ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

2023年J2リーグ第30節 いわきFCvsヴァンフォーレ甲府 inいわきグリーンフィールド

2023-08-16 16:38:22 | サッカー観戦記

現在、観戦には日曜しか行けない状況とあり、遠征となるとさらに日程を選ばなければならない身。
さらにはウィルス感染状況が切迫している故、安易な東京都内への旅行は死を招きかねない。
そんな事から弾き出した遠征先は、夏季のナイトゲームかつ、それほど大都市では無い場所での試合でした。それなのにお盆の時期を選択する辺り矛盾は避けられない
それに合致したのが今季J2昇格を果たしたいわき。
飛行機で仙台空港へ→電車でいわき駅へ、という大まかな旅路を作り上げ、当日を迎え。

メインとなるのはJR東日本・常磐線で、これが乗り換え2本を含めて約2時間半という長さ。
約1時間毎に1本というダイヤ故に、乗り換えをミスったら終わりという思いを常時抱きながら、睡眠不足に耐え忍んでの長期路線となり。

そして無事にいわき駅へ到達。
早速いわきFCカラーに染め上げられた構内がお出迎え。

達成感もそこそこに、宿到着→スタジアムに向けて出発と慌ただしさは変わらずであり。
この時点で16時。

そして最寄りの湯本駅へと到着。
尚、ここまでの交通の便は「Googleマップ」「駅すぱあと」でリサーチしたもので、いわきの公式HPでの情報はほとんど見ず。
その軽率な行動の報いを、この後嫌というほど味わう事に……

 

 

 

 

 

 

という訳で、肝心のシャトルバスの情報を全く仕入れていなかったが故に、駅から徒歩を選択します。
Googleマップを見ながら(今夏ようやくスマホ入手に踏みきった)という要素もあったので、「エスコン(フィールド北海道/プロ野球・日本ハムの本拠地)まで歩いて行けたんだから余裕」という思いがいかに浅はかなものであったか。
砂利混じりの道路・年季の入った住宅街・勾配激しい歩道無しの道路を歩いていくにつれ、そんな後悔の念に身を包まされ。

そしてやっとの思いで21世紀の森公園に到達しても、まだまだ続く急な坂道。
当然ながら写真を収める余裕は体力的・精神的ともに無く。

そんなこんなで、大量の汗とともにようやく試合の場であるいわきグリーンフィールドへ辿り着きました。

既に時間は17時を窺っており、スタジアムグルメのブースは何処も大行列。
止む無く食事は見過ごし、席の確保に努める事に……

 

まだスタジアムが発展途上という事もあり、チケットの値段はダイナミックプライシングを利用している札幌とは雲泥の差格安なもの。
しかし2度目があるかどうか不明故に、折角だからと利用したのがUAシート。
プラス2,000円(事前申告制)で、VIPのような席での観戦が出来るというシステムであり。
これがゆったりとピッチ状況を楽しめ、かつ密の心配が無いという文句のつけ所が無いものでありました。

そんなピッチの情景は、既にGK練習の最中。
サブのゴールを利用してグラウンド外で行うという、やや違和感を覚えるものでした。

 

集客力は5,000人強という小規模ながら、逆にそれが織り成す集客率の高さ。
熱狂必須の環境は、正直羨ましくあり。(この日の観衆は4,386人)

元がラグビー場という事を示す、電光掲示板とは対称の場にあるスコアボード。

そんな景観を堪能している内に、全体練習の時間に。

身体を大事にするフィジカル養成クラブらしく、真っ先に体幹運動を行ういわき。

 

一方の甲府、注目はやはりピーター・ウタカ。
以前甲府に観に行った際にも在籍していたウタカ(2019年)ですが、その時はモロ休養日にぶち当たってしまったが故にその姿は見れず。
外観的には、その独特なヘアースタイルが注目の的で、三平と並んだ際のその光景は一種の壮観であり。

 

練習内容としては、いわきサイドの「クロスからのシュート練習」が印象に残り。
試合前というタイミングで、このピンポイントなテーマの練習を選択する辺り、いかにセットプレー含めたクロスボールに合わせるかを大事にしているようでした。

そして練習終盤で、甲府のスタメン発表が行われ。

それが終わった直後という、図ったようなタイミングで照明がライトアップ。
ホームのスタメン発表に則しての演出の一環か、と思わされたものの、(練習終了を経て)挟まれたのはイベント。

 

ついに現れました、Jリーグ参入から間も無くいわきのアイドルの座を彗星のように獲得?したマスコットのハーマー&ドリー。(以下ハマドリ)
まずはゲストとスポンサーを立たせる事に努め。

 

「フラガールの街」でもあるいわきらしい、「スパリゾートハワイアンズダンシングチーム」によるフラダンスパフォーマンス。
流石にフラダンスは取得していないハマドリ、その脇で見届けたのち、自身のパフォーマンスに入ります。

メインスタンドに愛想を振りまいたのち……

 

センターサークルで音楽に合わせ踊りまくり、この辺りはDAZNでもおなじみの一幕。
曲自体はコミカルさに針が振れているものの、現地で聞くとそれなりに味わい深い雰囲気を持つのだから、臨場感は重要といった所でしょうか。

こうして渇望感を持たせつつ、ホームのメンバー発表へ。

ニュートラルの絵図から、アニメーションでポージングするというのが特徴の選手シーン。
しかしそのポージングも、次第に「腕組み」「腕を腰に当てる」「ユニフォームのチームロゴを掴む」「両手でガッツポーズ」のいずれかに固定化されている感が強くなり。
↑の江川のような独特なものがもっと増えれば……といった所。

 

中心選手の2人。
離脱者とシステム変更が合わさり、中々ドイスボランチを組めない(組まない)試合が目立っているものの、新境地開拓の一環でしょうか。

今季途中に監督の座に返り咲きとなった田村雄三氏。
引き出しの多さを見せ、単なるフィジカル強靭のチームとは一変させた姿を見せていますが、その仕事に安堵するのは残留決定が果たされた時でしょう。

選手紹介の間も、ピッチ内でパフォーマンスに徹していたハマドリ。
選手入場の時間を迎えた事で、メインスタンドの方に向かい、選手の最後列に並ぶと思いきや……

何とカメラマンのすぐ後ろに位置取り。
そして入場してきたいわき選手全員とタッチを交わす独特のスタイルを見せました。

 

この愛くるしい姿に、こちらとしてはもうメロメロでした。

 

あまりのハマドリの存在感に、この時甲府のマスコット・ヴァンくんの姿に初めて気付いたのは笑えない……(試合前イベントは到着時に既に終わっていたし)

選手・審判団全員と握手を交わすその姿もお馴染みとなった、ヴァンくんの礼儀正しさ。ただししょっちゅう脱ぐ
この後マスコット両者がいちゃいちゃとする姿が描かれ、試合前の憩いの一時もそろそろ終焉を迎え。

 

観客席の大部分を埋めた会場での、試合の行方は如何に。

この日のスタメン。
しかし開始して間も無く、早々に名前を入れ替える時が来るとは誰にも想像はつかなく。

甲府には、長崎からクリスティアーノを完全移籍で獲得と、新戦力が加わり。
昇格へ向けた最後のピース、としたい所でしょうが……。
尚、電光掲示板のスタメン表は完全に取り忘れてしまい。(駄目じゃん)

試合が始まり、前半2分にウタカが下田に反則を受けた事で、早速そのクリスティアーノの見せ場となるフリーキック。
左ワイドという位置でしたが、直接シュートを選択したクリスティアーノ。
これをGK高木和がセーブし、こぼれ球を攻撃に繋げたいわき、このカウンターが事件を生み出します。
裏へ送り込まれたロングボールに対し、敵陣でのセットプレー故に前に出ていた甲府GK河田、一旦クリアに向かう姿勢を見せるも永井の走り込みを見て戻りを選択。
しかしこの動きが転倒を招いてしまい、その隙を突いて受けた永井が左ポケットへ持ち運んだ事で、ガラ空きのゴールへシュートという願っても無い好機が作られます。

このシュートは角度が足りず、左サイドネット外側に終わってしまいましたが、問題のシーンはその後。
必死に永井を追ったGK河田、そのまま倒れ込んで動けなくなってしまいます。
どうやら転倒の原因は切り替えた事での故障発生らしく、大ピンチ故にプレーを止める事すら許されなかった影響が色濃く表れ。
そのまま続行不可能のサインが出され、慌ただしくアップを始める控えGKの山内。
河田は起き上がり自力でピッチ外に出たものの、結局7分に交代となり、早くもGK交代というアクシデントに塗れた甲府。
山内はこれが2試合目の出場(前回=28節・栃木戦、0-3)で、奇しくも自分は両方とも見届ける事となりました。

デビュー戦は3失点とほろ苦いものだったその山内、この日も早速苦汁を味わう事に。
10分、いわきも先程の甲府と同じ左サイドでFKを得ます。(岩渕が佐藤に反則を受ける)
しかし位置的には深めでほぼコーナーキックの攻め方を強いられるものの、エリアラインから直ぐ近くという絶好のもの。
これをキッカー岩渕がグラウンダーでニアサイドへクロス、このシュートと見間違うようなボールを、密集のなかで合わせたのは山口。
弱々しくもボールはゴール内へと転がり、先制点を奪ったいわき。
しかしその刹那甲府サイドが総出で猛抗議を浴びせます。
どうやら密集の中なので、山口とは別の選手(のちに映像を見返したら、これは江川)がオフサイドポジションに居た事を主張してのものだったでしょうか。(推測)
主審も副審と相談したものの、結局判定は覆らず。

アクシデントの余韻が冷めやらぬうちに、リードを得たいわき。
そのシステムを凝視すると、どうやら宮本を左センターバックに置いた3バックのようであり。
しかし守備時には、左ウイングバックの永井は降りて来ず、4-4-2の布陣で対抗姿勢を採ります。
高い位置を取るWBを軸に、細かなパスワークで崩しにかかるいわき。

飲水タイムは23分に挟まれ。
ここでも広告は無し。プロテインの広告一つあればいわきらしかったかも

いわきの圧力に苦戦がちだった甲府も、その後テクニシャン揃いの前線を軸に反撃体制に。
26分ウタカとクリスティアーノのパス交換を左サイドで行ったのち、中央への展開を経て林田がミドルシュートを放つもブロックに阻まれ。
しかし直後の28分、いわきも細かなパスワークを経てエリア内を突き、谷村のキープを経て岩渕がシュートを放ちましたがGK山内がセーブ。

依然としていわきの攻撃の脅威に晒されますが、敵陣に進入してCK獲得を量産(+反則によるFK)という流れに入る甲府。
これを良く凌いでいたいわきですが、終盤についに決壊する事に。
44分スローインを入れ替わりで受けたウタカが中央を持ち運んだのち右へ展開、関口がグラウンダーでクロス→逆サイドへ流れて三浦がクロスと、ゴール前で右往左往するボール。
そしてクリアボールを確保した甲府、佐藤のミドルシュートがゴールネットを揺らし、良い時間帯で同点に追い付きます。

