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DAZN観戦 2025年J1リーグ第5節 FC東京vs湘南ベルマーレ

2025-03-12 16:10:26 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

FC東京ベンチメンバー=波多野(GK) エンリケ・トレヴィザン 木村 常盤 西堂 小泉 佐藤 野澤零温 エヴェルトン・ガウディーノ

湘南ベンチメンバー=真田(GK) 大野 大岩 松村 高橋 茨田 ルキアン 根本 石井


開幕3連勝というクラブ初の快挙で、3節終了時点で首位に立った湘南。
順位表を見てもにわかに信じ難いですが、毎年の残留争いに耐え抜いた反動がついに来たのか、ないしは瞬間風速の最高潮がたまたま立ち上がりに訪れたのか。
いずれにせよ、今後暫くはその動向が注目の的となりそうです。
ちなみに4節で連勝は止まった(マリノス戦、1-1)ため、2位でこの試合を迎え。
なお先に結論から述べると、一昔前の一本調子のスタイルは既に払拭されたと言って良く、4局面を使い分けながら我慢する時は我慢する。
そんな奥深さが染み渡っていたものの、優勝争いに加わるには個の力の覚醒が必要にも見えもう一息という印象でした。しかしそうなると夏場の引き抜きが

この日の相手はFC東京で、今季を戦うに辺り迎えた新監督は松橋力蔵氏。
言わずと知れた、前年まで新潟を率いていた松橋氏ですが、正直良く引き受けたという印象の方が強く。
何しろ、ポゼッションサッカーを身に付けたいという事で、3年前にアルベル・プッチ・オルトネダ氏を招聘したもののその計画が頓挫するに至ったクラブ。
2年足らずで解任したその歴史から、「(同じ新潟の)松橋氏なら今度こそ大丈夫だろう」という学びを得ての決断なのかどうか非常に怪しく。
湘南が辛抱を重ね、ボール保持を(不完全ながら)効果的に取り入れるクラブになれたのとは実に対照的で、二の舞とならない事を祈るばかりであり。
それでも、前年のディエゴ・オリヴェイラの引退をはじめ過渡期となっている現状だけに、スタイルに合致した抜擢というのはやり易いはずである松橋氏。
この日起用された新顔の選手(常盤・野澤零など)からそんな印象を受けるものの、その顛末は如何に。

試合の方は、雨が降り注ぐコンディションとなった一戦。
湘南は、ロングボール中心のビルドアップに舵を切る事でこの難戦を乗りきりに掛かったでしょうか。
前半5分、GK上福元が鈴木章狙いのロングフィードを送り、セカンドボールを拾った畑から敵陣で攻撃。
中央でパスを受けた小野瀬が持ち運びからミドルシュート(枠外)と、手数を掛けずに持ち込んだファーストシュート。
その後も長いボールを軸に組み立てますが、9分には同じくGK上福元のロングフィードのセカンドボールを拾った畑、彼も裏へのミドルパスを選択。
走り込んだ福田には通らずもまたも跳ね返りを確保しますが、ここは再度受けた畑が戻して作り直しと、無理攻めはしない意思は健在であり。

一方のFC東京、ガチガチの保持のスタイルを築くには時が足りていないのは明白。
そもそも、ハイプレスのための走力が第一に求められ、かつ「世界基準の判定」が悪い方向で目立つ現在のJ1でそれは成り立つのかという根柢の疑問も立ち。
そんな中、結果が出なければ容赦なくアルベル氏のように切られるのだから、厳しい世界という印象が拭えない監督業。

それはともかく、7分にその湘南の手法を、岡がミドルパスをカットして遮断すると縦に速い攻めへと移り。
安斎・俵積田の1タッチパスを挟み、橋本が溜めたのちのスルーパスで左奥を取りにいくも、受けた安斎が藤井に反則気味に倒された事で終了となり。

お互い、保持したいもののままならないという状況が顔を出し。
そうなると冴え渡るのはハイプレスで、ともに3バックの布陣なので、ウイングバックにパスが出ればすかさず相手WBに詰められて前を向けないという絵図が常態化する試合。
つまりそれをどう解決するかが、ポゼッションによる攻略法となりました。
余談ですが、こうしたWBの果敢なプレッシャーを仕掛けられる背景には、後方の支援が必須であり。
即ち前に出た裏を取られても、まだ4バックで守れるだけの組織力があれば、WBも安心して規制を掛けるのに集中できるというもの。
先日観に行った札幌の試合の事を考えながら、札幌に何より足りないのはそんな信頼性・それを植え付けるべくの普段の落とし込みなのでは……なんて思いが頭を過りましたが、この場ではどうでも良い事であり。

話を戻すと、時間が進むにつれてそれを解決せんと藻掻く両チーム、という展開に。
FC東京は、定番の手法である縦パス→レイオフ→裏へのパスという1タッチでの繋ぎの色を強めます。
24分には中央でしたが、橋本のレイオフから森重のロングパスで右サイド奥を取りにいき、セカンドボールを拾って右サイドでのパスワーク。
ここからスローイン→右コーナーキックと押し込み続けましたが、CKが防がれると湘南のカウンターに。
しかし岡が敵陣のまま奪い返した事で逆にショートカウンターとなり、スルーパスを受けた俵積田(CKのキッカー)が右奥へ持ち込みグラウンダーでクロス。
クリアされるも小さくなり、右ポケットで拾った仲川から今度は高いクロスが入ると、山下が合わせヘディングシュート。
中央を狙ったボールでGK上福元の逆を突くも、左手一本でのセーブに阻まれ惜しくも先制はなりません。

