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DAZN観戦 2024年J2リーグ第33節 ヴァンフォーレ甲府vsモンテディオ山形

2024-09-30 16:00:17 | サッカー視聴記(J2)

※前回の甲府の記事はこちら(29節・鹿児島戦、1-0)
※前回の山形の記事はこちら(28節・藤枝戦、1-0)

<甲府スタメン> ※()内は前試合のスタメン

  • 水曜に、ルヴァン杯勝ち残りのため順延となった30節(熊本戦、2-4)が挟まる。そこから中2日のため、スタメンはGK以外全員入れ替えに。
  • 林田が累積警告により出場停止。

<山形スタメン>

前の試合から、スタメン全員入れ替え(GK以外)vsスタメン変更無しというコンセプトマッチ。
といっても日程の違いが招いたもので、完全ターンオーバーという形になった甲府。

その甲府の水曜の試合は、前半だけで4失点する手酷い敗戦となってしまい。
相手が変幻自在の攻撃を繰り広げる熊本で、根底の部分が丸ごとひっくり返された格好でしょうか。
フォーメーションも4バックへ変更と、あらゆる所を変える事で修正を図りに来た感があり。

入りのボール争いを制した山形が、前半1分にはや(川井が右から)ロングスローを投げ入れる体制に持ち込み。
激しい昇格争いの真っ只中であり、「どんな手を使ってでも……」という思惑が表れたかと思いきや、その後は持ち味のパスワークの本領を発揮。
ハイプレスに出たいもののウタカの1トップ故にままならない甲府ディフェンスに対し、サイドチェンジの多様で揺さぶりに掛かる、相手の出方を見ての崩しはこの日も健在でした。

甲府が唯一勝利のチャンスを見出すとすれば、この山形の出方を窺う時間だったでしょうか。
5分、最初の好機が途切れたのちに山形のクリアボールを荒木が直接スルーパス、アダイウトンが左ポケット奥でそれを受けて継続しに掛かり。
ここはフィニッシュに繋がらずも、相手の陣形が整う前にゴールを狙いたい思惑はその後も表れ。
7分に木村縦パス→ウタカで間を通して素早く運んだ末に、中央ペナルティアーク付近から木村がミドルシュート。
ブロックされるも左で拾ったアダイウトンがカットインを経てさらにミドルシュート(枠外)と、中距離からの主砲に繋げる攻撃を繰り広げ。

しかし徐々に山形の攻撃に晒されていくと、好機に持ち込む事すら難しくなり。
小西が最終ライン左に降りる事で甲府の前線の守備を無効化する形を貫く、この日の山形のビルドアップ。
それにより、しっかり構えるというよりはプレスに出れずに構えさせられている絵図が強く。
14分に最終ラインでの保持を経て右から高江が一気にロングパス、裏を取って受けたディサロが中央からエリア内を突くも、ヘナトのカバーで何とか撃たせず。
自身で道筋を作れずに、山形のサッカーを軌道に乗らせてしまった立ち上がり。
得点は出来ずとも、攻勢の流れをしっかりと築ければその後の展開も違った可能性は大きかったでしょうが……。

19分の山形、甲府の攻撃を切ったのち速攻に入るも、実らずクリアされたボールを確保すると遅攻に切り替え。
降りるディサロのポストワークを挟みながら人数を掛けて細かく繋ぎ、山田の前進が阻まれた所を高江がこぼれ球をミドルシュート(ブロック)と、判断も精度も良好の流れとなってきた山形の攻め。
迎えた21分、GK後藤雅から地上でのパスワーク、ハイプレスに出て来た甲府を冷静に右サイド→中央→左への繋ぎでいなし。
そして山田縦パス→土居ポストプレイ→國分スルーパスで一気に左ポケットを突くと、走り込んだディサロのシュートで、綺麗にGK渋谷の股を抜きゴールに流し込みます。
構築した攻めの流れを、見事に先制点という結果に繋げました。

その後もこの流れを保たんとする山形、27分に再びGK後藤雅からの組み立てで、安部縦パス→ディサロフリックで前線へ運び。
そしてドリブルに入った土居がミドルシュート(孫がブロック)と、前に出て来る甲府サイドの裏を取っての攻めは脅威となり得。

一方の甲府、敵陣でアダイウトンやウタカがボール奪取する場面を作るものの、前線の守備はそうした彼らが機能すれば……という気まぐれの面が強く。
期せずして、ピッチサイドの大塚真司監督の檄も強まりを見せ、時にはテクニカルエリアを越えてピッチ内に足を踏み入れる場面(誰も気づかず)も生まれます。
ただし聞き取れるその内容は、ウタカに対してもっと走る事を求めたりと、精神論に偏りがちなものが目立ちましたが……

それでもビハインド故の必然性か、ボール保持の時間が多くなった甲府。
その中で崩しを図らなければならないなかで、31分に山形のプレゼントボールに対し、受けたGK渋谷は直接裏へロングフィード。
一気に左サイド奥を突くボールとなり、走り込んで確保した三平から攻撃を展開(パスワークの末に戻して作り直し)と、やや狡猾な姿勢での好機で流れを変えに掛かったでしょうか。
38分の左スローインでは、佐藤和が受けにいく前に高江が倒されるという絵図になるも笛は鳴らず、そのまま佐藤和がカットインからミドルシュートを放つもゴール右へと外れ。

その間に山形は35分に決定機を迎え、土居のスルーパスでまたも完全に抜け出したディサロ、今度はGKと一対一の局面に。
しかし右にかわさんとした所をGK渋谷が足で阻み、モノに出来ず。
これを最後に、甲府のボール保持の姿勢もあり山形は攻撃機会を得る事が出来なくなります。

甲府は42分、ここもヘナトの反則気味のボール奪取から前進し、中央バイタルを突いたアダイウトンがボールキープしながらそのままエリア内へ進入。
そして右へ横パス→三平クロス→ウタカヘディングシュートがゴールマウスを捉えるも、西村のブロックに跳ね返され。
尚も右ポケットで持った三平のクロスが、ブロックに当たりゴールに向かう(左へ逸れてコーナーに)という分厚い攻めを繰り出し。
この流れのうちに決めきりたい甲府は45分、木村縦パス→三平ポストプレイを経て、三沢がドリブルで再び中央バイタルを取ってミドルシュート。
GK後藤雅のセーブに阻まれるも、判断良く詰めたウタカが右ポケットでボール確保し、戻しを受けた飯田がシュート。
山形の戻りのために狭い所と化しながらも、そのニアサイドをぶち抜いてゴールに突き刺します。
良い時間帯でしっかり決めきり、同点とした甲府。

+4分と長くなったアディショナルタイムですが、選手の交錯で痛むシーンが長くなる消化不良の時間と化し。
1-1のまま前半終了となり、勝負の後半戦へ。

万全なはずの流れを堰き止められ、スコアも追い付かれた山形。
そのため後半も、前半の立ち上がり同様自分達の流れを構築する時間となります。
そのために最終ラインで繋ぐ山形に対し、甲府サイドも前線から規制を掛ける体制に。
ウタカが高江を切りながら構えるのを軸とし、他のメンバーでプレッシャーにいく姿勢を主とし、山形にペースを握らせない時間を保たんとします。

何度か山形がサイド奥からのクロスに辿り着くも、基本はこの両者のぶつかり合いによる睨み合いとなった後半立ち上がり。
当然フィニッシュも生まれずに時間が進み、その均衡を破るのはどちらかという展開に。

11分の甲府、ゴールキックからのロングフィード→ターゲットの三平を越えてアダイウトンという流れで確保すると、すかさず入れられたアーリークロスにウタカが走り込み。
跳ね返されるも尚も左サイドで繋ぎ、一旦遮断されるも奪い返した佐藤のクロスが直接ゴールに向かうボールに。
GK後藤雅がセーブと、際どいフィニッシュを生み出しましたが、やや偶発性に頼ったものであり流れを得るには至りません。