しかし迎えたアディショナルタイムは、河田の負傷交代もあり6分という長さ。
演じられたのはいわきの怒涛の攻撃タイムで、右から有馬のマイナスのクロスを山口が合わせシュート(枠外)したのが始まりとなり。

そしてその後も攻め続けるいわきに対し、野澤のクリアミスが生まれた事で岩渕が拾ってエリア内でGKと一対一に。
しかし放たれたシュートは僅かに右へ外れてしまい。
これでもまだ終わらず、今度は左奥を突いた永井のグラウンダーのクロスから、有馬のスルーを経てファーサイドでフリーとなっていた谷村がシュート。
ゴール上を強烈に襲ったこのシュートも、バーを叩いてしまい惜しくも決められません。
スタンドから何度も喝采と嘆息が交錯しましたが、結局2点目を挙げられずに前半を終えました。

ハーフタイムもフラダンスショーがあったものの、試合前に寄れなかったグッズショップブースを物色したため観れず。

そして後半開始を迎えるに辺り、いわきサイドにもアクシデントが襲います。
選手の大部分がピッチへと戻る中、一人タッチラインの外で倒れ込んでしまったのは黒宮。
その倒れ方も故障では無いもので、試合とは別の危機感も生まれる絵図となりましたが、それでも試合開始の流れを止める訳にはいかず。
石田が投入されるとともに、いわき選手全員がUターンしてベンチの示す戦術ボードを確認する事となりました。
(黒宮は試合後に無事が発表される)

江川が中央CBへと回り、石田が右CBに入る調整を強いられたいわき。
それでも始まった後半は、アクシデントの影響を感じさせず普段通りの攻撃を貫きます。

そして後半5分に得た右CK、キッカー山下のクロスはグラウンダーでエリア外と、サインプレーを選択。
これをフリーで岩渕が合わせ、放たれたシュートを甲府ディフェンスがブロックして枠外となると、すかさずハンドのアピールをする岩渕。
そして鳴らされる主審の笛、エリア内という事でPKとなります。(腕でブロックする形となった佐藤に警告)

絶好の勝ち越し機を得たいわき、キッカーはハンドを誘発した岩渕。
その得点センスに期待が掛かるとともに、GK山内にとってはデビュー戦に続きPKを経験する事態となり。
そして勇んでキックに入った岩渕ですが、独特の助走モーションを経てゴール左へと放たれたそのシュートは力無く。
読みきったGK山内がキャッチと、決めるどころか完璧に止められる始末となってしまいました。

九死に一生を得た甲府、その後CKから武富のヘディングシュート(8分、枠外)とにわかに勢い付き。
それでもいわきの圧力をかわしきる事は困難で、ミスプレーも絡んで膨らむピンチ。

そしてベンチが動く甲府。
15分にいわきのCKというタイミングでしたが、武富に代えてエドゥアルド・マンシャを投入。
CBを一枚増やすという事は、即ち3バックへのシフト(3-4-2-1)となり。
そのCKで早速クロスをマンシャがクリアという場面となったものの、いわきはそれを繋いで山口がヘディングシュート。(枠外)

以降布陣変更した甲府に対し勢いを失ういわき。
縦に速い攻めへと意識が傾くに伴い、流れを失うという悪循環に陥っていた風であり。
それを尻目に甲府は22分に野澤がヘディングシュート(GK高木和キャッチ)、23分に林田がシュート(枠外)とフィニッシュを重ね。
いわきはそのフィジカルを活かした果敢なアタックも裏目に出るようになり、21分にはウタカに対し反則した江川が警告を受け。

後半の飲水タイムが採られ、押され気味となってきたいわきはここで3枚替えを敢行します。
山口・岩渕・永井→吉澤・有田・河村へと交代。

その第4クォーターの入り、関口がバックパスをミスしていわきのCKとなる(24分)など、甲府が再び圧を受けるような絵図が生まれ。(このCKからクリアボールを宮本がシュートするも枠外)
それでも立て続けに決定機を外し続けたいわき、既にこの日の運気は使い果たしていたでしょうか。
27分には蓮川に対し反則を犯した山下が警告を受けるなど、良い流れを作れず。

一方の甲府もさしたる好機は生まれず、31分にいわき同様に3枚替えを敢行。
佐藤・クリスティアーノ・ウタカ→品田・宮崎・三平へと交代します。
34分にその三平にエリア内中央へとボールが渡りかかり、ディフェンスに遭うもCKに。
キッカーは品田に代わり、クリアされるも林田を経由し再び右サイドの品田へ。
ここからクロスでは無くシュートを狙いにいった品田、GK高木和が辛うじてセーブ(再度CKへ)する際どい一幕を生みます。

再びゴールを脅かされたいわき、36分に谷村→近藤へと交代。
ここから4バックへと移した(CBは江川・石田、サイドバックは右が宮本・左が河村)しょうか。(下田・山下がドイスボランチのオーソドックスな4-4-2)

勝負手は使いきったものの、一向に流れは良くならないいわき。
判定に対しても(観客席も併せて)不満を持つシーンが増え、その結果40分に反則の際に河村が異議で警告を貰ってしまい。
それでもこの時間帯まで来れば、強引でも何でもいいから勝ち越し点が欲しい展開であり。
41分にその河村が左サイドをドリブルし、ポケットを突いてシュート。(ブロック)
44分にはロングパスを左サイド奥で受けた近藤、そのままカットインを経て角度の無い所からシュート(枠外)という具合に、その意識を結果に結び付けんとします。

しかし45分パスミスを犯してしまい、ボールカットした宮崎は遠目からロングシュートを狙い。
枠外に終わるも、力強さと雑さが両立しかねない展開となった終盤戦。

ATは前半より短くなったものの、それでも5分。
その最中に敵陣中央で下田のボール奪取から好機を作るいわき、有田シュート(ブロック)→山下シュート(ブロック)と連撃を浴びせましたが打ち破れず。
押しまくるも得点出来ずにいると、最後は甲府にCKの好機が。
ここで失点すればすべてが水の泡、という所でしたが三平のヘディングシュートは枠外となり。
負けはせずに済んだものの、1-1のまま引き分けで幕を閉じる事となりました。

試合終了後の整列。
その後そさくさとハマドリも挨拶の輪に加わるなど、勝ちを逃したという試合にも拘らず悲壮感を感じさせないいわき。
いかにも発展途上のクラブらしい、次に切り替えるスムーズさは他のクラブも見習う所がある。
そんな事を考えさせながら、流石にシャトルバスでスタジアムを後にしました。

いわき駅・湯本駅周辺の風景はこちら

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2023年J1リーグ第9節 北海道コンサドーレ札幌vsアビスパ福岡 in札幌ドーム

2023-04-24 16:00:36 | サッカー観戦記

前回野球観戦という、このブログの趣旨に全く合わない事をやってしまったお詫びの意味を含めて現地観戦。
そのため、相手の福岡の試合を観るのは3連荘となってしまいましたが気にしない。

前回述べた通り、北海道のスポーツ環境は、プロ野球・日本ハムが本拠地移転を敢行した事でガラリと変わり。
傍らから見てみれば置いてけぼりを喰らったかのような札幌市ですが、めげる事無く「スポーツ文化の振興」という、多目的である札幌ドームの理念を今一度思い出すように歩み始めているようであり。

いざ新球場が開幕してみると、そのアクセスの悪さを筆頭に悪評が目立つようになった日本ハム側を余所に……という、当初の予想とは逆の構図が出来つつあるのが何とも。
まあ対立などせずどちらもwin‐winになるのが素晴らしい事でしょうが(綺麗事)

さてそんな事情から、一新した地下鉄・福住駅の様相。

 

改札~3番出口間のパネルも、当然の如く、日本ハムが居なくなった分札幌の独占状態に。
ただクソンユンや小野・深井・中島らこの日ベンチ外だった選手が目立っていたのが何とも

割り当ての余裕が出来たのか、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(以下ミシャ)も満を持して登場しておりました。

エスカレーター前のパネル。
「○○、世界へ」というフレーズは、「柏から世界へ」(2018年)の如く何かのフラグと思えて不安で仕方無いですが気にしない。

行列を避ける意味合いも兼ね、駅直結のイトーヨーカドー内にあるドトールコーヒーショップに入り、アイスコーヒー一杯で一服。

この店内から、ドームに向かわんと足を動かしているサポーターたちの姿を見るというロケーションは、嫌でもテンションを上げさせるのに十分足るものでした。

休息もそこそこにいざドームへ。

入場前に見学したメモリアルコーナー、去年の札幌ドームMVPの栄冠(?)には青木。

こうしたロゴの表記も、すっかり札幌一色に。

移転した日本ハムを弄るのはこれまでにして……

今後の観戦の際に壁になりそうなのが、今季から札幌でも導入した、ダイナミックプライシングシステム。
いわゆる価格変動制であり、それに伴い全体のチケットの値段も一回りアップといった感じに。
とてもじゃないがメインスタンド側は手を出せそうにない、という事で、約2週間前に取ったバックスタンド側(カテゴリー3)チケットは4800円(手数料などは抜き)でした。
前回FC東京(味の素スタジアム)のバックスタンド側のお値段と比べても、かなり強気なものであり。
果たしてこれが観客動員の足枷にならなければ良いですが。

おかげで今回も電光掲示板はこんな感じで見辛い角度ですが、これに関しては思わぬ形で解決を見せました。(後述)
尚この映像の方は札幌OBの石井謙伍氏で、試合前のイベントに河合竜二氏に呼ばれる形(勝手な想像)で参加。

さて入場を果たすと、ゲートから直ぐのブースでお仕事をしているこの方の姿が。

説明不要のドーレくんであり、こうして我々の間近に姿を現すのは何時以来か……と感慨深く。

試合開始まで1時間以上前、という早めの段階でピッチを周回するドーレくん。
練習中にスタメン紹介を行う札幌ならでは、といった所でしょうか。

 

やっぱりマスコットの存在感は良いものです。(何がだ)

席に着き、現地に来たからには楽しむべきスタジアムグルメ。

コンサドーレ太鼓判メニューからの選択。
とは言っても、その名の通り「赤・黒カラーに染め上げられた」食品。
これが味の方にも影響するのは言うに及ばず、特に赤カラーは「甘・辛」がメインとなる、人を選ぶものに偏ってしまうのが悩み所。

熟考の結果、黒カラーの趣が強いものを選び「BLACK担々焼きそば」。
それでもその名称の通り、辛味がそこそこにありましたが。(カレーでいえば中辛レベル)
黒要素であるこの真っ黒い麺はイカスミ味と、こちらも人を選びそうな味付けですが個人的には嫌いでは無く。
これとハンバーガー1個を合わせて食し、腹ごしらえは万全。

ふと福岡サポーターサイドのスタンドを見ると、その断幕にはえげつない文字が。
「九州独立」との事です。(まあ20年以上前から使用されていたフレーズですが)

試合に向けて、メモの準備をするか……という所で一悶着。
持ってきたボールペンが、何とインクが出ない事態が発覚して大慌て。
心中穏やかでは無いといった状態で、席を立ち「コンサドーレオフィシャルショップ」でペンを購入する事にしました。