他方、地上で繋ぐ色を強める湘南。
序盤にあれだけ使っていたロングパスは影を潜め、前述のようにワイドで嵌められそうになれば素直に戻し、最終ラインでサイドを振りながら隙を伺うというポゼッションスタイル定番の流れに。
トレンドである、3バックから左右への可変は何度か見せるものの、中央のキムミンテが一列上がるというややレアな形も取り入れ。(といっても、前年に何度か見せていた形ではある)
プレッシャーを浴びると脆い印象があるキムミンテの足下だけに、むしろこちらが本命にも思えました。

前半も終わりが近づき、一方的にボールを握る流れを得た湘南ですが、それでも中々好機を生み出せず。
今季の成績と同様、これまでの我慢を結果に繋げたいという状況で、40分に鈴木淳がボールキープで仲川を剥がした事が契機に。
右へ展開されると、藤井がカットインで中央まで流れる、激しいレーンチェンジの末にエリア内と送られたミドルパス。
これを完全に裏を取った平岡が受ける決定機が生まれましたが、トラップ際を白井のスライディングでクリアされ撃てずに終わってしまいます。

結局そのままスコアレスで前半終了。
保持の色が強まった事で、中断もほとんど見られなかったためアディショナルタイムも取られずに(湘南の保持が続いていたため30秒ほどオーバーして)終わり。

共に交代無く、そのままのメンバーで始まった後半戦。
終盤にかなりボールを握られていたFC東京が、その対策としてハイプレスの色を一層高める入りとなり。
山下がアンカーに付きつつ、その他の選手が前に出るのが基本形のFC東京で、早速の後半1分に鈴木雄に詰めた俵積田がパスをブロック。(そのままタッチを割る)
前線の圧力で、湘南ペースを乱しに掛かります。

狙いは概ね成功し、攻撃権を掴んだFC東京は7分、敵陣右サイドで確保したのちバックパスから1タッチ中心に細かく繋ぎ。
そして高のスルーパスに走り込んだ白井がグラウンダーでクロスを入れるも、走り込む仲川の前でディフェンスがクリア。
実らずと思った刹那、同じくクロスの遮断にいったGK上福元が仲川と交錯して痛む事態に発展してしまいます。
主にフィードでビルドアップの片翼を担ってきたこの日の上福元だけに、不安が過りましたが何とか無事で継続。

その後、俵積田の突破力を軸として押し込むFC東京。
チームの完成度が高くない以上、強力な矛を利用した攻めに傾倒するのはある意味当然の回帰であり。
18分には左サイドを橋本縦パス→安斎ポストプレイ→俵積田スルーパス→安斎で攻略(そのままグラウンダーでクロス→仲川スルーも繋がらず)と、前半も見せていた手法とも混ぜ合わせ。
その圧力に屈するように、自陣での凌ぎが目立ってきた湘南。

その矢先、FC東京ベンチの方が先に動き山下→佐藤へ交代。(仲川がFWに回る)
ポジションチェンジも絡んだ事でやや混乱したか、19分にFC東京の好機(左から安斎がグラウンダーでクロス)から生まれたのは湘南のカウンター。
それでもネガトラにより遅攻に持ち込まれ、と思われた矢先に、左サイドで畑のスルーパスに走り込んだ福田に対する(岡の)反則でセットプレーを献上するに至り。

これを境に持ち直す湘南。
22分後方での繋ぎから、降りてキープする平岡が左ワイドに流れた事で、(戻しを経て)空いたスペースへ畑が縦パス。
そして受けた小野瀬が裏へスルーパスと、相手を引き付けての素早い崩しが見られましたが福田の抜け出しは惜しくもオフサイド。
それでもここから、FC東京のハイプレスを利用せんと3バックが幅を取って繋ぐ体制へと移り、縦パスを送るためのスペースを空けるというビルドアップの色を強めます。
FC東京も負けじと、最終ラインでの保持から、土肥が前に出る可変から右サイドで攻める姿勢を強め。
22分(上記の湘南の好機の直後)にその右サイドから例によって縦パス→レイオフ→ミドルパスで裏を突き、受けた佐藤がそのまま右ポケット奥まで切り込んでマイナスのクロス。
これを俵積田が合わせたものの、ふかしてしまいゴール上へと外れ。

25分に湘南ベンチも動き、平岡・鈴木章→石井・ルキアンへと2枚替え。
すると直ぐにFC東京の好機という具合に、この日は交代で勢いを失う流れとなった感があり。
それもハイプレスを嵌めてのもので、26分左サイド深めでカットした仲川からそのまま奥で溜めを作り、(安斎が)エリア内中央へ送るもフィニッシュには繋がらず。
しかしその直後にもパスミスを誘発させ、安斎がペナルティアークからシュート(ブロック)と、湘南のボール保持に突け込むある意味理想的な展開になりかけます。