その後も一進一退の攻防で、その流れに乗るかのように交代策も両者同時となり。
18分で甲府はウタカ→マクーラへ交代、山形は土居・國分→高橋・坂本亘へと2枚替え。
どちらも采配で局面を動かしに掛かったのは明白でしたが、結果甲府は以降尻すぼみとなってしまいます。
結果論ですが、大ベテラン・ウタカの前半の動かなさ故に、ある程度時間が経ったら交代すると決めていたかのような采配に映った大塚監督。
しかし後半のウタカは動く機会は少ないながらも、その守備姿勢(他選手がウタカを巧く守備に組み込んでいたともいう)は山形のペースを巧く乱していた風でもあったので、正直この交代は疑問符が付くものでした。
スタミナに不安な選手にありがちな「行ける所まで行く」というタイプでは無いウタカ故に、90分近くまで任せても良かったと思います。

そのウタカに代わって投入されたマクーラは、直後の19分こそ荒木の左からのクロスをニアで合わせる(眼前でブロックされCKに)という場面を作りますが、以降活躍機会は殆ど無く。
前線の守備は迷いが目立ち、山形のボール保持を遮断できる機会は大きく萎み。
攻撃では中央に張る時間が長くなるもボールに触れる機会が訪れず、リズムに乗れないなかでのポストワークも精度を欠くという悪循環に陥ります。

よって必然的に山形の攻撃機会が膨らむ展開に。
プレッシングに迷うようになった甲府の裏を突くように、一転アーリークロスが多めとなるも、その跳ね返りを拾う事で深さを取って押し込み。
守勢を強いられる甲府は、27分に敵陣で三平がボール奪取するも、すかさずのロングシュートを選択。
フィニッシュ自体はゴール上を襲い、外れるも際どいものでしたが、苦し紛れの一手の感は拭えません。

そして甲府が苦境を打破せんと次の交代を用意する最中、山形はポゼッションを続けた末に迎えた31分。
GK後藤雅への戻しからのフィードを、左サイドで降りて受けたディサロから攻めを展開。
敵陣でサイドを移しながら繋いでいき、左からの崩しを選択すると、ディサロの前進からのアーリークロスがファーサイド奥へ。
走り込んだイサカが足で折り返すと、高橋がディフェンスと縺れながらもレイオフした所に、詰めてシュートしたのは山田。
ディサロの尚も後方から一気に走り込んで来た存在に甲府サイドも成す術無く、ゴールネットが揺れて勝ち越し点が齎されました。

善戦空しくリードを許した格好の甲府、キックオフ前にヘナト・三平→井上樹・鳥海へと2枚替え。
その後も山形の攻撃に晒されるなか、何とか同点を目指す状況へ突入します。

33分、左サイドで縦パスを受けたマクーラのポストワークを経て、アダイウトンがドリブルに持ち込みカットインからミドルシュート。(GK後藤雅キャッチ)
劣勢ななか助っ人の一撃に賭ける、というこの流れも、35分にアダイウトンが退いた(村上と交代、同時に佐藤和→中山へと交代)事で途切れ。

何とか敵陣に持ち込んで攻撃を展開させるも、何処かで無理をしなければ崩せない状況で、(ウタカ・アダイウトンが退いた事で)その無理が出来る人材に欠ければ得点の機運は高まらず。
40分アタッキングサードでの繋ぎから、最後方中央から孫がパス&ゴーでエリア内に入り込みその役目を果たさんとし。
そして荒木のクロスをニアサイドで合わせるという、流れの中でセンターバックのフィニッシュと変わり種を齎した孫でしたが、枠には飛ばず実りません。

一方前半とは違い、相手が好循環を得れずにいる中でのリードと余裕が生まれた山形。
冷静に甲府の攻撃に対処し、マイボールの際は保持の姿勢を強める逃げきりも視野に入れた立ち回り。
44分に高江が足を攣らせてしまうも、すかさず最後のカードを切り(山田・高江→坂本稀・南)盤石の体制を築きます。

AT突入後もそれは変わらず、右サイド奥でサッカーを展開する山形、相手の時間を着実に奪っていき。
甲府にとっては、徐々に胸が締め付けられるというような感覚だったでしょうか。
何とかゴールキックによるマイボールになると、山形サイドが判定に異議を示した事で隙が生まれ。
ロングフィードを収めた鳥海から右サイドを前進、スルーパスに走り込んだ飯田から上がったクロス。
最後の好機といったこの絵図、ファーサイドで村上が折り返し中央にマクーラ……という絶好の流れを築きましたが、マクーラは反応できずボールは無情にもバウンド。
そしてGK後藤雅が抑えた事で潰え、最後まで試合に乗れないマクーラ、といった絵図を示してしまいました。

試合はそのまま1-2で終了。
波に乗れない甲府を振りきる形で、昇格戦線への歩みを続ける山形。
毎年恒例となってきたそのシチュエーションですが、まずは3年連続となるプレーオフ出場の立場を固めたい所でしょう。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第29節 FC大阪vs福島ユナイテッドFC

2024-09-28 16:04:45 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • FC大阪ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 福島は、大関がU-19代表に参加のため離脱中。

試合消化が最も遅いJ3リーグも、佳境に突入したと言える残り10試合。(福島は試合中止で1試合多いですが)

注目は当然ながら激しい昇格争いですが、自動昇格争いはというと既に大宮はほぼ確定として今治・富山の2クラブに絞られた感があり。
反面今季からJ3でも生まれた、プレーオフ争いにおいては数多のクラブが絡む状況。
そしてその枠に大外から食い込まんとする2クラブの対戦となったこのカード。
日程的にも、今節はこの試合のみが月曜開催で、既に試合を終えた他クラブを追うには格好のロケーションとなったでしょうか。

しかし、その分次節の間隔が短くなる事を憂慮してか、アウェイの福島はターンオーバーが図られ。
大関が代表参加という事象に合わせるように、前線のメンバーを中心に5人入れ替えてこの試合に臨み。
当然ながら、普段のパスサッカーを保つのか否かに焦点が集まる事となりました。
かつピッチ上は、元ラグビー場というFC大阪のホーム・花園ラグビー場で、風もやや強めと難しい環境でのサッカーとなったので尚更であり。

そして始まった試合。
前半は福島が追い風という要素もあり、それを活かすべく裏へ浮き球を送り込む立ち回りが中心に。
他方FC大阪サイドも、元からそうした志向の強いスタイル故に、ボールが落ち着かない立ち上がりとなるのはある意味必然でありました。

そんな中、前半5分にFC大阪は右から久保がロングスロー、クリアボールを美馬がダイレクトでミドルシュート(枠外)とファーストシュート。
福島のゴールキックで再開となり、本来のポゼッションで落ち着けに掛かるという大方の予想でしたが、それを覆し。
短く繋いだ刹那ロングパスを送るその裏を掻く行動で、これを清水がフリックした事で一気に裏を取りボールを持った長野。
そのまま右ポケットへ切り込みシュートを放つと、ゴールネットが揺れて電光石火の先制点となります。
まさかの福島サイドの行動に成す術無かったというFC大阪サイド。

試合環境を活かし、イニシアティブを握る事に成功した福島。
その後も、大関も針谷も居ない中盤を省略する攻撃を目立たせる、普段とは逆のスタイル。
8分には中盤からのフリーキックで放り込みを選択、左ワイド奥へ上がったボールを清水が折り返し、受けた矢島がデイフェンスに遭うも左コーナーで継続。
ここからも、クロスの跳ね返りを上畑がヘッドでエリア内へ送り、収めた清水が反転シュートにいく(舘野がブロック)という具合に浮き球での勝負。

しかしボールを握らないその立ち回りは、当然ながら相手に攻撃権を渡すという事でもあり。
FC大阪のアバウトかつダイレクトな攻撃に何度も晒される事となります。
それを危惧し、その後地上から繋ぐ姿勢を見せたものの、15分には増田のプレッシャーを受けた山田将のフィードが遅れてしまい。
そして先に触った増田を思いきり蹴ってしまう形で反則、直接FKを献上する事に。
横軸は右ハーフレーンで、キッカー舘野が当然の如く直接シュートを放ち、ゴール右を襲ったこのフィニッシュをGK山本海がセーブ。
尚も右サイドで繋ぎ、澤崎の手前からのクロスを古川が合わせヘディングシュート(ゴール左へ外れる)と、失点の危機を招き。