余談ですが、このショップは前年までの「GOODS JAM」の場所に作られたもの。
これから札幌がドームを席捲していくという形が名実ともに現れているようであり。

ドーレくんのイラストがプリントされたボールペン、600円なり。(税抜、自宅で撮影)
完全なアクシデントによる出費ですが、まあご祝儀代わりという事で……

店を出て再度席に着いた際には、既に13時過ぎ。
程なく練習開始となりました。

 

ピッチに登場後、全方位に頭を下げる選手達と、それに赤黒のフラッグ総出で応えるサポーター。

一方登場するやいなや、一目散に(といっても歩いて)福岡サポーターサイドへの挨拶を最優先する福岡選手。

その後に全方位、さらには札幌サポーターサイドに頭を下げ。
これには拍手が起こる……と同時に少量のブーイングも混じるという、やや困惑気味の札幌ゴール裏。

余談ですが、この札幌サポーターの「ブーイング文化」と言うべきでしょうか。
以前に(コロナ禍前ぐらいか)顕著だった「相手選手が練習に姿を現した段階でブーイングを起こす」という行為は、個人的に好きになれません。
対象が鹿島・浦和といった歴史のある強豪ならば、「その威光に負けない」意気込みを示すもので悪くないと受け取れるのですが……。
自分が以前観た松本戦(2019年)でも、明らかに立場が劣る松本に対してそれを敢行していたのは、マイナスイメージの方を強く感じてしまいます。
まああくまで個人的な感想なのですが。

そんな事を考えつつ、迎えたスタメン発表の時間。

「まずはアウェイのアビスパ福岡」というDJのアナウンスの際にも、ひとしきり札幌サイドから起こるブーイング。
その中でも、元札幌である奈良・前のアナウンスに対しては拍手。

そして例によって映像付きの、札幌の選手紹介。

一部アニメーションも取り入れられており、このシーンの際に、顔をやや下向きの位置から上げるというものが。
演出面もそれなりに頑張っている趣が感じられました。

今季が6年目と、広島・浦和時代と同レベルの政権の長さとなったミシャ監督。(尚DJのコールは、「ミハイロ・『ミシャ』・ペトロヴィッチ」というものでした)
今季限りとなるかどうかは札幌フロントの姿勢次第なのでしょうが、少なくとも『その時』が、浦和時代のような「成績不振による、サポーターとの喧嘩の果てに采配面で自爆」というものでは無い事を祈るばかりです。


練習も終わり、キックオフ前にトイレに行っておこうという目的で席を立ち。
しかし上段に上がってみると、そこには「座席で選手入場シーンを迎える」という自分のプランを覆す絵図が準備されていました。

それはビッグフラッグであり、バックスタンド側に掲げる準備が行われており。
当然、人間を覆うように上部に掲げられるものであり。
映像を撮りたいという自分は反射的に、「たまったものでは無い」という思いに駆られ、その場から避難する事を決定しました。
そしてトイレを済ませたのち、自身初となる3階での展望に。迷惑な奴だ

いかにも写真を撮ってくださいというように設置されていたパネル。
ドーレくんの隣のキャラクターは、札幌ドームのオフィシャルのものであるチャームコロンだそうです。

この脇で、入場直前~直後にかけてひとしきりに撮影。

着席時に比べてはるかに見やすい掲示板の角度。
今度からここからの撮影をメインにしよう、と考えさせるのに十分でした。

試合前の映像の演出も、本当に頑張っているという気概が伺えるものであり。

ほぼ真上という位置からの、札幌サポーターならびにコンサドールズの姿。
これも自分にとっては、「どうして今まで……」と思わざるを得ない斬新なもの。

しかし選手入場は、バックスタンドからよりさらに極小のものとなり。
尚キックインのような場所に居るキャラクターは、北海道新聞社のものである「ぶんちゃん」。

こうした真新しい光景を与えてくれて、ある意味感謝しなければいけない対象であるビッグフラッグのお姿。

この後慌てて戻り、何とかキックオフ直前で着席。


この日のスタメン。

札幌はGKクソンユンがベンチ外となり、開幕節以来のスタメンとなった菅野がGK。
故障で無いのならば、4試合で10失点の惨状ではある意味仕方ないと言える交代劇でしょうか。
また中村桐耶の出場停止(前節一発退場)を受けて微調整の果てに、ルーカス・フェルナンデスが左ウイングバックで今季初スタメン。

一方の福岡は、前節の4-4-2から3-4-2-1へとシステム自体を弄り。
三國ケネディエブスをセンターバックに使う事でそれを果たし。
頂点の1トップは当初ルキアンでしたが、のちに山岸と入れ替わっていました。

お互い3-4-2-1(札幌の方は駒井が1トップなため、実質0トップかも)のミラーマッチといえる布陣で、迎えた試合開始。

最初にクロスに辿り着いたのは福岡(前半2分、左から小田のクロス)でしたが、その後は札幌が攻勢に入り。
福岡がロングボールを蹴り、それを跳ね返される事によって、前に向けたベクトルの逆を突かれるという流れとなります。

そして早々の5分に札幌が先制点に辿り着き。
試合前に気になるデータを見たので、乗せておきます。(多謝)

この札幌の「ロングパス総数リーグ2位、にも拘らず成功率が15位」という懸念を持って、観戦していた自分。
ある意味パターン化している、「右サイドの金子へのロングパス」への傾倒がこういう数字を招いていると推測します。
しかし、GK菅野のフィードが左サイドの菅に渡り、そこからさらに菅がサイドチェンジのように右へロングパス。
これが金子に綺麗に渡ると、得意のドリブルで奥へと切り込み、小田を振り切った末に右ポケットからマイナスのクロス。
ディフェンスに当たってこぼれるも、すかさずシュートしたのは荒野。
鮮やかにネットに突き刺さり、試合前の懸念を振り払うかのようなロングパスの連続からの好機で先制しました。

その後も福岡の攻撃があっさり跳ね返される一方で、流れを掴む札幌。
金子のドリブルは以降も冴え渡り、その突破力を防がんと小田・三國の2段構えで対策せんとする福岡ですが状況は悪く。
何度も右サイド奥からクロスに持ち込まれます。

そして迎えた13分、今度は浅野のドリブルからの好機で、左ハーフレーンで受けた青木がポケットへスルーパス。
奥へと走り込んだルーカスがグラウンダーでクロスを送ると、エリア内へ入り込んでいた浅野のシュートでゴールネットを揺らします。
敵陣でこれだけ縦横無尽に展開されれば、堅守の福岡サイドも成す術無いといった形で、早々に2点リードを奪った札幌。

反撃を試みたい福岡、18分に紺野のドリブルが反則で止められ、エリアからすぐ手前・左ハーフレーンからのフリーキックに。(正直、相手のセットプレーの際にも札幌サポがブーイングを上げるのは勘弁……)
キッカー中村駿はクロスを選択し、跳ね返りを前がダイレクトでエリア内へ縦パス。
これをルキアンがさらにダイレクトでシュートにいきましたが、ミートせずGK菅野がキャッチ。

その後もひとしきり札幌が押し込む展開となり、冴え渡る金子のドリブル。
前掛かりになる分、三國が金子との一対一を強いられる場面が膨らみ、そしてそこで振り切られる三國といったシーンが頻発します。
入れられるクロスを何とかクリア、という守勢を強いられる事で、札幌のコーナーキックの場面も膨れ上がり。
そこから跳ね返りを金子のミドルシュート(19分・31分)や、岡村のヘディングシュート(31分)という具合にフィニッシュを重ねていき。

さらに福岡はアクシデントにも見舞われ、38分には中村駿が足を痛めてしまったようで続行不可能に。
早々に交代カードを切らざるを得なくなります。(田邉と交代)

その交代の直前に、間が空いたので撮ってみたメンバー表。
前年までの簡素な表記(黒が背景)から一新と、やはり今季は色んな意味で再出発といった札幌クラブ並びに札幌市の意気込みが感じられました。

田邉投入後も、ロングパスを金子に通されて危機を招く流れは変えられない福岡。
アディショナルタイムにようやくいい流れが巡って来るも、敵陣右サイドでのボール奪取から、山岸→紺野→ルキアンと経由して放たれた決定的なシュートは枠外に。
そしてその直後、札幌・浅野のドリブルを反則で阻止した三國が警告と、とうとう後手に回るディフェンスによる被害が出てしまいます。
そして2-0のまま前半終了。

迎えたハーフタイム。
心の中で「警告も貰った事で、長谷部茂利監督はその三國に代えて4バックにするであろう」という予測を勝手に立てる自分を余所に、ピッチ内に現れるドーレくん。

そして始まる、コンサドールズとのダンスパフォーマンス。

バックスタンドから、反時計回りに周回し、最後はメインスタンド側で締め。

そんな彼女らを余所に、頭の中は三國交代という一色に染まる自分。
仮に警告が無くても、金子の跳梁を何度も許している状況では避けられないものでしょう。

その予想に従うように、ピッチ内で練習していたアクシデントにより既に1人少なくなった福岡リザーブは、札幌サイドを余所に早めに切り上げてベンチに帰還。

そして後半開始の時を迎え、予想通りに掲げられる交代ボード。
三國に代えて金森が投入され、前節同様の4-4-2となって後半に挑む福岡。
一方の札幌も、離脱明けという要素のルーカスに代えてキムゴンヒを投入。
これで青木が左WBに回り、こちらもポジションチェンジを交えました。

大きく動いてきた福岡サイドに対し、札幌の対応力が問われる立ち上がりとなった後半。
しかしその辺りは、流石ミシャ氏のチームと言うべきか、残念な出来となってしまいます。

いきなりの後半1分、福岡は左サイドでの前進、右サイドハーフになった紺野が逆へと張り出して攻めに関わり。
金森がドリブルで奥を突いたのちのパスからダイレクトでクロスを入れる紺野。(中央のルキアンには僅かに合わず)
福岡の変節に対し、守勢を強いられる事に。

そして6分に素早いFKでのリスタートから、金森の中央のドリブルを経て右へと展開、今度は同サイドで受けた紺野がクロス。
これをファーサイドで山岸がヘディングシュートを放ち、GK菅野の上を抜いてゴールネットを揺らします。
サイドを数的優位で踏襲される攻撃に対処が遅れる、という結果を招いてしまった札幌。

1点差に迫った福岡、さらに8分に左サイドから金森がクロス。
ファーサイドでルキアンが合わせにいくも青木がカットし、それを眼前で見ていたルキアンがハンドのアピールをするなかプレーは続き。
尚もマイボールにした福岡ですが、キムゴンヒに奪われて札幌のターンになると、拾った浅野がすかさずロングシュートを狙います。
これが見事に奏功し、GK村上の上を抜いてゴールに入り。
とんでもないロングシュートに沸き上がるスタンドですが、ピッチ脇では長谷部監督が青木のハンドを訴えてヒートアップ。
この影響か、VARチェックののちにOFRが行われ、緊張の一瞬となるスタジアム内。

そしてその結果、やはり青木がハンドを取られ、しかもその場はまごう事無きエリア内であり福岡のPKに。
札幌サイドは追加点が幻となったのみならず、一転して同点の危機となってしまいました。
これをキッカーのルキアンがしっかりとGKの逆を突いて左へ蹴り込み、あっという間に同点とした福岡。

