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DAZN観戦 2025年J3リーグ第3節 FC岐阜vsギラヴァンツ北九州

2025-03-07 16:59:06 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • コイントスでコートチェンジ。

岐阜ベンチメンバー=後藤(GK) 石田 大串 キムユゴン 井川 箱崎 長井 粟飯原 オウイエ・ウィリアム

北九州ベンチメンバー=谷口(GK) 星 杉山 平原 河辺 喜山 井澤 木實 渡邉


個人的に、前年オフ注目に値する動きだったのが北九州。
惜しくもプレーオフ進出を逃す7位、ならびに(僅かに可能性あったとはいえ)実質1試合を残して終戦となった昨シーズン。
それを受け、早めにかつ前向きな姿勢が取れたのが大きかったでしょうか。

前年12月のうちにほぼ済ませた補強。
有力選手に手を出し続け、その殆どが上位カテゴリからのレンタル移籍。
その邁進ぶりは一抹の乱れも無いという様相で、レンタルの多用による将来の不安は脇に置き、早くから悲願達成を視野に入れたフロント戦略。
着実にチーム強化を果たしたものの、その意気込みを反らされるかのように1節(松本戦)はホームの事情により延期となってしまい。(4/26に開催)
一つ出遅れた形で、これが今季2試合目となりました。

攻撃力を前面に押し出す、岐阜のホームで開催されたこの試合。
お互いロングボール中心の入りを経て、先に岐阜がその3トップを活かした攻撃を発揮。
前半3分に敵陣浅めでボール確保ののち右へと展開し、中村がアーリークロスを入れる手法。
あっさりクリアされるもこれは牽制なのは言うに及ばずで、5分に再びクリアボールを右サイドで確保ののち北が対角線のロングパスを通し。
受けたのは泉澤で、得意のカットインをチラつかせながら奥へとスルーパス、外山を走り込ませるも坂本翔に蓋をされ繋がらず。
早めの仕掛けを意識させたのち、勝負手であるウイングの突破力を突き出しに掛かります。

そのWGは、とにかくワイドにベタ張りという方針を貫く岐阜。
右は中村・左は泉澤が請け負うワイドの内側で、前年までのスタイルである「偽サイドバック」システムを絡ませ文・外山が上がってくるという二段構えのサイド攻撃。
とにかく攻撃力を押し出す立ち回りで、それを支える中盤の底も、ビルドアップ時は北が前に上がる縦関係になり。
前に人数を掛ける反面、2センターバック+アンカーのみとなる後方が気がかりな布陣となります。

6分にその後方でのボール保持から攻撃開始、甲斐⇔野澤のパス交換で、樺山の二度追いを誘ってスペースを得た甲斐が裏へロングパス。
受けた佐々木が右ポケットを突くも右の中村へ展開と、あくまで両翼メインの姿勢を貫くと、その中村がマイナスのカットインを経て果敢にミドルシュート。
坂本翔のブロックで防がれるも、尚も泉澤が拾った事で今度は逆の左から仕掛け(奥へ切り込んで低いクロス、クリアされコーナーに)と、その布陣通りの重厚な攻めを披露します。

いきなり猛攻に晒された格好の北九州ですが、冷静ぶりを貫き。
ある程度ボールを持たせつつ、ハイプレスを仕掛ける事で薄い岐阜の後方を乱しに掛かります。
11分に岐阜のパスミスを誘発させてから攻め、牛之濱の突破からクロス攻勢に持ち込んでCKに。
フィニッシュには繋がらずもこれで岐阜ペースを折る事に成功し、15分にも岐阜のパスミスで敵陣深めからの攻撃。
右から樺山のクロスをファーで収めた永井、キープからの横パスで樺山がシュートチャンスを迎えましたが、撃たれる前に防ぎにいった文と交錯して不発に終わり。

すると16分、再び岐阜の最終ラインからの攻撃、野澤のロングパスを永井がブロックとここもハイプレスを貫く北九州。
こぼれ球を繋いで前進した岐阜の好機となるも、右奥でのパスワークからポケットを突きに掛かったこの攻撃は、北→西谷へのヒールパスが遮断されて終了。
するとすかさずのクリアボールが永井に収まって北九州のカウンターとなり、溜めを作ってから牛之濱に託し猛推進を開始。
ドリブルからの横パスを経て、上がってきた坂本翔がペナルティアークからシュートを放ちゴールに突き刺します。
岐阜の薄さを見事に突く形で、先制に成功。

先制された岐阜、以降もWGを活かす攻めを貫き、片側に寄せたのちのサイドチェンジでフリーのWGに託す形を幾度も見せ。
22分には左サイドでの前進から戻しを経て、野澤が右奥を突くロングパス。
これを中村は自らの突破で無く、直接ヘッドでポケットへの落としを選択と変化を付け、走り込んだ北が1タッチでマイナスのクロスを入れるもシュートには繋がらず。
ただの突破に留まらず、相手を押し込み続ける両翼ですが肝心のゴールという結果は叩き出せません。
ボールに触れず孤立しがちなセンターフォワードの佐々木も、23分に泉澤のクロスをニアでフリック気味に合わせる(GK杉本キャッチ)など、ターゲットとして我慢と渇望の戦いを強いられ。

そして28分、敵陣でボール保持を続けた末に、最終ラインから左への展開を経て例によって奥を伺う泉澤。
ワイドからポケットへの横パスを選択すると、内側を取って走り込む外山のスルーで中央の西谷へ。
ただのクロス攻撃に留まらない攻めで、西谷が引き付けたのちのパスを受けた外山がクロス気味にシュートを狙うもGK杉本がキャッチ。
しかし詰めにいった佐々木が勢い余ってチャージしてしまい、反則・警告を受けるという具合に、攻めまくるものの得点できない苛立ちを人一倍溜めてしまっていたような佐々木。
長らく倒れ込む杉本によりしばしのインターバルとなり。

冷静さを取り戻したい岐阜、34分に最終ラインからのパスワークにより地上でプレス回避ののち、左サイドを西谷が持ち運び。
そのまま左ポケットへ進入と、WGを使わずに好機を作りましたが中央の北への横パスは繋がらず。
推進力は健在ながら、肝心のフィニッシュが撃てなくなる展開に、ブレイク後も苛立ちを高める展開は変わらず。
42分に北九州が永井の裏抜けを狙ったロングパスがオフサイドになると、ボールを戻さんと抱えていた永井に対し、あろう事かGKセランテスがヒートアップ。
遅延行為と勘違いしたかのように、無理矢理ボールを奪わんとした事で騒然となってしまいます。

その後もボール保持を続けながら、両翼重視の攻めを貫く岐阜でしたがフィニッシュは生まれず。
5分あったアディショナルタイムでも有効打は撃てないまま、前半終了となります。

共に交代無く迎えた後半。
いきなりの後半1分に北九州のカウンターが発動し、前掛かりな岐阜の裏を突きに掛かる樺山のスルーパス。
中央で永井が走り込む所、判断良くGKセランテスが飛び出してクリアと間一髪な凌ぎ。
どうしても点が欲しいという中で、カウンターに沈む典型のような展開を描く恐れもチラつき。
そのプレッシャーからか、続く2分には東がロングパスで右サイド奥を突く北九州、蓋をする外山に対し坂本翔が反則気味に倒しながら確保となり好機に。(その後ポケットに進入してクロスもブロック)
こうした、ミス紛いの絵図による失点も避けなければならず。

こうした危機により、岐阜最初の好機は5分と遅れ。
しかし敵陣でのポゼッションから左→右へのサイドチェンジ、例によって中村が受けたのちも半円で繋いで逆の左の泉澤へと、ひたすらサイドを揺さぶり続け。
崩す側と守る側双方に我慢を強いる状況の中、カットインにより手前からのクロスを選択した泉澤、鋭いボールが跳んだ文の頭を越えてファーの中村の下へ。
ワントラップから折り返しのボールを入れる中村、ブロックを掠めてDFの間を縫い、外山が合わせシュート。
ゴール右へと突き刺さり、猛攻の末に北九州ゴール前を破った形で同点に追い付きました。

こうなると勢いは岐阜にあり。
同点後、樺山と牛之濱のポジションチェンジが行われた北九州ですが、その意思(と思われる)の樺山を活かした左サイドアタックは殆ど遂行できず。
前半とは打って変わって、自身が岐阜のハイプレスに苛まれる絵図が膨らみます。

猛攻を続ける岐阜、12分には左サイドでのパスワークから、外山ミドルパス→走り込んだ北スルーでエリア内を突きに掛かり。
このスルーはDFに遮断されるも、こぼれ球を尚も繋いで泉澤のスルーパスが左ポケットに。
そして走り込んでクロスを入れたのは萩野(手前でクリアされる)と、ドイスボランチ双方が上がる分厚い攻撃と、その前掛かり姿勢は留まる所を知らず。

