローダーセンのセーブを掠めて左ゴールポストに当たる決定機に。
尚も右奥で拾い直した田中渉から、中央への戻しを経て有田稜がミドルシュートと追撃しましたが枠を捉えられず。
岡山サイドも最後に守護神が立ちはだかる展開と、好ゲームの様相と化してきました。

直後の41分に今度は岡山が決定機、ロングパス→一美フリックからのこぼれ球を確保すると、中央から岩渕がエリア内へスルーパス。
そして走り込んだ木村太がシュートするも、再度GK泉森がセーブと防ぎ。
しかしこの際木村太が、泉森と戸根に挟まれる格好となり痛んで倒れ込んでしまい。
水を差すような負傷か、と思われましたが無事に起き上がり。
その3分後の44分、ハイボールの競り合いでやり返すように木村太が戸根を倒してしまうなど、激しい展開故に醜悪さも顔を出しかけます。

結局スコアレスのまま前半終了。
その間際の鹿児島のコーナーキックで、岩渕がエリア内で倒れ込む事態が発生と同時に終了を告げる笛となりましたが、幸い無事で後半も継続。

既に降格決定している鹿児島に対し、確実に勝利して4位確保したい岡山というコンセプトの試合。(恐らく)
しかし鹿児島サイドの意地が炸裂し互角の展開と化し、岡山も今後得点に辿り着くには頭を使わなければならない状況に。

そして後半が始まると、前半とは打って変わって右サイドでやりきる攻撃で始まり。(後半2分)
細かくパスを前後させての崩しで、田部井縦パス→木村太スルーで奥を突くと、走り込んだ本山もクロスでは無くポケットの横パス。(受けに行った木村太がディフェンスに遭うもCKに)
一ひねり利かせるような攻めで、活路を開かんとした入りに。

この意識を軸に攻勢に入った岡山でしたが、6分に中央をこじ開けようとした縦パスを岡本にカットされて鹿児島のカウンターに。(シュートには繋がらず)
屈する姿勢は決して見せないホームの鹿児島。
それを受けて8分、今度は末吉が左奥を伺う前半通りの体勢を取ると、末吉はカットインで中央に流れ。
そしてパス交換から逆の右サイド奥を突いてマイナスのクロスを送る末吉と、個人レベルでも変節を見せて崩しを図ります。

こうした攻防のなか、木村祐がお役御免となったのが11分。
最後の試合を終え、味方全員と抱き合った末にピッチを後にした木村祐。
彼に代わって投入されたのが、同じく契約満了での退団が決まっている中原と、闘争心とともに哀愁を漂わせながらの戦いは続く鹿児島。

お互い崩れない守備陣を受け、押していた岡山サイドも強引な放り込みが目立つようになり。
シュートも生まれずに停滞感が露わになってきた所で、岡山ベンチも動いたのが16分。
木村太・一美→神谷・ルカオへと2枚替え、前線の圧を増しに掛かります。

重戦車と形容されるルカオを押し出し、鹿児島の堅守を崩さんとする岡山。
その一方で組み立て的には、再度左の末吉を使う事に偏重を見せ始めるなど、単純にストロングポイントを活かさんという意識が高まり。
一方の鹿児島も、圓道の突破力を軸としてのパスワークで、左サイドから攻め上がるシーンを膨らませ。
それでもお互いフィニッシュに辿り着けず、それによるカウンターも数度発生しますがこちらもシュートチャンスの前に防がれ。

一向に膠着状態が終わらないのを受け、岡山ベンチは27分に再度動き。
田部井・岩渕→竹内・太田へ2枚替えを敢行すると、フォーメーションも3-3-2-2(3-1-4-2)へとマイナーチェンジ。
竹内がアンカーを務め、太田とルカオの2トップと、目線を変える事でその打開を図り。

一方の鹿児島も31分に、圓道・有田稜→五領・有田光(この試合の前に契約満了が決定)へと2枚替え。
これにより2列目が、右から五領・田中渉・鈴木翔という並びになる布陣変更が行われ。
采配面でも、互いに何とか崩さんとする姿勢が伺える展開となりました。

岡山は神谷が降りてボールを受けて組み立て、それに伴い竹内が上がって攻めに絡むなど流動的に動き。
しかしサイドに人数を掛けて崩す、以上の効果は中々得られず。
たまらず34分に最後の交代を敢行(本山→高木、末吉が右に回る)するなど、積極的な采配も実りは少なく推移する事となりました。
それでも増した前線の圧力で、ウイングバックも果敢にプレスに加わる姿勢を貫き、鹿児島に容易に攻撃権を与えず。