続く14分にも右サイド奥から金森がマイナスのクロスを入れる等、前半とは一転して福岡がサイド奥を突く絵図が中心となり。
それでも札幌は落ち着き、田中駿太のサイドチェンジなど、前半通し続けていたロングパスを中心に組み立てて攻撃権を取り戻します。
当然金子の突破も忘れずに、福岡ディフェンスに択を見せ続け。

福岡ベンチは23分にさらに動き、小田→前嶋へと交代。
これにて湯澤が左サイドバックに回り、守備強度の高い湯澤を置く事で金子への対策としたでしょうか。

一方の札幌、同点となった直後(13分)に駒井→宮澤。(青木がシャドーに回り菅が左WB・福森が左センターバックへ)
25分に福森→スパチョークへ交代(再び青木が左WB・菅が左CBへ)と、着実にカードを切っていき、他選手もめまぐるしくポジションが変わり。
福森というパサーが退いた事で、左サイドでのロングパスの出し手は以降菅が務める事となりました。

手当てした福岡ですが、以降も金子の突破力を受けて厳しいシーンが続き。
29分には湯澤が金子のドリブルに対する反則で警告を受けるなど、その個の力を前(選手にあらず)にして再び退潮していく事となります。

そして終盤戦を迎えるに辺り、35分に最後の交代。
ルキアン・山岸→ウェリントン・鶴野と、2トップ双方を代える策を敢行します。

しかし37分にアタッキングサードを縦横無尽にパスで繋ぐ札幌。
最後は右から金子が斜め45度からシュートを放つも、惜しくもゴール左へと外れという具合に、流れは依然として札幌のまま。
ジョーカー役を果たすべきウェリントンは、ロングボールの収め役を務めんとするも、前回述べたようにそのポストワーク・ボールキープ能力は陰りを見せており奪われるシーン数多で機能せず。

38分に札幌も最後の交代を行い、荒野と浅野に代えて馬場とミラン・トゥチッチ。
しかしこれ以降勢いを失って良き、こちらもトゥチッチはジョーカー役を果たせず。
アディショナルタイム初期に、岡村の縦パスをエリア内で受ける絶好機が巡ってきたトゥチッチでしたが、シュートは枠を捉えられず。

お互いジョーカー投入が勢いを削ぐ結果となる中、難儀なものとしたのが福岡のラフプレー。
チームが好調でも、前年顕著だったその流れは死滅していなかったという感じで、そのチャージを受けて次々と倒れ込む札幌選手。
特にキムゴンヒはハイボールの競り合いで悉く奈良のチャージを受け、その度に倒れ込んでしまうという絵図が発生。
その際に反則も取られずに不満を生むとともに、途切れるプレーで流れも悪くなり。

そしてATでは、とうとうその不満が爆発しミシャ監督がヒートアップして警告を貰い。
原因としては、福岡のファール(例によってキムゴンヒに対する前のチャージ)の際に、札幌はパスを繋げて前進したのも拘わらずアドバンテージは取られなかったという主審の判断。
これによりピッチ内に入り込んで異議を飛ばす事態となったミシャ氏。
その際に既にベンチに退いた荒野も異議で警告を受け。
その後札幌のスローインで、青木が左からロングスローを投げ入れ。
「あの札幌がロングスローをするのか……」という思いに駆られたのも束の間、ファーサイドへこぼれた所を、拾いにいった岡村が湯澤と交錯してしまい受けられず。
オブストラクションによる福岡の反則っぽいシーンとなり(反則は無し)、好機で判定に泣くシーンの連続に、当然スタンドからもブーイングがひっきりなしに響く事となりました。(こういったブーイングには頷ける)

そんなどす黒い空気が充満していく中、最後にやはり福岡の反則により、右サイドからのFKを得た札幌。
これが最後のチャンスといった感じでしたが、キッカー菅のシュート気味のクロスはクリアされて実らず。
タッチラインを割った所で試合終了を告げる笛が鳴り。
その瞬間大ブーイングが鳴り響く、札幌にとっては消化不良満載といった感じの引き分けとなりました。

こうした雰囲気故に、早めに立ち去るのが吉とばかりに、素早く席を立って帰路へ向かう自分。
試合の方は何とも言い難い内容でしたが、新生元年のような札幌ドームの歩みを確かめられたのは大きかった、という観戦になったでしょうか。


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2023年J1リーグ第4節 FC東京vs横浜FC in味の素スタジアム

2023-03-15 18:15:38 | サッカー観戦記

2度目の味の素スタジアム。
どうしても「また東京ドロンパに会いたいを観たい」という思いを抑えられず、東京へ旅立ち。
前回はまん延防止等重点措置の下での試合だったので、制限無しの今回はどれだけ熱気という破壊力に押される事となるか、期待と不安を抱いて味スタへと向かいました。

早朝に出発、午前9時発の飛行機に乗るという弾丸的な旅路を経て、割とスムーズに京王線・新宿駅へ。
しかしここで各駅停車に乗るというミスを犯し、道中何度も挟まれる通過待ちに苛立ち良い流れは途切れ。
耐えきれずに途中乗り換え、調布駅で再乗り換えを果たしたものの、乗った各停の列車は最初に乗ったもの(恐らく)というオチがつきました。
そんな赤面ぶりを発揮しながら、飛田給駅へと到達。

駅構内のパネルも、当然の事ながら一新。前回

道中は相変わらず青赤に染め上げられていたものの、違ったのは同じくスタジアムへと向かう人々の波。
当然ながら写真を撮りまくるという余裕は既に無く、混雑ぶりに冷や汗を掻きつつも入場時間(午後1時)前に何とか辿り着きました。

 

前回は閑散気味だったものの、制限が無くなった事で賑わいを見せる青赤パーク。
「求めていたものはこれだよ」という心の声を放ちながら、早速蝗の仲間入りスタジアムグルメを満喫する事に。
その最中、仕事へと向かうスーツ姿のOB・石川直宏氏らしき姿を見た事で高揚感は満天に。

ドロンパ大好きという思いが溢れた屋台構えのYASSカレー。

当然その姿に心を動かされ、即購入。
あまりに飢えていたのか撮影も忘れたようで、一口食した後の写真です。無事に蝗になれたようで何より
濃厚なルーと分厚い肉が織り成す上質なハーモニーに舌鼓。

今年のクラブのイチ押しはこの商品なのでしょうか。
ドロンパの後頭部が「ベビーカステラ」と再三弄られてきた成果がここに結集。
自分としても欲しかったですが、30個入りは流石に1人では無理という事で断念……。

1時を回りスタジアム入り、今回も席はバックスタンド。
やはり綺麗なピッチは視覚的に良い……のですが、試合中になると、その綺麗ぶりが逆に作用したのかスリップする選手が目立ちましたな。

貰ったMDPの表紙には、自分の一押しである東慶悟。
今季務めているアンカーの役割には、中々難儀しているようであり。

尚J1通算350試合出場を達成したようで、キックオフ前にはセレモニーが。

チェック済みの東京ドロンパ出没情報によると、1時半にコンコースに姿を現すとの事で、その時まで席で待ち。

しかしいざ時間にその場に行ってみると、人・人・人。
登場したドロンパの周りには、横浜FCのサポーターも加わり大密集を作り上げ、とても近付く事は出来ず。
結局ベビーカステラ後頭部を納める事で精一杯でした。

切り抜き。

そさくさと席に戻り、尚もスタジアムグルメを追加。

油そば。
既に卵黄がしおれ気味と作り置き感は拭えないものの、腹を満たすには十分。
カレーと併せ、ダブル炭水化物と相成りましたが気にしない。

この日のアウェイ・横浜FCのサポーター。(練習時間中に撮影)

そういや三田が前年までFC東京所属という古巣対決。
そんな事を考えつつ、ふとFC東京のゴール裏上部を見ると……

 

多種多様な断幕が並べられる中、目につく「TAMA」の文字。
愛称が「タマ」である三田の事か、と早合点。
その他が東京内の地名である事を考えると、「多摩」だったのでしょうな……。

「FC東京=○○」という認識が個人的に強い、「めちゃコミック」の看板。

大型ビジョンにひとしきりCM映像が流れ、印象的だったのはがん検診・腎臓検診といった医療系のもの。
やはり暴食したあとではその言葉は耳に刺さるものであり……という事を考えさせられながら、時間は過ぎていき。

そして練習時間がやってきました。

キーパー練習の最中の守護神ヤクブ・スウォヴィク。

この日もその最後の砦ぶりを存分に見せ付ける事となり。
チームがサッカー構築に難儀するなか、鉄壁ぶりは不可欠なものと化しつつあるようです。

練習風景が進んでいく中、メインスタンド側から本日の主役?が登場。

スポンサー様(恐らく)とガッチリ、という姿が納められたのち、場内一周へ移るドロンパ。
その足には得意のローラーブレードを装着したため、速い速い。

横浜FCサポーター前で、持ち味の深々としたお辞儀。

尚も滑るように周回し、とうとうバックスタンド側へ。

 

眼前で愛想を振りまくドロンパ。かわいい。

至福の時間は過ぎ去りこうしている間も時間は進み、練習は終了。

 

ボールパーソンの紹介、と同時に、現れた旗持ちのパフォーマーの集団。
一瞬「こんな派手な方々がボールパーソン?」と思ってしまう登場の仕方をしたのち、ゴール裏前でフラッグパフォーマンスを敢行します。
公式サイトによると、「Via Colorguard」というチームとの事。

そしてスタメン発表の時を迎え。

前回もその映像技術に感銘を受けたものですが、あれから2年が経ち尚も進化を続けた模様。 2年前 前年
今回は、東京内の街並みをバックにした選手アニメーションというコンセプトとなっておりました。

尚、↑の後に街並みに描かれるボールの軌道が挟まれるため、選手のアクションは「ボールを跳ね返す」ものに固定化。

そんな映像とともに発表されるFC東京スタメン。

若手主体に切り替わりを果たしているのか、見慣れない顔ぶれが並び。
その先駆け的存在の松木は、U-20代表に選ばれているのでこの日は不在でしたが。

そんな訳で、理想のサッカーを落とし込むために、手垢のついていない選手で補おうという節が見受けられるアルベル監督。(安部が故障中など離脱者の関係もあるでしょうが)
果たしてその成果は実るのか。古巣の新潟より順位が下というのは格好がつかないでしょうし

そしてユルネバこと「You'll Never Walk Alone」を聴いたのち、選手入場の時が。

この辺りは、メインスタンド側で無いと十分に雰囲気を堪能できないポイントでしょうか。

選手紹介からここまでの間にも、グラウンド周囲でパフォーマンスを貫いていた「Via Colorguard」の姿には脱帽せざるを得なく。

戦場に赴く選手達を見守るドロンパ、ピッチに入る事が出来ない自身の立場がひしひしと感じられてしまう一幕。
この後「気を入れるポーズ」とお辞儀をして、試合前のお仕事は終了です。