北九州はその圧力から脱する事が出来ず、13分岐阜の攻撃を切ったのち最後方から前進を図るも、縦パスが野澤にカットされて再度岐阜の攻めに。
そして右ワイドから中村が、先程の泉澤のようにカットインを経て手前からのクロスを選択すると、中央の佐々木がフリックしたボールに西谷が足で合わせゴールネットを揺らします。
1点目同様の、クロスに複数人が合わせにいく形(西谷の外にさらに外山が走り込んでおり盤石の形)が実り逆転した岐阜。

流れを変えるべく交代準備をしていた北九州ですが、叶わず結局ビハインドとなってからの交代を強いられ。
キックオフ前に高・永井→平原・渡邉へと2枚替えし、高柳がトップ下・牛之濱が右サイドハーフへシフトします。

しかし前半とは打って変わって、自身がボール保持による攻撃で活路を見出さなければならないのは必至。
高吉が最終ラインに降り、後ろ3枚での繋ぎにより岐阜のプレッシングを無効化するも、すぐに4-4-2でのブロックに切り替わる岐阜ディフェンスを崩しきるのは厳しく。
相手と違い強力なワイドの選手も居ないため、人数を掛けてのパスワークでどうポケットを崩すかの戦いを強いられます。
それでも岐阜は18分に中村→粟飯原へと交代、両翼の一角が崩れたのもありここから守勢となる我慢強さが求められる展開に。

北九州もサイドアタッカー補填を図り、22分に牛之濱→河辺へと交代。
この河辺の推進力が有効となったのが26分で、最終ラインから右サイドアタックを選択すると、縦パスをワイドで受けた河辺が高柳のポストプレイを挟んで推進。
北に倒され反則になると、平原が素早いリスタートを選択し逆へ展開、戻しを経て後方から辻岡がミドルシュート。
これがゴールバー上部を強烈に叩いて枠外と、惜しくも実らず。

脅威と成り得る河辺の突破力ですが、それでも最終ラインが3枚のため、高目になるSBとの連携が求められるポジションであり。
どうしても相手の4-4-2ブロックの下、SH・SBの2人で対応されるため突破を押し出すのみでは有効打には繋げられず。
一方岐阜は28分に泉澤・佐々木→長井・オウイエへと2枚替え。
これで3トップ全てが入れ替わり、いずれも長身が目立つ事でカウンターへの橋頭保という色合いになったでしょうか。

諦めずに敵陣で保持を続ける北九州ですが、やはり崩しの難度は半端無く。
33分に渡邉が開いた左サイドで奥を伺いながらのパスワークに入ると、戻しを経て樺山がカットインから左ハーフレーンを切り込み。
しかし萩野と交錯してこぼれるとパスでエリア内を突くのに切り替え、受けた渡邉がディフェンスに遭った所を、絞っていた河辺がシュートに持ち込みますが惜しくも(ブロックを掠め)ゴール左へと外れ。

すっかり、ひたすら守勢を強いられる岐阜。
34分にはクリアボールを収めようとしたオウイエが、後ろから坂本翔に腕で倒されるも反則の笛は鳴らず、北九州の攻撃継続という一幕が。
J3でも「世界基準の判定」が健在という事が示され、それに対しGKセランテスが激昂するなど、前半とは違う要因でフラストレーションを高めるのを余儀なくされます。

猛攻を続ける北九州、37分には右からの坂本翔のクロスを中央で渡邉が合わせシュート。
野澤がブロックしたこぼれ球をさらに河辺がシュートと、フィニッシュを重ねるものの枠を捉えられず。
39分に、先制ゴールかつサイドアタックを担ってきた坂本翔が足を攣らせてしまい倒れ込み。
これに伴い最後のカードを使う北九州、坂本翔・樺山→星・木實へと2枚替え。

時折カウンターも見せる岐阜ですが、橋頭保のオウイエは先程のノーファールにより逆上気味に。
蓋をする選手に突っ込んで倒してしまう、プレッシングで止まれずチャージしてしまうという具合に、空回りの方が目立つ格好となります。
それでも45分、北のパスカットから左サイドを前進する岐阜、西谷の推進からの縦パスをポストプレイで絡んだオウイエ。
受け直した西谷がカットインからシュート(辻岡がブロック)と、2点目以来のフィニッシュをようやく放った岐阜。
そのまま突入したATでも、長井のスルーパスを受けたオウイエが左ポケット奥からシュート(ゴール右へ外れる)と、前掛かりな相手の裏を脅かし。

これらのフィニッシュにより北九州は攻め疲れの様相が強まり、パワープレイも仕掛ける事が無いので露骨なペースダウン。
一度、右サイドからの前進で星が中央へ横パス、高柳のスルーを経て渡邉のシュートに繋げたものの文のブロックで防がれ。
結局これがAT唯一のフィニッシュとなり、そのまま試合終了と相成りました。

まだ2戦目で、前節勝利と余裕があった北九州。
それを尻目に、3戦目でようやく今季初勝利の形となった岐阜が歓喜に沸き。
この日のような攻撃サッカーの神髄を、昇格に結び付ける事が出来るか。

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DAZN観戦 2025年J3リーグ第3節 SC相模原vs鹿児島ユナイテッドFC

2025-03-06 16:02:26 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • ↓とは逆のコートだったが、コイントスでコートチェンジして↓で前半スタート。(相模原がホーム)

相模原ベンチメンバー=三浦(GK) 田代 小笠原 徳永 河野 西山 加藤拓己 高井 藤沼

鹿児島ベンチメンバー=山内(GK) 小島 岡崎 千布 圓道 田中稔也 武 近藤 米澤


上位カテゴリと同日に開幕となった現在も、何処かのどかな雰囲気を感じさせるJ3リーグ。
過密日程や審判の判定などで、毎週ギスギスした気分となりがちな世界とは別の次元が……と言いたくなる風景は、降格制度が出来た後でもそれほど変わらないものであり。
まあ原因は、上に比べての観衆の少なさとそれに起因する画面越しから聞こえてくる幼児の声援

そんな下の生温さに呑まれたくない、J2経験を持ったクラブ同士の対戦。
シュタルフ悠紀リヒャルト監督の下、手垢のついていない謎の外国人選手を大量加入させた相模原。
逆にJ経験豊富な助っ人を、既存のチームに組み込む形で獲得した鹿児島。
ともにJ2復帰を狙う気概はバチバチと感じられる編成で、果たして両クラブがぶつかった際に生み出される結果は。

立ち上がりは、鹿児島のビルドアップのシーンが長くなるものに。
右に開いた広瀬が前進の起点となり、相模原のプレッシャーを受けつつも縦パス・ミドルパスを前線に送って打開を図ります。
配置的な特徴としては、ドイスボランチが縦関係となり渡邉がアンカー・山口がトップ下的に位置取り。
これで最終ライン+アンカーと、4-3-3が基本布陣のチームのビルドアップでよく見られる「サイドバックが上がらず、センターバックからの受け手の一つを担う」形が採られ。
しかしフィニッシュを担うはずのアンジェロッティがピトリックに潰されるなど猛チェックを浴び、シュートまで辿り着けずに推移。

そんな時間をやり過ごした相模原も、次第に主体的な攻撃を繰り広げるターンに入り。
こちらも、右CBの加藤がボランチへと可変する特徴ある配置を見せ。
しかし前進のキーマンは島川の左に降りてくる選手で、竹内・武藤が代わる代わるこの位置で出口役となる事で鹿児島ディフェンスを翻弄。
守備時も、竹内がボランチ・武藤が左シャドーという立ち位置なので、殆ど3-4-2-1といったシステムと化していました。
こちらも、サイドを軸として前進はスムーズながら、クロスに辿り着くのが関の山という攻撃。

システム的にやや複雑な分、相模原の方にビルドアップのミスが目立ち。
前半16分、後方からの縦パスをカットした渡邉から鹿児島のショートカウンター、縦パス→アンジェロッティポストプレイで受け直した渡邉が前進。
エリア手前で溜めを作っての横パスを経て山口がミドルシュート。(枠外)
ここからトップ下(山口)の利点を活かすように、良い時間帯を作る鹿児島。
アンジェロッティ・ンドカのポストワークも絡ませながら、二列目が飛び出してアタッキングサードを突く攻撃を続けるも、立ち上がりと同様にフィニッシュには届きません。