結局福島の地上からの攻めは、何度かアタッキングサードに切り込んだものの不発となり。
20分過ぎ辺りから、FC大阪の方がビハインドのチームらしく、最終ラインから繋ぐ攻撃へと舵を切り始めます。
こちらは福島のファーストディフェンスをいなしたのち、主にサイドからダイレクトプレイで奥を突くというシンプルなスタイル。
しかし度々クロスに繋げたりポケットへの切り込みに成功と、一定の成果を挙げ。
焦る福島は、29分にFC大阪の攻撃を切ったのち保持を図るも、縦パスを入れ替わって前を向いた城定の動きが読まれて夏川に奪われ。
そして再度後方に戻して攻めるFC大阪(澤崎エリア内へロングパス→古川走り込むもGK山本海がキャッチ)という具合に、攻撃機会で後れを取る事で、自慢の攻撃サッカーを見せられない展開。

それでも、ポゼッションを高めるFC大阪に対し、前線のプレッシングが機能する状況が齎され。
34分敵陣右サイドで奪った長野から、持ち前のショートパス攻勢に持ち込んでエリア内を突く攻めに入り。
小さい浮き球パス→フリックや、ヒールパスを駆使して進入を果たし、こぼれ球を松長根がボレーシュート。
ジャストミートせずも、こぼれ球を矢島がさらにボレーシュート(右サイドネット外)と分厚い攻めを見せましたが決められず。

一呼吸付くような好機が生まれるも、依然として大阪の圧を受ける展開は続き。
36分にはFC大阪の左CKという場面で、クロスの跳ね返りから夏川がミドルシュートを放ち、GK山本海がセーブ。
しかしこの跳ね返りを繋いでカウンターに持ち込む福島、長野が右サイドをドリブルで疾走、奥でキープという状況を作った末に(美馬に)反則を受けてFKに。(美馬に警告)
ここからはフィニッシュを放てずも、じっくり守れば必ずチャンスは訪れるという事を暗示したシーンだったでしょうか。

それでもその後はFC大阪にカウンターを受ける(40分)など、無理に攻撃を仕掛けては形にならず逆に危機を招く絵図が散見されるのは、今季貫いて来たスタイルの性か。
そんなギャップを突きたいFC大阪は、アディショナルタイムに左スローインから保持に入り、舘野のスルーパスで奥を突いて夏川のクロス。
跳ね返りを武井がすかさずエリア内へ送り返すと、古川がこれをバイシクルで合わせましたが惜しくもゴール左へ外れ。
良い攻撃を繰り広げたFC大阪ですが、同点にする事は出来ず前半終了となりました。

共にハーフタイムでの交代は無かったものの、福島サイドはポジションチェンジを敢行。
ウイングの位置を入れ替え、清水が右・長野が左となって後半に臨みました。

しかし後半は向かい風となる福島、その通りアゲンストを強いられる入りに。
FC大阪のラフなロングボールを駆使する立ち回りに苦戦し、守勢の流れを変えられません。
後半5分に右から久保がロングスローを投げ入れると、こぼれ球をエリア内で拾った武井がシュート(ブロック)とファーストシュート。

しかしこれが防がれた直後、カウンターを阻止せんとした久保が長野に対する反則で警告を受け。
これで勢いが止まったFC大阪、一転して攻撃が形にならない時間に突入し、アバウトな姿勢の報いを受ける事となり。

福島は9分、中盤でのプレッシャーで吉永がロングパスをブロックし、こぼれ球を拾って攻撃開始。
左サイドでの前進から溜めを作り、上畑のアーリークロスがファーに入ると、合わせにいく矢島の前でGK永井が跳び出してこぼれ。
これを拾った清水が後は無人のゴールに蹴り込むだけとなりましたが、放ったシュートはふかしてしまい決められません。

中々攻撃が形にならない展開で、福島は自陣でのミスからの危機が増え始め。
それを何とか凌ぎつつ、16分にゴールキックから短く繋ぐという本来のスタイルを見せ、松長根ミドルパス→収めた清水のポストワークでプレス回避。
左への展開を受けた長野が自ら持ち運び、左ポケットへ進入してシュートを放つも、美馬のブロックで左CK。
ここからキッカー鈴のクロスを、ファーで合わせにいった山田将の前でGK永井が跳び出して弾き、それを拾う清水という先程のデジャブのような場面が。
しかし今度も、放たれたシュートは水口のブロックに遭い決められず終わります。

GK永井の跳び出しが、キャッチにもパンチングにもならず危なっかしいといった、FC大阪のディフェンス。(前半は同サイドでの福島のGK山本の跳び出してのパンチングが見事だっただけに)
それを見たベンチも采配で流れを変えに掛かったでしょうか、19分に夏川・古川→島田・西村へと2枚替えを敢行。
入った2人による2トップとなり、増田が左サイドハーフへ回りました。

これで流れを取り戻したFC大阪、鋭い前進で敵陣を突き、そこからロングスローなどを駆使してゴールを狙うという基本姿勢に立ち返り。
そして21分、福島の攻撃を切ったのちクリアボールを繋ぎ、左サイドで確保に成功。
そしてここも舘野のアーリークロスで素早くエリア内を突くと、中央で合わせたのは西村。
ヘディングシュートがゴール右に突き刺さり、狙い通りに同点に追い付く事に成功しました。

これで形勢逆転となり、以降も押し込まれる福島も采配で流れを変える局面に。
24分、ベンチに留めていた本来のレギュラーである針谷と森晃太を投入します。(吉永・矢島と交代、森晃が左WGに入り長野がCFに)
しかしそのすぐ後の26分、さらに野末→大森へと交代した福島。
センターバックの入れ替えで、アクシデントの疑いも頭を過ります(詳細は不明)が試合は継続。

レギュラー陣の投入、かつ最終ラインの入れ替えで、何とかポゼッションの流れを作りたかったと思われる福島サイド。
それでもその後FC大阪が敵陣でのボールゲインを頻発させるなど、一向にそれを果たせず試合が進んでいきます。

攻撃権を握るFC大阪、30分には最終ラインからのロングパスが一気にエリア内を突くと、走り込み左ポケットで受けた島田がカットインシュート。
大森にブロックされてCK、というタイミングでベンチが動き、澤崎→國領へ交代。
そしてキッカーはその國領が務めるという具合に、勝負を賭けるカードを投入してきました。

前半同様、あるいはそれ以上にFC大阪の圧に屈する状態に陥った福島。
なんとか振り払わんと、36分に最後の交代を敢行、清水・長野→塩浜・澤上へと2枚替え。
更なるレギュラー陣の投入に託す事となり。

しかし直後の38分、最終ラインでの繋ぎで大森が左からのパスに入れ替わった所を突かれ、まさかのエリア内で奪われる事態に。
奪った島田は右ポケット奥からマイナスのクロスを選択すると、中央で受けた西村がシュート。
上畑がブロックするも、拾った西村はすかさず再度シュートを放ち、これも松長根がブロックと辛うじて凌ぎ。

目も当てられないビルドアップのミスに、いよいよ決壊間近といった福島の流れ。
その後もひとしきりFC大阪のセットプレー攻勢を浴びると、試合も終盤という事で開き直りを見せ。
41分ゴールキックでロングフィードを選択し、澤上の落としから攻撃開始、松長根のスルーパスで右奥を突き。
まずはアタッキングサードへの進入を第一とし、パスワークは副次的に使うという姿勢で打開を図りにいきます。

それでも逆にお互いアバウトな姿勢による乱戦はお手の物、と言わんばかりにペースを離さず攻めるFC大阪。
45分に最後の交代を敢行し、舘野・久保→林田・利根へと2枚替え。(美馬が左サイドバック・増田が右SHに回る)
しかし舘野と久保という攻撃面を支える人材が退いた事で、ただ押し込むのみとなってフィニッシュは生まれず。