鹿児島はその圧を受け、敵陣への進入すら望めない状況となりましたが、36分に自陣でボール確保する野嶽がゲーゲンプレスをかわして繋ぎ。
そして左サイドを中原→鈴木翔と持ち運んで好機が生まれる(フィニッシュには繋がらず)という具合に、相手の前掛かりぶりを逆手に取れれば……という展開に。
投入された五領(この試合の後日に契約満了のリリースが)が、前半の田中渉よろしく逆の左サイドでパスワークに加わるなど、チームに再度好循環を齎さんと振舞います。

39分ルカオのヘディングシュート(枠外)で、ようやく共にフィニッシュが生まれない展開に終止符が。
直後に鹿児島も最後のカードを使い、岡本・鈴木翔→井林・端戸へと2枚替え。
端戸も既に契約満了での退団が決定している選手と、総出演の運びとなりました。(藤本はベンチ外)

それでも硬直間の拭えない展開は大きく変わらず。
ロングパスによる組み立てで攻め→CKという流れが、岡山→鹿児島→岡山の順と繰り返された末に、とうとう試合はアディショナルタイムに。
鹿児島にとっては、2度目のJ2での戦いも終焉を迎える時間帯となります。

岡山は全員敵陣に入っての攻撃で、クロスの跳ね返りを拾った田上が中央から切り込むもディフェンスに阻まれ。
すると鹿児島のカウンター、それもセンターバックの戸根が(田中渉とのワンツーを経て)ドリブルに入るという、一気呵成な攻めを繰り広げます。
しかし前に走り込む有田光へのパス出しが遅れ、誰も居ないエリア内へラフにスルーパスを送る格好となり、モノに出来ず終わり。

結局最後までゴールは生まれず、スコアレスドローで終了となった試合。
岡山は勝ち点1しか積めなかった事で、勝利した山形にかわされる形で5位転落。
そしてアウェイでのスタートとなるPOで、相手は2年前に敗れたその山形となり。
是が非でもリベンジしたい一戦となりましたが、その戦いの行方は果たして。

一方の鹿児島、再度J3から浮上の目を掴む事となる来季。
既に浅野哲也監督の退任と、それに伴う新監督の就任が決定(相馬直樹氏、GMも兼任)するなど、急ピッチで進められる体制作り。
2度目の降格にも悲壮感は見られないなか、どうクラブ規模を拡大していくでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第38節 モンテディオ山形vsジェフユナイテッド千葉

2024-11-18 16:01:02 | サッカー視聴記(J2)

※前回の山形の記事はこちら(35節・清水戦、2-1)
※前回の千葉の記事はこちら(37節・長崎戦、1-2)

<山形スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • プレーオフ進出の条件は、引き分け以上で問答無用に確定。敗戦の場合は、7位・仙台が引き分け以下で確定。

<千葉スタメン>

  • プレーオフ進出の条件は、勝利で問答無用に確定。引き分けの場合は仙台が引き分け以下、敗戦の場合は仙台が敗戦と、相手よりやや分が悪い。
  • 前節出場停止だった品田がスタメンに復帰。

注目必至の、プレーオフ出場を賭けたクラブ同士の直接対決。

前節消化前は、4クラブ(岡山・千葉・仙台・山形)がほぼ横一線、勝ち点1のみの差で山形が立ち遅れている状態。
しかし前節で立場が別れ、岡山と山形が勝利・千葉と仙台が敗戦となった結果、岡山が出場確定となり。
残り2枠を3クラブが争うという状況で、目下圏内である山形・千葉が潰し合う間に、7位に落ちた仙台が巧みに横から攫いに掛かる構図の最終節となりました。

昨季に引き続き、連続でPO出場を狙う立場の山形と千葉。
3年連続を狙う山形に年季の差があるというクラブの差異(千葉はウィルス禍以前に3度あるが、当時とは補強路線が異なるので割愛)ですが、直接ぶつかった結果、それが勝負の分かれ目となってしまったでしょうか。