すると25分過ぎ辺りから相模原が押し返し。
ウイングバックの居るシステムを、サイドチェンジの多用で有効利用せんとします。
降りてポストワークするFW(武藤・高木)に対し、喰い付くヘナンや広瀬が後ろから倒してしまうも繋がれるなど、苦しさに塗れる鹿児島ディフェンス。
しかし、クロス攻撃は先程の時間帯で懲りたか、サイド奥を伺いながらのパスワークへと転換するアタッキングサードでの立ち回り。
それがパスがズレる事で終了という絵図が目立ち、こちらも実にならない攻撃が目立つ破目に。

フィニッシュの膨らまない凡戦めいた展開ななか、40分が過ぎると流石に様相も変わり。
先に仕掛けたのは、前述からずっと攻撃権を渡さなかった相模原で、GKからの繋ぎで例によって降りてきた竹内を経由し右サイドからの前進。
ワイドでキープする加藤大が一転裏へのミドルパスを選択すると、これを受けた高木が完全に抜け出して右ポケットへ進入。
GKとほぼ一対一という局面になりましたが、放たれたシュートはGK藤嶋のセーブに阻まれ。
続く左コーナーキックからの、常田のヘディングシュートも不発に終わり、優勢を続けた末の先制点とはいきませんでした。

これで啖呵が切られたかのように、44分に相模原が高野のドリブルからミドルシュート。(GK藤嶋キャッチ)
45分には右サイドから福田が奥を伺った鹿児島、浮き球パスを中央で受けたアンジェロッティがディフェンスに遭った所を、青木がミドルシュート。(枠外)
最終盤にどちらも果敢に撃ちにいった事で、様子見を経て最後に仕掛ける……と表せる展開となったでしょうか。
しかし結局スコアレスのまま前半終了に。

ハーフタイムで相模原の方が動き、常田→小笠原へと交代。
故障上がりらしい小笠原(一応、開幕節でも途中出場)、フェイスガード着用(試合中に外す)で試合に臨みました。
これで彼が右CBに入った事で、加藤大が左に回り。

始まった後半、早速の後半1分にその小笠原が裏へのロングパスで武藤を走らせ。(GK藤嶋が前に出てクリア)
これを意識させ、その後左からパスワークでの前進、というパターンが重ねられた相模原の攻撃。

しかし攻めを意識しすぎてしまったでしょうか、4分の鹿児島の攻撃。
後方でのパス交換を経て青木が裏へとロングパス、これをフィジカルを活かし収めたンドカによりエリア内を突かれ。
入れられたマイナスのクロスこそアンジェロッティの手前で遮断するも、ディフェンスが収められずにこぼれた所を拾った山口がシュート。
島川がブロックするも、跳ね返りをさらにアンジェロッティがシュートと、ピンボール状態の末にゴールに蹴り込み。
後半最初のチャンスで、鹿児島が先制点に辿り着きました。

これで一層目の色を変えて攻める相模原。
キーはポジションの移った加藤大で、これにより前半のようにボランチへの可変をする事無く、直線的に左サイドでの前進に絡むようになり。
9分に左ハーフレーンを持ち上がった加藤大から縦パス→武藤ポストプレイ→福井スルーパスでエリア内を突いた末に、高木がシュートを放ちましたがこれもGK藤嶋のセーブに阻まれます。

ボールを支配され、とても前半のような「トップ下で躍動する山口」という絵図を作れない鹿児島。
防戦一方の雰囲気が漂い出した所で、試合を動かしたのは前半にも見られた、相模原のビルドアップのミスからでした。
15分相模原の自陣での組み立てで、竹内のレイオフがズレてしまい、誰も居ない所に転がった所をンドカが拾い。
そこは既にエリア目前で、コントロールの末に放たれたミドルシュートがGKバウマンの手を掠めてゴール右へと突き刺さります。
1点目は相手の攻めっ気、2点目は相手のミスに突け込むという形で得点を重ね。

相模原は再三攻めながらも巧くいかない苛立ちか、直後の16分にはンドカに反則を犯してしまったピトリックが、そのままボールを蹴り出した事で遅延行為で警告対象に。
何か変えなければならない状態なのは明白で、その直後にベンチが動き高野・武藤→藤沼・加藤拓へと2枚替え。
これにより加藤拓が頂点となり、高木が武藤の役目(2トップとシャドーの中間?)にシフトする事に。

一方、前半より一層押され気味となった鹿児島。
リードを得たのだからそれで良いという意見はあれど、相馬直樹監督曰く、今季の戦いは「相手に押される時間を減らす事で、失点を減らす」というもの(放送席の談・要約)なので現状はそれにそぐわないものであり。
原因は相模原のハイプレスで、前半のような広瀬を起点としての縦パス・ミドルパスが悉く遮断された事で前に運べず、危機を招き続け。
20分にはその変節で、広瀬から受けた川島がスルーパスを通した事で脱出し、ンドカが右サイドで溜めを作り久々の主体的な好機。
奥へ切り込んだ福田のクロスの跳ね返りを、山口がミドルシュートにいきましたがミートせず不発に。
しかしこぼれ球を拾い敵陣での保持を続け、息継ぎをするように時間を稼ぎます。
その流れでCKに結び付けるなど、指揮官の理想通り相手の攻撃を減らすような攻め。

しかしその効果も直ぐに途切れ、24分には加藤拓の中央突破、福井のポストプレイも挟み抜け出しに成功。
そしてペナルティアークからシュート(ゴール左へ外れる)と、どう足掻いても押し込まれる流れからは抜け出せず。

FWとして入った加藤拓の積極性により、さらに押し込む相模原。
26分には、例によって広瀬から組み立てんとする鹿児島のビルドアップに対し激しく寄せた加藤拓。
これが広瀬を倒してしまい反則になると、不服な態度を見せた加藤拓によりヘナンのヒートアップ、ならびに乱闘寸前という雰囲気を生み出してしまったのはご愛敬と言うべきでしょうか。
その後も彼を中心としてゴールに迫る姿勢を続け、28分にはプレスを嵌めて小笠原が前に出てカットに成功してのショートカウンター。
細かい局面での繋ぎを経て、高木がエリア内へ切り込まんとした所で(広瀬に)反則を受け、これにより直接フリーキックの絶好機に。
蹴るのは竹内(右足)か福井(左足)かという所で、福井が蹴り当然直接シュートを選びましたが、枠を捉えられず。
(鹿児島は26分に福田→田中稔へと交代)

31分に再度交代する相模原、田中陸・福井→河野・高井へと2枚替え。
右サイドの梃入れという采配でしたが、ここから選ばれたのは左の藤沼の突破力。
32分にはワイドの位置から強引にミドルシュートを狙った藤沼。(左サイドネット外)
これを皮切りに、何度も細かいタッチで切り込み・カットインを狙うものの決定機は生み出せません。

36分に鹿児島も動き、ンドカ→圓道へと交代し河村がFWに回り。
前線をテコ入れし、規制を掛けにいくものの、人数を掛けた相模原のパスワークは中々阻めず。
指揮官の理想通りにはいかない難しい試合ながら、フィニッシュの被弾は後方の奮闘により抑えられ。

時間も終盤が迫り、可能性はだんだん薄れてきた相模原。
全体前掛かりとなり、加藤大が左ワイドに張り出す事で藤沼がその内側に居る事が多くなるなど、様々な手を尽くしますが有効とはいえず。
最後のフィニッシュは39分で、しかも加藤大のラフな跳ね返しを、渡邉のクリアミスという形で受けた加藤拓がシュートしたもの。(GK藤嶋キャッチ)
守備を固められると手も足も出ない、というビハインド故の性が重くのしかかります。

一方逃げきりを目指す鹿児島も、41分に相模原のパスミスからカウンターチャンス。
しかし河村→アンジェロッティへのスルーパスは繋がらず終わると、走り込んだアンジェロッティは足を攣らせてしまいそのまま倒れ込み。
彼を前線に残したまま、相模原のパスワークに対し9人で守るという事態を強いられます。
何とか無事やり過ごし、44分に最後の交代に辿り着き。(アンジェロッティ・河村→武・近藤)

0-2のまま突入したアディショナルタイム。
攻撃機会も減ってきた相模原、GK藤嶋のロングフィードを(島川が)跳ね返すという形で、最終ライン裏に抜け出す加藤拓。
乾坤一擲という場面でしたが、それは守る方も同じで交錯しながらクリアしたのは、先程彼に反則を受けた広瀬。
今度は自身が反則を取られそうな際どい絵図(例によってシュタルフ監督の怒号が響く事に)でしたが何とか防ぎ。
その後のCKでの攻めが終わった所で、試合終了の笛が鳴り響きました。