相手が停滞感を露わにした所で、福島は降りてパスを受けた針谷が最前線へ一気にロングパス。
それは時間も押し迫った状況での中盤省略、という後ろ向きな思考に見えましたが、これが綺麗に奏功する事となり。
クリアされるもFC大阪を間延びさせて敵陣でボールを確保すると、右からの松長根のクロスの跳ね返りを拾って中央で繋ぎを展開。
そして塩浜のポストプレイで左に叩かれたボールを、森晃が1タッチで果敢にシュートを放つと、美しい弧を描いて(右ポスト内側を叩いた末に)ゴール内に吸い込まれる事となります。
苦境をゴラッソで跳ね返すという、理想とは真逆ながらも最高の絵図により、土壇場で勝ち越しを果たしました。

その後FC大阪の最後の意地というべき、CKからの攻撃(GK永井も前線に加わる)も凌ぎ。
無事に逃げきり、1-2で勝利に辿り着いた福島。
「目標のためには理想を捨てるのも大事」といった展開の末、プレーオフ圏に肉薄する勝ち点3を挙げた試合となりました。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第31節 サンフレッチェ広島vs横浜F・マリノス

2024-09-26 16:44:55 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • 広島ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • マリノスは、エウベル・西村の2名が出場停止。(前者は累積警告、後者は退場による(2試合))

ともに、今季も幕を開けたACLを挟んで迎えた一戦。
そのACLは形態が変わり、ACLエリートとACL2に分かれての開催となり、リーグ3位のクラブは2への参加という形式へ。
そのためこの日相対した広島とマリノスは、マリノスはエリート、広島は2へ参加と袂を分かちました。

前シーズンで惜しくも準優勝に終わったマリノスは、その第1節で盛大にやらかしてしまい。
韓国・光州FCに7失点での大敗を喫した(3-7)事で、リベンジどころかクラブの危機、という思いを植え付けられたであろう関係者。
まるで決勝戦2戦目の大敗(アル・アイン戦、1-5)を未だ引き摺っているかのようでしたが、建て直しはなるかどうか。単に監督交代ブーストが切れただけともいう

そのマリノス、キックオフから保持を続けて広島のプレッシングを引き込み、
エドゥアルドの裏へのロングパスに井上健が走り込んで左からクロス。
ブロックされるもコーナーキックといきなり好機に辿り着くと、上げられたクロスから畠中がヘディングシュート、枠を捉えられずに終わるも幸先良くフィニッシュを放ちました。
ハイプレスの広島に対し、この疑似カウンター的な立ち回りで、チームを取り巻く負の空気を一掃したかったと思われるマリノス。

しかしそれは2つの要素で無に帰す事となり。
一つは広島の早々の先制点で前半3分、右スローインで一気に裏を取られてしまい、奥へ抜け出した加藤陸のマイナスのクロスから。
受けたアスルランがディフェンスに遭うもパシエンシアがこぼれ球をシュート、ブロックに当たってゴール左へ転がるボールをGKポープが何とかセーブするも、尚も左奥から東がグラウンダーでクロスと継続され。
そしてニアで合わせにいった川辺のフリック(意図的では無いと思われる)で流れたその奥で、綺麗にフリーとなっていた加藤陸が仕上げ。
何度もエリア内を右往左往させられた末に、早くもビハインドを押し付けられる事となりました。

これでリードした広島は、無理なハイプレスを掛けずとなったのが二つ目の要因。
仮にそうで無くとも、1トップはチームに合流して日の浅いパシエンシアという要素もあり。
未だトップコンディションで無いのは明白で、前線の守備はエドゥアルドの監視のみという姿勢で機動性はままならないようであり、彼を組み込んでのプレッシングというのは分が悪い。
そのためマリノスの保持に対しては、ミドルプレスないしはリトリートという全体の姿勢に落ち着きました。

これにより、マリノスは従来のような電撃的な「アタッキングフットボール」のスタイルを取る事が出来ず。
ボール保持で隙を探すという、ポゼッションは高まるものの「ボールを持たされている」状態を押し付けられる危惧が膨らむ状況に。
そして案の定、ボールを持たされた末に好機に繋がらず終了というシーンを頻発させ。
しかしより深刻なのは、ボールを失った後のゲーゲンプレスが機能しないという事であり。
広島の巧みなボールを守る姿勢により、奪えずに前に出た所を突かれるの繰り返しで、何度も危機を招いてしまいます。

こうした劣勢ぶりを受け、16分には自らのパスミスからの危機。
右サイドで拾った広島は加藤陸のサイドチェンジで密集を脱し、そのパスは遮断されるも川辺が繋いでアタッキングサードに持ち込み。
アスルランがミドルシュートを放つも、天野がブロックと何とか防ぎ。

流れを変えたいマリノスは19分、最終ラインからの繋ぎで右からの前進は遮断されるも、すかさず山根がカットしたのちサイドを左へ移して再度前進。
左奥を取った井上健がポケットへパスを送ると自らもパス&ゴーで進入、永戸のヒールでのポストプレイを受け直し、そのまま勢いに乗ってカットインシュート。
これがゴール右へと突き刺さり、エウベル不在の穴を綺麗に埋めるような同点ゴールが生まれました。

これにより意識も持ち直し。
21分パスワークで敵陣に進入も、広島の守備の堅さを受けてGKまで戻し。
そしてGKポープから地上で前進し直すという具合に、相手の出方を見たうえでポゼッションによる崩しを徹底せんという意思を見せ始め。
しかしエリア内へのスルーパスがカットされると、佐々木のパス出しを止められないというゲーゲンプレスの機能性の無さが再度露呈してしまいカウンターに。
左スペース(マリノスから見て右)へラフに送られたそのパスを、拾ったアスルランがそのまま持ち運びに入ると、カットインから強烈なミドルシュート。
エドゥアルドのブロックでコースが変わった事もあり、ゴールに突き刺さりあっさりと勝ち越しを許す形となってしまいます。
これで再びリードを奪った広島、ホーム・エディオンピースウイング広島のその高揚ぶりも収まらず。

マリノスは気を取り直し反撃に掛かるも、悪い事は続くものであり。
それは負傷というアクシデントで、25分に縦パスを降りて受けたロペスのポストワークから好機、敵陣でのパスワークに持ち込み繋ぎ続けた末に右からマテウスのアーリークロスがニアサイドへ。
これを跳んで足でトラップした天野、その動作自体は華麗の一言でしたが、着地の際に足を痛めてしまう副作用に襲われてしまいます。(フィニッシュも撃てず)
エリア内で倒れ動けない天野を尻目に、尚も保持を続けたマリノスでしたが結局は自発的にプレーを止め。
そして足を引きずりながらピッチ外へと出た天野、無念の交代に。(植中を同ポジションで投入)

その後もめげずに攻め上がるマリノス、山根が2度中央からシュートを放つ(31分と34分)ものの決められず。
相手の槍を受けながらも冷静に凌ぐ広島は、攻撃でもその冷静ぶりを発揮。
ACLで露呈したマリノスの弱点であるサイドバック(メンバーは違うものの)の裏を突きに掛かり、レイオフ→ミドルパスという定番の裏の取り方も冴え渡り。

36分、またもマリノスのパスミスから矢印を反転させる広島、アスルランのポストプレイを潰した松原の反則でフリーキックに。
ここからFK→CK2本とセットプレー攻勢を続け、フィニッシュは放てずも、マリノスから気勢と冷静さを失わせるのに成功したでしょうか。

40分、広島は再び後方から塩谷のロングパスで右サイド裏を突く攻撃で、受けた加藤陸が右ポケットへ進入しグラウンダーでクロス。
マリノスディフェンスはオフサイドトラップのためラインを揃えたものの、パシエンシアしか見ておらずに2列目から跳び出した加藤陸に対し全くの無警戒と残念な対応に。
そして入れられたグラウンダーのクロスを、アスルランが合わせてキッチリネットを揺らします。
どう転んでも優勢ぶりは動かないという、追加点を挙げた広島。

その後も、加藤陸のミドルシュート(43分)やパシエンシアのヘディングシュート(45分、ここもパスミスからの好機……)が襲い、必死の凌ぎで上下動を強いられるマリノス。
このまま2点差を保てれば御の字……と言った流れで迎えたアディショナルタイム、GKへの戻しで引き込んだ広島のプレッシングを剥がしての前進に持ち込み。
畠中縦パス→ロペスポストワークで右へ展開と、その一矢を繋げて好機を迎えると、松原→渡辺皓と経由して受け直したロペスがパワフルにドリブル突破。
そのまま右ポケット奥へ切り込み、前に出たGK大迫を冷静に抜く、小さいループシュートで左サイドネットを揺らし。
前半のうちに1点差に詰め寄る、僥倖を齎します。