しかし28分にFC東京は橋本・白井→常盤・小泉へと2枚替え。
するとやはり失速し、30分以降はほぼ湘南の保持の時間と化する事になり。

FC東京のプレス自体は継続するも、嵌められずにいなす絵図を頻発させる湘南。
34分にはGK上福元の右への小さいフィードから、浮き球のまま繋いでいくと前に出た常盤が逆を突かれる形でカットできず、敵陣に運ばれ。
福田が右からカットインでポケットを突き、グラウンダーでクロスを送るもGK野澤大に横っ飛びで阻まれ。
36分には最終ラインでサイドを振ってのいなしから、キムミンテの鋭い右への縦パスから前進開始……と見せかけて再度戻しを経て左から前進。
福田の持ち運びから左ポケット角を突き、石井がシュート気味に鋭いクロスを送るもルキアンの前でクリアされ実らず。
ひたすらサイドを変える姿勢を貫く絵図に湘南の我慢強さを実感するも、肝心の得点に繋げるフィニッシュは放てず時間を浪費していきます。

するとFC東京の方が3度目のカード、つまり使いきりを選択。
38分に俵積田→野澤零へ交代しますが、やはり流れは変えられず。
39分の湘南はGK上福元のロングフィード、そのセカンドボールからの攻めと原点回帰し、右ポケットからの(藤井の)クロスのクリアが小さく福田が拾い継続。
戻しを経て奥野がミドルシュートと、ほぼノーマークでのフィニッシュに繋げましたがふかしてしまい枠外に。
雨が降り注ぐ(一時雪へと変わる)環境下で、その影響によるシュートミスが(双方とも)深刻になる試合となり。

41分、ルキアンのポストプレイに対し後ろから反則を犯した岡に警告が突き出され。
FC東京が崩れるか否かの戦い……と思われましたが、ここから息を吹き返すFC東京。
終盤になり、悪天候に長く晒された影響か湘南の保持も乱れがちとなり。
42分にGK野澤大のロングフィードのセカンドボールを拾って敵陣から攻撃と、序盤の湘南をなぞるような手法で展開ごとひっくり返し。
後方から小泉がミドルシュートを放ち、これが強烈な軌道でゴール上へ僅かに外れるも、その号砲となります。

余力を振り絞って、ボールを握り攻撃権を掴むFC東京、それに対する湘南のプレッシングも簡単にいなされ。
そして左右のCBも果敢に前線に絡む、分厚い攻撃で押し込み続け。
AT突入直後、右サイドで土肥がワンツーで前進に絡んだかと思えば、中央→左への展開を経て岡の持ち上がりも活用。
そして中央へ打ち込まれた縦パスを佐藤がポストプレイで浮かせ、野澤零から受け直した佐藤がエリア内に進入。
DFに囲まれるなか右のスペースへ横パスが選択されると、託された格好の高がフリーでシュートを放ちます。
GK上福元の左を抜いたかに見えましたが、その脇のキムミンテが背中でブロック、跳ね返りをさらに仲川が追撃しましたがこれも枠を捉えられず。

粘りを守備面で発揮する状況となった湘南、残っていたカードを使う(福田→根本)ものの当然ながら流れは変わらず。
尚も押しまくるFC東京、右奥から常盤グラウンダーでクロス→ニアで小泉スルー→野澤零シュートと再度決定機。
しかしこれもゴール右へ外れてしまい、劇的な先制点は最後まで生まれませんでした。

最後は安斎が(鈴木淳に)反則気味のチャージをエリア内で受けた事で、騒然な空気となるなか試合終了の笛が吹かれ。
難しい展開であった事を証明する、スコアレスドローで幕が閉じられました。

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DAZN観戦 2025年J1リーグ第3節 横浜F・マリノスvs横浜FC

2025-02-28 18:10:41 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

マリノスベンチメンバー=飯倉(GK) 永戸 サンディ・ウォルシュ 木村卓斗 ジャン・クルード エウベル ヤン・マテウス 植中 宮市

横浜FCベンチメンバー=フェリペ・メギオラーノ(GK) 鈴木準弥 伊藤槙人 ユーリ・ララ 村田 ミシェル・リマ ジョアン・パウロ 小川 伊藤翔


血で血を洗う?ダービーマッチ。
特に「横浜ダービー」であるこのカードは、クラブの歴史(横浜フリューゲルス関連)からしても争いは避けられない。
そのためクラブ側も試合前にしてはや注意喚起が行われるなど、異様な雰囲気になるのはある意味当然であり。

横浜FCが現状「エレベータークラブ」と化しているため、その開催頻度は多くなく。
それでも一昔前はJ2にほぼ固定していたクラブ、こうして隔年ながらもJ1に籍を置けるにまで成長したというのも事実。
2年前のシーズン、初勝利は11節(新潟戦、1-0)という遅さで、その出遅れが1つしかない降格の枠に収まってしまう要因になり。
しかし今季は前節初勝利(岡山戦、1-0)と格段?の速さ、こうした点からも成長を感じ取れるものです。
編成面も、闇雲に選手をかき集めていた節があった2年前から一転。
四方田修平監督の人脈でもある、札幌に属していた選手を揃える事で陣容を固め。
それ故あの時とは一味違う戦う集団と化しつつある、といった印象でしょうか。