難しい試合を乗りきり、今季初勝利を挙げた鹿児島。
逆に何度もアタッキングサードに切り込みながら、不発に終わった相模原。
今後サッカーの内容を高め、J2復帰への道筋を築く事が出来るかどうか。

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DAZN観戦 2025年J3リーグ第2節 高知ユナイテッドSCvsガイナーレ鳥取

2025-02-27 16:01:34 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

高知ベンチメンバー=黒川(GK) 小林大智 深川 鈴木 佐々木 杉山 岡澤 新谷 三好

鳥取ベンチメンバー=寺沢(GK) 田中 大嶋 丸山 常安 金浦 富樫 半田 ダッジィ


「四国のJクラブの空白を埋める存在」として、前年悲願のJ参入に辿り着いた高知。
この日晴れてホーム(高知県立春野総合運動公園陸上競技場)開幕戦と、結末はともかくとして未来の自身の光景を想像するには格好の舞台を迎えました。

しかし今オフの動きはかなり衝撃的で、悲願の昇格に導いた吉本岳史監督が退任の運びとなり。
J参入とともに「S級ライセンスの無い監督がその座を降りる」のは割と良くある光景ですが、吉本氏は既に所得済みなためその例では無く。(新潟・樹森大介監督のヘッドハンティングとの事)
そのため選択せざるを得なくなった新監督が秋田豊氏だった事で、「前途洋々なJリーグ生活」とは一線を成す事態に陥ってしまった感があり。(あくまで自分の印象です)

その秋田氏は前年まで、岩手の社長を務めていた立場。
しかしJ2復帰どころか奈落へ真っ逆さまというクラブの進軍を止められず、まさかのJFLへの転落を招いてしまい。
そしてその岩手と入れ替わるようにJ参入を果たしたクラブへ就任する(おまけに岩手のGMだった神野卓哉氏もコーチとして同伴)とは、義理堅さとは無縁と言うべきか、ないしは生き残り術を駆使した結果なのか。

こうして、ある意味喜劇的な人事で初のJ3に挑む事となった高知。
救いは、監督としては秋田氏はそれなりに実績があり、J2昇格という結果も持ち併せている人材であり。
沈みゆく船からいの一番で……という表現は言葉が悪い気がしますが、心機一転して高知で腕を振るってほしい所ですが果たして。

この日の相手は、ボール保持が持ち味の鳥取。
しかし岩手監督時代の秋田氏にとって、「中途半端なポゼッションを繰り広げるクラブ」は得意としているものであり、問題はそれと同じスタイルを落とし込めているかどうか。
前半3分に早速、鳥取の後方からの縦パスがズレた所を、福宮が縦パスを送り返す形でショートカウンターに。
受けた東家がエリア内へ切り込みシュート、二階堂にブロックされるも左コーナーキックと、早くもそのボールゲイン重視のスタイルを見せ付け。
手応えを得た高知、7分にも鳥取のパスミスを拾って素早く好機に持ち込み、右奥へのスルーパスを受けた東家が溜めを作ってバックパス。
すると上月がクロスのようにゴールに向かうシュートを放ち、GK高麗が辛うじてセーブ。
高知という異国?の地でも、秋田氏の理想のサッカーは健在といった立ち上がりに。

それにより数多得たCKでは、ゾーンで守る鳥取サイドに対し、GKを囲むように選手配置するなど様々な手でモノにする意思を貫き。
12分の左CKでは、キッカー上月がニアに狙ったクロスが、そのまま左ポストを直撃して跳ね返り。
そしてそのボールをダイレクトで再度クロスした上月ですが、「キッカーが連続してボールに触れる」反則に引っかかるという何ともレアなシーンで終わりました。

枠を叩くという絵図で、冷や汗を掻いた鳥取。
ここから目を覚ますかのように、あくまでボール保持に徹し秋田の前線の守備に対抗します。
秋田2トップの間に曽我が立ち、その背後の前線五角形の中を藤田が利用するというドイスボランチの立ち位置。
この2人のボールタッチで相手に中央を意識させ、前進の下地を作るという攻撃で高知の勢いを削ぎに掛かり。
迎えた16分、一転して最終ラインから左へ展開すると、そんな意識故に高知はウイングバック(上月)が食い付かざるを得ない状況に。
そして河村戻し→温井ロングパスでその背後並びに左ポケットを一気に突きましたが、走り込んだ河村の前で田辺がカバーして何とか防いだ高知。

高知の主体的な攻撃は、主に左サイドの水野を活かす手法。
前年の入れ替え戦(1戦目)で突破力を見せていた上月ですが、あの時はその左サイドに配置されており、「人により戦術も変わり……」では無い所にやや好感が持てるものだったでしょうか。
その上月の居る右サイドでは両シャドーのパスワークを絡めて奥を突きに掛かるという、左右非対称の体勢。
簡単なボールゲインが望めなくなった展開で、今後どれだけこうした攻めを深める事が出来るか。

試合の方は、24分に鳥取が右サイドへロングパス、相手の高知をインスパイアしたような小澤という槍を活かす手法に。
これがクリアされるもセカンドボールを拾って逆の左へ展開、普光院が上月に倒されるも藤田が拾ってアドバンテージとなり、河村から上がるクロス。
しかしヘッドで合わせた吉田伊はジャストミート出来ずと、折角のフィニッシュシーンを活かせません。
このシーンでクリアした水野が小澤との交錯で痛んだ(無事に続行)事により、やや停滞する試合展開。

それを動かしたのはやはり高知のボールゲイン。
しかし、35分に福宮が敵陣左寄りでカットしたものの、中央への須藤のパスがカットされてすぐさま鳥取のカウンターと逆に作用する破目に。
河村・温井を軸とした左サイドでの前進の末に、左ポケット奥を突いた温井のクロスが上がるもシュートは打てず。
38分にはまたも鳥取のカウンターが生まれる(河村がドリブルで左ポケットを突くも止められる)という具合に、高知のショートカウンター狙いが混沌ぶりを招く格好となります。

立ち上がりの劣勢ぶりは払拭するに至ったものの、ポゼッションスタイルの悲しき性かシュート数が膨らまない鳥取。
逆に44分、ゴールキックでロングフィードを選択すると、ターゲットの吉田伊を越えて棚田に収まるという幸運からの好機。
そして左ワイドでの(普光院の)ボールキープから再度持ってカットインする棚田、中央バイタルエリアから藤田のミドルシュートに繋げます。(枠外)
一転してアバウトな手法からのフィニッシュと、前半最後はややあべこべに映ったような好機で締められ。

スコアレスで前半を終えると、ハーフタイムで高知サイドが動き。
故障上がりの東家(放送席の談)を45分で交代させ、入れ替え戦(2戦目)のヒーロー・新谷を投入する運びとなりました。

始まった後半、先手を取ったのは鳥取。
後半3分に高知が仕掛けるも、水野のスルーパスをブロックして藤田が拾うと、高知のゲーゲンプレスをいなして前進に持ち込み。
そして例によって温井と河村のコンビで左サイドを推進し、左奥から温井がシュート気味のクロスでゴールを狙うもGK大杉がキャッチ。

しかし後半に入りギアを上げる高知に対し、どうプレスをいなすかが再び課題となる鳥取。
その間にあらゆる手で好機を量産する高知、5分に右から上月がロングスローを投げ込むと、セカンドボール確保ののち再度回ってきた上月。
そしてカットインからのクロスと見せかけて中央へ送り、受けた工藤のミドルシュートがグラウンダーで襲うも、GK高麗のセーブに阻まれ。
右CKで継続し、キッカー上月はニアに低いクロスを選択すると、新谷が足で合わせましたがサイドネット外に終わり。
HTに続き、11分にも高野→佐々木へ交代と、素早い采配で運動量ならびにペース確保に努める秋田監督。

それでも鳥取は、10分にも前述のようにゲーゲンプレスをかわしての好機に持ち込む(左から普光院のグラウンダーでのクロスが防がれる)など屈する姿勢は見せず。
すると13分、鳥取のパスワークでの前進に対し曽我にアフターチャージを犯してしまった須藤が反則・警告。
後追いディフェンスという形でリズムが悪くなると、直後の14分にはハイボールの競り合いで小林心が永野と頭部同士激突する形でこれも警告対象となる反則に。
これで得た鳥取のフリーキック、右サイド遠目からという位置でクロスの跳ね返りを拾って2次攻撃。
再び右から普光院のアーリークロスが上がると、誰も触れず中央でバウンドの末に、二階堂が足で合わせたもののミートしきれず枠外に。
ディフェンスの拙さが、失点に直結しかねない流れも生まれかけます。