再び激しく追われる身となった広島ですが、残り時間は冷静にボール保持。
サイドチェンジ中心の大きな展開を繰り広げる事で、マリノスから体力を奪いに掛かるというクレバーさが、派手な試合故に目立たないながらも目につきました。
結局そのまま3-2で前半終了となり。

そしてハーフタイム、やはりパシエンシアは前半のみとなり新井と交代。
新井が右ウイングバックに入る事で、五月雨的に加藤陸がFWへ・松本泰がシャドーへ・塩谷がボランチへ・中野が右センターバックへとポジションチェンジが起こり後半に臨みました。

やや消極的とも見える交代策でしたが、決め事がハッキリしているのならばその効果は覿面であり。
そして後半3分、GKポープのロングフィードを跳ね返して右サイドでボール確保する広島、遅攻に入ると思われたその刹那投入された新井が強烈にカットイン。
そしてハーフレーンで切り返しからの直進でポケットを突くと、そのままシュートを放ってゴールネットを揺らし完遂。
前半同様、後半も開始3分で得点した広島により、再びリードは2点となりました。

再度猛烈な巻き返しが必須となったマリノス。
しかし広島はパシエンシアが退いた事で、機動性が担保された前線がハイプレスに出る場面を膨らませます。
何とかロペスへ縦パスを通さんとしますが、タイトに寄せる荒木の前に機能する事は稀となり。
11分、植中のポストプレイからの繋ぎで、中央で受けたロペスがドリブルに入るとその荒木を剥がし。
再びパワフルな推進を見せて好機に持ち込み、エリア内に入り込んでシュートを放ちましたが中野のブロックに阻まれ。
ここからCKを2本続けるも攻めきれずとなり、ベンチも動き14分に山根→榊原へと交代します。

しかしその直後でした。
広島は右スローインからの組み立てでクロスに持ち込むも、跳ね返りから今度は逆の左で東がグラウンダーでクロス。
ニアで跳び込んだ加藤陸には合わずも、ファーに流れたボールを新井が折り返すと、再度シュートに持ち込んだ加藤陸がゴールネットを揺らします。
これで3点差……と思われましたが、待ったを掛けるかのようにVARチェックが入り、長期に渡った末にOFRに持ち込まれ。
そして判定が覆り、最初の加藤陸の跳び出しによるオフサイドという事で、得点取り消しとなり2点差のままで再開されました。

命拾いしたマリノスですが、2点差を追い掛けなければならない展開は変わらず。
分かっていてもロペスが降りてポストワークで展開→自らフィニッシャーという、彼の働きに賭ける攻めを貫き。
そして左の永戸のみならず、右の松原も「偽SB」の色を強めるなど、総員突撃というスタイルでこじ開けに掛かります。
21分には降りて受けたロペスが右へスルーパス、走り込んだマテウスのクロスに合わせにいくロペスという、その通りの攻め。
ディフェンスに遭いこぼれた所を井上健がシュート(川辺がブロック)と、エリア内で乱戦に持ち込めればまだ一山ある、という展開に。

受けに回る時間が長くなった広島、28分にアスルラン→満田へと交代。
随時運動量を確保するためカードを切る、という流れですが、直後にマリノスがあろう事か最終ラインでパスミス。
拾った東のスルーパスが左ポケットに送られると、松本泰のクロスがブロックされこぼれた所を加藤陸がエリア内中央からシュート。
この決定的なフィニッシュを、エドゥアルドが何とかブロックし防いだものの、これを境に広島に押され始め。
やはり拙い試合運びは、それによる体力・精神力の消耗が半端無いといったその後の展開でした。

象徴的なのが32分、マリノスの自陣からのFKになった所、畠中の蹴り出しが直接真横の加藤陸にカットされるという目を覆う状況に。
そのままエリア内へ送られたスルーパスから、走り込んだ満田のシュートをGKポープがセーブし何とか失点は防ぐも、こうした絵図が膨らめば反撃の気運は高まる筈もありません。

それでも36分、再びロペスのポストワークから好機となり、左へ展開ののち井上健がカットインでエリア内へ切り込み。
そして中央へ出された横パスをマテウスが合わせましたが、ふかしてしまい決められず。
直後にベンチが動き、残されたカードを全て使い。
永戸・松原・井上健→渡邊泰基・加藤蓮・水沼と3枚替えを敢行します。

しかしその直後、GK大迫のロングフィードのセカンドボールを確保すると、お決まりの右サイド裏を突く攻めを見せる広島。
新井スルーパス→満田奥からクロスという、その単純明快な攻撃すら相変わらず止められないマリノスを尻目に、ファーに上がったボールを東がボレーシュートで仕留め。
GKポープのセーブを掠めてゴールに突き刺さり、試合を決定付ける5点目を叩き出しました。

その後も松本泰にエリア内でシュートを浴びる(40分、ブロック)など、攻め続けられるマリノス。
勝ち点を得るのが困難に陥ると、完全に羽を伸ばす広島のハイプレスにより戦いの姿勢を見せる事すらままならなくなります。
即ちプレス回避が出来なくなり、敵陣でカットを頻発させて尚もゴールに迫る広島という展開に。
(広島は42分に加藤陸→ピエロス・ソティリウに交代)

43分の広島の右サイドからのFK、キッカー新井はエリア手前へのクロスと変化を付けると、逆サイドで受けた佐々木が本命のクロスを入れ。
そして荒木がヘディングシュートでゴールに突き刺しましたが、これはオフサイド判定に引っ掛かり。
確認のためのVARがこれまた長時間取られますが、結局オフサイドで変わらず。

ここは幻に終わったものの、突入したAT。
またも敵陣深めでの川辺のパスカットと、最早目も当てられないマリノスのビルドアップ。
ソティリウのエリア内中央からのシュートはブロックに阻まれるも、尚も右CKで継続すると、キッカー新井のクロスからソティリウがヘディングで再びシュートを放ち。
今度はGKポープも動けずにネットに突き刺さる完璧なフィニッシュとなり、ついに6点目。

止めを刺す事に成功した広島は、その後残っていた交代カードを使用。(東・松本泰→イヨハ理ヘンリー・柏)
マリノスに最後の意地も見せられる事無く、無事にそのまま逃げ切って試合を終了させました。
これで町田をかわし、首位浮上(2度目)に成功とホームのなか申し分無い一日となり。

一方、泥沼に入り込みかねないマリノス。
ACL含めたこの2戦で膿を出しきった、と後から言える日は訪れるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第29節 ヴァンラーレ八戸vs大宮アルディージャ

2024-09-25 16:00:44 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 八戸ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 大宮は、市原がU-19代表参加のためチーム離脱中。

最後の敗戦が20節(沼津戦、1-3)で、それ以降再度盤石な流れを築いている大宮。
8戦無敗(6勝2分)の最中、失点ゼロという驚異的な数字を残しており。
まさに横綱相撲で、優勝ならびに昇格するのに相応しいクラブと化していますが、同時に「突如J3に襲来した強大な異物」と思わなくも無く。
その首位快走ぶりと、前年におけるJ2からの脱落は、資本主義の大事さを身体を張って示しているかのようであり。

この日の相手は八戸で、夏の移籍期間で獲得したサンデーがそれまで在籍していたクラブ。
相手側にとってはエースを突如引き抜かれる格好となったその移籍劇(言うまでも無いが、J2・徳島からレンタル中だったので八戸サイドがどうこう出来る立場では無く)に、改めてそんな事を強く考えさせられるものでありました。
そんなJ3では相対的な強者の大宮も……というのは最後に述べる事とします。

試合が始まり、早々に大宮のゴールキックになると、左サイドへ密集を作ったうえでGK笠原は右へフィードと変化を付け。
バウンドしたこのボールを茂木フリック→サンデー胸で落としと繋ぐ(その後左から前進もシュートには繋がらず)という具合に、強者が胡坐をかく事無く一ひねり加えるその姿勢は脅威となり得。