試合開始早々の前半1分、早くも敵陣深めまで攻め入った山形は川井のロングスローと、形振り構わないという今季途中から定着したスタイルに。
ボールを片手で鷲摑みに出来るほどの握力を持つ川井によるこのスローイン、連続した2本目にドラマが待っており。
中央ややニア寄りに入った所を競り合いでこぼれ、クリアが小さくなり小西が拾い継続すると、そのまま右奥へと切り込んでマイナスのクロス。
ポケットで受けたイサカが再び奥へ切り込む姿勢を見せると、ここにディフェンス2人が食い付いた所を反転して戻し。
結果出来たスペースで受けた安部が、巻くシュートを放って左サイドネットに華麗に突き刺します。
崩しの力を発揮し、早期の先制点に辿り着いた山形。

千葉は立場的に不利な以上、やってはいけない失点となってしまい。
その後対抗姿勢のように、品田がロングスローを放り込む(4分)など同様の攻撃を見せるも実らず。

山形は、千葉のハイプレスを十分警戒してのロングボール中心に立ち回り。
従来の繋ぐ姿勢を控えめにするという相手のストロングポイントに合わせての戦いで、この大一番を制さんとする意気込みは、2年前の最終節(徳島戦、3-0)で裏抜けを徹底したその姿と被るものがあり。
6分にそのロングパスから、回収された所をゲーゲンプレスで奪うという「ストーミング」風味のスタイルで、奪った國分がすかさず反則を受けてフリーキックの好機に。
左ワイドからの位置で最初のクロスはクリアされるも、拾った高江が再度クロスを入れ、跳ね返りから川井がダイレクトで放ったボレーシュートがゴール左へ際どく外れ。
狡猾なスタイルで、この日も過去2年の再現(といっても今季はPO圏を守る戦いな点が違う)を果たさんとします。

そんな山形の姿勢をモロに受け、リードを許す格好となった千葉。
しかし目標のために泣き言は言っておられず、徐々に慣れを示し始め。
12分には右サイドから田中を使っての攻めに対し、ハイプレスを掛けた山形は田中に対しセンターバックの安部が詰めにいくという、前節の千葉に見られたハイプレスの欠陥のような一幕が。
しかしこの結果安部がチャージしてしまい反則となり、足を痛めてしまう田中。
山形にとって不本意な形ながら、この副産物もまた試合を左右する要素となり。

その後は上述の通り、慣れてきた千葉が本来のハイプレスを敢行。
山形がロングパスで逃げるのみという展開と化してきましたが、それによりボールを握る機会を得た千葉も、早くゴールに辿り着かんとして無理目な縦パスに頼るシーンが目立ち。

そんな膠着状態となってきた所で、24分に千葉がGKから短く繋いでの前進を選んだ事が運命の分かれ道に。
左に開いた山越が、山形のプレッシングを受けてロングパスを蹴るも、誰も競れずに安部への真正面のボールになってしまい。
すると安部はキープでは無くそのまま1タッチでロングパスを送り返し、これが千葉の最終ライン裏を綺麗に突く大惨事と化してしまいます。
エリア内へ抜け出した土居に対し、松田がたまらず後ろから腕で倒してしまい反則の笛が鳴り響き。
PK献上のみならず、ボールにチャレンジしていないという判定で一発レッドと、考え得うる最悪の結末に。

それだけに留まらず、この最中に田中が負傷を悪化させてしまった事で交代準備を余儀なくされるなど、てんやわんやとなる千葉サイド。(その所為か、キックオフでの再開時点で交代できずとなり)
結局このPKもディサロがGKの逆を突いて決め、10人での戦いで2点差を追い掛ける展開と化した今後の試合。
結局田中→小川へと交代し、小川が左サイドバックに入る事で佐々木がCBに回る、4-4-1へと調整して挑むその後の千葉。

30分にまたも川井のロングスローでボックス内を脅かす山形、こぼれ球をGK鈴木椋が抑えて何とか断ち切る千葉。
とにかく攻勢の形を作りたいという状況で、最終ラインから右へと展開して前進を図り。
(田中の居た右サイドハーフに移った)横山が切り込む姿勢から、山形ディフェンスを下げに掛かった所で目線を変えるようにヒールパス。
しかし後ろで受けた品田がすぐに奪われてしまうと山形のカウンター、土居ドリブルから右へパス→イサカエリア内へラストパス→追い越して受けた川井がシュートと、綺麗に繋がる山形の攻撃。
一度はGK鈴木椋が脚でセーブするも、跳ね返りを土居が詰め、相手を奈落へと突き落とすような3点目が齎されました。
数的不利での粘りも見せられず、一気に窮地となった千葉。