それを払拭すべく17分にさらに動く高知ベンチ、工藤・須藤→岡澤・三好へと2枚替え。
依然として鳥取に好機を許す(19分には河村のドリブルを吉田知が反則気味に止める)流れから、自陣での右スローインで上月が裏を突いた事で綺麗に入れ替わり。
抜け出して受けた小林心のクロスで右CKを得ると、ここから怒涛のフィニッシュを浴びせます。
キッカーは(上月から)投入された岡澤に代わり、ニアに低いクロスを入れると三好の潰れでこぼれた所を新谷がシュート。
ブロック→クリアで防がれるも二次攻撃を仕掛け、またも岡澤が右からクロス、新谷のヘッドで浮き上がったボールをさらに追撃せんとするもGK高麗が掻き出し。
しかし跳ね返りを岡澤落とし→田辺レイオフとさらに繋ぎ、福宮のミドルシュートを炸裂させましたがこれもGK高麗のセーブに阻まれ2本目のCKに。
この左CKからも、ファーでの吉田知の折り返しを拾った岡澤が自ら左ポケットへ切り込んでクロスをグラウンダーで入れ、新谷が合わせた事でフィニッシュに繋げ。(河村がブロック)
尚もCKは続いて4本目、例に寄ってクロスの跳ね返りを吉田知折り返し→三好ヘディングシュートと繋げましたが、GK高麗が今度はキャッチしてようやく攻撃終了となりました。

鳥取が防ぎきりホッとしたのも束の間、直後の24分に決定機を迎える高知。
(ラフなロングボールを送ったのちの)敵陣右サイドでの三好のカットからといかにも高知らしい起点で、小林心のドリブルは鳥取ディフェンスに阻まれるも、上月が拾ってカットインからクロス気味にミドルシュート。
これをGK高麗がキャッチできず、眼前にこぼれた所を拾った小林心がシュートするもこれがオフサイドに引っかかり。
シュートはゴール寸前で永野がブロックし、さらに新谷が追撃してゴールに突き刺しただけに、無情のノーゴール(厳密には違う)と悔やまれる一幕となり。
救われた格好の鳥取、直後にベンチが動き河村・棚田→田中・半田へと2枚替え。(小澤が左WBに回る)

これで前線の3人(半田・普光院・吉田伊)は、いずれも前秋田という顔ぶれに。
パワーサッカーにはパワーサッカーで……といった思考があったかどうかは不明ですが、以降繋ぎが乱雑となる副作用も生まれ、全く冴え渡らないボール保持。
好機はいずれも、高知よろしくパスカットからの素早い運び、相手スローインをカットしてのものに終始します。
中々好循環を生み出せないまま、34分に藤田→丸山と再びカードを切り。

一方高知は35分に最後のカードを切り、水野→杉山へと交代。
これで上月が前年のポジションである左WBへと移り。
36分に吉田知ライナーでロングパス→杉山ポストプレイから右サイドで前進し、小林心が右ポケットからグラウンダーでクロス。
これを新谷がスルーした奥で上月が走り込む(ディフェンスに遭い撃てず)という具合に、弄った両翼を絡ませる攻撃。
しかし時間経過によるオープンな展開らしく、2トップ・2シャドーを活かした速攻のシーンがメインとなり。

鳥取も40分に曽我・吉田伊→常安・富樫へと2枚替え。
普光院が曽我の居たボランチに回った事で、前秋田勢は半田1人となった1トップ・2シャドー。
41分にロングパスの跳ね返りを普光院が拾っての好機、そのまま勢いをもっての前進の末に常安が左ポケットからカットインを経てシュート。(福宮がブロック)
このCKからは高知のカウンターに繋がり、クリアボールを落とした上月が自ら拾って前進に入るという具合にオープンぶりはさらに高まり。
上月から受けた小林心がエリア内へ切り込みシュートするもGK高麗がキャッチと、何度も撃つもののどうしても点が取れない高知。

するとアディショナルタイムも目前の45分、鳥取に決定機。
左での前進に入り小澤が突破ののちカットイン、そのまま入れられたグラウンダーでのクロスで、中央ややファー寄りにはフリーの常安が。
しかし半田がその手前で戻って受けて撃ちにいった事で、威力の無いフィニッシュになってしまい(入れ替わりに前に出た常安に当たる)決められません。
ストライカー故にどうしても「俺が俺が」という思考に陥るのは仕方ありませんが、視野と周囲の使い方を向上させなければ(秋田への)帰還は難しい、というようなワンシーンでした。

突入したATでは、既に運気の無い鳥取を尻目に、ひたすらゴールを目指す高知という展開に。
中盤で佐々木がパスカットし、そのままドリブルに入るというショートカウンターと、高知ならびに秋田氏らしさ全開で決定機を迎え。
左ポケットへ送られたパスに、走り込んだ新谷がシュートしましたがこれもGK高麗のセーブで防がれてしまい。
最後まで高麗の壁を破る事が出来ず、という展開を強いられました。

結局0-0のまま、試合終了の時を迎えて引き分け。
ともに勝ち点1、特に高知の方はJリーグ初の勝ち点を得たものの、内容が内容だけに勝利出来た試合(シュート数は16対3)でもあり。
念願と願望が混ぜ合わされた事で、さらなる向上が齎されるでしょうか。

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DAZN観戦 2025年J3リーグ第1節 奈良クラブvs福島ユナイテッドFC

2025-02-18 16:02:24 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

奈良ベンチメンバー=マルク・ヴィト(GK) 中山 佐藤 中島 國武 神垣 嫁坂 酒井 田村翔太

福島ベンチメンバー=上田(GK) 松長根 野末 上畑 吉永 宮崎 粟野 矢島 石井


一年の計は元旦に(以下略)

前年特異な攻撃サッカーと、凄まじい得点力(といっても計13失点の岩手の大貢献のおかげか)で旋風を巻き起こした福島。
しかしプレーオフで敗れて昇格はならず、そうなるとオフに待っているのは個人昇格という名の引き抜きであり。
飛躍した選手たちはさぞ引く手数多……と思われましたが、レンタルバック(大関・大森)を除くと、持っていかれたのは塩浜のみに終わり。
何とか前年の枠組みを保ち、新シーズンに臨む事に成功した感があり。

その中で、寺田周平監督を媒体としたJ1・川崎との関係性はより親密に。
大関を返した代わりに由井を借り受けたのみならず、GK中川を半年間レンタルに送るという異例の移籍劇。
過去に、湘南と良好な関係を築きクラブのステータスアップを図った経歴を持ちますが、ここに来て鞍替えといった所か。
湘南と川崎、クラブ強化のためにどちらを取るのか……という選択で、迷わず華やかな経歴の後者を選んだ図式でしょうか。
そしてその通り、結果が出るのも早く。

そんな邪推はさておき、今季の開幕の相手は奈良。
傍らから見て、そのホーム・ロートフィールド奈良のピッチコンディションの悪さが気になるなかキックオフを迎え。

前半2分、福島が自陣での左スローインのミスにより好機を迎えた奈良、エリア内を突いたのちの戻しを経て吉村がミドルシュート(枠外)と先制攻撃。
これを盾として、福島の最終ラインでの保持に対し、果敢にプレスを仕掛けるのがこの日の基本展開となります。

アンカー針谷に対し、1トップの百田がガッチリ付いた状態で仕掛けられるハイプレス。
GK~最終ライン間で繋がれるうちに行われるマークの受け渡しも、百田が(針谷へのコースを切りながら)前に出ると、すかさず戸水か岡田優が入れ替わりに付くという具合に盤石であり。
これにより中々中央突破が厳しいという福島の立ち上がりでしたが、6分に山田がお馴染みの狭い所を通す鋭い縦パスで前線に送り、森→樋口と経由しての前進を経て、左ポケットへ送られたスルーパスでチャンスを迎えた森。
しかし奈良ディフェンスの戻りも素早く、得意のカットインシュートはその装甲を破るに至らず枠外に終わります。

ストロングポイントである、中央を縦パスで破れるかどうかというサッカーをこの日も貫く福島。
対する奈良も、8分にその縦パスを都並がカットしてから反撃、左サイドに展開して前進体勢に入る川谷。
そしてカットインを経てミドルシュート(ブロック)と、ウイングが得点源である福島に対抗するように、サイドから脅威を与えに掛かり。

しかしそんな押し問答な状態も長くは続かず、10分に一転して山田ロングパス→樋口落としという手段で前進に成功した福島。
そのまま生駒と縺れて倒れた樋口ですが、戻ってきたボールを倒れながらのポストプレイで繋いだ事で前進の余地が生まれアタッキングサードへ進入。
城定→清水とドリブルで運び、ワイドから左ポケットへ進入した清水がそのままカットインシュート。
右足で綺麗に巻かれたボールが、右ポスト内側を叩いてネットを揺らすという鮮やかなゴールを生み出しました。
まともにやり合うのを避けて辿り着いた先制点と、前年からの成長を見せる格好となった福島。