こうして迎えたマリノスとの一戦。
順位的にもまだ2戦ながら上に居る(10位、マリノスは15位)立場と、互角に渡り合う下地は整い。

前述の通り、場外でもバチバチとした雰囲気が避けられなくなる戦い。
ピッチ上でもそれに呑まれるかの如く、開始1分で早くもアクシデントに見舞われます。
天野がスルーパスを送った際足を捻ってしまい倒れ込み。
しかしそれを他所に、横浜FCサイドも鈴木武が何も無い所で足を痛めてしまったらしく、ピッチ外で治療を受け。
天野は無事だったものの、鈴木武は続行不可能となり、早々に無念の交代を強いられる事に。
ジョアン・パウロを投入と、はやカードを消費せざるを得なくなってしまいました。

そんな慌ただしさを醸し出す相手を他所に、ひたすらボール保持に努めたマリノス、というのが立ち上がり。
しかしハイプレスに出る事無く、統率の取れた5-4-1のブロックで構える横浜FCを崩す作業は困難を極め。
最終ラインからショートパスを繋いで前進を図るも、その度にサイドに展開→つまりかけて戻しを選択という具合に、一向に好機を作れず時間を浪費。
申し分程度に井上や鈴木冬がクロスを入れるのみと、ビルドアップに五月蠅い放送席の解説・林陵平氏の熱弁が止まらないマリノスサポーターの苛立ちが高まるのは必然といった展開を描きます。
前回取り上げた際(1節・新潟戦、1-1)と同じく中2日で迎えた一戦だけに、全体動きが重くなるのも仕方無いですが、こうした試合を繰り返すのみではヘイトを溜めてしまうのは避けられず。(マリノス・広島以外は中3日)

そうして10分過ぎが経過し、守備一辺倒という絵図の横浜FCも重い腰を上げ始め。
14分にンドカが右へ対角線のロングパス、受けた山根永がパウロとのパス交換を繰り返し、そのまま遠目からミドルシュート。(GK朴キャッチ)
意外にもファーストシュートは横浜FCとなった事で、「ボールを握っている方が劣勢」という印象が根付いた感がありました。

この一撃で肩の荷が下りたか、自身も最終ラインからの組み立てを図り始める横浜FC。
当初は、新たに得た槍である新保を高めに配置する左肩上がりでの繋ぎに見えた基本布陣。
しかしその後最終ラインは実に流動的となり、逆に山根永が高目を取る右肩上がりとなったり、ボランチが降りる事で両ウイングバックが前に出るなど多彩な位置取りを見せ。
それを司るのが福森という印象で、彼自身ワイドに開いたり、前に出てボランチの位置になったりと自発的に動く性質持ち。
それに合わせるように全体動く事で布陣を変えている感じで、マリノスの前線に的を絞らせずにボールを運んでいきます。

それでも全体としては、前年J2のアシスト王である彼の左足を活かすというよりは、新保の居る左サイドをいかに流動的にするかに苦心していた感があり。
同サイドには同じく推進力のある新井がワイドに張り出してくるため、福森自身がフィニッシュに絡む働きをするまで上がってくる事は稀である現状。
ここに来て働き場を得たという感じの新井、新保のサポートを後ろ盾としながら、実に警戒に左奥を得意のドリブルで切り裂き続け。(特に後半)
20分にはGK市川からのパスを受けた新保、福森とのワンツーでプレスを剥がしてからの前進で新井に託し、その新井がカットインの姿勢からクロスと左3人で作られた好機。
これを大外で跳び込んだのが山根永と、ワイドからワイドへという流れを描きましたが惜しくも合わずに終わります。
この両翼を活かすべくの、マリノスディフェンスを寄せたのちのサイドチェンジも多用し、崩しを図るシーンも膨らみ。

こうして、マリノスに比べ機会が少ないながらも、効果的に前進する下地を得れた横浜FC。
しかし堅守を誇ってきたチームが攻めの意識を強める事で、緩みが生まれるという危惧は健在であり。
33分には最終ラインに降りた小倉のパスがロペスに引っかかり、あろう事かエリア目前からのショートカウンターという危機が生まれかけましたが、ロペス→天野へのパスがズレて命拾い。
直後の34分、気を取り直して右から前進を図った所、山根永の1タッチでの縦パスが鈴木冬にカットされる(その後遠野が左奥に切り込んだ事でコーナーに)という具合に繋ぎの精度が乱れ。

そして37分、後方から山根永のスルーパスで一気に好機を作らんとするも、ズレた事で逆に渡邊泰の裏へのロングパス一本でマリノスの好機に。
低い弾道で最終ラインを突いたボールを入れ替わりで受けたロペス、そのまま素早くシュートに持っていきましたがGK市川がキャッチ。
ボール保持の局面から、一発でひっくり返されるリスクは横浜FCサイドも変わらない、という警告のようなフィニッシュ。