3点リードかつカウンターでの追加点を得た事で、山形はボールを持たせるような戦いへと移り。
10人ながらも千葉は地上での繋ぎに精を出し、何とか崩さんとしますが状況は苦しく。
中央からボックス内を伺う姿勢を見せるもラストパスが遮断され、そうでなければサイドからのアーリークロスに頼らざるを得ないという状態に。

それでもアディショナルタイム、その高橋壱のアーリークロスがブロックされた事で右コーナーへと繋がり。
ここからの二次攻撃、最後方からのロングパスで前に出た山形の逆を突くと、佐々木の落としを拾い左サイドでボール確保。
そして椿がカットインを経てポケットからシュートを放ち、GK後藤雅がセーブした所に山越が詰めにいくも、クリアされ惜しくも撃てずに終わります。
その後も長い目安時間を利用しセットプレーから攻め立てるも、ゴールは奪えずに前半終了を迎え。

ハーフタイムでさらに動く千葉。
1トップで孤立を強いられる小森をサポートすべく、椿→林へと交代して4-3-2へとシフトします。
2列目は品田のアンカーで、右に横山・左にエドゥアルドという形に。

その効果を早速表し攻め立てる千葉。
薄くなるサイドはSBが果敢に上がる事で埋め、何とか人数を掛けての攻めに持ち込まんとします。
後半4分、左での組み立てからエドゥアルドがサイドチェンジを通し、受けた高橋壱がカットインを経てミドルシュート。
ブロックされた跳ね返りから、尚もエドゥアルドがエリア内へミドルパス、横山が抜け出してシュートを放ったもののオフサイドで無効となり。(シュート自体もGK後藤雅がセーブ)

立ち上がりから攻められる状況となった山形ですが、それでも落ち着いた立ち回りは崩さず。
守備時は自陣で中央重視に固め、逆に攻撃時は保持を重視しながらの前進で相手を自陣に押し戻し。
これにより、千葉にとっては「自軍が退くのは止むを得ず、相手が退くのは避けなければならない」という難しい展開に。

唯一無二の好機が13分、山形が右サイドで保持する所、小森がバックパスを遮断してのショートカウンター。
パスを受けた林が中央からエリア内へ進入し、コースを探した末に放たれたシュートはブロックを掠めてゴール上へ外れ。
続くCKからも跳ね返りを横山がミドルシュート(GK後藤雅キャッチ)と、フィニッシュに繋げる事は繋げますが、山形の最後の壁を突破するには足りず。

ピンチは何度かあれど、着実に時間を進める山形はその道中、土居が降りてボールを受けるという色を高め始め。
前半は國分が中に絞ってその役を務めていた事が多く、この時間帯(20分辺り)で役割交代のような形となり、これでさらに高まる保持の安定度。
無理を承知でプレスに出る千葉2トップの間を巧みに通し、無効化していくビルドアップで、全体もリトリートによる激しい上下動を強いられていく千葉。

何とかしたい千葉は23分、GK後藤雅にフィードを蹴らせて回収という形で、山越の跳ね返したボールを横山が足下でフリックして高橋壱に渡し。
右ワイドからカットインの姿勢でクロスを上げる高橋壱、クリアが小さくなった所を逆サイドで小川がボレーシュート。
しかし左サイドネット外に終わり、どうしてもゴールが遠く。

28分に山形ベンチが動き、土居・國分・ディサロ→高橋潤・坂本亘・後藤優と一挙に3枚替え。
早速その直後の29分に、パスワークから左ワイドを取った坂本亘、戻してのパス&ゴーでポケットを突く決定機に。
高江エリア内へパス→高橋潤フリックで受け直し、短いカットインからシュートを放ったもののふかしてしまい決められず。
それでも保持重視から前への意識を高めるような前線の駒の変更で、反転攻勢を仕掛ける絵図。
つまりは止めを刺しに掛かる交代の格好となりました。

千葉にとってこの相手の変節は予想外だったっぽく、30分にはラフな最終ラインでの繋ぎを余儀なくされた所、バックパスをエリア内で受けたGK鈴木椋のタッチが大きくなり高橋潤が拾うという慌てぶりが伺える事態に。
そして右ポケット奥へと切り込んだ高橋潤ですが、すかさず入れられたグラウンダーのクロスには流石に周囲の上りは追い付かず。