それでも序盤は、八戸に見せ付けるかの如く、サンデー狙いのロングボール中心の立ち回りを貫いた大宮。
徐々に慣れを示し、前半7分にそのロングパスを跳ね返して矢印を反転させ、左から前進して鏑木のアーリークロス(繋がらず)とその隙を突きに掛かります。
ペースを掴んだ八戸、11分には自陣でパスカットした山内が、拾った佐藤から受け直してドリブルで推進。
(右から)カットインで中央へ入り、濱田に倒されるも鏑木が拾い継続し、左から安藤のクロスをファーサイド奥で音泉が合わせる(ジャストミートせず)という素早い攻めを繰り広げ。

しかし13分、濱田から送られたロングパスはサンデーでは無く杉本の落としから攻撃開始され。
そして右サイドを前進し、スルーパスに走り込んだ茂木のクロスがニアのサンデーの足下に渡る好機。
八戸サイドは当然ながらサンデーへの警戒が強かったものの、それを物ともせずブロックの外側からシュートを放つサンデー。
強烈にニアサイドをぶち抜くそのフィニッシュにより、ゴールネットが揺れる事となりました。
早々に古巣相手へのゴールが叩き出され、先制を果たした大宮。

マークしていたはずの元チームメイトに、守備網を破られる格好となった八戸。
気を取り直し、自身もボール保持から主体的に攻める事で反撃開始。
大宮は当然前線から規制を掛けるも、シルバの前に出たがる姿勢が強く、最終ラインにまでチェイスしにいく事がしばしばあり。
この辺り、即ち中央バイタルに隙が見受けられそうな守備陣。
20分には右サイドでボール確保し溜めを作り、前澤が中央やや右寄りからミドルシュートを放つも、惜しくもゴール左へと外れ。

そして22分、ロングパスの跳ね返りを拾うと、中央からの前進を選択。
山内縦パス→ポストプレイという流れを2度繰り返したのち、ライン間の佐藤が1タッチでシュート。
ゴール右へと突き刺さり、バイタルの間隙を突いたフィニッシュで仕留め。
大宮の無失点記録(15分の時点でJ3新記録更新したとの事)を止める同点弾を齎します。

大宮は記録が途切れた事で、肩の荷が下りるのか、ないしは傷口をさらに突かれるかという一戦と化し。
前者の姿勢を示すべく攻め上がりますが、やはりGK笠原からのフィードを起点とした攻撃が中心となり。
しかし杉本・石川をターゲットとし、サンデーをフィニッシャーに近い位置に専念させる立ち回り。

34分そのサンデーに決定機が訪れ、自陣での空中戦を経て確保した大宮、石川のロングパスで左サイド裏を突き。
走り込んだサンデーが、前に出て来たGK谷口をワントラップで置き去りにする事に成功し、そのまま遠目からシュート。
無人のゴールに決まったかと思われましたが、近石がエリア内でスライディングでブロックし防がれます。
1点ものの場面を逃した大宮、尚も血気盛んに攻め上がり。
37分には右サイド遠目からのフリーキックで、クロスがエリア内にこぼれた所を浦上がシュートと、ゴールに近い位置でフィニッシュを放つもこれもブロックに阻まれ。

しかしその姿勢が仇となり、39分には小島の左ポケットからのクロスを茂木が合わせるも打ちきれず。
そのこぼれ球を拾われて八戸のカウンターになると、左奥を突いた佐々木からの戻しを経て、蓑田が後方からミドルシュート。
ゴール左へ逸れる軌道でしたが、ブロックした茂木により方向が変わり、ゴール左へと突き刺さります。
前半のうちに逆転と、強豪相手に全く物怖じしない試合を展開する八戸。

これで全体の流れも八戸に傾き。
43分に細かいパスワークを経て山内が右からドリブルで推進、小島を剥がした末に中央へ繋げ。
そして佐藤がミドルシュートを放ちましたが、今度はゴール左へ外れ決められず。
45分には柳下のパスカットからショートカウンター、またも山内が右ポケットへ切り込んでカットインの姿勢からシュート。
ジャストミートせずクロスのようになったそのフィニッシュに、鏑木が跳び込んで合わせにいきましたが惜しくも届かず。

逆転された事で、一気に苦境に陥ったという大宮。
やはり失点を記録した事による動揺は隠せず仕舞いとなってしまったか。
何とか2-1のまま凌ぐ格好で前半終了となります。

やや単調という感があった前半の大宮の攻撃。
そのため交代は行わず、現状のメンバーでの方針転換により打開を図りにいったでしょうか。

後半2分に最初の好機が訪れ、左サイドでボール確保したシルバが素早くサイドチェンジ。
受けた茂木がパス交換を経て、入れ替わって抜け出さんとした所を安藤に倒されて反則、そしてワイドからのFK。
キッカー泉のニアへのクロスに、入り込んだ杉本がフリック気味に合わせてのヘディングシュート。
しかし左ゴールポストを直撃し、この電光石火という攻撃でも決められません。

その後、守備を固める姿勢の八戸に対し、ボール保持により活路を見出さんとする大宮。
これが後半の基本姿勢となり、左右のセンターバックも果敢に前に出て攻めに加わるシーンを増やし。
11分に右から中央→左へとサイドを移し、泉のポケットへの縦パスを受けた杉本から狭い局面と化す攻撃。
小じゃれたプレーを好む印象の杉本がヒールパスとここでも例に漏れず、しかし前に出ていた泉に繋がると、小島とのパス交換を経て突破した末にシュート。
八戸ディフェンスを掻い潜ったものの、GK谷口にキャッチされて同点ならず。

こうしたポケットを突かんとする大宮の攻撃も、集中力を切らさず容易に開ける事の無い八戸ディフェンス。
そのため、泉を中心に左から前進する事に成功しても、単純に「先んじてポケットに位置する選手の足下へパス」という攻撃を強いられていた感のあった大宮。
当然ながら単調ぶりは隠せず、何度も敵陣深めで左スローインを繰り返して打ち破らんとするも果たせず、というシーンも膨らみます。
18分に小島がアーリークロスを選択すると、その跳ね返りを浦上が落としたことで、左ポケットで杉本が受ける好機が生まれ。
するとここでも、裏へ小さい浮き球パスと変化を付けた杉本により、小島が抜け出し。
しかし柳下のアタックで倒され、笛も鳴らずとやはりフィニッシュには届きません。

ジリ貧状態となってきた大宮、23分にベンチが動き石川→和田へと交代。
これにより小島がシャドーに上がるポジションチェンジを絡め。
さらに前に出たがるシルバにより、石川のアンカーシステムと錯覚させるに至ったでしょうか。

しかし直ぐに流れは変わらず。
逆に自陣でボールを失い、石川の脇を突かれかねない状況が増えるなど失点の予感も膨らみ始めます。
(八戸は27分に佐藤→永田へと交代)

それでも、こうした乱戦模様こそ試合を動かすに格好の種となったか。
28分、再びボール保持から攻めきれずとなった所で、左サイドで杉本がボール奪取し継続させる大宮。
和田が左ポケットへ縦パスを入れると、受けたサンデーがディフェンスを引き付けバックパスし、フィニッシュに持ち込む和田。
放たれたミドルシュートは永田にブロックされるも、その跳ね返りをすかさず小島が再度ミドルシュートに持ち込むと、ゴール右上へと突き刺さり。
堅守を破るミドルレンジでのフィニッシュが炸裂し、ついに同点に追い付きました。

リードを失った八戸、追い打ちを掛けるように、上記のシーンでサンデーに引き付けられた柳下が足を痛めてしまい。(接触では無く自ら足を捻ってしまったっぽい)
交代を余儀なくされる事となり。(加藤慎太郎を投入)
代わって入った加藤慎、柳下と同様に前に推進する姿勢(31分にはスルーパスに走り込んで右奥からクロス)で勢いを齎さんとしますが、それでも流れは変えられず。