お互い好機に持ち込めない時間が多くなり、迎えた終盤。
アディショナルタイムの最中、もうすぐ終了という所で小倉が渡辺皓に倒されて反則。
これで左ワイドからのフリーキックを得た横浜FC、キッカー福森のクロスはファーで跳んだ櫻川に合わずも、クリアボールを拾って二次攻撃ならびに前半最後の攻撃。
右サイドでの攻防からパウロが強引に切り込み、右ポケット奥を突いてのグラウンダーのクロスが中央に入り。
クリアが小さくなった所を新保が拾い、ディフェンスに遭いこぼれたボールが櫻川の足下へ転がる、文字通り決定機が転がり込みます。
しかし櫻川のシュートはふかしてしまい枠外となり、これを逸してしまった横浜FC。
悔やまれる絵図の刹那、前半終了の笛が鳴り響きました。

ともにハーフタイムでの交代は無く。
次第に好機の数でも押され気味という嫌な流れのマリノスですが、この段階では動かず。

しかし動かざる事山の如く……とは意味合いが違いますが、その流れを変えられずに入りから横浜FCの押し込みを受け。
セットプレーを与えては、J2トップクラスの脅威と成り得た福森の左足から上げられるチャンスボールで脅かされるシーンの連続。

その福森ですが、後半4分のマリノスの攻撃の際、井上のスピードに振りきられた末に後追いの反則を犯してしまい警告を受け。
ストロングポイントと弱点(スピードの欠如)は紙一重という存在なのは変わらず、今季横浜FCが生き残るための課題となるのは避けられないでしょうか。

それでも相変わらず横浜FCペースは続き、敵陣深めでは山根永のロングスローも駆使しながらゴールに辿り着かんとし。
9分の左CKから、福森のクロスがファーで櫻川の足下に合わせるボールとなり、その直前でクリアに遭うもこぼれ球を新保がミドルシュート(GK朴キャッチ)と得意のセットプレーも冴え始め。

一向に好循環が巡ってこないマリノス。
横浜FCの決定機を凌ぎながらの攻撃を余儀なくされ、その内容も相変わらず井上や鈴木冬がアーリークロスを入れるという、手段の欠如に悩まされ続け。
そのクロスにロペスが跳び込むも合わずと、絵的には紙一重のシーンも生まれますが、それまでの過程という面では課題が山積みであり。
そして13分、たまらずベンチが動き遠野・天野→マテウス・植中へと2枚替えを敢行します。(マテウスが右サイドハーフに入り、井上が左SHに)

日程面で不利とはいえ、温存しているビッグネームが今後次々と投入される展開は相手にとって嫌であり。
対する横浜FC、この日は互角以上に渡り合っているとはいえ、J2上がりのチーム故にその圧力に屈する流れは避けられなかったでしょうか。
14分、マリノスの前進に対し必死のディフェンス、駒井が井上を倒してボール奪取するも反則無しとなった事で反転攻撃に。
山根永が右→左へのサイドチェンジを通し、受けた新井がカットインでポケットを突き、フェイントを絡めて鋭いクロスを中央へ送り。
これをGK朴が弾いた所にパウロが果敢に詰めにいくも、勢い余って鈴木冬をチャージする形になってしまい、これは流石に反則で終了。
16分に今度こそマリノスの攻撃、敵陣でのポゼッションを経て井上が左奥からカットインを見せると、山根永に反則を受けてFKに。
焦りからか、ここに来て反則が目立つ試合展開を強いられます。
直接狙っても良い位置(左ハーフレーン・エリアからすぐ手前)でしたが、キッカーマテウスはクロスを選択するもファーで跳んだロペスには合わず。

再び敵陣でのボール保持の時間を増やすマリノス。
植中がトップ下として動き回り、間を通す縦パスを受けにいく事で崩しを図るものの、フィニッシュには繋げられず。
再びスタンドの苛立ちが高まりかねない流れの中、25分に再度交代を敢行します。(井上・渡辺皓→エウベル・クルード)
同時に横浜FCも、小倉・山根永→ユーリ・鈴木準へと交代。

直後の26分、センター付近で横浜FCのパスミスが生まれると、エウベルがすかさずエリア内へのミドルパスで植中を走らせ。
跳ね返りを拾ったロペスが果敢にシュートしますが、山﨑が頭部でブロックと気合のディフェンスで防ぎ。
逆に28分、横浜FCの攻めが途切れた所、クリアボールを拾ったマテウスが新保の反則気味のアタックで奪われ。
そして倒れた所、反則と思い込んでボールを掴んでしまったのが仇となり、ハンドならびに警告を受ける始末。
おまけに直接FKの好機を与えるという具合に二重三重の被害と、「新基準のジャッジ」に襲われるという絵図も、緊迫の展開のなか脇に置かれる事となり。
当然蹴るのは福森でしたが、先程のマリノスのFKと似た位置(左ハーフレーン、エリアからはやや遠い)で直接狙える位置ながら、彼もクロスを選択するに留まり結局モノにならず。

その後マリノスがボール保持を続けるも崩しきれないという、前半立ち上がりの流れを踏襲する展開に入り。
防いで反撃に入らんとする横浜FCに対し敵陣で遮断し継続となっても、素早い横浜FCの戻りに対しどうにもスピードを高められず。
39分に山根陸のボール奪取で再攻撃するも、ショートカウンターは仕掛けられず、エリア手前での繋ぎを経て鈴木冬のクロス。
跳ね返りをマテウスがヘッドで繋ぎ、エリア内で収めたロペスがシュートするも山﨑がブロックと、最後の固さも立ちはだかる展開に。
その苛立ち故か、40分には横浜FCの右スローインを、あろう事か腕で直接妨害するという蛮行に出てしまったクルードが警告を受ける事態も生まれます。