この日のスタメンは↓。

さてキックオフ。
スリップするFC東京選手の姿が見られるやいなや、不安の通りに横浜FCに押される入りとなり。
それでも前節と同等のスタメンの横浜FCは、山根の推進力を前面に押し出す攻め。
前半3分にはその山根のドリブルがエンリケ・トレヴィザンに反則で止められ、右サイドからのフリーキックを得た横浜FC。
そして三田のクロスをンドカ・ボニフェイスが合わせにいき、惜しくもミートせずという危険なシーンとなります。

しかしそれを払拭したのが5分。
自陣左サイドのスローインから、投げ入れられたボールをディエゴ・オリヴェイラが収めて繋ぎ、中央→右へと素早く経由。
その過程で中村帆高がパス&ゴーで右ポケットを突き、仲川のスルーパスからマイナスのクロスを入れると、エリア内中央に走り込んでいたディエゴの下へ。
そしてユーリ・ララをかわしたのちに放たれたシュート、ジャストミートせずもゴール左へと転がってゴール。
最初の攻撃を得点に結び付けたFC東京。

それでもビルドアップに苦戦気味のFC東京。
9分にはGKスウォヴィクへのバックパスがやや短くなり、小川航基が詰めにいくというシーンを招くと、次の瞬間ボールを蹴り出したスウォヴィクの足が小川航に入ってしまい倒れ込み。
しかし笛は吹かれず、これには横浜FCサイドは納得出来ず。
止む無くという感じでVARチェックが挟まれるも、結局反則無しに終わります。
命拾いしたFC東京に対し、しこりが残った横浜FC。
その影響か、11分には寺山に反則を犯したユーリが早くも警告を貰い。
19分にも三田が(小泉への反則で)警告という具合に、そんな感情が結果に反映される事となってしまいます。

それでもFC東京がもたつくうちに、同点に追い付きたい横浜FC。
23分には東慶の(長谷川に対する)反則で、中央からのFK。
それでも距離があるセットプレーであり、キッカー三田はエリア内への縦パスを選択。
するとディフェンスに当たりこぼれた所を、ユーリがフリーでエリア内で拾うという決定機を生み出し。
しかし放たれたシュートはGKスウォヴィクが至近距離でセーブと、ビッグプレーで窮地を防ぎます。

消化不良といった試合展開に、爽快さを齎したのが俵積田。
実績の殆ど無い選手ながらも、左サイド奥から果敢にカットインシュートを連発。
16分・18分と立て続けにサイドからエリア内を突いてシュートと、チームに勢いを与えんとするその姿勢はスタンドの心を打ったでしょうか。

そんな若武者に勇気を与えられたFC東京は、ハイプレスの姿勢を強めに掛かり。
しかしディエゴ・小泉がボランチを切り、2センターバックには両ウイング(仲川・俵積田)が詰めにいくというアンバランスぶりが感じられる方法を採り。
これがサイドバックに出された際に、中々横浜FCに詰まりを生み出せない要因となっていたでしょうか。
寺山が横浜FCの左SBにいく一方で、逆サイドにはバングーナガンデ佳史扶が上がって詰めにいく事でカバーせんとしていましたが、それが遅れると前に繋がれてしまう。

それでも、その中央への意識が高いウイングの姿勢が結果に繋がります。
27分、最終ラインでの繋ぎにディエゴがGKまで詰めにいった事で、ンドカ→岩武へのパスを仲川がカットと嵌めきり。
そしてシュートをゴールネットに突き刺し、今度は相手のビルドアップを破壊する形で追加点を挙げました。

しかし好事魔多しと言わんばかりに、35分には中村帆が故障を発生させたのを尻目に、その間にも続けられる横浜FCの攻撃。
小川航のシュートをGKスウォヴィクがまたもビッグセーブ(その後ポストを叩く)、しかし尚も攻撃は続けられ。
クロスをクリアしにいった寺山にシュートせんと振った三田の足が入ってしまう(反則)と、これに激高したのはスウォヴィク。
この一幕か、中村帆のアクシデントにも拘らず続けられた所為かは不明でしたが、その血の気の多さが異議による警告を招いてしまいました。
結局中村帆はここで交代となり、長友が投入されます。

ここでようやく、撮るのを忘れていたメンバー表示を撮影。
既にスコアが動き、交代も行われたとあっては怠慢ぶりは否めず。
バングーナガンデのフルネームが表示できない、というのがポイントでしょうか。

その後も俵積田のカットインが目立つ中で迎えた45分。
敵陣に進入しパスを左右に散らす横浜FC、右ポケット深めからのクロスに繋げると、入れられた中村拓海の低いクロスを木本がクリアミス。
これが直接ゴールに入ってしまい、オウンゴールという形で1点差となります。
アディショナルタイムにも小川航のミドルシュート(GKスウォヴィクキャッチ)など、反撃の手を緩めない横浜FCが後半に望みを繋げる終盤となりました。

2-1で折り返し、迎えたハーフタイム。
再び場内を疾走するドロンパ。

 

今度はスケボーに乗って登場と、都会の若者の如く振る舞います。

 

そんな都会タヌキボーイ、ゴール裏では音楽に合わせてダンスする姿も披露。

その裏で両チームとも動き、後半開始と同時に共に2枚替え。
FC東京は寺山・トレヴィザン→塚川・森重。
横浜FCは山根・ユーリ→山下・井上。

そうして始まった後半。
横浜FCは、投入された井上が絶妙な位置取りでボールの中継点を務め。
セカンドボールの拾い、ボールカットした味方へのパスコースなど、潤滑油をこなす事で反撃の足掛かりとします。
対するFC東京は、前半と同様俵積田の勢いは止まらず。
後半7分のカットインシュート(枠外)を皮切りに、10分には長友のボール奪取からのパスをエリア内で受け、そのまま中央からシュート。(GK永井セーブ)
続く11分にもスローイン→フリックでの繋ぎを受けてシュート(ブロック)と、重ねられる俵積田のフィニッシュ。

地味な横浜FCに対する派手なFC東京といった図式で、打ち勝ったのは派手さだったでしょうか。
15分にコーナーキックを得たFC東京、これまではバングーナガンデがキッカーを務めていたものの、この場面では東慶が蹴りにいき。
そしてゴール裏サポーターを煽ったのちにクロスを入れる一幕を演じます。
これは繋がらずも、雰囲気を作り上げると結果が出るのも早かった。

続く17分敵陣でボールを拾ってから右サイドへ展開、長友のクロスをヘディングで合わせたのはディエゴ。
綺麗にゴールゲットし、再び2点差とします。

自身はゴール出来ずも、チームの上げ潮に一役買った俵積田。
20分にディエゴのスルーパスに走り込み、エリア内からシュートという好機を迎えたものの、ブロックに遭いここもゴールならず。
この直後にお役御免となりました(アダイウトンと交代)が、十分過ぎる活躍だったでしょう。

一方何とか食らいつきたい横浜FCも、22分に再度2枚替え。(坂本・橋本→カプリーニ・林、山下が右サイドハーフ→左SHへシフト)
直後にエリア内から小川航のシュートが生まれるも、ブロックののちGKスウォヴィクがセーブと寸での所で防がれ。

28分にバングーナガンデが足を攣らせてしまい、再度アクシデントによる交代。(荒井と交代)
これで先に交代枠を使い果たしますが、折りしも直後に横浜FCも最後の交代。
長谷川→伊藤と、結局横浜FCは順序こそ違えど、前節と交代メンバーも同一となりました。

荒井の投入により、長友が左サイドへと回り空いた右SBには小泉。
そして荒井が右の位置に入り、左サイドでプレーする仲川を見て……そうなるとディエゴとアダイウトンの2トップか。
そんな風に頭を回転させていると、その後もアダイウトンが左サイドに張る場面が多く。
どうやら仲川をトップ下とした4-2-3-1へとシフトしていたようでした。

その新布陣から、32分には敵陣でディエゴがポストプレイののち、仲川浮き球パス→アダイウトン落としを経てエリア内奥へ走り込むという決定機。
「まさかハットトリックか?」という思いの中、放たれたディエゴのシュートはゴールポストを直撃(その前にアダイウトンがオフサイドらしい)と、そうは問屋は降ろさず。
40分に今度は仲川のスルーパスをアダイウトンがエリア内左で受けるも、シュートはGK永井がセーブ。
前掛かりになる横浜FCの裏を突くような好機を作っていきます。

苦しさが滲み出る横浜FC、35分にカプリーニのミドルシュートが放たれるもGKスウォヴィクがセーブ。
次第に個人技頼みの攻撃を強いられ、既に交代枠も無い状況のなか、終盤にはSH同士の位置を入れ替え。(山下が右・カプリーニが左)
前節も度々見られたこのポジションチェンジですが、効果的かどうかは不透明。
42分にその山下が長友の裏を突いてスルーパスに走り込む場面もありました(戻った長友に防がれCKに)が、有効打とはならず得点に辿り着けません。

突入したATでも、アダイウトンの左奥からのマイナスのクロスに仲川が合わせシュート(ブロック)と、迫力ある攻めを見せるのはFC東京の方。
横浜FCはクロスのこぼれ球を拾った中村拓がシュート(ブロック)と一矢を放つも、結局攻勢の流れは作れず。
試合終了の時を迎え、3-1でFC東京が勝利に辿り着きました。

ホームチームが勝てて良かった、という思いとともにスタジアムを後に。
しかし帰路の人流は想像以上であり、満員電車にももまれ、既に心身に余裕は無く何とか都内の宿へと辿り着きました。

 

(終)

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2022年J1リーグ第21節 北海道コンサドーレ札幌vs鹿島アントラーズ in札幌ドーム

2022-07-11 16:01:36 | サッカー観戦記

そろそろリーグに置いて目に見えた優劣が付いてくる時期であり。
その例に漏れず、残留争いに巻き込まれるかどうかという瀬戸際の札幌が、この日挑むのは優勝争いに参加中である鹿島。
前半の対戦時(13節)には1-4というスコアで鹿島が勝利とあって、札幌サイドからは悲壮感漂う、といった試合前の予想でしょうか。

この試合も札幌が負けるようであれば、いかに名将ミハイロ・ペトロヴィッチ監督といえど、これ以上指揮を執るのは難しい立場になるのでは無いか。
つまり残留に向けた戦いへのシフトと、そのための監督交代の断が下される、といった予想を脳内で勝手にしてしまう自分。
そんなタイミングで、この日の場内イベントは札幌のスポーツ大集合というべき企画であり、何処と無く何かが起こりそうな予感を感じつつ札幌ドームへ。浦和時代最後の試合のような3枚替えに匹敵する自滅采配とか

試合前に覗いたメモリアルコーナー、前年に志半ば(?)で逝去した石水勲氏のパネルが飾られておりました。

一般入場(11:30)前に現地着した事もあり、何処かでゆっくりしたいという思考に陥りましたが、この時とは違いレストランはドーム内側からしか入れなくなっており不可能に。
暑さもあり体力的な消耗甚だしい、といった状態で何とか入場しました。