これを見たベンチも交代準備をしましたが、結局は間に合わずの形で迎えた35分。
右サイドでの組み立てから、戻してサイドを移すというパスワークでまたも左ワイドで坂本亘が持つという流れ。
しかし今度はポケットへの1タッチパスを選択した坂本亘、そのままパス&ゴーで高橋潤のポストプレイに走り込み、シュートも1タッチで放たれた結果ゴールに突き刺さります。
完璧な崩しに必死のシュートブロックも間に合わないという千葉ディフェンスの絵図に、文字通り止めの4点目となりました。

キックオフの前に千葉は準備していたカードを切る(横山・エドゥアルド→杉山・ドゥドゥ)も、時既に遅しとなり。
一方山形も、準備していた南を投入します。(高江と交代)

こうなると諦めを見せない(見せられない)以上、意地でも1点を返しにいかなければならない千葉。
高目に位置取る高橋壱を軸に仕掛けるも、結局はクロスを入れる位置が高くなった以上の効果は出ず。

逆に39分、イサカのラフな裏へのロングパスを、GK鈴木椋が前に出て処理した所トラップを後藤優に拾われるという情けない絵図が。
空となったゴールを受け、右ワイドという位置ながらもそのまま単騎切り込んで遠目からシュートにいく後藤優。
それを品田が必死でブロックするも、開かれた腕に当たってしまいハンドとなり、警告付きで何とか止めるという形に。
このFKからも、クロスの跳ね返りを回収すると、ボックス内を伺いつつも長らく続く保持に入り相手の攻撃機会を減らす立ち回りを貫く山形。
(42分に山田→坂本稀へと交代)

43分、上がった左SB小川へのロングパスから、セカンドボールを繋げて中央から小森がシュートチャンスに。
しかしそのミドルシュートはミスキックとなり、力弱くこぼれたボールをGK後藤雅がキャッチと、走り回った事で既に余力も無い状態のポイントゲッター・小森。
そしてその絵図から、既にチーム全体も得点への機運が無い事は明らかでした。

ATも諦めずに攻め立てた千葉ですが、結局最後までゴールを奪う事は無く。
4-0のまま試合終了の時を迎え、シーズンを戦った断が下される時が訪れます。
勝利した山形はPO圏が確定、ならびに岡山が引き分けたため4位浮上。
敗れた千葉は、仙台が勝利したため7位に転落、即ちPO出場はならずというそれぞれの運びになりました。

力及ばずとなってしまった千葉、これで(前年までの)ヴェルディを上回る、「オリジナル10」で最多のJ2暮らしとなる事が確定。
クラブの体質を変えても、再び「惜しくも昇格出来ない」シーズンの連続を強いられる、無間地獄のような感じですが脱出の術はあるかどうか。

一方過去2年をも上回る、ホーム(NDソフトスタジアム山形)でのPOスタートを迎える事となった山形。
9連勝でフィニッシュ、その間のスタメンは負傷の西村が城和に入れ替わったのみという、まさに盤石な形での出場権獲得。
それだけに3週間というブレイクは逆にノイズとなる恐れが高いですが、好調を保つべくの渡邉晋監督の策は如何に。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第38節 V・ファーレン長崎vs愛媛FC

2024-11-16 16:01:20 | サッカー視聴記(J2)

※前回の長崎の記事はこちら(37節・千葉戦、2-1)
※前回の愛媛の記事はこちら(34節・栃木戦、1-1)

<長崎スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 自動昇格の条件は、勝利してかつ2位・横浜FCが敗戦の一点のみ。これで1差の得失点差も逆転出来、2位浮上を果たせる。

<愛媛スタメン>

  • 松田が累積警告により出場停止。
  • 森脇が今季限りでの引退を発表。前節(山口戦、1-1)のホーム最終戦で引退試合が行われスタメン出場し、今節はベンチ外。
  • 今野の負傷が発表され、10/26に発生して11/1に手術実施、全治約4ヶ月との事。

残留は決まったものの、10戦未勝利で最後の試合を迎える事となってしまった愛媛。
順位も降格圏のすぐ上である17位まで転落と、これまでの貯金で食い繋ぐという定型詞を地でいくなかで、(森脇の引退試合も前節終えた事で)何とか勝利で締められるかの一点のみと化した最終戦。

一方の長崎は、「勝利しなければならない」試合。
仮に2位浮上を果たせなくてもプレーオフがありますが、手早く昇格が決まるならばそれに越した事は無いのは言うに及ばず。