強豪の誇りを取り戻した大宮、その力をスコアに反映させるのも早かった。
36分、最終ラインで八戸のプレッシングをいなしての前進を果たすと、流動性溢れる攻めで止めを刺しに掛かり。
杉本の左へのポストプレイを受けたのは小島で、彼から入れられたグラウンダーのクロスを、中央ファー寄りで合わせたのは小島に伴いポジションを移していた泉。
ループ気味の軌道で向かったこのフィニッシュが、左ポストに当たるもそのまま逆の右ポスト内側を叩いた末にゴールに吸い込まれます。
最後は再三左ワイドで働いていた泉による逆転劇と、激しく動いたこの試合を締めるのに相応しい得点だったでしょうか。

キックオフ前に両ベンチが動き。
大宮がサンデーと杉本からファビアン・ゴンザレスと大澤へ2枚替え、一方八戸は鏑木・佐々木→妹尾・雪江へと2枚替え。
ともに前線の選手の交代ながら、サンデーが抜けてもゴンザレスが出て来るという、大宮の格を感じてしまう采配。

しかし意地を見せる八戸。
38分茂木のクロスをシルバが落とすも、繋がらずに八戸のカウンターとなり、妹尾がドリブルで推進。
そしてスルーパスに雪江が抜け出すという、交代選手2人による決定機が生まれかかりましたが、触れられる前にGK笠原が判断良く飛び出してクリア。
純正J3選手の意地が炸裂、と思われましたが、守護神によりそのドラマは生まれず仕舞いとなりました。
その後も右サイドでのFKから、キッカー妹尾クロス→雪江ヘディングシュートとホットラインが続くも、これもGK笠原がキャッチ。

一方思わぬ守勢となった大宮、40分に泉→関口へと交代。(茂木が左サイドに回る)
最後の交代により運動量を担保し、番狂わせを防ぎに掛かり。

そしてしたたかに時計を進め、かつ追加点を狙いにいく大宮。
アディショナルタイムに突入すると、投入された関口が右ワイドを抉って奥からクロス。
クリアされるも右スローインで継続し、直接ポケットへ送られたボールをゴンザレスが受け、こぼれた所をシルバがシュート。
GK谷口がセーブして防いだ八戸ですが、これによりコーナーキックで継続すると、一転してコーナーでキープという姿勢に切り替えられ。

フィジカル溢れるゴンザレスにより掻き出すのも一苦労という八戸。
結局時間を使われ、一度も好機を生み出す事が出来なかったAT。
2-3のまま試合終了を迎え、大宮が競り勝ち依然として盤石ぶりを維持した試合となりました。

1年での昇格は揺るぎ無い、といったその大宮ですが、翌週にとうとう懸案が正式決定される事となり。
即ちレッドブルへの株式譲渡で、その時期は10月頭との事。
つまりは次節(相模原戦)が現体制の最終試合となり、譲渡までに昇格を決定させる事は残念ながら叶わず。
恐らく本気で介入するのは来季からとなりそうですが、新生・大宮は果たしてどんな姿となるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第32節 ジェフユナイテッド千葉vsレノファ山口FC

2024-09-24 16:00:36 | サッカー視聴記(J2)

※前回の千葉の記事はこちら(28節・仙台戦、4-2)
※前回の山口の記事はこちら(30節・徳島戦、1-2)

<千葉スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 天皇杯準々決勝(京都戦、0-3)からのスタメン継続は無し。田中和・松田が途中出場。
  • 前節(秋田戦、0-1)負傷交代した風間はベンチ外。(後日離脱が発表されて全治約6か月との事)

<山口スタメン>

  • GK関が試合前練習での負傷(放送席の談)により、控えの田口潤と入れ替わり。(つまり実質控えGK不在か)

ともに天皇杯で、準々決勝まで勝ち残っているクラブ同士の対決。
しかしJ1クラブがACLとの兼ね合いで、その日程にズレが生まれた結果千葉は今週・山口は来週に開催という差異が生まれました。

先んじて挑む事となった千葉ですが、中2日の連続という日程で、言い方は悪いが半ば「捨てる」事を選択。
完全ターンオーバーを敢行した結果、京都に成す術無く完敗となりましたが、リーグ戦に専念出来る環境が出来たのはプラス要因。
風間の長期離脱といった誤算は有れど、メンバー調整かつ固定を果たしての終盤の戦いに幸が生まれるかどうか。

試合開始直前という段階で、山口がGK関のアクシデント発生により入れ替えを余儀なくされ。
田口潤が今季初スタメンとなりましたが、それにより試合中も不測の事態が絡み続ける展開を強いられたでしょうか。

ボール争い重視の立ち上がりから、前半4分に山口が、新保のロングパスによるセカンドボールを拾った山本のミドルシュート。(枠外)
その直後にも中盤でのボール奪取から、またも山本がミドルシュートを放つ(ブロックされコーナーに)など、苦境を跳ね返すべく積極的に入る山口。
7分に千葉に早くもカードトラブルが生まれた(野寄に反則を犯した横山に警告)のを尻目に、さらにテンポを上げ。
続く8分も、中盤で田邉のパスカットから素早く攻め込み、野寄が左ポケットへスルーパス。
しかし走り込む若月の手前で相田に当たってしまいズレるという具合に、その前向き姿勢による空回りも生まれてしまい。

一方の千葉は前回観た際の、最終ラインでのプレス回避を巧く取り入れての攻撃を継続。
以前の一本調子なスタイルを改めたようなその姿勢で、ハイプレスが特徴の山口をいなしに掛かります。
10分に自陣右サイドでキープする横山がプレッシャーを受けるも、落ち着いてGKまで戻してからの前進を選択。
そして左からのパスワークで、佐々木縦パス→小森スルーで受け直して右へ展開と、セカンドトップの立ち振る舞いで流動性を齎す横山。(その後杉山が右ポケットへ進入しシュート、枠外)

山口の気迫を巧く逸らしたものの、15分の山口の攻撃で、右奥でキープする間に対し肘打ちに近い形でチャージしてしまった小川が反則・警告。
早くも2枚目の警告と、委縮しかねない流れも生まれ。
しかしその後は落ち着きを取り戻し。(20分には山口・平瀬も小森への反則で警告)
ポゼッションを高め、敵陣でパスワークを展開するも戻して作り直しを選択という具合に、かつての一辺倒なスタイルはかなり改善され。
縦に速い攻撃は、山口の攻めを遮断してのカウンターへ温存するという形で、両面性を巧く醸し出してペースを確保していきます。
そうして千葉のボール保持の局面が膨らんだ影響で、中々プレーが切られなかったため飲水タイムは28分と大幅に遅れ。(しかも山口・志垣良監督のアピールでたまらず取ったという絵面)

相手の術中に嵌りたくない山口、ブレイク明けの30分に敵陣右サイドで河野がパスカットと、相変わらず前向きの姿勢を貫き。
ここから相田のロングスローを炸裂させる従来通りのスタイルで、クリアボールを拾った河野が右からカットインを経てミドルシュート(エリア内でブロックされCKに)と、押し込みからのセットプレーで先制を狙いにいき。
この右CKから、キッカー新保クロス→ニアで河野フリックで落とし→若月脚で合わせるという綺麗な流れを作るも、フィニッシュが浮いてしまい決められません。

尚も同様の流れで攻め上がり、40分に右スローインを収めた山本がそのままバイシクルでロビングを送ってからの攻め。
エリア内へこぼれた所を野寄が走り込んでシュートしますが、GK鈴木椋のセーブに阻まれCKに。
クロスからのクリアボールが上空へ浮かび、平瀬が合わせにいくも打ちきれずと乱戦模様に持ち込まれ。
その後も前のバイシクルでの折り返しなどを挟んだ末に、後方から新保がミドルシュート。(杉山がブロックしてさらにCKに)

こうした状況で得点出来れば山口ペースの試合となったでしょうが、果たされずに終わると、ひたすら前向きとなったツケを支払わされる事となり。
さらに続いたCKから齎されたのは逆に千葉のカウンターで、田中和が敵陣右サイドで溜めを作り、遅攻に切り替えたのちパスワークでの崩しを図り。
右ポケットを突くも戻して高橋壱のクロスと、あくまで決定機まで待つというそのスタイルの末に、クリアボールを確保したのちエドゥアルドが後方からミドルシュート。
GK田口潤がセーブするも、眼前にこぼれたボールを確実に詰めた小森によりゴールが生まれます。
天皇杯での姿勢を活かすべくの、先制点を挙げた千葉。