バックスタンドややアウェイ寄りの高目の席。
ピッチへの俯瞰の視点を確保したのは、町田・千葉での観戦経験から、それ無しでは耐えられなくなっているからか。

そして犠牲になるのは電光掲示板の視点であり。
メンバーが表示される側がこれではキツイ。
良いとこどりをするには、対価を支払う(=メインスタンド側で観る)のは必然という事を改めて思い知るに至りました。

この日のスタジアムグルメ。
今季のコラボ商品にそそられるものが無かった(以前あったはずのラーメンが無かった)ので、選択したのがカツ丼。(出来立てかつリーズナブルで美味しうございました)
というか、赤黒カラーが主体な以上どうしても辛系・スイーツに偏るのは必然でしょうな……

何となく撮った、リボンビジョンに表示されたサッポロビールの広告。
早く呑みに行きたいという思考に囚われている男と化しているのか。

そんな事を考えつつ、疲労による眠気にも襲われた結果、ドーレくん(と、日本ハムのマスコットであるポリーポラレス)の場内一周を見逃してしまっていました。(見つけた時はバックスタンド側から去ろうとしていた姿)
心の中で狼狽しつつも、イベントが始まり。
「あいプラン LOVE&THANKSマッチ」と釘打たれたのに従い、タキシード姿となったドーレくんが印象的なワンシーンが描かれたのち、メインイベントの時間に。

メインスタンド側で行われた(当然)ので、バックスタンド民は電光掲示板を頼りにするしかない。
左=日本ハムOB・谷口雄也氏、中央=レバンガ北海道・桜井良太選手。
そして右がお馴染みの河合竜二氏と、野球・サッカー・バスケのプロスポーツ3機軸を中心としたトークショーでした。

道中、マスコット3体も加わった姿。(日本ハム=ポリーポラレス・レバンガ北海道=レバード)

のちにポッカサッポロによる表彰式が行われ、前回に観たマスコット・リボンちゃんが現れたのですが、このためだけの登場だったようで上記3対とのコラボは無し。
本格的に「北海道のマスコット大集合だな……」と思わされたのはフェイクか。

そんなイベントの最中にピッチ内で目を惹いたのが、少年・少女によるピッチへの散水。

 

微笑ましいの一言であるシーンでしたが、同時にピッチ状態のムラを心配してしまい。
主に鹿島サイドの低調ぶりが目立った、その試合内容への影響は果たしてあったのか否か。

イベントが終わった事で、再びタキシード姿になり、ピッチ内中央で待つドーレくん。
待っていたのはお馴染みコンサドールズのパフォーマンス。

 

宙返りなどといった、やけにアクロバットな演技が多くなったのは気のせいか。
その筋っぽい男性2人が加わっていたのもありましたが。

終了後もピッチに残り、何やら闊歩するドーレくん。
その先に居るのは……

アウェイの鹿島サポーターの一団。(練習時間の際に撮影)
その熱狂的な集団の前にも臆せず(?)、一礼を行うドーレくんでありました。

そして練習時間。
GKの登場を経て、フィールダーが現れた際、一斉に動きを示す札幌ゴール裏サポーター。

一斉に赤黒のフラッグを振り回し。
絵的に美しいと感じるか、はたまた見苦しいと感じるかは人それぞれだと思いますが、個人的にはやや後者よりですかな……。
やっぱり絵的にはコレオが一番、という個人的感想もあり。

札幌・鹿島ともに体幹運動・サーキットを入念に行うといった練習風景。

そしてメンバー紹介の時間が訪れ。
他クラブに比べて早いのは有り難くもあり、反面練習が観れなくなるという思いもあり。写真撮らなければ良いだろ

鹿島の紹介の際に、前甲府・中村亮太朗の名前が読み間違えられた(「ゆうたろう」と呼ばれた)という一幕もありつつ、ホームチームの紹介へ。

今年は前年の灰色ベースとは打って変わって、本来のカラーである赤を前面に押し出したのですね。

「何でも出来る」選手である駒井ですが、チーム状況が状況だけに、「何でもやらなければいけない」ように見えてしまうのは気のせいか。
この日はシャドーでの登録っぽかったものの、実際は最終ラインに降りる事が多くボランチの仕事ばかりとなっていました。

同じく複数ポジションをこなす、ないしはこなさなければならない高嶺。
この日は普段福森の居る左センターバックで出場。
これが終盤戦で劣勢を招く伏線となった感がありましたが、果たしてミシャ氏の意図はどうだったのか。

1トップのベテラン・興梠、完全移籍への移行、はたまた「ローストチキンコオロギ」の札幌支店の誕生はあるのかが個人的に気になります。(どうでもいい)

練習の最中のスタメン紹介により、すっかり脇に置かれる感じの練習風景。(自分もですが)
そのため、暫くして響き渡った「練習時間終了となりました」というDJのアナウンスが何ともシュールに聞こえ。

その後ボールパーソンの紹介(札幌スポーツ&メディカル専門学校のメンバー)を経たものの、やや冗長に感じる選手入場までの間。
果たして早めの選手紹介は功罪どちらに振れているのだろうか……といった事を考えつつ、迎えた選手入場~キックオフ。

この際も、タキシード姿のままのドーレくんでありました。

 

両チームの円陣を経て、キックオフの時間へ。

メンバー表は、前述の通り電光掲示板が見えづらいという事で、手書きで。

<札幌> 3-4-2-1
GK 菅野
RCB 田中駿太 CCB 岡村 LCB 高嶺
RWB 金子 DH 駒井 DH 宮澤 LWB 菅
IH 荒野 IH 青木
FW 興梠
<鹿島> 4-4-2
GK クォンスンテ
RSB 常本 CB 三竿 CB キムミンテ LSB 広瀬
RSH 和泉 DH ディエゴ・ピトゥカ DH 樋口 LSH アルトゥール・カイキ
FW 土居 FW エヴェラウド

札幌はいつものフォーメーション、といっても相手に合わせるように4バックの形を取るので、宮澤を実質CBとしたような位置取り。
一方の鹿島、トップスコアラーであった上田の海外移籍という要素もあり、鈴木の欠場と相まってFWが貧弱な印象を受け。
2年前のストライカーであったエヴェラウドの落ち込みぶりは謎ですが、やや持ち直してきた最近(2試合連続ゴール中)を経てのスタメン復帰で、名誉を回復できるかどうか。

試合が始まり。
順位的に力の差が大きそうな両チームでしたが、そんな危惧とは裏腹に、札幌が押し気味に試合を進めていきます。
鹿島はロングボール主体の攻撃が巧く繋がれば……といった攻め方で、かつプレッシングも今一つ掛けられずに札幌の敵陣での展開が多くなり。
この辺は上田移籍も含めてのメンバー再構築の影響か、はたまた中3日という日程の所為なのか。
目立つのは、デュエルの部分で反則を取られたエヴェラウドが苛立つシーンばかりとなりました。

札幌は普段の武器、というかそれしかない攻撃パターンと化しつつある、フリーの右ウイングバックへのパス出しを抑え気味にして展開。
金子が右サイド前線で一人佇むという状況であっても、そこにロングパス・ミドルパスを送る事を我慢しているかのような立ち上がりとなりました。
そんな変節も奏功したかペースを掴み、前半5分には菅→荒野→金子と繋がって、金子がシュートを放ち先制攻撃。(枠外)
7分には右からの金子のスルーパスを受けた興梠、エリア内に進入してシュートを放つもオフサイド。

鹿島は中々ボールを前に運べず、ロングボールを前線に送り込んでも、生み出されるのはエヴェラウドのストレスといった感じ。
競りにいって相手を倒してしまい、反則ないしは一悶着起こすといったシーンが相変わらず続きます。(18分にはその流れで、痛んだ岡村が一旦ピッチ外に→すぐに復帰)
何とか縦に速い攻撃を繰り出すも、スルーパスがカットされたりオフサイドになるなど不発。

そんな鹿島を尻目に19分の札幌、青木のポストプレイから中盤で繋いだのちに金子へのミドルパスを使い、受けた金子が上げたクロスから興梠がヘディングシュート。
眼前でブロックされたこぼれ球を田中駿がミドルシュートするも、これもエリア内でブロックに阻まれます。
思わぬ劣勢を強いられる鹿島は、エヴェラウドの苛立ちが伝染するかのように反則を量産してしまいリズムを得られず。
27分には菅を倒してしまった和泉に対して反則・警告。

札幌の攻撃の橋頭堡である金子は、普段ならカットインからのシュートを狙う所でも、ボールキープや利き足とは逆の右足でのクロスを中心とし。
そして上がって来る荒野との関係性を発揮し、右サイド奥で絶好機を齎すシーンが目立つも、ゴールは奪えず。
40分にはその金子がカットインからバックパス、走り込んだ田中駿が再びミドルシュートを狙いましたが、エリア内の宮澤に当たった?事でオフサイドとなる不運もあり。
これで前半は打ち止めとなるも、終了間際(45分)には金子のドリブルを反則で止めた広瀬が警告を受けるという具合に、鹿島の被害の広がりは止まらず。
そのまま終始札幌優勢といった前半が終了しました。

メインスタンド側でダンスするマスコット3体。

「ここがゴール裏、これが熱狂的な札幌サポーターだよ」という、ドーレくんの2人へのセリフが聴こえそうなワンシーン。
そしてバックスタンド側に来る……かと思われましたが、あろう事かここでUターンの運びとなり、こちらの眼前には来てくれなかった。(泣)

迎えた後半、巻き返したい側の鹿島もベンチの動きは無く、ともに代わらぬメンバーでキックオフ。
そして早々の後半1分に、再びハイボールの競り合いで岡村を倒したエヴェラウド、とうとう警告を受けてしまい。
これにより後半の試合展開も、変わらず札幌優勢の流れに定まった感がありました。
結局何一つ良い所が無いまま、11分に交代となってしまったエヴェラウド。
安西と交代・同時に樋口→舩橋へと交代した事で、FWにカイキがシフトする運びとなりました。(安西は左サイドハーフ・舩橋はボランチ)

しかし札幌も中々得点に辿り着ける機運が高まらず。
15分には宮澤の左サイドからのグラウンダーのクロスを合わせにいった菅、シュートはミスキックとなりミートせずに終わるなど、ここ最近の不振が最後のシーンに影響してしまっているのか。

そんな流れを変えるべく、18分に荒野→福森へと交代した札幌。
当初はその福森が本職の左CBに入り、高嶺が一列上がるといった布陣を取りました。

前半は抑え気味だった金子へのパスを、徐々にメインへと押し出して攻めにいく札幌。
その金子からクロスが山ほど上がりましたが、シュートには繋がらず時間を潰していきます。
28分には高嶺のドリブルが鹿島・常本に反則で止められた事で、左サイドからのフリーキック。
蹴るのは当然福森(彼の出場以前のキッカーは菅)で、クロスがクリアされたこぼれ球を金子がエリア内右からシュート。
しかしブロックに阻まれてしまい、その後コーナーキックを2本続ける「プレースキッカー福森」の見せ場となるも、この流れでも得点出来ません。

守勢の鹿島、30分に再度ベンチが動いて土居→中村亮。(舩橋がボランチ→FWへとシフト?)
札幌も33分に動き、興梠→中島。
アンダー代表に選出された中島が久々に出場の運びとなり、刹那的にスタンドも沸き上がります。