愛媛の未勝利試合の軌跡を辿ってみると、昇格を争うクラブには悉く敗れている(横浜FC・岡山・山形・千葉・仙台)のが厳しい所。
シーズン序盤から中位を維持してきたものの、やはり上を目指すには一段も二段も足りないという現実を突きつけられた終盤戦となり。
そしてこの試合も、昇格を目指して戦う長崎とぶつかる事になりました。

前半1分、自陣でのコントロールミスからジェズスに奪われ、すぐさま横パスを受けた名倉がミドルシュートと早くも脅かされる愛媛。
これがブロックを掠めての枠外となった事でコーナーキックと、ひとしきり押し込まれてのスタートを強いられます。

前半は最終ラインからの繋ぎで、ゆったりとした攻撃スタイルが特徴である今季の長崎。
この日も入りで主導権を握った事で、そのサッカーを徹底せんとします。
4分にはGK若原への戻しから右の増山へフィードを通してプレス回避、その増山もサイドチェンジ気味に左へフィードと、長短をふんだんに使って好機を演出。(受けた笠柳から、中央をショートパスで崩さんとするもシュートには繋がらず)

そんな強敵相手に対し、躊躇わずにハイプレスを仕掛ける愛媛。
それは一定の効果を生み出し、6分にパスミスを誘発させて拾ったユイェチャンからショートカウンターを仕掛け。(すぐさま曽根田へ縦パスを送るもカットされる)
続く7分にもパスミスを石浦が拾って速攻を仕掛ける(ドリブルから窪田へパスもカットされる)も、その後の精度の低さもあり有効打とはいきません。

それでもファイティングポーズを保つ愛媛は、さらに13分長崎がヴァウドのコントロールミスを窪田が拾うという絶好機。
しかしタッチが大きくなった所をGK若原が前に出てキャッチと、ここもシュートに結び付けるだけの精度に欠く絵図に。

すると14分、愛媛が最終ラインでやらかしてしまう側となり、右サイドでの繋ぎが短くなった所を名倉が素早い反応でカット。
こぼれ球をエリア内で拾ったジェズスが、慌てて戻る愛媛ディフェンスを尻目にそのままシュートを放ち、ゴールネットを揺らします。
3度のボールゲインでもシュートを打てなかった愛媛と、2度ともシュートに繋げたうえに2度目をしっかりモノにした長崎と、早くも格差が付く事となりました。

苦しくなった愛媛ですが、まだ序盤という事もあり攻撃の形の構築に掛かり。
17分に遠目からのフリーキックで放り込みを選択し、エリア内中央のダンカンを狙うも実らず。
しかし左スローインで継続すると、すかさずユイェチャンがアーリークロスを上げ、これがファーの小川の足下に。
ピンポイントで(小川の)ボレーシュートに繋がるも、枠は捉えられず。

長いボールでの好機に、これを軸とした攻めで打開を図り。
以降もスローインからの組み立てを経てのミドルシュートを連発と、早めの勝負が目立った愛媛の攻撃でしたが、あくまでペース確保のための手段だったでしょうか。
25分にGK徳重からショートパスでの前進が試みられると、サイドを振りながらの繋ぎを経て左サイドから窪田がカットイン。
そのまま中央へパスを送り、中に絞っていた尾崎ポストプレイ→窪田1タッチパスでエリア内を突き、崩しきったと思われましたがダンカンがこれを収められずに終了となり。

これを機に、その後もショートパス主体で攻撃機会を確保し、かつ長崎に攻撃させないという時間を作り。
つまりは主導権を握る事に成功した愛媛、その成果はすぐに表れます。
31分最終ライン→右サイドでの繋ぎでプレス回避に成功してそのままパスワークで前進し、アタッキングサードで石浦スルー→ダンカンを経て中央からの崩し。
そのまま2人のパス交換でボックス内を突いた末にダンカンがシュート(ゴール右へ外れる)と、良いリズムでフィニッシュまで持っていく流れを構築。
すると34分にも右サイドでの繋ぎから、中央→左ポケットとサイドを変えつつチャンスエリアを突き。
ユイェチャンのグラウンダーのクロスをニアで受けたダンカンがシュート、安部のブロックに阻まれるも、尚も拾って逆サイドからの崩し。
そして同様に右ポケットを突いて尾崎のクロスが入り、ニアで田中がブロックに入るも、軌道が変わる形でそのまま左サイドネットに突き刺さり。
鋭い崩しにより誘発したオウンゴールで、同点に追い付きました。