これにより、逆に押し込んでCKを得るなど全体の流れも千葉のものとなり。
田中和のロングスローも絡めるなど、完全に山口のお株を奪う格好に。
アディショナルタイムの最中、山口のクリアボールを確保してそのトランジションを突く攻めで、右ポケットで受けた小森が中央へカットイン。
そしてエリア手前で切り返しシュートを放つも、ここはGK田口潤がキャッチ。

追加点はならなかったものの、リードと流れの双方を得て前半を終えた千葉。
逆に巻き返しを図らなければいけなくなった山口は、ハーフタイムで交代を敢行。
野寄→酒井へと交代し、河野が左サイドハーフに回ります。

こうして後半開始を迎えたものの、入りは千葉ペースと前半の流れそのままに。
早速の後半1分、敵陣での長い繋ぎを経て右から杉山がクロス、大外で収めた田中和がそのままの勢いで中央へ切り込むもGK田口潤が何とか抑え。

その後も千葉の攻撃機会が重ねられ、何とかひっくり返したい山口。
4分に右スローインから前進し、若月がドリブルで切り込んでカットインでエリア内を突き。
しかし松田に奪われ撃てずに終わるとカウンターになり、松田縦パス→横山スルーパス→小森で一気に好機に持ち込む千葉。
ここは小森のカットインをヘナンが奪って防ぐも、6分にまたもや千葉の攻撃、敵陣左サイドで細かく繋ぐ体勢に。
田中和が奥へ切り込む姿勢を見せてからの、戻しを経て小川のスルーパスでポケットを取る攻めで崩し、奥からマイナスのクロス。
そしてニアに走り込んだ杉山が潰れた末に、中央に流れたボールを横山が押し込んで仕上げ追加点。
優勢の状況下、しっかり得点を重ねる事で勝利へ進撃します。

2点差となり、さらに山口は悪い事が続き、8分にエドゥアルドに反則を受けた河野が起き上がれず。
チャージが深く入ってしまった事で続行不可能となり、交代を余儀なくされてしまいます。
小林成が同ポジションで投入され、同時に田邉→ユーイェンと2枚替え。

その後、小林成の推進から好機を作り、CK攻勢に持ち込むという前半の良い時のような流れを作りかける山口。
しかし千葉も、2本目のCKでのクリアボールを確保した杉山、山口のゲーゲンプレスを受けるも倒されながらボールキープ。
そして繋いでプレス回避を果たし横山のスルーパスで逆に好機を作るという具合に、相手の流れを遮断するプレーが光り。
ここから敵陣で繋ぎに入った千葉、サイドをくまなく使った末に横山のスルーパスが左ポケットに入ると、受けた田中和が酒井に倒され。
完全にチャージが田中和の足に入っていたように見えましたが、反則を告げる笛は鳴らず仕舞いとなり。
山口にとっては振り回され続けた末に、ボックス内まで戻りを強いられた酒井が……という最悪に近い流れでしたが、命拾いを果たします。

反撃体制を整えたい山口は、19分にユーイェンのボール奪取から速攻は選ばず、中盤の底での繋ぎを経てユーイェンが間を通す縦パス。
小林成に渡るとドリブルで中央バイタルに持ち込み、果敢にミドルシュート。
しかしこの思い切りの良いフィニッシュも、左ポストを直撃して実りません。
その後20分に若月→奥山へと交代、彼が右SHに入る事で山本がFWへと回り。

24分に飲水タイムが挟まれ、第4クォーターへ。
しかし千葉にもアクシデントが発生し、千葉エリア内での空中戦でエドゥアルドが山本との交錯で痛んでしまい。
そのまま起き上がれずに交代の憂き目に遭うという具合に、河野の負傷退場の要因となってしまったためか、報いを受ける格好となり。
これで交代を余儀なくされた千葉ベンチですが、代わりに投入されたのが田口泰とその層は厚く。(同時に杉山→椿へと交代、田中和が右SHに回る)
また山口も同時に、山本→末永へと交代します。

お互いアクシデント塗れとなりますが、田口泰が加わった千葉はやはりそのゲームメイクに衰えは見られず。
その後もボール保持で山口の攻めっ気を逸らしながら、機を見て追加点を狙う立ち回りを徹底します。(32分に横山→ドゥドゥへと交代)

そのため突破口が欲しい山口は、攻撃機会自体が少なく。
37分に右スローイン→酒井ポストプレイから組み立て、左へ展開ののち新保のアーリークロス。
ファーに上がったボールをGK鈴木椋がパンチング、そのこぼれを狙い前がミドルシュートを放つも、鈴木椋が跳び出したままセーブ。
久々に放ったフィニッシュも防がれると、再び千葉のターンとなり沈黙に入るという具合に(数的優位だった徳島戦とは事情が違い)攻勢を作れません。

それでも41分、千葉のクリアボールを拾った平瀬がラフに高い浮き球を送ると、相田が確保に成功しそのまま右サイドから攻め。
奥山が縦突破から低いクロスを入れると、クリアが小さくなった所を小林成がレイオフで繋ぎ、相田のミドルシュートが放たれ。
GK鈴木椋がセーブするも、千葉の1点目同様綺麗に酒井の眼前へこぼれる格好となり、悠々と詰めネットを揺らします。

ようやく1点差に詰め寄り、意気を高める山口。
平瀬をFWに上げ、徳島戦のように4-1-3-2に近い布陣で勝負を賭ける体制を採ります。(相田がセンターバックに回る)
しかし千葉のキックオフで再開したその初手、佐々木のロングパス一本で一気にエリア内を突き、走り込んだ小森がループシュート(枠外)とあわやゴールという絵図に。

点差は縮まったものの、これにより展開自体は保たれたままとなり。
つまりは千葉の攻勢が続く中、山口がその間を縫わなければならない状態。
45分、敵陣での千葉のパスワークをカットした新保から、速攻を仕掛ける山口。
しかしドリブルに入った末永を松田がナイスディフェンスで阻むと、千葉のカウンターへと反転し、そのまま右奥まで上がってボールを持った松田。
結局戻して作り直しとなるも、何度も上下動を強いられる山口は同点への機運を高められずにATを迎える事となります。
そして千葉は残されていた交代枠を使い、純正CBの山越(といってもサイドバック兼任ですが)を投入し守備を固め。(同時に田中和→岡庭へと交代、佐々木が左SBへ回る)

依然優位を保つ千葉、その止めはやはりカウンターからでした。
山口は自陣からのFKで放り込みの体勢を取り、キッカー新保のフィードはエリア手前を選択するも、カットして椿がボール確保。
そして前線へ繋ぐと、左サイドを抉ったドゥドゥの低いクロスを、走り込んで合わせたのは小森。
得点王争い単独トップに躍り出るゴールで、再度2点差に突き放し勝利を決定付けました。

尚も諦めない山口に対し、冷静にいなしてその背後を突く千葉。
高橋壱のスルーパスを受けた岡庭が、右奥を窺う姿勢を経てパス&ゴーでポケットを取ると、田口泰のスルーパスがそこに入り。
典型的なポケットを利用した崩しに対し、新保がディフェンスに入るも岡庭を倒してしまった事で反則を告げる笛が鳴り。
これでPK献上と、結果的にATの決定機にともに絡んでしまう格好となった新保。
失意を隠せない山口サイドを余所に、千葉はゲットした岡庭がキッカーを譲らないという珍妙な絵図を生み出すに至り。
結局ドゥドゥの説得?もあり小森がキッカーに落ち着き、しっかりとゴール左へ決めきり4点目。
同時に小森もハットトリック達成と、終わってみれば大量点という展開となりました。

山口は最後に小林成がミドルシュート(枠外)と一矢を放つも、それ以上の事は出来ず。
そのまま試合終了となり、4-1で勝利した千葉。
これで両クラブ順位は逆転し、山口を追いやる形でプレーオフ圏の6位へと浮上を果たしました。

一方、次週は天皇杯(マリノス戦)も控えており打ちひしがれている暇はない山口。
千葉と違い中3日なものの、同じくリーグ戦への注入の姿勢を見せなければならないなか、そのメンバー選択にも注目が集まる事となるでしょう。

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