しかしフォーメーションを弄ったのか、福森が中央、つまりボランチの位置でのプレーが目立つようになり。
反対に高嶺がスタート時の左CBの位置取りをするなど、コペルニクス的な転換が行われたようでした。
後からDAZNで観返してみると、25分の辺りからこの転換が起こっていたので、交代と同時のタイミングでは無かった事を付け加えておきます。
果たしてこれがベンチの指示なのか、それとも福森の攻めっ気によるピッチ内の自発的な動きだったのか。

当初はセットプレー攻勢もあり目立たなかったものの、35分辺りから福森の守備能力の不安がマイナスに働いてしまい。
札幌ペースだった試合が一変し、以降鹿島が怒涛の攻撃を見せる事となります。
福森なりにそれを防がんとしたのか、後方でボールを持つ鹿島に対して果敢にプレスに行く場面もありましたが、それをロングパスでいなされて裏を取られかかるといったシーンもあり。
また、ボールに異常が発生し交換が行われるという具合に外部的要因も発生した事もリズムを失うのに一役買ったでしょうか。

37分にはクリアボールが直接カイキに渡ってドリブル、エリア内右からシュートを放つもGK菅野がナイスセーブ。
直後のCKからもキムミンテがヘディングシュートを放つ(枠外)など、これまでのうっ憤を晴らすべく札幌ゴールに迫る鹿島。
しかし何とか最終ラインを固めた事で、鹿島もサイドからどうにかするしかない流れへと移り。
主に左サイドから、広瀬と安西の関係性で前進して好機を量産するも、中央でのパワーが足りずといった感じでゴールを奪えず。
引き分け濃厚の流れが大きくなるアディショナルタイム。(札幌は42分に青木→西へと交代)

結局、左サイドの安西が2本シュートを放つのみに終わったその後の鹿島のフィニッシュ。(いずれも枠外)
劇的な先制点を挙げるための土台は作ったものの、それを活かす事は無く。
スコアレスのまま試合終了の笛が吹かれ、ともに勝ち点1を分け合う事となりました。

一歩抜け出し気味の首位・マリノスを追う立場の鹿島は、痛い一戦となったでしょうが、連敗を止めた札幌も一息つくのは許されず。
神戸・清水の勝利により残留ラインも押し迫るといった状態で、やはり「完全に残留争いに巻き込まれた」と見るべきでしょうか。

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天皇杯 JFA第102回全日本サッカー選手権大会2回戦 北海道コンサドーレ札幌vs桐蔭横浜大学サッカー部 in札幌厚別公園競技場

2022-06-09 16:03:18 | サッカー観戦記

先週・今週と2度に分けられて行われた天皇杯2回戦。
先週の試合は全てのアマチュアクラブが敗れたため、ジャイアントキリング達成の期待はこの日残った3試合に掛けられる事となりました。

そして札幌の試合は、一見J1クラブvs大学サッカー部という、期待値があまり高くないであろう組み合わせ。
しかしリーグ戦では大量失点での敗戦を重ね、この試合と前後して開催されるルヴァンカップ・プレーオフステージでは、第1戦(広島戦)で0-3で敗れたため早くも敗色濃厚となり。
故障者続出という要素からも、チーム状態が良くないのは明らかであり、その間隙を突ければあるいは……という思いを抱きつついざ自転車で厚別へ。

道中、「白石こころーど」という名称のサイクリングロードの脇にある、札幌がスポンサードしているらしきスポーツ施設「サッポロ・イーワン・スタジアム」
FC東京における「FC東京パーク天神」に相当するものでしょうか。
長い一本道で時間と体力を支払いながらも、一時のサッカー気分を味わいつつようやく到着。

ピッチが遠いor低い……
前回の観戦が専用スタジアムだったため、覚悟していたものの落差の激しさにショボーンとなってしまい。

さて、この日の札幌の相手である桐蔭横浜大学。(以下桐蔭)
ホームページはプロクラブとも謙遜無い形式で、試合結果も載せられているものの、出場メンバーまでは記載されておらず。
そのため誰がレギュラーなのか、という事は全くの不透明な状態での観戦となり。
現在は関東大学サッカーリーグの真っ最中で、8節と9節の間という位置付けのこの試合。(しかし9節・東京国際大戦は延期になったとの事)

そんな状況故、遠い北海道の地に足を運ぶのはままならず。
応援席にはサポーターらしき姿は皆無で、断幕もこの一枚のみに終始する事となりました。
なお書かれている英語文字は、「タッチ&インテリジェンス」と非常に判り易いコンセプト。

さらに時間は進むと、桐蔭ゴール裏にも拘らず、札幌サポーターらしき姿がチラホラと。
「値段の安さでゴール裏を選択したけど、ホーム側の密が怖い」といった思考の表われでしょうか。
そんな訳で、スタンドからの後押しを得られない厳しい試合を強いられる桐蔭。

練習開始までは時間があるという状況で、桐蔭イレブンらしき人達がピッチ脇に整列に現れました。
学生チームっぽさが表れていて好印象。

スタジアムDJによる、両クラブのチーム紹介。
札幌の際には、しっかりと特徴である「オールコートマンマーク」というフレーズを交えて紹介されており。
未だに「攻撃サッカー」という使い古されたものが独り歩きしている(あるいは「ミハイロ・ペトロヴィッチ監督=攻撃サッカー」という認識から抜けられない)、TV民放のスポーツニュースにも聞かせてやりたい、なんて事を考えつつ時間は進んでいき。
あっという間に練習時間が到来しました。

練習前にゴール裏サポーターに一礼する札幌メンバー。
そんなほっこりする(?)場面も、桐蔭ゴール裏では前述の状況故必然的に行われず仕舞い。

それでも気丈に、黙々と練習開始する桐蔭メンバー。
シュート練習ではふかしまくっていた(というか、ゴール上部を狙う決まり事があったと推測されるぐらい)のが多少気掛かりでしたが。

そんな最中、札幌のホームらしく早めのスタメン発表が行われ。

 

前年の試合では、札幌に対して完全にソニー仙台FCがサイズ負けしており、それが中島の高さを止められずといった試合絵図を描く事となり。
しかし今年は(その中島がアンダー代表招集という要素もあり)それほど差は無く、しかもセンターバック・フォワードに1人ずつ180㎝越えが。
そしてトップの高さを誇るFW11番・寺沼の姿は、いかにもフィジカルが売りというハーフ。(名前は「シモン」と読むらしい)

これは彼のインターバルの際に給水する様子を撮った写真で、この体格を生かしたポストワークで、経験の浅いメンバーが勢揃いしている札幌ディフェンスをこじ開けるのが期待されます。

天皇杯という事で、登録ポジションとは無関係にしっかりとオリジナルフォーメーション通りに表記される各選手のポジション。(各ポジションとも右サイド・後方から順に表記)
これを見る限り桐蔭はオーソドックスな4-4-2と判断し、実際に試合に入りその通りと確信。

札幌は前述の通り、試合経験に乏しいメンバーが勢揃いといった感じのスタメン。
井川・西野・田中宏武の3人は新人(田中宏はリーグ戦で1試合出場あり)と、ルヴァンカップに備えてターンオーバー……という思考が浮き彫りであり。
しかしそのルヴァンカップも……というのはこれ以上は言いません。
なおベンチには福森・岡村・金子・青木と主力が並んでいる一方で、2種登録の佐々木・漆館が名を連ねるなど苦しいチーム状態が窺えます。

そしてキックオフの時間が迫り、選手入場に。

 

今年もドーレくんの姿は無し。
個人的には「応援の日常を取り戻す」のならば、声出しや入場制限撤廃よりも重要な要素だと思っている……というのは言い過ぎか。

なお風が多少出ていたためかそれとも西日を気にしてか、コートチェンジが行われました。

 

両チーム円陣が組まれ、いよいよキックオフ。

入りは札幌がボールを支配するものの、経験不足故か展開力に欠け、後方でボールを回す事に終始。
唯一新人で経験のある左ウイングバックの田中宏の突破力が光る、というぐらいの立ち上がりとなり。
ターゲットとなり得るドウグラス・オリヴェイラに対しても、中盤ではボランチが、前線ではCBがしっかりと付いて自由が与えられません。

そして攻勢に掛かる桐蔭。
やはりポゼッション能力でもレギュラーに見劣りする札幌、その隙を突いて前半8分に14番・白輪地が前線でボールを奪い、パスを受けた寺沼がシュート。
しかしGK松原のセーブに遭い、ファーストシュートでは得点出来ず。
いきなり肝を冷やした札幌は、以降リーグ戦さながらに、ロングパスをフリーの田中宏に通すという方法で好機を作らんとします。
中央CBを務める井川はフィード力に関しては問題無いようで、次々とロングパス・ミドルパスを通していき。
14分には藤村の中央のドリブルから左へ送られ、田中宏のクロスを大外で檀崎がヘディングで合わせましたが、ゴールに向かわず左へ逸れ。
この田中宏の左からのクロスに、檀崎がファーで合わせにいくという流れは何度か見られたものの、檀崎の存在感はそれだけといった感じで以降埋没気味に。

一本の道筋に縋るという札幌に対し、テンションを高める桐蔭は18分、寺沼の落としを拾った8番・山内がスルーパス。
これで完全に裏を取った白輪地がエリア内からシュートすると、ゴール上部を揺らし。
目論見通り経験不足の札幌ディフェンスの穴を突き先制点を挙げました。

反撃したい札幌でしたが、以降も左で田中宏の仕掛け一辺倒は変わらずで、クロスは上がるもののそれだけといった攻撃。
これは追加点がありそうだと思った刹那、迎えた23分。
今度はパスワークで札幌陣内に押し込む桐蔭、左サイドでの10番・水野のクロスはクリアされるも中央で5番・高吉が奪い返し、再びエリア内でスルーパスを受けた白輪地がシュートしてゴールを揺らし。
2点リードを奪い、勝利への機運を高める桐蔭。

過去の試合同様に、アマチュアクラブに大苦戦といった様相の札幌。
さらに桐蔭が左サイドで水野の突破力を押し出し攻める中、27分に反撃のチャンスが。
再びロングパスを受けた田中宏からクロスが上がり、GK北村海チディがパンチングで弾くも、そのボールをドウグラスがヘッドで押し込み。
しかしゴール前で17番・吉田にクリアされてしまいます。
これを逃した影響かまたも桐蔭ペースとなり、28分には桐蔭・高吉をファウルで止めた西野が警告を受け。
31分には再び敵陣でボールを奪った桐蔭、高吉のスルーパスでエリア内右を突いた6番・小関からマイナスのクロスが入ると、寺沼がニアで合わせシュート。
これで3点目かと思われましたが、シュートはゴールバーを叩いて惜しくも逃してしまい。

お互い一本ずつ決定的なシーンを逃したなかで、一向に流れを掴めない札幌は、これを境に一辺倒の攻撃を改め。
1トップの興梠が中盤まで降りて来てのポストプレイに活路を見出します。
これを期に中盤でボールを支配しつつ、田中宏を活かせるようになり攻撃権を独占していき。
30分台には押し込んだ末にクロスだけでは無くショートパスも交え、エリア内でボールを持つシーンを頻発させ。
そこから小野や興梠、ガブリエル・シャビエルがシュートを放っていきますが、桐蔭も決死のブロックで守りゴールは許さず。