41分に両軍最後の交代を敢行し、マリノスは鈴木冬→永戸。
横浜FCはパウロ・新井→小川・村田へと2枚替え。

その後横浜FCが、鈴木準のロングスローを駆使する形振り構わない姿勢を見せるもゴールは奪えず。
その流れを切ったマリノス、45分にエリア手前でサイドを動かしながらの繋ぎを経て、左ハーフレーンからエウベルがミドルシュートを選択。
しかし再びユーリが顔面でブロックと、気合いの守備を見せる横浜FC。
これでATに突入し、ユーリが治療→ピッチ外となっているうちに再度ゴールを狙うマリノスと、混沌とした状況に。
攻めが続いている最中にユーリが復帰するも、マリノスは右から松原がアーリークロスを送ると、手前でのロペスのフリックを経てクルードがヘディングシュートに持ち込みます。
しかし威力に欠けてGK市川にキャッチされ、どうしても破る事が出来ず。

その後最後までボール保持を続けたものの、結局ゴールに至らなかったマリノス。
スコアレスドローに終わり、両軍意地の張り合いというよりは、マリノスの不完全燃焼ぶりが勝る格好となってしまったでしょうか。

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DAZN観戦 2025年J1リーグ第1節 横浜F・マリノスvsアルビレックス新潟

2025-02-17 16:01:42 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

マリノスベンチメンバー=飯倉(GK) サンディ・ウォルシュ 鈴木 天野 山根 木村卓斗 松村 遠野 宮市

新潟ベンチメンバー=田代(GK) ジェイソン・ゲリア 堀米 ミゲル・シルヴェイラ 新井 高木 矢村 小見 若月


一年の計は元旦に……では無いが、サッカーの指標となる事は明白なシーズン開幕戦。
自分のスタンスとしては、前年に着目していたクラブが今季どうなっているのかを気にしてしまうものであり。
そんな訳で、J1では新潟・J3では福島の試合を取り上げ、後はJ2の全試合を流し観して過ごそうと思います。(どうでもいい)

さて、マリノスと新潟、ともに新監督の下で新たなシーズンを始める事となり。
前年からの変節という要素では、布陣変更でこの試合に臨んだマリノスの方が強く出た格好となったスタメン。
しかし既に、ACL7節を消化した後とあっては相手にとっての斬新さは薄れ。
そして中2日という日程の影響が容赦無く降り注ぐ試合となりました。

前半1分にGK朴からのボール保持に入ったマリノス、そこに襲い掛かる新潟のハイプレス。
右へ展開して松原→井上レイオフ→渡辺皓という定番の流れでそれを剥がし、中央の植中に渡るも太田に反則を受け好機にはならず。
早くもこの試合のカラー、即ち新潟のプレッシングをどう対処し、マリノスが好機に持っていくかという流れが表れました。

ここでは反則で途切れたものの良好な前進を見せたマリノスですが、以降やはり日程のハンデが露わになるように、フレッシュな新潟に手を焼く事となり。
ロペス狙いのロングボールで、誤魔化すといえば言葉が悪いですが、こぼれ球を何とか確保しての中盤からスタートといった立ち回りに。

他方、そんな果敢なハイプレスにより、前年までのポゼッションスタイルとは一線を成す事を早速示した新潟。
しかし当然ながら、4局面全てが要求されるハイレベルな舞台故に、自軍の保持の局面は数多訪れ。
ここでも新たな武器を手にしており、それはセンターバックの新人・稲村。
といっても前年に特別指定の枠組みで出場を重ねた存在で、只のルーキーでは無いのは周知の通り。
前半4分にGK藤田からの繋ぎを経て、左に開いて持った稲村が裏へロングパス。
これを奥村のフリックで一気にエリア内を突きに掛かる(谷口が走り込むもクリア)、保持の姿勢から中盤を省略する、前年に選択肢をプラスさせたような攻め手を見せます。

しかし稲村の役割はそれだけに留まらず。
マリノスがミドルプレスで構える姿勢を見るや、すかさずボランチをケアするマリノス2トップの脇を突く持ち運びを見せ。
相手の出方を見ての選択も万全と、早くも大物の予感を孕ませたこの日の稲村。

試合の方は、13分に新潟がボール保持からファーストシュート、最終ラインから右サイドで繋ぐ姿勢を取ったうえで左へ展開しての前進。
スペースを得た橋本から斜めの縦パス、長谷川のポストプレイを経由して再度持った橋本がまたも斜めの縦パスで、受けた谷口がエリア内へヒールパスで崩し。
そして長谷川が左ポケット奥からシュート(キニョーネスがブロック)と、地上でやりきってのフィニッシュ。

新潟優勢の流れを何とか覆したいマリノス。
フィットネスの面で劣るなか、やはり「自身の前進の流れを構築」「相手の攻撃機会の減少」の両得の効果を得られるボール保持に活路を見出し。
クルードが新潟2トップの間で受ける姿勢を維持しながら、攻撃時松原がサイドバック化する可変システムも交え、それを果たさんとします。
しかしクルードに対し、新潟もボランチがそれにプレッシャーを掛けるために中々前を向けず、中央からの運びはほぼ不可能となり。
止むを得ずサイドに逃げても、執拗に掛けられるプレスにより、最初の手法であった縦パス→レイオフでしか運ぶ余地が無いという悪循環に。
ダイレクトパスを余儀なくされ、繋ぎの精度も要求される事でボールロストも増えていきます。