しかしホームの奈良もこれで目の色が変わり、その後敵陣で怒涛のボールゲインの嵐。
11~12分の間に3度敵陣でボール奪取に成功と、あくまでハイプレスで対抗しにいきます。
その2度目の(戸水の)奪取から、ポイントゲッターの岡田優がエリア内でシュートを放つもGK吉丸がキャッチ。

この間に、福島は両ウイングの位置を入れ替え森が本来の左へと移り。
前年もサイドバックで主に使っていた手であり、リードを奪ったのちは慣れたポジションで……といった思惑でしょうか。
それが奏功したか、奈良の押し上げの連続を凌いだ直後(12分)森が移った左サイドで溜めを作りながらボール保持による前進。
そして戻しを経て例によって通される針谷の縦パス、受けた樋口が都並に倒され、エリアから近い位置で直接フリーキックを得ます。
横位置は左ハーフレーンで、誰が蹴るかという所で選択はセンターフォワードの樋口。
果敢に壁越えを狙って放たれたシュートは、鈴木の頭部を掠めて軌道が変わったのもありゴール左へと突き刺さります。
苦しさも見せながら、早々に2点リードを奪いました。

これでスコア上厳しくなった奈良。
多彩な攻めを見せ始めた福島の前に、ハイプレスのみでは無く辛抱強く戦う事が求められたでしょうか。
こちらもGKを交えての保持の色を強め、主体的な攻めで反撃体制を作り始め。

3バックから、片側のセンターバックがSBと化する4バックへの可変というトレンドをなぞって前進を図る奈良。
左SBと化した奥田が、時には川谷の内側をインナーラップで追い越し、目線を釣りに掛かり。
これを見せられると、4-3-3のままプレスを掛ける福島は、対峙する右サイドでややこしい対応を強いられる事に。
最終ラインからワイドに出されると、SBが果敢に……というよりは前に出ざるを得ない状態になるので、その背後を奥田に取られるリスクが高まる状態となります。
こうしてサイドで優位性を得た奈良、そのワイドである吉村・川谷のサイドチェンジも交えながら、主体的に押し込み。

しかし福島はそんな構造上のリスクよりも、より危機が膨らむシーンを招いてしまい。
それは即ち故障で、23分に中心的アタッカーの森が、守備に戻った際に筋肉系トラブルを起こしてしまい倒れ込み。
この試合ならびに今後も危ぶまれましたが、幸い軽度だったようで、ピッチ外で治療が施されて何とか復帰。
その様子を注視し、当初は足を気にしながらのプレーでしたが、27分の福島の好機。
細かな繋ぎを経て狩野がエリア内を突き、戻しからの(樋口の)ミドルシュートを選択、清水に当たって跳ね返るも継続。
そして森が左ポケットを突いて追撃のシュートを放ち、ゴール右へ外れた(ファーで走り込んだ清水も合わせられず)ものの、問題の無さをアピールし安堵するに至りました。

そんな森の様相を受け、気丈に攻め続ける福島。
懸念されたアンカーへのチェックも、前年通り針谷の横に城定が並ぶ事で、パスコースを増やしての対応を見せ。

しかし37分、奈良はゴールキックから短く繋ぎ、プレスを呼び込んだうえで左へ展開→奥田の1タッチでの裏へのボールで好機を迎え。
受けた川谷が溜めて中央へスルーパス、これが岡田優にわたってそのまま中央突破でエリア内へ突撃。
細かなタッチでディフェンスを掻い潜った末に、右足アウトでファーサイドを狙うという技ありのシュートでネットを揺らします。
相手の弱点を突いたうえで岡田優の得点感覚を炸裂させ、1点差に詰め寄った奈良。

これにより、自分達の姿勢は正しいと確信を得たでしょうか。
40分に福島の保持に対するプレッシャーで、安在のバックパスをGK吉丸が受けられずコーナーキックを得るなど、相手にダメージを蓄積させていき。
しかし自身も、球際にいく姿勢やディフェンスの立ち遅れなどで、前半のうちに3度警告を受ける(都並・生駒・戸水)など被害が膨らみ。

素手での殴り合いの様相も膨らむ状況で、天の時を得たのは奈良の方でした。
42分に川谷のボール奪取から保持に入り、敵陣でサイドを揺さぶった末に右から吉村のクロス。
ブロックされるも右CKで継続すると、キッカー岡田優のクロスを都並がフリーで合わせヘディングシュート。
都並の手前に鈴木が入り込むという手法で、目線を惑わした末のフィニッシュでゴールに突き刺しました。
これで2-2の同点と、スコアでも激しい展開を象徴するものとなり。

流石にこれ以上スコアは動かず、2-2で前半終了を迎え。
勢いに乗る奈良、その流れを固めるべくハーフタイムで選手交代。
ルーキー戸水に代え、本来の主戦力である國武を同ポジションで投入します。

この采配も奏功したか、後半立ち上がりから奈良の独壇場という試合展開に入り。
最初の好機は後半2分、中盤でのボール確保から、戻しを経て右へ展開し福島の左SB安在を釣り出して背後を取るという形。(その後戻し→都並が対角線のロングパスを通すも川谷→岡田優のラストパスがズレる)
これで自信から確信に変わったかのように、ラッシュを仕掛ける奈良。
福島はあくまで最終ラインで保持する姿勢を貫くものの、ピッチの悪さ故かボールコントロールを誤る絵図を膨らませ、奈良のハイプレスに屈するシーンを頻発してしまいます。
4分にはあろう事か、追い込まれた安在の苦し紛れのパスを吉村がブロック、エリア内へこぼれた所を百田がダイレクトシュート(GK吉丸セーブ)と目も当てられないショートカウンターを浴び。

構造上としては、前半に比べてSBが最終ラインに残り、狭い間隔での3枚となる傾向が強まった福島のビルドアップ。
しかし勢いを増す奈良は、そんな相手SBに対してもウイングバックが躊躇わずに付きにいったため、中央での密集度は一層増す事となり。
中に絞る状態となった吉村・川谷により、さらに間隔が狭まる事で得意の縦パスも冴え渡らなくなった感がありました。(左SBが沼津から移籍した安在だったため、「偽SB」の色が強く出る形になったのも影響したか)
また降りてくる城定も、都並の厳しい寄せもあり機能しなくなったのも大きく。

8分に再びバックパスのミスでCKを献上するなど、いよいよ厳しくなってきた福島の繋ぎ。
ひたすら押し込まれては凌ぐという展開で、後半最初の好機は13分(パスワークを経て森が右ポケットへ切り込み→マイナスのクロスも合わず)という、攻撃サッカーの名倒れ感が凄まじい一日と化してしまいました。

どう見ても優勢な奈良の決定機は19分で、ここも都並が前に出てのボール奪取、縺れて倒れながらのキープで繋ぎ。
託された岡田優が左奥へ切り込み、そのままカットインでポケット奥を突いてマイナスのクロス、そしてニアに走り込んだ國武が合わせシュート。
電光石火というようなフィニッシュでしたが、GK吉丸の正面で(キャッチされ)決められません。

その後も、20分に山本のパスカットから前進、左ポケットを突いた川谷が奥へ切り込むも針谷の時間差スライディングに阻まれ。
22分に吉村がパスカットしての前進で今度は右ポットを突き、國武がクロス(ブロック→GK吉丸キャッチ)という具合に、ハイプレスを軸として続く奈良の攻勢。
ようやく福島に変節が見られたのが23分で、SBが対策を受けるならば……という開き直りにも似た図。
即ち、両SBの鈴と安在がともに中央寄に位置するという型破りな状態でのパスワークで、これに対し川谷の方が下がったため右サイドから運ぶ余地が生まれます。
そして清水から中央へ縦パスが打ち込まれるとそこは既にエリア手前で、森が左からカットインする姿勢を見せたのち、戻し→狩野ミドルシュート(ゴール右へ外れる)で久々のフィニッシュ。

幾ばくか冷静さを取り戻した福島。
中央寄りに固定となるSBにより、これまで流動的に動いていた前線も、「偽SB」システムに倣うように森が左ワイドの位置を取り始め。
25分に鈴が中央を持ち運んで左へスルーパス、ワイドで受けた森が奥へ切り込んでクロス(ニアに樋口が走り込むも合わず)と、中央を意識させてサイドで……という基本形でゴールを脅かせる流れが生まれます。