これで愛媛は精神的に優位に立ったでしょうか。
38分、最終ラインでのボール奪取からの繋ぎを経て、尾崎の縦パスを受けた曽根田がすかさず中央へミドルパス。
最終ラインで繋いでいた事で長崎が前に出たのもあり、中で絞っていた窪田はそのまま1タッチで裏を突くパス、これにダンカンが抜け出すという絶妙な好機を生み出します。
しかし前に出たGK若原・クリアにいったヴァウドと縺れ合ってシュートは打てず、逆に痛み長らく倒れ込んでしまう(GK若原も)絵図となり。

何とか無事だったダンカンは、40分に自陣左サイドでパスを受けるとそのまま長距離をドリブル。
中央を伺いながら最後はスルーパスを選択し、これがカットに遭うもエリア内へこぼれた所を、走り込みを止めなかった曽根田がシュートと決定機。
しかしGK若原が脚でセーブ、こぼれ球を深澤が追撃するもゴール左へ外れと、守護神に立ちはだかられたのもありモノに出来ません。

すると落ち着きを取り戻した長崎が襲い掛かり。
アディショナルタイムに突入し、GK若原からの繋ぎでプレッシングをいなし、サイドを振りながら前進と愛媛のお株を奪う地上での組み立て。
そして左から笠柳がカットインで中央へ流れた末に右ポケットへラストパスを送ると、受けたギリェルメのシュートが狭い所を抜いてゴールに突き刺さり。
プレスが実らなかった愛媛は戻って中央を固めていたものの、その外側から崩される格好となり、これがその後1点以上の効果を生んでしまったでしょうか。

ともかく再度リードした長崎、その後もジェズスが2本シュートを放って愛媛ゴールを脅かした末に前半を終わらせます。

共に交代無く、迎えた後半戦。
巻き返したい愛媛、再び最終ラインからショートパスでの前進を重視し、人数を掛けて崩さんと図り。
その意識が試合を動かすも、それが有利に働くとは限りません。

後半4分、森下の縦パスを石浦が反則を受けながらポストプレイ(アドバンテージ)、さらに深澤縦パス→ダンカンポストプレイと中央から縦に繋ぎ。
そして敵陣に入ると、倒された石浦も加わっての人数を掛けた攻撃に入り、森下左ワイド奥へミドルパス→窪田ポケットへポストプレイでエリア内での展開に。
ダンカンが中央でのキープを経てシュート、ブロックされた跳ね返りを谷本がミドルシュート(田中がブロック)と、連撃を放つも崩しきれません。

すると、尚も攻め続けんとした愛媛に対し、断ち切ったのちのクリアボールを右ワイドで納めたジェズスによりカウンターに入る長崎。
強靭な収めとドリブルにより深澤が振りきられ、攻めに人数を掛けていたためセンターバック2枚のみでの対処を強いられる愛媛、それをあざ笑うかのように右ポケット手前で切り返して2人を引き付けたジェズスが横パス。
完全フリーで走り込んでシュートしたのはギリェルメと、助っ人のパワーで完遂させた長崎がゴールに辿り着きました。
愛媛にとっては中央を固めての守備が通用しなかった2失点目を受け、多少のリスクを冒してでも攻撃に人数を掛ける事を選んだようでしたが、結局少人数ではジェズスのパワーに太刀打ちできず失点を重ねる格好に。

以降、リードを保つ事を重視する長崎により、この傾向は留まる所を知らず。
つまりは愛媛が長崎のカウンターの恐怖に晒されながらも、人数を掛けて何とか崩さんと攻め続けるという試合展開に。
サイドバックは、前半何度か見られていた「偽SB」の動きを、両サイドとも取り入れて目線を変えての崩しが試みられ。
それは2点差を跳ね返さなければいけないという開き直りか、ないしは2CB+ユイェチャンを中に絞らせてカウンターに備えるというリスク管理の思惑か。

後方待機するユイェチャンにより、3枚の最終ラインでの繋ぎが図られるビルドアップ。
これによりドイスボランチが、長崎2トップの背後で受ける状況が増え、そこからの前進に精を出す愛媛。
谷本・深澤の2人での組み立てに、石浦が係る事でトライアングルを形成してのパスワークと、本来の持ち味を発揮して攻撃権を確保します。