そんな流れ故に、スコアを動かしたのは新潟の方。
26分例によってGK藤田からの繋ぎを経て後方からのロングボールですが、上げたのは稲村では無く、これまでの立ち回りにより躍動する余地を得ていた橋本。
左ワイドから中央裏へと送られた弾道の低いパスに、抜け出したのは予め絞って位置していた右サイドハーフの太田。
ワントラップでそのままエリア内へ流れ込み、放たれたシュートがGK朴のセーブを掠めてゴールに吸い込まれます。
序盤から示し続けてきた、フレッシュなサッカーで先制点に辿り着きました。

これで追い掛ける立場になったマリノス。
直後のキックオフからの攻めでコーナーキックに辿り着くも、モノに出来ず終わるとこの得点ですっかり追い討ちを掛けられたようになり。
29分にまたもハイプレスを掛けられると、GK朴のフィードを稲村が前に出てカット。
そしてそのまま遠目からシュート(キニョーネスがブロック)と、積極性が留まる所を知らない新潟に屈しかねない展開に。
33分に再びハイプレスで前に出た橋本がボール奪取し、確保に成功したのち上げられるクロス。
ニアで跳び込んだ長谷川が合わせられず、その奥で太田が詰めにいった所をGK朴が何とか掻き出し。
続く34分にも左から入れられた星のグラウンダーのクロスを、谷口がシュートにいき空振りも、その奥で太田がシュート(枠外)と攻め続ける新潟。

新潟とは対照的に、どうしてもプレスを掛けられないマリノス。
それ故に稲村の持ち運び、橋本の上りを許してしまう格好となり数多好機を作られてしまいます。
しかし新潟サイドも、攻め手は躍動する橋本のアーリークロスに傾倒していた感があり、折角の好循環を掴みきるまでにはいかず。

新潟のハイプレスのなか、前進を試みるマリノスは35分、松原がボールコントロールで奥村を剥がした事で前進の余地を作り。(そのままスルーパスを送るも合わず)
40分にも右サイドで井上が橋本を剥がす(その後託されたマテウスが右奥を突く)という具合に、果敢なチャレンジが成功すれば好機に繋がり。
しかしフィニッシュまでにはいかず、結局前半はシュートゼロで終わる事を強いられました。

0-1のまま終了した前半。
劣勢のマリノスですがハーフタイムでの交代は無く、微調整で後半に臨む事を選択。

その方策は、守備時は井上が前に出て4-4-2気味となり構えるというもの。
新潟サイドの橋本の躍動に対し、スペースを与えないという判り易い意図と同時に、ビハインドを巻き返すべくの前掛かりな姿勢も示されます。

しかし効果が出る前に、再度新潟ペースへと突入する試合展開。
相手が4バック気味になった事で、新潟は幅を広く使ったパスワークに、サイドチェンジを交えての揺さぶりが冴え始める事となり。
マリノスがあくまで純正4バックでは無い所がミソで、井上が前に出る裏を突くという、対策の対策も見せる事で好機を量産します。

後半9分、最終ラインへの繋ぎを経て橋本が井上の背後へミドルパスを送ると、左サイド奥で繰り広げられる奥村・長谷川のパスワークに加わった末にクロスを上げる橋本。
ファーで合わせにいった谷口の手前でGK朴がパンチング、跳ね返りを長谷川がダイレクトでシュートするもジャストミートせず枠外に。
何とか凌いだマリノスですがさらに直後の10分、橋本が左→右へのサイドチェンジを通したのち、さらに舞行龍がサイドチェンジ気味に左サイド裏へロングパス。
徹底してサイドを揺さぶり、受けた奥村が左ポケットへ進入の末にシュート、GK朴にセーブされたのちも執拗に追撃を掛け。
谷口のシュートを井上がブロックしたのち掻き出し、尚も藤原の落としで継続ののち、太田が右からカットインを経てミドルシュート。
GK朴がまたもセーブ、しかし攻撃は途切れずに橋本は今度は左からカットインを経て中央からシュート。
これをGK朴がキャッチと、ようやく止めたマリノスですが反撃体制を築く事は既存の布陣ではままならない事を示すだけに終わります。

結局その後は、井上が前に出る事も無く5バックで構えるのみとなる守備時。
前半は5-3-2(マテウスが前に出てロペスと2トップ気味に)だったものの、この際は5-4-1という引き籠り体制の典型と、追い掛けるべくの見栄えも悪くなり。

前へと向かう燃料が必要なのは明白であり、ベンチが動いたのが14分でマテウス→遠野へと交代したマリノス。
そして新潟も同時に交代(星→新井)と、試合当初から果敢に前に出る姿勢故の早めのベンチワークを示す新監督・樹森大介氏。

そして16分、マリノスの前掛かりの証明として、ハイプレスを掛けた末に苦し紛れの縦パスを出させて松原がカット。
そのまま前進を経て遠目からシュートを放った松原、枠を捉えられずに終わるもようやくこの日初シュートに辿り着き。
勢いを得るかのように、18分にも敵陣で植中がボール奪取(遠野が右の井上へ展開もカットされる)とショートカウンターの流れを作りかけます。