そんな五分の展開と化した所で、26分奈良ベンチが再び動き。
山本・百田→中島・酒井へと2枚替えを敢行すると、その直後に再度決定機。
右ワイドで吉村が、中島のミドルパスに対し入れ替わった事で奥を突き、そのままマイナスのクロス。
中央で受けた岡田優、点取り屋らしくそのまま厳しいチェックを掻い潜ってのシュート。
鈴にブロックされるも前にこぼれ、抜け出した酒井が詰めにいったものの、パンチングで防いだGK吉丸と交錯した事で反則で終わってしまい。(さらに警告)

福島ベンチも28分、重い腰を上げて清水・樋口→石井・上畑へと2枚替え。
シーズン最初の試合故、選択したメンバーで従来通りのサッカーを貫けるか、着目していた感がありましたがここに来て動き。
この交代で上畑が中盤に入ったため、城定が右WGに回りました。

33分、奈良は酒井のボール奪取からのショートカウンターで、國武のラストパスを左ポケットで受けた岡田優がシュート。
しかしGK吉丸が片手でセーブと、再三迎える決定機も決められずに終わり。
これが最後のボールゲインからの好機で、以降は時間経過による体力減少という定番の流れに沿ってしまったでしょうか。
冴えを取り戻す福島の繋ぎに対し、両WBも前に出ず、5バックで構える時間帯が長くなるに至りました。
36分、針谷のパスカットから敵陣で細かく繋ぐ流れを迎えた福島、エリア手前で幾度も短いパスでディフェンスをいなす本来の姿を現し。
そして右ポケットを突いた城定が裏へ短いスルーパス、森が抜け出して決定かと思われましたが、前に出たGK岡田慎がブロックで撃たせず防ぎます。

37分に最後の交代を敢行する奈良、都並・岡田優→神垣・田村翔へと2枚替え。
やはり序盤からハイプレスを貫いていた分、早めの交代は必須といったベンチワークになりました。

福島も41分に安在・城定→松長根・粟野へと2枚替え。
終盤の総力戦といった所で、直後の42分に奈良はゴールキックからのロングフィード、セカンドボールを確保しての攻め。
一旦は奪われるも、福島のパスミスを田村翔が拾い、中央に出来たスペースを突くという願っても無い好機。
そして放たれた田村翔のミドルシュートは、ゴールバーを掠めて枠外と惜しくも決められません。
すると福島も直後にゴールキックでロングフィードを選択と、繋ぐ事を放棄した終盤に相応しい絵図を描き。

前半とは一転してスコアが動かないまま、アディショナルタイムの攻防に。
運動量の低下か、奈良に反則が膨らむ流れとなり、福島も遠目からの放り込みを選択するなど攻めの緻密ぶりは失われたままであり。
中央からのFKを得たものの、その反則で頭部を痛めた針谷が治療を受けたためピッチ外に、おかげでキッカーを欠いてのキックとなるなど踏んだり蹴ったりな流れにも陥り。
結局泥仕合の様相と化した末に、最後まで3点目は生まれず試合終了と相成りました。

奈良の対策ぶりに四苦八苦する時間が続き、引き分けで良かった……と言わざるを得ない福島の開幕戦。
前年の飛躍で、もれなくこの日のような徹底研究に苛まれる事が予想される中、苦難の道を跳ね返せるかどうかというシーズンになるでしょうか。

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TV観戦 FUJIFILMスーパーカップ2025 ヴィッセル神戸vsサンフレッチェ広島

2025-02-10 16:00:42 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • コイントスでコートチェンジ。

神戸ベンチメンバー=前川(GK) マテウス・トゥーレル 本多 酒井 扇原 汰木 鍬先 大迫勇也 武藤

広島ベンチメンバー=田中雄大(GK) 山﨑 川辺 新井直人 菅 井上潮音 越道 満田 中村


タイトルの一角、と聞こえは良いスーパーカップ。
しかしあくまで開幕前の前哨戦という立ち位置で、前年のタイトル獲得クラブ(ただし今回は神戸がリーグ・天皇杯双方制覇のため、リーグ2位の広島が繰り上げ)にとってはチーム編成の順風ぶりをアピールする場であり。そして他クラブの研究材料に
それがここから、ACLが交わっての過密日程のスタートとなる試合ならば尚更です。
そのためこれが最後の開催という哀愁漂わせるレギュレーションですが、これから始まる長期戦を見据えて水面下で火花を散らすといったお互いのクラブ。

神戸は3日後にACLエリート第7節が控えているため、必然的にメンバーを落とさざるを得ない状況。
一方の広島も同じACLとはいえ中4日かつACLセカンドのため、その場でターンオーバーを仕掛けても何とかなるという思惑だったでしょうか。
唯一の例外が若手枠といえる中島(前年リーグ戦12試合・302分出場)と、ベストメンバー度合いでは差が付いたスタメンとなりました。
その中で劣る側の神戸において、注視したいのは長期離脱からの復帰試合となった齊藤のパフォーマンスなのは明白、というような構成に。

国立競技場というサッカーをするにはやや難がある環境で、この日もキックオフ前にコートチェンジが行われた上でキックオフ。
すると広島のペースで開幕する、スタメンが示した予想通りの展開に。
サイドチェンジを多用して神戸ディフェンスを揺さぶる、両ウイングバックの幅を存分に生かして神戸陣内でサッカーを展開していきます。

神戸は強度で劣るスタメン攻勢ななか、何とか長所のハイプレスで巻き返したい状況に。
しかしここでも広島は巧く、最終ライン間での繋ぎにより敢えてそのプレッシングを呼び込むスタイルを徹底。
流石に綺麗にかわすまではいかず、WBへハメパスを送る事も多々ありましたが、前に出させたうえで送るロングボールが良く効き。
後手に回った神戸ディフェンスがラインアウトを余儀なくされると、右スローインですかさず中野が飛距離を出して右奥を取る事を貫き。
二重三重にも相手がやられて嫌な所をひたすら突くスタイルは、この状態の神戸にとっては厄介な事この上ない、そんな風に映りました。

そして12分、先制点は武器の一つである中野の右スローインからで、ターゲットのジャーメインがワイドに開いて受けてからのパスワーク。
人数を掛けてボールを上下させる事で神戸ディフェンスの喰い付きを誘う、ここでも相手の脆弱な部分を突く攻め手の末に上げられた中野のクロス。
これを中央ででアルスランが見事に合わせると、放たれたヘディングシュートがゴールバー内側を叩きゴール内にバウンドした事で、齎されました。

泣く子も黙るといった攻勢によるゴールで、早くもリードを奪った広島。
その後もロングボール→スローインというコンボを続け、神戸をひたすら自陣へと追い込み。
巻き返したい神戸ですが、追い掛ける展開で肝となるボール保持の面も、広島のハイプレスにより乱れがちに。
サイドに叩いたボールをトラップできずにタッチを割るというシーンを量産し、尚も広島にスローインを与えてしまう悪循環に陥り。

19分に神戸が自陣浅めでの日高の奪取からカウンターに持ち込むも、フィニッシュには持ち込めず。
ここからやや硬直し、お互い最終ラインの裏を取りにいく展開に。
しかしやはりそこでも差異が見られ、21分の神戸は佐々木大が左サイドで降りて受け、パスワークで溜めを作ったうえで最後方からロングパス。
これに飯野が中央へ絞って抜け出しましたが、GK大迫敬が前に出てクリアと、執念の組み立ても実りません。
逆に広島は直後の22分、相手クリアを中盤で確保し、左への展開ののちすぐさま東がポケットへとロングパス。
これにアルスランが抜け出して奥から折り返し(繋がらず)と、神戸が前に出たいというスコア上の展開も巧く利用し、悠々と相手陣内奥でのプレーに持ち込む優位性を保ち。
23分に再度右スローイン、中野は今度は直接ポケットへと投げ入れ、収めた加藤がシュート(ブロック)と変化を付け。
この攻めが途切れた直後、塩谷が前に出てボール奪取と継続しアルスランがミドルシュート(ゴール左へ外れる)と、全体前に押し上げての攻勢が続く広島。

何処を見ても劣勢が続く神戸ですが、保持で落ち着ける時間が殆ど無いのが問題、というのが個人的な感想。
前年のレギュラー陣が殆ど居ないなかでは仕方無いと言え、30分過ぎ辺りからその辺りを踏まえた立ち回りへと舵を切り。
岩波のフィード力を活かす攻撃、つまりはロングボールでのビルドアップの形を取り始めます。
岩波が送ったボールを、佐々木大や冨永がフリックで前線に繋げるという、単純ながらも強力な手法で攻撃権を確保。
そして33分に(両軍通じて)この日初のコーナーキックに持ち込むという具合に、奏功すると思われたこの神戸の変節。