カウンター狙いへ移ったものの、押し込まれる流れとなった長崎。
先んじてベンチが動いたのが18分で、安部・笠柳→山田・松澤へと2枚替え。
安部よりも守備力の高い(と思われる)山田を投入する事で中盤の底を固めに掛かり。

しかしそれを見た愛媛は、石浦が降り気味にパスを受ける事で、下がり気味となった山田・秋野により出来たスペースを容易に突けるようになり。
1アンカー+2シャドーへと変形する深澤・谷本・石浦の3人により、そのスペースをふんだんに利用し執拗に中央からの崩しが図られます。
20分にターゲットとなるダンカンを退けた(藤原と交代、同時に曽根田→曽田へと交代)事で、地上で繋ぐ覚悟が据わったのも後押しし。

次々に縦パスで長崎ディフェンスの間を通し、チャンスエリアを突き続ける愛媛。
迎えた27分、ここも中央から森下を起点として縦パス攻勢、深澤→谷本→石浦と渡りエリア内を突き。
そして左寄りから放たれた石浦のシュートがゴールに突き刺さり。
理想形を貫き通した得点で、1点差に詰め寄ります。

勢いに乗る愛媛、尚も29分に再び森下縦パス→谷本前進からミドルパスと類似したパターンで中央から崩し。
受けた藤原がエリア内に進入してシュートするも、ここはジャストミートせずGK若原に抑えられ。

しかし怒涛の攻勢も、裏を返せば弱点を隠すものに他ならず。
直後の30分、自陣で山田がパスカットしたこぼれ球をジェズスが拾うと、またも襲い掛かるカウンター。
ドリブルで引き付けた末のスルーパスと、先程と同様の攻撃で完全に崩され、走り込んだ松澤のシュートでゴールネットが揺れ。
どうしてもジェズスを止められず、またも2点差とされてしまいました。
キックオフの前に、リードを広げた長崎はギリェルメ・名倉→中村・エジガルへと2枚替え。(ジェズスがインサイドハーフに回る)

まだやれるという姿勢を見せたい愛媛、33分に期待の若手である行友を投入(窪田と交代)し、その肥やしにせんとします。
その行友は、強度の高い長崎相手故に自慢の突破力は中々見せられずも、組み立てにしっかり加わる事でアピール。
37分に降りて谷本の縦パスをポストプレイで繋いだのちの前進を経て、谷本のミドルパスを左ポケットで受けた石浦がクロス。
グラウンダーでGKとDFの間を突き、足から跳び込んだ藤原は合わせられずも、逆サイドで繋いだ末に曽田がシュート(GK若原)と攻め切り。
苦しい点差となっても、諦めずに攻撃サッカーを貫きます。

しかしその攻勢も、何度目かの長崎のカウンター炸裂により吹き飛ばされ。
41分に愛媛はCKから何度も攻め直しを図るも、エジガルがパスカットからドリブルに入ると、これを止められずにまたもスルーパスを通され。
今度はジェズスが受けに回った結果GKと一対一が出来上がり、徳重を冷静に右へとかわした末にゴールへと蹴り込んだジェズス。
とどめとなる5点目で、勝利をほぼ確定させるに至ります。

尚も諦めずに攻撃を続ける愛媛ですが、守備意識を高めた長崎の前に、ミドルシュートを打ち続ける以外にフィニッシュの術は無くなり。(長崎は45分に増山→櫛引へと交代、米田が右に回り櫛引が左SBに)
自動昇格への夢を繋がんとする長崎を、阻めずに終わる事となりました。

5-2のまま、試合終了の笛が鳴り響き。
11戦未勝利で終える事となってしまった愛媛、シーズン後にはFWの中心だった松田が契約満了になるなど、新たなサッカーの模索に必死な姿勢を早くも見せ。
血の入れ替えにより、来季はこの不振ぶりを払拭してスタート出来るかどうか。

一方ミッションを完遂した長崎ですが、ほぼ同時に試合終了となった横浜FCが引き分けに終わり。
その結果横浜FCが2位を確定させた事で、残念ながら悲願の自動昇格には届かずとなりました。
勝ち点差1という僅差で、「あの時こうしていれば……」という思いに駆られ易くもなるでしょうが、それでもPOが3週間後に控え。
3位故に常時ホーム開催なのが強みなので、開場とともに常勝伝説を築いた新スタジアム(PEACE STADIUM Connected by SoftBank)の下、挑戦者を振り払い昇格に辿り着けるでしょうか。

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