ボールゲインの連発により流れが変わるかと思われましたが、21分にこぼれ球を確保した新潟に対し掛けられるマリノスのゲーゲンプレス。
右深めに追い込まれた舞行龍ですが、藤原とのワンツーを経て左へロングパスを送っていなすと、ラフに出されたこのパスをマリノスのクリアミスもあり奥村が確保に成功。
そして追い越した橋本がスルーパスを受け、そのまま左ポケットを突いてシュート(キニョーネスがブロック)と、相手の勢いを削ぐようなフィニッシュを見せ。
未だ勢いは健在な新潟ですが、続く交代カードを先に切る事を余儀なくされ。(奥村・太田→小見・若月に交代、23分)
流石に前半からハイプレスを貫き、また橋本をはじめ攻撃でも積極的に仕掛ければ消耗も早くなるのは当然であり。

これを好機と見たか、25分に一挙3枚替えを敢行したマリノス。
永戸・井上・植中→鈴木・天野・宮市へと交代し、これにより従来の4-2-3-1(4-2-1-3)へと布陣も調整します。
鈴木が左SB・天野がトップ下・宮市が右ウイングに入り、松原が右SB・遠野が左WGに回り。

ベクトルを前に向けるマリノスにより、ボールの行方が落ち着かない試合展開に。
激しい奪い合いと繰り広げられるデュエルにより、新潟はベンチから判定に異議を飛ばしたGK田代が警告を受ける(27分)という副産物が。
移籍して、出場よりも先に警告を貰ってしまうという珍妙な成績を作るに至ってしまいました。

そんな半ばカオスな状況では、いち早くそこから立ち直った方に勝利への道が出来上がるものであり。
マリノスは29分、前半の基本に立ち返るようにGK朴からボール保持による前進。
右へ展開ののち天野のレイオフを経て渡辺皓が裏へミドルパスと成功し、走り込んだ宮市の前でクリアされるも、その後右からスローイン攻勢。
そして右CKまで持っていった事で、迎えた久々の得点チャンス。
キッカー天野のクロスはGK藤田がパンチングで掻き出すも、セカンドボールを拾い再び天野が右奥へ切り込んだのちにクロス。
ファーで跳んだクルードがヘッドで合わせ、長谷川のブロックでこぼれたボールを渡邊泰がレイオフし、シュートチャンスを迎えたのは遠野。
これを阻みにいった宮本ですが、遠野が切り返しを選択した結果、勢い余って足を掛けてしまうと反則の笛が鳴り響きます。
エリア内故にPK献上と、一言で言えばやってしまったという絵図の新潟ですが、マリノスの反撃体制の構築を阻めなかった結末でもあり。
キッカーは当然名キッカーのロペスで、普段通りの独特のフェイントを経てゴール左へとシュート。
それに惑わされず反応したGK藤田ですが、正確に隅に蹴り込まれたため届く事は無く、同点ゴールが齎されました。

采配も絡め、反撃が奏功した格好のマリノス。
当然その後勢いに乗り始め、35分に再び保持の体勢から、裏を突いた事で新潟を自陣へ押し込んだ末に再度最終ラインから前進。
そして左から天野が入れたクロスを、ロペスが足で完璧に合わせシュートを放ちましたが、ゴール上へ僅かに外れてしまい勝ち越しはなりません。

新潟の運動量が落ちた事で、中2日という不利も追い付く格好となり見られなくなり。
こうなると苦しい新潟、38分に最後のカードを使い長谷川・谷口→高木・矢村へと2枚替え。

しかし依然としてマリノスの流れで、新潟のお株を奪うように4バックの相手をサイドを揺さぶって動かし、自陣へ押し込む攻勢を作り上げます。
42分、新潟のロングボールを跳ね返し、イーブンのボールを松原がスライディングで繋ぐという具合に球際で優位に立ったマリノス。
左へ展開ののち鈴木が持ち運び、斜めに付けて中央で受けたロペス、ワントラップの勢いでそのままエリア内に入り込みシュート。
GK藤田にキャッチされるも、体力的に同等となれば後は個の力で有利といわんばかりに好機を迎え。
好循環が続いた故か、最後のカードは切らずに試合を進めたスティーブ・ホーランド監督。

それでも試合を決めるゴールは生まれず、試合はアディショナルタイムへ突入。
全員敵陣に進入するシーンも膨らむマリノス、後方から渡邊泰がミドルシュートと、古巣相手に止めを刺すという絵図も作りかけましたが舞行龍のブロックに阻まれ。(その後新潟がクリアミスで天野が拾うもオフサイド)

しかし時間が足りない故か、ないしは攻め疲れか。
ゴールを奪えず、その後新潟の保持に対し反則を量産してしまう流れで時間を浪費してしまいます。
相手の自滅的な流れながらも好機を得た新潟ですが、セットプレーからのミドルシュートに留まりやはり決定打は放てず。

結局1-1のまま試合終了を迎え。
痛み分けという言葉に相応しい試合でしたが、新体制での初戦にある意味相応しくもあったでしょうか。

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