しかし34分、右サイドで塩谷ロングパス→中野フリック→加藤と相手と同様の手法で奥を取りCKに持ち込んだ広島により雲散霧消され。
再び攻撃権を握る広島が敵陣でボール保持を続け、例によってサイドで人数を掛けたパスワークに持ち込んでから、スルーパス・ミドルパスでポケットを取りにいく攻めでプレッシャーを与え続けます。
神戸唯一の攻めは39分で、日高がパスカットしてからのカウンターで敵陣右奥へ持ち込んだ佐々木大。
中央への戻しから齊藤がミドルシュート(GK大迫敬キャッチ)とフィニッシュに繋げるも、齊藤のコンディションが良好な事をアピールするのがやっとであり。

その後も広島は左右を幅広く使う攻撃で、スローイン・CKも交えて好機を続け。
43分には中野のロングスローを、ジャーメインが直接ヘディングシュートに持ち込み。(GK新井章キャッチ)
45分にもロングスローの跳ね返りを荒木がヘディングシュート(GK新井章キャッチ)と、昨今流行りのロングスローの攻防でも優位性を示し。
得点は1点のみですが、このままでは(神戸の)逆転は望み薄という展開を重厚に描いた末に前半が終了します。

当然巻き返したい神戸ですが、ベンチにレギュラー陣が控えているのが強みであり。
しかしそれは予定調和的な采配に映る危惧も孕んでいるため、(勝利を目指すのであれば)何処で尻を叩くような交代策が出来るか。
早速ハーフタイムで飯野→汰木に交代と、1枚切ってきた吉田孝之監督。

キックオフからの攻めで、その汰木が入った右サイド奥へとロングボールを届け、采配をチーム力に還元せんと立ち回った神戸。
後半2分にクリアボールからの速攻で好機(小池が左からクロス)に繋げ、その意思を実らせんとします。

しかし根本的な部分、つまり広島の強度を上回る事は出来ず。
3分に佐々木大から反則気味に奪った荒木から反転攻撃に入る広島、中島→アルスランと経由しての前進を経て、中央のジャーメインへ縦パスが打ち込まれ。
ここでジャーメインが岩波に倒されて受けられず(反則無し)と、神戸ベンチが動いた事で、ピッチ上の雰囲気も開幕前の親善試合→真剣勝負へと変貌を見せたでしょうか。
際どいデュエルが膨らむ事で、再度広島優位へと針が振れた感がありました。

9分の神戸、ゴールキックで佐々木大を狙ったロングフィードから、空中戦を経てボール確保し前進を図り。
すると佐々木大のスイッチで広島ディフェンスを剥がす事に成功し、山内が中央突破から右ポケットへ決定的なパスを送ります。
走り込んだ汰木はポストプレイで再度山内に託す選択を採り、フリーで放たれた山内のシュートをGK大迫敬がセーブ。
こぼれ球を冨永が詰めたものの塩谷のブロックを経てゴールバーを掠め枠外と、悔やまれる決定機逸となってしまいました。
それでもゴールまで後一歩まで迫った事でムードを高めたかに見えましたが、左CKで継続したものの逆に広島のカウンターを招き。
田中聡→アルスランと繋ぎ、左ポケットへ送られたスルーパスに走り込んだジャーメインがシュート。
こちらも力んで枠外に終わったものの、依然としてペースと勢いで上回る絵図を見せる広島。

そして15分辺りで、再度カードの使用を図る神戸。
それも大迫勇・武藤・酒井の3人を一挙投入という手段に出、強引に広島を上回らんとします。

しかし広島も、その3人が準備完了となっても泰然自若と自分達の攻勢を続け。
ボール保持で神戸ディフェンスを揺さぶりながら、若い中島が要所で際どいスルーパス・間を通すパスを見せる事で観衆を沸かせつつ、好機を生み出します。
一向にボールが出ないまま、広島のCKで途切れたのが18分。
セットプレー守備の状況ながらも、これ以上待たされては……という事で交代に踏みきる神戸。
退いたのは本山・佐々木大・小池で、汰木が左ウイングに回ったものの酒井はそのまま左サイドバックに入り。

この広島の右CKを防いだ神戸。
21分に左スローインから、大迫勇がクロスという逆説的な好機ながらも、冨永がヘディングシュート(GK大迫敬キャッチ)とフィニッシュで終わり。
このまま主力組を利用して流れを変えたい所でしたが、22分に縦パスを受ける大迫が荒木に潰され、笛は鳴らずに広島の好機に。
そして左ワイドで持ったアルスランが、カットインで中央に移るとそのままエリア内へ進入と、多少強引ながらもシュート(齊藤がブロック)に持ち込み。
折角神戸が良い攻撃を見せても、散発的に留めてペースを作らせないという広島のこの日の流れはここでも健在であり。

そしてそれが得点にも繋がります。
以降ボール保持を続け、中島→アルスランというホットラインを経て、ジャーメインがペナルティアークで受けた所を山川に倒されて反則。
エリアからすぐ手前という直接フリーキックを得ると、ここで広島ベンチも動いて東・田中聡→菅・川辺へと2枚替え。
このFKこそ、中島の直接シュートが壁に防がれるも、こぼれ球を拾って右CKに持ち込むという具合に再度セットプレー。
キッカーは菅に代わり(以前は東)、上げられたファーサイドへのクロスを荒木が合わせヘディングシュート。
ゾーン守備の意識外から駆け込むという、典型的な攻略法により放たれたフィニッシュでゴールゲットとなりました。

これで苦しくなった神戸。
これまでの手法よろしく、ボール保持時には右肩上がりの布陣を取って地上での前進を図りますが、その上がる人材が酒井では無いという普段とは違う状態なのが苦しくあり。
逆の左サイドで絞り気味に残る酒井ですが、一向に右サイドで好循環が生まれないのを受け、左から大迫勇・汰木との連携で攻め上がり活路を見出します。(31分に広島はアルスラン→中村へと交代)

32分、左サイドでその3人によるパスワークで広島ディフェンスを喰い付かせた末に、大迫勇のスルーパスで裏を取り突破に成功。
一気に酒井・汰木の2人がボールに走り込む(受けたのは酒井)というやや珍妙な絵図ながら、生まれた好機でクロスがブロックされてCKに持ち込みます。
こうした相手の性質(マンツーマン気味に付いてくる)を利用し攻勢を作り上げたい所でしたが、一度付けられた広島優位の道筋を一変させるのはやはり難しく。
直後のCKで、またも広島のカウンターが発生した所を、齊藤が(中村へ)反則で阻止して警告という具合に悪い流れは払拭出来ません。

それでも終盤を迎え、広島サイドもパスミスが目立ち始め。
神戸がそれをモノに出来ない事で、悪く言えばダレてきたという印象が高まり。
40分に5人目の交代を敢行した神戸(日高→鍬先)、結局控え組のアピールとしての成果は厳しいの一言だったでしょうか。
44分に広島も最後の交代、中野・加藤→新井直・越道へと2枚替え。

45分、GK新井章が例によって大迫勇狙いのロングフィード。
この日は荒木に完全に抑えられているという空中戦でしたが、ここではこぼれ球を武藤の落としという2人掛かりでのポストワークから確保。
そして持った大迫勇が汰木へとスルーパスを送り、一度目は遮断されるもすかさずポケットへ送り返し、抜け出した汰木がクロス。
ファーで走り込む山内の前でクリアされるも、こぼれ球を拾って保持に入り。
敵陣での攻勢に入れたものの既に試合も最終盤、最終ラインへの戻しから大迫勇の裏抜けに賭ける事を余儀なくされます。
そして岩波のロングパスを左ポケットで受けた大迫勇、期待に応えて切り返しで荒木をかわしてからのシュートでゴールネットを揺らしましたが、オフサイドディレイの笛が鳴り無念のノーゴール。

最後の望みが絶たれるように、アディショナルタイム突入後は広島の攻撃ばかりが目立つ状態に。
深めに切り込んで(越道が)カットインを見せたり、戻して保持に入る選択をしたりと、あらゆる手段で時間を進めに掛かる広島。

意地を見せたい神戸、目安時間(+5分)を過ぎても尚続いた所で、最後の好機に持ち込み。
例によって大迫勇が加わっての左サイドからの攻撃で、(山内が)エリア内へスルーパスを送るも通らず、クリアボールを大迫勇がブロックして武藤が拾う状況に。
しかしシュートは打てずに終わり、結局無得点で終了となりました。

0-2で試合終了となり、制した広島はこれで通算5度目のスーパーカップ制覇との事。
メンバーの差異はあれど、逆に下位クラブに対する番狂わせは許さないという事を内容で示した一日だったでしょうか。

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