劣勢となった所で、桐蔭はプレッシングにはいかずカウンターの機会を伺い。
そして41分に山内がボールキープののちスルーパスを送り、受けた寺沼がエリア内右へ運んでシュートを放ったものの枠を取られられず。
狙い通りに事を運んだものの、止めを刺し損なったといった感じの桐蔭。
結局0-2で前半を折り返します。

このスコアだけを見れば「勝利への進撃を」と盛り上がる後半となるでしょうが、如何せんまだ札幌には主力のベンチメンバーが控えている状況。
そして、「試合開始からハイテンションで挑んでくるアマチュアクラブ」という要素もあり、時間が経つにつれて優位性を失い後半脚が止まる危険性も孕むものであり。
つまりこのスコアはある意味必然であり、本当の勝負はここからという表現がピッタリな展開といえるでしょう。(先週の神戸vs富山が象徴的)

さて、ハーフタイムにミシャ氏のカミナリが落ちても無理は無いといった状況の札幌。
良い所を見せた田中宏・井川以外は総替えといった感じの4枚替えを敢行します。(小野は単に加齢故のスタミナ不足の感はありますが)
西野・中村桐耶・檀崎・小野→福森・岡村・金子・青木と、一遍にレギュラー選手を投入してゲーム性の逆転に掛かりました。
布陣はだいたいこんな感じでしょうか。
<後半からの札幌> 3-3-2-2?(3-1-4-2)
GK 松原
RCB 井川 CCB 岡村 LCB 福森
RWB 金子 DH 藤村 LWB 田中宏
IH 青木 IH シャビエル
FW ドウグラス FW 興梠
シャビエルが積極的に降りては、そこから長いパスでゲームを作るため、シャビエル・藤村のドイスボランチで3-4-2-1のままだったかもしれませんが。
一方の桐蔭も、小関→7番・笠井へと交代しました。

そして後半開始の笛が吹かれ、前半のような展開は望めなくなった桐蔭に対し、徐々に優位性を作っていき押し込む札幌。
「早く点を返さんとして焦る」という事も無い入りとなったのが奏功したでしょうか。
その成果となるコーナーキックを量産し、そこで冴えるのが福森のキックという二段構えの攻めでプレッシャーを与えていきます。(後半6分にはそのCKから、岡村がヘディングシュートを放つも枠外)

そして11分、敵陣でシャビエルがエリア内を突く低いミドルパスを送ると、3番・中野がカット出来ずに収めた青木が切り返しを経てシュート。
GKの後ろで30番・鍋田がブロックで跳ね返すも、そのボールを金子がダイレクトボレーで仕上げ。
プロらしい連続攻撃で1点を奪い、反撃の狼煙を上げます。

以降はひたすら凌ぎを強いられる桐蔭。
何とかリードを守らんとするも札幌の跳梁は止まずといった展開で、傍らから観ていた者としては「同点にされるのは仕方ないので、いかにリードの時間を長くして延長に持ち込むか」といったネガティブ思考も浮かんでしまう程でした。

既にターゲットにいい仕事をさせないという余裕も失われ、14分にはボールキープするドウグラスに対し山内が反則を犯してしまい、良い位置での直接フリーキックを与える事に。

キッカーは勿論この男。(右から2人目)

そして蹴った瞬間を撮ろうとしたが見事にブレてしまったの図。
動いているものを撮るのは難しいですな。

この福森のシュートは壁を掠めてゴール上部を脅かすも、GK北村がファインセーブで防ぎ。

それでもペースは一向に変わらず、後半開始から23分までに札幌が得たCKは7本にも昇りました。
そこから17分に再度岡村がヘディングシュートを放ちGK北村がセーブと、フィニッシュ数も膨らんでいき。
22分にはエリア手前から青木がシュート、ブロックされて尚もシャビエルがシュート、これもブロックと瀬戸際で何とか防ぐ桐蔭ディフェンス。
21分に2得点を挙げた白輪地を退かせるという選択を採ります。(16番・左部に交代)

しかし決壊は必然といった感じで、迎えた23分。
CKからの二次攻撃で左サイドからショートパス攻勢、興梠の縦パスを岡村がポストプレイで繋ぎ、受けた青木のシュートがゴールネットを揺らし。
残り20分強という良い時間で、試合を振り出しに戻した札幌。

この直後にドウグラス→漆館へと交代と、札幌は早くも交代枠を使いきり。
それでも2種登録の選手をピッチに送らざるを得ないという負の要素も交わった影響か、以降イーブン近い状態となる試合展開。
しかし金子が右サイドをドリブルで切り裂くシーンが増えていくなど、奥の手に関してはやはり札幌に軍配が上がったでしょうか。(特にこれまで散々左から攻めていただけに効果は抜群)

こうなると桐蔭サイドはジョーカーが欲しくなる展開。
35分に再びカードを切り、水野→28番・神田へと交代。
しかし札幌の圧力に対し、37分に札幌・井川のドリブルを反則で止めてしまった神田、早速警告を受ける破目となります。
39分には再び左サイドから攻撃する札幌、田中宏がエリア内左奥からマイナスのクロスを入れ、受けた金子が切り返しを経てシュート。
ブロックされたボールを興梠が繋ぎ、さらにシャビエルがシュートと連撃を放つもブロックで防がれ、集中力は依然途切れない桐蔭ディフェンス。

そして終盤を迎え、ついにその苦労が報われる時が訪れます。
44分、一旦攻撃が途切れたものの敵陣で山内が奪い返し、ドリブルを挟んでそのままスルーパス。
これがエリア内の寺沼に通り、ダイレクトで放たれた寺沼のシュートがゴール右へと突き刺さり。
一瞬オフサイドかと思われたもののゴールが認められ、副審に近い位置の札幌・福森が異議を唱えるも判定は覆らず、土壇場で勝ち越しを果たした桐蔭。

まさかの勝ち越しを許し、一気に敗色濃厚に追い込まれた札幌。
慌てて岡村を前線に上げてパワープレイ体制を採るのを尻目に、桐蔭は羽田→22番・田中大生へと交代し守備を固めます。

アディショナルタイムに入り、札幌が敵陣で攻めを展開するも、サイドからのクロスがやっとでシュートまで辿り着けずに時間が進んでいき。
そしてロングボールの放り込みも対処し続け、いよいよ勝利を告げる笛を聴くだけという状況に持ち込みますが……

時間も押し迫り、GK松原がロングボールを送るという一か八かの攻撃で、最後のプレーもここからでした。
松原のキックに札幌選手は誰も落下点にいけずという状況でしたが、GK北村の「流していい」というコーチングが響いたにも拘らず、クリアにいった桐蔭・田中大。(それ故に北村は前に出てしまう)
これが悲劇を招いてしまい、キックミスになった結果左サイドの田中宏に繋がれ、浮き球を合わせた岡村のヘディングが無人のゴールへと吸い込まれ……
まさかまさかの同点ゴールに、崩れ落ちる桐蔭選手達。
キックオフ直後に笛が鳴るという、まさにラストワンプレーのミスが分かれ目となってしまいました。

そして延長戦へ……

周囲は既に真っ暗な中、演じられる死闘。
切り替えを図るべくの桐蔭・安武了監督の指示が響き渡る中、気温も下がり寒風が吹き荒ぶスタジアム。
専用スタジアムが恋しくなるような状況で、延長戦の火蓋は切られました。
なお、札幌は頭に新たに加えられた交代枠を早速使い、井川→佐々木へと交代。

延長に入ると、札幌は普段の「相手のフォーメーションに合わせる」意味合いである4バックへの可変を、攻撃でも継続。
福森が左SBのような位置で組み立て、この日の中心となっていた左サイドアタックにさらに圧力を加えます。
延前4分にはその福森のパスを受けた田中宏がドリブルでエリア内左を突いてマイナスのクロス、ファーへ流れた所を金子がシュートするもブロックに阻まれ。

その逆の右サイドでは、3分に金子がドリブルする所を、桐蔭・神田が倒してしまい反則。
これで警告を受ければ2枚目で退場となる所でしたが、辛うじて避けられて命拾いとなった桐蔭。
何とか札幌の攻撃の流れを切り、10分には山内のパスをエリア内で受けた笠井がシュートするもブロックに阻まれ。
2-2の状況と同様に、札幌の攻撃を凌ぎつつ生まれた好機をモノにするというゲームプラン。
それでも右で金子が、左で田中宏がドリブルする所を、反則で止めざるを得ないという苦しい絵図が描かれ。
田中大・笠井がそれぞれ警告を受けてしまうという具合に、劣勢の感は否めません。

14分に田中宏のクロスから興梠がヘディングシュートを放つ(GK北村キャッチ)など、着実に攻勢を掛けていく札幌。
しかしゴールは奪えずに延長前半終了の笛が鳴り、勝負の後半へ。

そしてブレイクが挟まれても試合の絵図は変わらずに推移します。
札幌の攻勢を何とか凌ぎつつ、乾坤一擲の好機を掴みたい桐蔭。
延後5分にはこれまで得点を生み出していた山内のスルーパスがエリア内へと送られますが、寺沼の走り出しと呼吸が合わずに繋がらず。
蓄積疲労もピークといったシーン。

そしてその直後の6分でした。
金子(延長後半から、漆崎と立ち位置を入れ替えシャドーに)のサイドチェンジのパスが田中宏へと渡ると、クロスは上げずにショートパスでエリア内を突き。
そして福森縦パス→興梠ポストプレイを経て、エリア手前中央から金子のシュートが炸裂すると、GK北村も一歩も動けないゴールが突き刺さり。
とうとう耐えきれなかった、という逆転劇となりました。

それでも諦めない桐蔭を前に、9分には吉田のドリブルを反則で止めた札幌・藤村が警告を受け。
直後に残っていた交代枠を使用し、山内と寺沼に代えて27番・中村洸太と4番・大森を投入します。
そしてキャプテン・中野が最前線に上がるという布陣で、最後の攻勢に。

14分には神田の左サイドからのクロスに、左部が合わせヘディングシュートを放つもGK松原がキャッチ。
ノーチャンスでは無かったものの、パワーで勝る相手に対してパワープレイを仕掛けなければならないというのはやはり苦しく。
そして2分が取られたATも過ぎ去り、試合終了を告げる笛が鳴り響き。
まさに薄氷と表現すべき、勝利に辿り着いたのは札幌となりました。

本当に、本当に勝利まで後一歩だった桐蔭、悔しさが残る結果となりました。
しかし得たものは大きかった、と月並みな表現とするべく、リーグ戦に活かして欲しい所。
なお、来年の川崎入団が内定している山田は帯同せずだった模様。

一方の札幌、結果が全てというノックアウト方式での試合ながら、苦労が絶えない一日となり。
果たして勝利で得た安堵はどれ程のものだったか、3日後のルヴァンカップ広島戦でそれが明らかになるでしょうか。

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